警察を名乗る電話は本物?名前を知っている理由と、話した後にやること

警察を名乗る電話は本物?名前を知っている理由と、話した後にやること

警察を名乗る電話で「口座が犯罪に使われている」「逮捕状が出ている」と言われ、LINEやビデオ通話に誘われたら、ニセ警察詐欺を疑ってください。警察庁は、本物の警察官はメッセージアプリで連絡せず、警察手帳や逮捕状の画像も送らないと書いています。

いま通話中なら、まず電話やビデオ通話を切ります。本物かどうかは、相手が言う番号ではなく、自分で調べた警察署の番号か警察相談専用電話#9110にかけて確かめてください。お金を振り込んだ人は、警察と、振り込んだ先の金融機関への連絡を急ぐ必要があります。相手がいまから家に来る、お金や金を取りに来ると言うなら110番です(この記事の整理)。

目次

ただし、名前や住所を言い当てられても本物とは限りません

名前や住所を言い当てられると、本物の警察だと感じても無理はありません。ただ、詐欺に名簿が使われることがあると、警察庁と個人情報保護委員会が書いています。

詐欺被害には、どこかから入手された名簿が使用されるケースもあります。

警察庁が個人情報保護委員会と作ったポスターの一文です。個人情報保護委員会は別のページで、犯罪者グループが不正に入手した名簿で相手をしぼり込んでいると考えられる、と説明しています。偽の逮捕状に被害者の実名が書かれ、LINEのビデオ通話で示された事例も、警察庁が公表しました。警察庁は、電話の相手の住所や氏名、資産、利用している金融機関などを探る、特殊詐欺が疑われる電話を「予兆電話」として数えています。警察が把握した分だけで、2026年1〜6月は11万9,778件でした。

名前や住所、実名入りの書類は、本物である証拠になりません。公式の記述から導いた、この記事の整理です。出典は特殊詐欺事案等における個人情報の保護(警察庁)、STOP!名簿流出(個人情報保護委員会)、ニセ警察官とのビデオ通話(警察庁)、令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)資料2(警察庁)の4ページです。2026年10月12日と13日に確認しました。

着信画面の番号も、本物の証拠にはなりません(誤解1)。警察庁によると、2025年に特殊詐欺に使われた電話番号の約75.5%は国際電話番号でした。2026年1〜6月に犯行に使われたとして報告された番号も、国際番号が2万8,991件で最も多く、携帯電話の番号は6,521件です(特殊詐欺全体の数で、未遂や相談を含みます)。受ける側では、2026年1〜6月のニセ警察詐欺の約6割が、携帯電話にかかってきた電話から始まっています。番号の種類だけで本物かを確かめる方法は、公式の資料には見当たりませんでした。出典はみんなでとめよう!!国際電話詐欺(警察庁)と、上の資料2の4ページ・12ページです。2026年10月13日に確認しました。

口座が本当に止められたか心配なら、口座のある銀行に、自分で調べた番号で確かめられます(この記事の整理です)。凍結の理由については、口座が凍結された理由を銀行が教えてくれないのはなぜ?条文で分かる4つの型の記事にあります。

本物の警察がしないこと

警察庁の特設ページは、本物の警察官がしないことを4つ挙げています。そのうち2つは次のとおりです。

ホンモノの警察官は、電話で捜査対象となっているなどと伝えることはありません。メッセージアプリで連絡をすることはありません。

ほかの2つは、警察手帳や逮捕状の画像を送ること、個人のスマートフォンに突然ビデオ電話をかけることです。このどれかに当てはまったら、電話やビデオ通話を切って警察署か#9110に相談するよう、警察庁は呼びかけています。

都道府県警察も同じ趣旨の文言を載せています。言われることと並べると次のとおりです。

本物の警察(公式の文言の要約)ニセ警察詐欺で言われること・されること出典
電話で「捜査対象となっている」などと伝えない。電話やテレビ電話で取り調べをしない口座が犯罪に使われている、出頭できないならテレビ電話で取り調べる、と言われる警察庁、兵庫県警察
LINEなどのメッセージアプリやSNSで連絡しないLINEやSNSに移るよう求められる警察庁、北海道警察、奈良県警察、警視庁
個人のスマートフォンに突然ビデオ通話をしないビデオ通話で制服姿や身分証を見せられる警察庁
警察手帳や逮捕状の画像を送らない。アプリやウェブサイトで逮捕状を見せない実名入りの偽の逮捕状を見せられる。偽の警察サイトに逮捕状のような書類が出る警察庁、警視庁、大阪府警察
調査などと言って口座にお金を振り込ませない。電話やSNSでお金を求めない「資産を保護する」「口座を調査する」と振り込みを求められる。暗号資産の取引口座に振り込ませる例も警視庁、北海道警察、奈良県警察
暗証番号を聞かない。キャッシュカードを預からない確認のためと言われ、カードを封筒に入れる・預けるよう求められる警察庁、埼玉県警察
預貯金を金に換えるよう指示しない金(金地金)を買わされ、玄関先に置く・郵送するよう指示される警察庁
ビデオ通話で裸になるなどの要求をしない犯罪の疑いを晴らすためと言って、裸になることや常時のビデオ通話を求められる兵庫県警察、警察庁

出典はニセ警察詐欺に注意!(警察庁)、ビデオ通話を悪用した偽警察官・検察官の詐欺(警察庁)、ニセの警察ウェブサイトに誘導する手口(警察庁)、キャッシュカード詐欺盗(警察庁)、警察官等をかたり金地金を詐取する特殊詐欺(警察庁)、ニセ警察詐欺の特異な手口(警察庁)、警察官等をかたる詐欺(警視庁)、最新の手口(警視庁)、ニセ警察詐欺が多発!(北海道警察)、ニセ警察詐欺に注意!!(埼玉県警察)、ニセ警察詐欺に注意(兵庫県警察)、警察本部のウェブサイトを悪用する詐欺の手口(大阪府警察)、奈良県警を名乗る詐欺電話(奈良県警察)です。2026年10月12日に確認しました。

ニセ警察詐欺の典型的な流れ

警察庁と都道府県警察の説明をつなぐと、よくある流れは次のとおりです。名乗り方や順番は事例によって違います。

  1. 固定電話や携帯電話に、警察官を名乗る電話が入る。電話会社や総務省を名乗る電話、自動音声の案内から、警察官役に代わる例も
  2. 「口座が犯罪に使われている」「逮捕される」と不安をあおられ、資産の状況を聞かれる
  3. LINEなどのSNSやビデオ通話に誘われ、偽の警察手帳や実名入りの逮捕状を見せられる。検察官を名乗る人物が出る例も
  4. 「捜査の内容は誰にも話してはいけない」と口止めされる
  5. 「資産を保護する」「口座を調査する」と言われ、ネットバンキングなどで振り込まされる。暗号資産の取引口座に振り込ませる例も
  6. 金(金地金)を買わされ、玄関先に置く・郵送するよう指示される。渡し方は、指示された場所への郵送のほか、受け子と呼ばれる人物が家に回収に来る手口が大半でした(2025年の被害)。店で目的を聞かれたら「資産運用」と答えるよう言われた例もあります

出典は、ここまでに挙げた警察庁と警視庁のページ(資料2を含む)です。2026年10月12日に確認しました。

被害の規模(2026年1〜8月の暫定値)

警察庁の暫定値では、2026年1〜8月のニセ警察詐欺は6,346件・728.6億円で、手口別の被害額ではSNS型投資詐欺に次ぐ2番目でした。1〜6月の集計では70代が最多ですが、警察庁は幅広い年代に被害が及ぶとしています。

期間件数被害額補足
2026年1〜8月(暫定値)6,346件728.6億円前年同期比で件数4.1%減、被害額27.0%増
2026年1〜6月(暫定値)4,466件507.9億円既遂1件あたり1,163.9万円。最初の接触は電話が9割以上
2025年1〜12月(確定値)1万1,014件1,005.0億円多くは当時の区分でオレオレ詐欺に計上

警察庁は2026年から区分を変え、ニセ警察詐欺を独立した手口にしました。SNS型投資・ロマンス詐欺も加わったため、特殊詐欺全体の数字は、2025年以前に公表された値とそのまま比べられません。2025年の確定値でも、ニセ警察詐欺は「警察官等をかたり捜査(優先調査)名目で現金等をだまし取る手口」として件数が示されています(当時はオレオレ詐欺などの手口の中に含まれていました)。表の前年同期比は、警察庁の資料が示す値です。

出典は令和8年8月末の特殊詐欺の状況(警察庁)、令和8年上半期の特殊詐欺の状況(警察庁)、令和7年の特殊詐欺の状況・確定値(警察庁)と、上の資料2です。2026年10月12日に確認しました。

話してしまった・払ってしまった後にやること

いまの状況に近い行から読んでください。表の下に、公式の案内がない点を書いています。

いまの状況公式の案内連絡先
①電話がかかっている最中電話やビデオ通話を切る。相手が教える番号には折り返さない(警察庁)自分で調べた警察署、#9110。相手が家に来ると言うなら110番
②切ったが、名前や口座のことを話した警察署か#9110に相談する(警察庁)。偽サイトにIDやパスワードを入れたなら、すぐ変えてサービスの会社に相談する(警察庁)警察署、#9110、取引のある銀行
③LINEなどの連絡先を教えた・ビデオ通話をしたすぐに連絡を取るのをやめて警察に相談する(埼玉県警察)警察署、#9110
④お金を振り込んだ・暗号資産や金を渡した振り込み:警察と振込先の金融機関に連絡し、口座の取引停止を頼む(政府広報オンライン、金融庁、預金保険機構)。暗号資産:使った取引所に連絡(日本暗号資産等取引業協会)。金:警察署に相談警察署か#9110、振り込んだ先の銀行、取引所

②で暗証番号やネットバンキングのログイン情報を電話で伝えた場合の手順は、公式には見つかりませんでした。偽サイトに入力したときの警察庁の案内(パスワード等の変更、サービスの会社への相談)にならい、取引のある銀行にすぐ相談するのがこの記事の整理です。

③のやりとりの画面や履歴は、消さずに残すと相談のときに経緯を伝えやすくなります(この記事の整理)。①の110番は、政府広報オンラインの110番の説明にもとづく整理です。④の金は、金の購入や屋外に置くよう指示された段階で警察署等に相談するよう、警察庁が呼びかけています。渡した後の相談先として警察署を挙げたのは、この記事の整理です。

振り込んだら、急いで金融機関に連絡する理由

振り込め詐欺救済法では、金融機関が振込先の口座を凍結し、被害者の申請にもとづき、残っているお金から分配金を支払います。政府広報オンラインは、急ぐ理由を次のように書いています。

ただし、犯人が口座からお金を引き出してしまった後では、残金が少なく、被害回復分配金で取り戻せるお金はほとんどなくなってしまいます。

支払われる額は、凍結されたときの口座の残高が上限です。金融庁は、全額が支払われない場合や支払いがない場合もあり、支払いまで少なくとも半年以上かかるのが一般的だとしています。連絡する先は、振り込みを依頼した銀行ではなく、振り込んだ先の口座がある銀行です(全国銀行協会)。

救済法の対象は、預金口座などへの振り込みです。暗号資産を送った場合や、金・現金を手渡した場合の扱いは、今回読んだ公式ページには書かれていませんでした。

被害のあとで「お金を取り戻せる」と持ちかける連絡にも気をつけてください。金融庁によると、救済法の返金は預金保険機構と金融機関の手続だけで、預金保険機構がお金を求めることはありません。

出典は振り込め詐欺救済法の案内(政府広報オンライン)、振り込め詐欺等の被害にあわれた方へ(金融庁)、振り込め詐欺救済法 Q&A(預金保険機構)、金融犯罪に遭った場合のご相談・連絡先(全国銀行協会)、返金制度を装った詐欺行為について(金融庁)、暗号資産に関する詐欺に遭わないために(日本暗号資産等取引業協会)、フィッシング対策(警察庁)、#9110の案内(政府広報オンライン)と、上の埼玉県警察、ニセ警察詐欺に注意!(警察庁)、警察官等をかたり金地金を詐取する特殊詐欺(警察庁)のページです。2026年10月12日に確認しました。

よくある誤解

誤解1「末尾が0110の番号からだったから本物」

警視庁は、末尾が0110の警察署の代表番号などを、着信画面に偽って表示させる手口を注意喚起しています。「+」から始まる国際電話番号にも、末尾が0110のものが多く見られます(警察庁)。警察庁は、実在する警察署の番号が使われていても本物と信じず、警察署か#9110に相談するよう呼びかけています。出典は警察官等をかたる詐欺(警視庁)とニセ警察詐欺に注意!(警察庁)です。2026年10月13日に確認しました。

海外の番号からの電話を家の電話やスマホで止める方法は、国際電話の着信拒否と警察庁推奨アプリの記事にあります。

誤解2「ビデオ通話で制服と警察手帳が見えたから本物」

警察庁によると、犯人はビデオ通話で制服姿や身分証を見せ、本物の捜査員のように振る舞います。警察庁の呼びかけは次のとおりです。

例え、ビデオ通話で身分証を提示されても絶対に信用せず、不審な電話やビデオ通話を受けた際は、一度電話を切って最寄りの警察署にご相談ください。

出典はビデオ通話を悪用した偽警察官・検察官の詐欺(警察庁)です。2026年10月13日に確認しました。警察官役の顔をAIで作ってだましていた事件は、日本で確認されているAI詐欺の記事にあります。

誤解3「捜査中は家族にも話してはいけない」

口止めは、手口の一部として公表されています。警察庁が紹介した事例では、犯人が「捜査の内容は誰にも話してはいけない」と強く口止めしていました。警視庁は、いったん電話を切り、家族や知人に相談してから折り返すよう呼びかけています。折り返す先は、相手が教えた番号ではなく、自分で調べた警察署の番号にしてください(警察庁)。出典はニセ警察官とのビデオ通話(警察庁)、ニセ警察詐欺に注意!(警察庁)、警察官等をかたる詐欺(警視庁)です。2026年10月13日に確認しました。

警察ではなく家族を名乗って「お金が必要」と言う電話の確かめ方は、家族の声をまねる電話と合言葉の記事にあります。

自分で確かめる方法

警察庁・都道府県警察・政府広報オンラインの案内を、手を動かす順に置き直すと次の6つになります。順番は、この記事の整理です。

  1. 電話やビデオ通話を切ります。切る前に相手の所属・氏名・内線番号を聞く方法を、警視庁と兵庫県警察が案内しています
  2. 相手が教える番号には折り返しません(警察庁)
  3. 警察署の電話番号を自分で調べます(警察庁)。警察庁の「都道府県警察の連絡先、警察署一覧」からたどれます
  4. 調べた警察署か#9110にかけて、名乗った人や話の内容が本当かを確かめます。警察署へ行って対面で相談する方法もあります(警察庁)
  5. 家族や知人に話します(警視庁)
  6. 振り込み、金の購入、カードの受け渡しは、確かめ終わるまで進めないでください。政府広報オンラインは「すぐに振り込まない!一人で振り込まない!」と呼びかけています

出典は都道府県警察の連絡先、警察署一覧(警察庁)と、ここまでに挙げた警察庁・警視庁・兵庫県警察・政府広報オンラインのページです。2026年10月12日に確認しました。

相談先と受付時間

公式ページにある相談先と受付の情報は次のとおりです。

窓口使う場面公式ページの記載
110番相手が家に来るなど、今すぐ警察官に来てほしいとき緊急の事件・事故を受け付ける(政府広報オンライン)
警察相談専用電話 #9110緊急でない相談、本物かどうかの確認全国共通。平日8時30分から17時15分(都道府県警察本部で異なる)。土日祝と時間外は、24時間受付の一部の県警を除き当直か音声案内。ダイヤル回線や一部のIP電話からは使えず、都道府県ごとの警察総合相談電話を使う
最寄りの警察署対面での相談番号は自分で調べる(警察庁)
振り込んだ先の銀行振り込んだ口座の取引停止を頼む全国銀行協会が、銀行ごとの連絡先を一覧にしている
消費者ホットライン188どこに相談すればよいか分からないとき身近な消費生活センター等を案内。相談は無料で、通話料は負担。土日祝も原則毎日(施設点検日・年末年始を除く)

出典は#9110の案内(政府広報オンライン)、ご意見、各種相談・情報提供等(警察庁)、消費者ホットライン(消費者庁)、金融犯罪に遭った場合のご相談・連絡先(全国銀行協会)と、上の警察官等をかたり金地金を詐取する特殊詐欺(警察庁)のページです。2026年10月12日に確認しました。

まとめ

  • 本物の警察官は、LINEなどのメッセージアプリで連絡せず、警察手帳や逮捕状の画像も送りません(警察庁)
  • 調査などと言って口座にお金を振り込ませることはない、というのが警視庁の説明
  • 詐欺に名簿が使われることもあります(警察庁・個人情報保護委員会)。名前や住所を知られていても本物の証拠にはならない、というのがこの記事の整理です
  • 着信画面の警察署の番号や、末尾0110の表示も偽装の手口あり
  • 確かめるときは、いったん切って、自分で調べた警察署か#9110へ
  • 振り込んだら、警察と振り込んだ先の銀行へ急いで連絡。引き出される前なら、残高から分配金が支払われる可能性があります

この記事に書いた内容は、2026年10月12日から13日にかけて各公式ページで確認しました。

お金の話は、根拠のあいまいな情報がそのまま広がっていることがあります。このサイトでは、法律の条文や官庁・業界団体の資料まで戻って、確認した日付とあわせて書いています。実際に出回っている誤りを訂正した例も含め、ほかの調べ物は人に聞けないお金の質問にまとめました。

広告

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次