配当金で副収入を得たい投資家にとっては、高配当株はとても魅力的です。
そのような投資家にVYMは、手軽に米国の高配当企業に投資できるETFのため注目されています。
では、このVYMで副収入をどれぐらい稼ぐことができるのでしょうか。また、月5万円の副収入を稼ぐために必要な投資資金はどれぐらいでしょうか。
この記事ではこのような疑問を解決していきます。
VYMの基本情報
VYMとは、正式名称を「Vanguard High Dividend Yield ETF」といい、日本語では「バンガード米国高配当株式ETF」として知られています。
その名の通り、バンガード社が運営し、米国株式市場に上場している高配当企業に投資をしているETFです。
ベンチマークは「FTSEハイディビデンド・イールドインデックス」という指数となっています。
バンガード社とは?
バンガード社は、米国に本社を置く世界有数の資産運用会社です。
楽天証券が取り扱う投資信託の純資産規模Top10には、バンガード社が取り扱う2つの投資信託がランクインしています。
FTSEハイディビデンド・イールド・インデックスとは?
FTSE社が提供する指数で、米国株式市場に上場(REITを除く)する高配当利回りの企業の時価総額を加重平均したものです。
構成銘柄
VYMに2025年1月14日現在で組み入れられている銘柄は次の通りです。
銘柄 | 組入比率 |
ブロードコム | 3.98% |
JPモルガン | 3.86% |
エクソンモービル | 2.86% |
ホームデポ | 2.30% |
プロクター・アンド・ギャンブル | 2.28% |
ウォルマート | 2.17% |
ジョンソン・エンド・ジェンソン | 2.02% |
アッヴィ | 1.75% |
バンク・オブ・アメリカ | 1.74% |
シェブロン | 1.46% |
(出典:バンガード社HP)
金融やエネルギー、小売り系などの企業が並んでいて、テック系企業の構成比率が高いS&P500などとは、セクター割合が異なります。
配当実績
VYMの配当は、四半期に一度(3月・6月・9月・12月)行われます。
2024年の年間配当は1株あたり3.49ドルだったため、現在(2025/1/13現在)の株価126ドルに換算すると、配当利回りは約2.8%です。
年に4回の配当が受けられることは魅力ですが、配当利回り2.8%は決して高い水準とはいえません。
【シミュレーション】VYMで配当金生活を送るためにはいくら必要?
夢の配当金生活を送るためには、VYMにいくら投資すれば叶うのでしょうか。
ここでのシミュレーションは、簡易的にVYMの配当利回りを3.0%として計算していきます。
いくら必要?月5万円の配当金の場合
配当金だけで暮らしていくことはできませんが、まず達成したい水準として月5万円に必要な金額を計算してみましょう。
月の目標金額 | VYMの配当利回り | 必要投資資金 |
5万円 | 3.0% | 2,000万円 |
単純な計算ですが、最低2,000万円を準備しなければ月5万円(年間60万円)の配当金を受け取ることはできません。
いくら必要?月3万円の配当金の場合
いきなり投資金額を2,000万円も準備することが大変という場合には、もう少し目標金額を下げてみましょう。
月の目標金額 | VYMの配当利回り | 必要投資資金 |
1万円 | 3.0% | 400万円 |
3万円 | 3.0% | 1,200万円 |
少し現実的な方も増えたのではないでしょうか。
最初の投資金額は数百万円単位という方は、月1~3万円を目指した方がいいかもしれません。
いくら必要?月10万円以上の配当金の場合
最後に配当金だけで生活をしていきたい方のために、シミュレーションしてみます。
月の目標金額 | VYMの配当利回り | 必要投資資金 |
10万円 | 3.0% | 4,000万円 |
15万円 | 3.0% | 6,000万円 |
20万円 | 3.0% | 8,000万円 |
30万円 | 3.0% | 12,000万円 |
家族構成にもよりますが、配当金だけで生活をしていきたい方は最低20万円というイメージではないでしょうか。
その場合、投資資金は最低8,000万円が必要になります。
VYMで配当金生活を送るためにはどうしたらいい?
ここまで見てきた通り、VYMで配当金生活を送るためには数千万円や1億円以上の投資資金を準備する必要があります。
ただ、過去にVYMに投資していた場合、もっと少額で配当金生活を送ることができます。
購入日 | 購入時株価 | 1株配当 | 配当利回り | 月5万円必要投資資金 | 月20万円必要投資資金 |
2020/1/2 | 94.1ドル | 3.49ドル | 3.7% | 1,622万円 | 6,486万円 |
2016/1/4 | 65.77ドル | 3.49ドル | 5.3% | 1,132万円 | 4,528万円 |
2012/1/3 | 45.89ドル | 3.49ドル | 7.6% | 789万円 | 3,158万円 |
2009/1/2 | 33.59ドル | 3.49ドル | 10.4% | 577万円 | 2,308万円 |
(参考:Trading View)
VYMの株価は、2009年の安値から約4倍になっており、右肩上がりです。
株価が上昇すれば、過去からVYMを保有していた投資家の配当利回りは上昇するため、少額で配当金生活が送れます。
もともと月20万円(年間240万円)の配当金を受け取るためには、8,000万円必要でしたが、早くVYMに投資していればいるほど、現在では少ない投資金額で配当金生活を送ることができています。
また月5万円であれば600万円あれば、15年後に配当金生活が送れていることになります。
さらに株価が4倍になっているため、含み益も発生しており、月20万円の配当を得ながら、資産が自然と増えている理想的な状態です。
積立投資も有効
長期的に株価が上昇することが前提ではありますが、投資を早く始めた方が、少額の投資で配当金生活に近づくことができます。
そのため、必要資金(例えば2,000万円)をためてから投資を始めるよりも、毎月コツコツと積立投資をする方が、効果的です。
SBI証券や楽天証券など大手証券会社では、毎月決まった日にちに指定した銘柄を自動的に購入できるため、最初に設定さえしてしまえば、あとはほっておいても大丈夫です。
VYMを購入するときの注意点
VYMを検討している方は次のような点に注意が必要です。
投資をする前にチェックしておきましょう。
為替リスク
VYMは、米国の企業に投資をするため、配当金も含めて全てドル建ての取引になります。日本企業への投資とは違い、為替リスクがあるため注意が必要です。
- 円高:マイナスの影響
- 円安:プラスの影響
現在(2025/1/13)はドル高円安にあるため、為替はプラスに働き、過去から投資していれば、円ベースでのトータルリターンは株高+円安で大きくなっているでしょう。
成熟企業が中心
VYMが投資対象とする「配当利回りが高い」企業は、成熟企業であることが一般的です。
成長産業であれば、配当という形で株主還元するのではなく、成長投資へ資金を振り向けます。そのため、VYMはS&P500に連動するETFなどに比べて、キャピタルゲインは劣る可能性があります。
まとめ
VYMは、米国の高配当企業に手軽に投資できるETFです。
VYMに投資して、月5万円ほどの副収入を得るには投資資金として約2,000万円を準備する必要があります。ただ、2,000万円を準備することは簡単ではありません。
そのため、副収入としての月5万円や配当金生活を送るための月20万円の収入を得たい投資家になるためのコツは、早く始めることです。15年前に始めていれば、4分の1の資金で目標を達成することができます。
また、まとまった資金で投資することも良いですが、少しでも早く始めるためにコツコツと積立投資を行うことも一案です。
月5万円の配当を受けとることは簡単ではありませんが、はじめの一歩をぜひ踏み出してみてください。
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ライター名:社会人ライター ひろきち