旅好きの方であれば、旅行しながら働くことに憧れる方は多いですよね。
筆者も国内海外問わず旅が好きで、現在は縁あって海外在住です。
旅行しながら仕事すると言っても、働いて収入を確保しながら休暇中に旅を楽しむ方法、旅行自体を仕事にする方法、旅先でできる仕事をするなど、色々なパターンがあります。
今回は、旅行しながら働きたい方に向いている職業のほか、将来海外に住みたい方に向けて、海外在住の筆者が、語学以外で日本にいるうちから身に着けておくといいと思う技術などもご紹介します。
1.収入をしっかり確保しながら、休暇をフル活用して旅行を楽しむ
働きながら休暇で旅を楽しみたい場合、長期休暇が取りやすい職場ということが大切です。
仕事の募集要項では休みが多いように見えても、実際に入社してみると休みが取りにくくて、休日は疲れ果てて旅行どころではない、ということもよくある話ではないでしょうか。
ここでは長期休暇が取りやすい職場の特徴として考えられるものをいくつかご紹介します。
長期休暇が取りやすい職場
年間休日数が120日以上
厚生労働省の令和5年就労条件総合調査の概況によると、令和4年1年間の労働者1人あたりの年間休日数の平均は115.6日でした。
1企業あたりの平均年間休日数は110.7日です。
日数ごとで見ると、一番多いのが年間休日120〜129日で32.4%、二番目に多い100〜109日が31.04%です。
会社の制度として年間休日が120日以上あると休暇が比較的多いと言えます。
(出典:厚生労働省令和5年就労条件総合調査の概況)
有給休暇の取得率が高い
有給休暇の取得率が一番高いのは「複合サービス事業」で74.8%、次いで「電気・ガス・熱供給・水道業」が 73.7%です。
1位の「複合サービス事業」とは具体的にどういう業種かというと、統計局の資料に下記の記述がありました。
信用事業、保険事業又は共済事業と併せて複数の大分類にわたる各種のサー ビスを提供する事業所であって、法的に事業の種類や範囲が決められている郵便局、農業協同組合等が分類される。
(出典:統計局)
ちなみに、有給休暇取得率が一番低いのは49.1%の「宿泊業、飲食サービス業」です。
(出典:厚生労働省令和5年就労条件総合調査の概況)
外資系企業
外資系企業は、日系企業に比べて長期休暇が取りやすい傾向があります。
外資系企業は成果さえ上げていれば、有給休暇を100%取っても、長い休みを取っても、従業員の当然の権利として浸透している場合がほとんどです。
「成果を上げる」と言われると、ものすごい競争の中で神経をすり減らしながらというような印象を受ける方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、事務職もありますし、日本に工場がある企業なら、工場の現場で働く方法もあります。
マネージメント職より給料は少なくなる可能性はありますが、会社によってはマネージメント職に比べて組合がしっかりしていて従業員の権利も確保されやすいなどの利点もあります。
工場は地方にあることも多いですから、地方在住の方にとって現地採用のチャンスもあります。
筆者も外資系企業で事務の仕事をしていたことがありますが、多くの社員がほぼ毎年100%有給休暇を消化していました。
また、毎年長期休暇を取る人も少なくありませんでした。
日ごろから業務を効率化することを意識していれば、休暇を取りやすくなるだけでなく、結果的に生産性を上げることにもつながり、会社のためになるということもあります。
2.仕事と仕事の合間に旅行を楽しむ
短期の派遣やバイトなどで働きながら、仕事と次の仕事の間に旅行を楽しむという方法もあります。
休暇を取るわけではないので、周りに迷惑をかけるという罪悪感なしに旅行を楽しめることや、自由度が高いという長所があります。
短所としては生活が安定しない点が挙げられます。
短期で働くにしても、専門的なスキルや技術が身につく業種を選ぶなどで、将来を見越した仕事選びをするといいかもしれません。
3.旅行を仕事にする
旅行を仕事にする例としては、次のような仕事があります。(仕事内容の説明については、厚生労働省の職業情報提供サイトから抜粋しています)
ツアーコンダクター
団体旅行に同行して、予定通りの旅行ができるよう。
また、参加者が快適な旅を楽しめるようにするのがツアーコンダクター(旅程管理主任者)である。添乗員とも呼ばれ、世界や日本全国を舞台に仕事をする。
(出典:厚生労働省)
通訳ガイド
来日した外国人に付き添い、外国語を用いて、旅行に関する案内をする。
(出典:厚生労働省)
パイロット
乗客や貨物を運ぶ国内・国際路線の航空機を操縦したり、写真撮影、遊覧飛行、航空測量などを行う小型飛行機やヘリコプターを操縦する。
(出典:厚生労働省)
客室乗務員
乗客が安全で快適に旅行ができるように、航空機内で乗客の世話など様々なサービスや緊急時の保安対応を行う。
(出典:厚生労働省)
4.旅行中に仕事する
旅行中に仕事をしたいという方は、自分でスケジュールを調整できる仕事に就くという方法もあります。
例としてはフリーランスのWebライターやWebデザイナー、YouTuberなどです。
フリーランス(Webライター、Webデザイナーなど)
これらの仕事は、実績を積むまでの間は収入が少なくなる可能性が高く、短期での仕事と同様、安定しにくい点には注意が必要です。
また、自分でスケジュールが調整できるので旅行中全く仕事をしないということも可能です。
しかし、スケジュール調整がうまくいかないと、旅行中、ホテルでずっと仕事、ということにもなりかねませんので、スケジュール調整がしっかりできる方に向いていると思います。
YouTuber
収益化ができていて安定的に収入がある場合は、旅先でも動画撮影もできて一石二鳥とも言えます。
ただし、編集作業などもありますので、こちらも自己管理が大切ですね。
5. 海外に住みながら働く
ワーキングホリデー
18歳から30歳までの方なら、ワーキングホリデーという方法があります。
ワーキングホリデービザは、観光、就学、就労ができるビザで、下記の29カ国が対象です。
オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、韓国、フランス、ドイツ、イギリス、アイルランド、デンマーク、台湾、香港、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、オーストリア、ハンガリー、スペイン、アルゼンチン、チェコ、チリ、アイスランド、リトアニア、スウェーデン、エストニア、オランダ、イタリア、フィンランド、ラトビア
(出典:一般社団法人日本ワーキングホリデー協会(JAWHM))
駐在員として働く
日本の企業に雇用された状態で海外に赴任する方法です。
会社を辞めずに安定した収入を得ながら海外で働くことが可能です。
ただし、必ずしも自分の希望した場所に赴任できるとは限らないことや、期間も会社が決めるので思い通りにはならないという点は考慮しておく必要があります。
海外で就職する
駐在員と違い、自分で場所を選べるので、外国での就職活動に挑戦してみたい方には向いています。
日本とは健康保険などの制度が違うので、就職先の国の制度や会社の待遇などを事前にしっかりチェックしましょう。
日本人向けの求人が多い職種
日本人向けの求人が多い職種としては下記のようなものがあります。
- 営業職
- エンジニア
- 日本語教師
- USCPA(米国公認会計士)
日本にいるうちに身につけるべき仕事の技術や職業【海外在住の筆者の考え】
日本人が海外で働くうえで、高いハードルになるのは就労ビザだと思います。
国際結婚で配偶者が就職先の国の人であるなどの理由で永住権があるか、確実に就労ビザが取れる場合は別ですが、そうでない場合、ビザサポートがある仕事を探すと安心です。
海外ですでに事業をおこなっている日本の企業でも、日本人を雇用したい場合はビザ取得をサポートしてくれるところも少なくありません。
この点を踏まえて、上記の「日本人向けの求人が多い職種」に挙げた仕事以外で、日本にいる間に技術を身に着けておくと、比較的高収入で、ビザサポートのある仕事を見つけやすいと思う職業をここでは2つ挙げます。(ビザサポートがある仕事に応募する場合でも、サポート内容などの詳細を事前に確認するようにしてくださいね。)
1. 美容師
特に日本人が多い地域では、薬剤などもすべて日本のものを使っていて、日本で腕を磨いた美容師さんというのはとてもありがたがられる存在です。
すでに技術がある方なら、指名も取れ、高収入が期待できると思います。
現地の人でも、日本人に髪を切ってほしいとわざわざ日系の美容室に通う方もいます。
日系の美容室は日本人の美容師さんであることが売りの場合が多いので、ビザサポートしてでも日本から雇用しようとするケースも多い印象があります。
2.和食料理人、すし職人
美容師と同じような理由で、和食の料理人やすし職人は、日本人であるということに大きな価値があります。
日本では当たり前でも、海外では日本人であること自体が付加価値となる場合もあり、ビザの取得をサポートしてくれるところも多いと思います。
まとめ
色々な場所に行って、たくさんの経験を積むことで、その後の人生の選択肢が広がります。
旅行で訪れて気に入った場所に住みたくなる場合もあると思いますが、観光で行くのと住むのとではイメージが違うこともあります。
まずは何度か訪れて、物価や交通の便、病院などの現地事情を住人の目線で見てみることをオススメします。
旅や仕事に何を求めるかを考え、自分のライフスタイルにあった方法で、安全に旅を楽しんでくださいね。
ライター:Pono