投資を始めた方、始めようとしている方であればインデックスファンドという言葉を一度は聞いたことがあると思います。なぜ、初心者にインデックスファンドがおすすめなのか、投資する際のポイント、おすすめするインデックスファンドについて解説します。直近5年間で70万円以上の利益を出した筆者が、インデックスファンドをおすすめする理由は、投資の勉強時間がない方でも、色んな企業に分散投資することでリスクを減らし、長期間、つみたてNISA等でコツコツ資産形成が可能となるからです。具体的に選択すべきインデックスファンドについても記載しましたので参考になればと思います。
1.おすすめのインデックスファンドは、全米株式インデックス・ファンド
これは人口が増加傾向で、世界経済を牽引するアメリカの株式市場全体の95%をカバーするインデックスファンドです。アップル、マイクロソフト、アマゾン等、世界を代表する有名企業を含むアメリカ企業全体の詰め合わせパックのようなものになります。
個人的に一番おすすめのインデックスファンドとなります。確かに、アメリカ以外の国、例えば新興国が経済成長する可能性もあるのではと思う方もいるかもしれません。しかし、私たちに身近な存在であるマクドナルドのように、アメリカのグローバル企業は、世界全体に進出しており、世界中で利益を挙げています。そのためアメリカ全体に投資すれば、新興国の経済成長も取り込めると考えています。具体的に、インデックスファンドを購入するには、証券会社ごとに異なりますが、SBI・V・全米株式インデックス・ファンドや楽天・全米株式インデックス・ファンドを選択することになります。
2.そもそもインデックスファンドとは
インデックスファンドとは、様々な「株価指数」に価格が連動するように、それぞれ設計された投資信託のことです。このためインデックスファンドは世界中に数多くあります。
そして、特定の株価指数に連動するように、金融のプロが株の詰め合わせパックをインデックスファンドとして作成したものを私たちが選ぶことになります。詰め合わせパックの代表例としては、国内株式である日経平均に連動した日経平均株価・インデックス、全米株式であるアメリカ株式全体に連動したCRSP USトータル・マーケット・インデックス、全世界株式である世界中の株式全体に連動したMSCIコクサイ・インデックスがあります。
3.インデックスファンドはこんな人におすすめ
(1)投資を勉強する時間がない方
一般的に株式投資をする上では、国際情勢や企業動向を確認しながら、自分が投資した企業にどういう影響が出るのかを日々考える必要があります。私も個別株投資のみをしていた時は、毎日、経済ニュースを確認し、日経新聞を読み、日々の株価の上下に一喜一憂していました。投資を始めた当初はこの状況を楽しんでいたのですが、一年ほどが経過し、仕事をしながらこの生活は難しいと感じるようになり、徐々にインデックスファンドにシフトするようになりました。お金の勉強は最小限におさえつつ、資産形成を着実に効率よく行いたい方におすすめです。
(2)色んな企業に分散投資することでリスクを減らしたい方
一つの企業に投資をした場合、その企業が万が一倒産してしまうと、投資したお金はほぼ返ってきません。しかし、インデックスファンドの場合、色んな企業に少しずつ分散して投資することになるので、そのようなリスクを限りなく少なくすることができます。全米株式インデックスですと、アメリカの時価総額の大きい企業であるアップル、マイクロソフト、アマゾン等だけでなく、小さい企業まで分散して投資することになります。したがって、成長企業がどんどん出てくるアメリカにおいて、その成長を自分の資産形成に取り込むことができます。色んな企業に分散投資を行い、リスクを減らしつつ、資産形成を行いたい方におすすめです。
(3)長い期間つみたてNISAでコツコツ貯めることに興味がある方
つみたてNISAとは、少額の長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。非課税の新しく投資できる額は毎年上限40万円となります。これは通常、株価上昇により売却して利益が出た場合、約20%を税金として徴収されるところを、つみたてNISAを活用し利益が出た場合は課税されないことになります(非課税投資枠は20年間)。インデックスファンドは積立期間が長ければ長いほど、利益が出やすいことは歴史が証明しています。つみたてNISAの非課税投資枠が20年間というメリットを有効利用し、コツコツ貯めていきたい方におすすめです。
4.インデックスファンドはどうやって選べばよいか
私がおすすめする方法は、投資対象地域から選ぶ方法です。言いかえれば、今後、経済成長していく地域はどこになりそうかという観点で選びます。これは、一般的には、投資対象として選ぶ範囲が狭ければ狭いほど、リターンは大きくなりますが、リスクももちろん大きくなります。例えば、一つの企業に投資し、その企業が急成長した場合、投資したお金は何倍にもなります。しかし、その企業が倒産した場合は、投資したお金は戻りません。だからこそリスク分散のため、インデックスファンドで詰め合わせパックを購入をするのですが、その投資対象の範囲、地域をどこまで広げるかを考える必要があります。ここでは、おすすめ3選として全世界株式、全米株式、米国株式(S&P500)を紹介します。
(1)全世界株式
全世界株式はその名のとおり、世界の株式市場全体に投資ができます。時価総額の大きい企業に多く投資されるよう投資比率が自動的に調整されます。現在は、アメリカ企業が世界経済の成長を引っ張る存在ですが、今後もずっとその状態が続くかは分からないのではと思う方におすすめです。ただ、低成長が続く国の株式にも投資することになることがデメリットとなります。一度投資先を決めたら、国際情勢がどう変わろうと20~30年間は変えないという方にはおすすめです。
全世界株式はご利用の証券会社から下記を選択すると投資できます。
・eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
・SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド
・楽天・全世界株式インデックス・ファンドなど
(2)全米株式
世界経済の成長エンジンであるアメリカ企業全体の約4,000社に分散投資ができます。アメリカは世界中から人が流入することで、優秀な頭脳が集まり、その結果、新しい成長企業が生まれ続けています。小さい企業だとしても、急成長し、世界を変えるような企業が生まれています。私はこういった小さい企業の成長も取りこぼしなくフォローしたいという思いから主に全米株式のインデックスファンドを積み立てています。
全米株式はご利用の証券会社から下記を選択すると投資できます。
・SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
・楽天・全米株式インデックス・ファンドなど
(3)米国株式(S&P500)
アメリカの大型株の代表銘柄の詰め合わせパックのようなもので、アメリカ株式市場全体の約80%をカバーしてます。S&P500に採用される企業は、利益を維持している、時価総額が一定以上等の厳しい条件をクリアしており、さらに定期的に入れ替えがされる性質上、優秀な企業の集まりとなります。このような理由から多くの投資家から選ばれているインデックスファンドです。
米国株式(S&P500)はご利用の証券会社から下記を選択すると投資できます。
・SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
・三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
5.まとめ
インデックスファンドは、投資の勉強時間が取れない方でも、世界で成長する様々な企業に分散投資することでリスクを減らし、長期間、つみたてNISA等でコツコツ資産形成が可能となることからおすすめします。筆者自身、直近の5年間で全米株式を始めとするインデックスファンドをコツコツ積み立てることで70万円以上の利益を出すことができました。その間、新型コロナ感染症の影響等により世界経済の成長が停滞する時期もありましたが、その間、立ち止まることなく、機械的に毎月積み立てることにより、資産を増加させることができています。これからも確かに未来がどうなるのかは誰にも分かりません。しかし、歴史が証明しているように世界の経済は成長し続ける可能性が高いことを考え、あなたに合ったインデックスファンドを選択することをおすすめします。
ライター名:山前