2023年5月29日、トルコ共和国大統領選挙決選投票がおこなわれました。
結果は現職のエルドアン大統領が野党候補クルチダルオール候補を破り、再選を果たしました。
遠い中東の1国家の選挙戦を注視する理由は現地通貨「トルコリラ」のゆく末にあります。
エルドアン大統領がトルコを率いたこの20年、トルコリラの価値は10分の1程度まで価値を下げました。
トルコリラに投資した人間の大半は資産を減らしています。
筆者もそのうちの一人です。
ここでは、トルコリラで大損した体験談と大損した理由を詳細に述べます。
筆者の体験談はこれから投資する人への戒めになるはずです。
ぜひ最後まで読んでください。
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トルコリラ大損した理由
エルドアン大統領の独特な金融政策
自国の貨幣価値を守るためには金利を上げて貨幣の流出を防ぎます。
それが一般的な金融政策です。
しかし、エルドアン大統領は「金利は悪である」という考えです。
「金利を下げれば、輸出が増えるので自国通貨の価値は高まる」
アメリカのFRBが金利を上げている最中、そのような金融政策をおこなっていたのです。
結果はこの1年のトルコリラです。
対ドルで2分の1の価値に下がっています。
円においても同程度の下落です。
エルドアン大統領の考えの根源にはイスラム教があります。
イスラム教のコーランには利子を禁じる記載があります。
「利子は裕福lな人間が貧しい人間から搾取する蛮行」
コーランではそのように記載されています。
地政学的難しさ
通貨が不安定な理由は地政学的な問題もあります。
シリアと国境を接し、国内はクルド人問題を抱えています。
くわえて、昨今は近隣のウクライナが悩みの種です、
このような状況ですので、常にインフレには悩まされています。
トルコリラ大損体験談
筆者体験談
1,100万円が半分に目減り
筆者がトルコリラに投資したのは2021年からです。
厳密にいうと、「トルコリラ建ゼロクーポン債」という金融商品を購入しました。
筆者がこの金融商品を購入した際、円に対しての為替相場は1リラ=14円まで下落していました。
くわえて、利子は年9%の高金利です。
リーマンショック前は1リラ=90円の価値でした。
約10年で5分の1程度下落しています。
このチャートを見た際、筆者は色めきたちました。
それが悲惨なトルコリラ大損体験の序章でした。
筆者がトルコリラに出資した要因は以下です。
- トルコリラの下落は底を打った
- 世界20位以内の経済大国
この2つを理由に1,100万円もつぎ込みました。
最初は800万円でした。
800万円だけにしておけばよかったのに、さらに300万円つぎこみます。
都合1,100万円です。
トルコリラの為替は変わらず、1,100万円に毎年9%の利子がつくと仮定します。
1,100万円×0,09=99万円
そして、それが5年間継続すると仮定します。
99万円×5=495万円
元本保証で495万円の利益です。
これが私が描いた青写真です。
まさしく捕らぬ狸の皮算用。
都合の良いことばかり考えて前述したリスクは考慮に入れていませんでした。
結果は周知のとおりです。
約半分に目減りしてしまいました。
しかし、筆者の悲劇は現在進行形です。
ゼロクーポン債の満期は5年です。
残り約3年も残っています。
エルドアン大統領が金融政策を見直す可能性は低く、さらに下落する可能性があります。
一時は少し上昇してぬか喜び
下落の一途をたどっていたトルコリラですが、2021年にわずかな光明が差し込みます。
それは当時のトルコ中銀アーバル総裁の金融政策です。
前年11月の就任当初から政策金利を上げ続けました。
それが市場から好感を持たれ、物価は下げ止まりました。
トルコリラも一時安定し、1リラ=15円を試す動きもありました。
折しも、筆者がトルコリラに投資した時期です。
自分のトルコリラも利益を出しました。
「順調にいけば、描いた青写真の未来が到来する」
そのような夢を見ましたが、現実は甘くありませんでした。
エルドアン大統領がアーバル総裁を解任したのは2021年3月。
わずか半年の在位でした。
この解任は国際社会に衝撃を与えました。
もちろん、トルコリラは急落してしまいます。
筆者の青写真は水泡に帰し、ぬか喜びになってしまいました。
見通しの甘い考えで大損
前述したように、1,100万円をトルコリラに投資して大損を被った筆者。
悪いのは誰でもありません。
筆者自身です。
筆者は以下の2項目を理由に投資しました。
- トルコリラの下落は底を打った
- 世界20位以内の経済大国
いまさらですが、甘い見通し以外のなにものでもありません。
以下の項目が少しも考慮されていませんでした。
- トルコが地政学的にどのような場所か?
- エルドアン大統領がどのような思想の持ち主か?
冒頭で紹介したようにトルコは地政学的に複雑な地域です。
くわえて、エルドアン大統領は強権的でイスラム色の強い政治家です。
そのような人間が統治する国に投資する場合、より慎重にならなければなりません。
とくに、大統領の強権性に気を付けなければなりませんでした。
2016年、クーデターを画策した容疑でアメリカ人牧師を拘束した事件は欧米を震撼させました。
その直後、トルコリラは大暴落します。
このように人権が保障されていない国家であれば、国際社会は投資資金を引き揚げます。
自分が投資する国はそのような国家でした。
しかし、前述したように短絡的な推察のみで投資をおこなってしまいました。
そして、多額の損失を出してしまいます。
まとめ
ここでは筆者のトルコリラ大損体験談を述べました。
いかがでしたか?
詳細に調査もせずに投資した場合、悲惨な目にあうことを理解できたでしょう。
これから資産運用する人は自分が投資する対象を吟味してください。
そして、大事な自己資産を大切にしてください。
減らす必要のない金銭を減らすことほど馬鹿馬鹿しいことはありません。
この記事を読んでくれた人の資産運用が成功することを願って筆をおきます。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
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