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生活保護の障害者加算がもらえる条件とは!? 申請から支給までを解説

生活保護を受給されている方々の中には、身体に障害があるために普段の生活が困難となるケースが多く、お金の負担が増え生活費を圧迫する場合があります。

そのため、月々の生活保護費に上乗せ支給される障害者加算という制度があります。

障害者加算は、「身体障害者手帳1〜3級」、「精神障害者保健福祉手帳1〜2級」、「障害年金1〜2級」の方が給付対象です。

長年、障害者福祉施設にて勤務してきた筆者が、障害者加算の申請から支給など、詳しい仕組みを解説します。

役立つ知識を載せていますので、ぜひお役立てください。

障害者加算って何?

障害者加算とは、生活保護を受給している世帯の中で障害者の方がいる場合に、一定額が加算される仕組みです。

このいきさつは、障害を持たない方よりも身体的にハンデがある影響で金銭面での負担が多くなり、最低限度の生活を営むことに困難を極めてしまうため、その分の経済的支援を多くする考えから来ています。

障害者加算は「身体障害者手帳1〜3級」、「精神障害者保健福祉手帳1〜2級」、「障害年金1〜2級」を所持している方に支給されます。

知的障害者の方の場合、「療育手帳」は支給されません(障害年金を受給されている方は対象)。

障害厚生年金3級では支給されない

一般企業などで働き、厚生年金に加入していた方が、会社在籍中にケガまたは病気にて障害者になった場合、障害厚生年金3級が支給されることがあります。

ですが、障害者加算は年金の場合「障害年金1〜2級」が対象のため、3級の場合では支給されません。

精神障害者の場合は障害者手帳2級以上

精神障害者(知的障害を併発している精神障害者も含む)は、精神障害者保健福祉手帳の1級または2級を所持しており、かつ障害年金の受給権がない場合、生活保護の障害者加算が支給されます。

うつ病、統合失調症、発達障害など、該当する精神疾患が医師によって初めて診断(初診日)された後、1年6カ月以上経過している場合、交付申請を行うことができます。

障害者手帳の1〜2級になりましたら、障害者加算が認定されます。

ですが、障害者手帳3級の場合は支給されません。

(参考:厚生労働省「生活保護法による保護における障害者加算等の認定について」

また精神障害者の場合、障害者手帳には更新がありますので注意してください。

施設入所者も支給される

障害者加算は入院患者や施設入所者であっても障害者加算の対象となります。

例えば、老人施設に入所している場合は介護保険に基づき、母子加算、障害者加算が算定されていない方に対して行われます。

また、住んでいる地域によって障害者加算の金額が異なります。

この場合は、地域による等級は関係なくなり「最も支給金額の低い地域」になります。

 障害者加算の支給手続きの方法

 障害者加算を申請する際は一般的に以下の書類や証明書を福祉事務所に提出します。

  •  障害者手帳
  • 国民年金証明書
  • 特別児童扶養手当証書
  • 福祉手当認定通知書
  • 医師の診断書・障害の程度が証明できる書類

その他、必要な書類は自治体によって異なる場合があるため、事前に福祉事務所にて確認してみてください。

なお、障害年金の支給が決定しましたら、福祉事務所にて手続きしないと障害者加算は支給されないので注意してください。

支給の目安は書類が受理されたあと、障害の認定条件に該当した月の翌月からです。

障害年金の受給額分は生活保護費から差し引かれる

障害年金を支給された場合、その分のお金は収入とみなされ、生活保護費から引かれて支給されます。

つまり、生活保護と障害年金を組み合わせた場合でも、支給される金額は変わりません。

ですが、障害者加算の場合は生活保護費から差し引かれません。障害者加算の分が増額となります。

もし、身体障害者手帳3級の方の場合、そのままでしたら障害者加算は支給されませんが、障害年金を申請して2級になりましたら支給されます。

療育手帳(知的障害者)をお持ちの方も同じく障害年金を申請して審査を通りましたら支給されます。

筆者が体験したこと

筆者が障害者福祉施設にて勤務していたころ、難病を患い、生活保護を受給されている入所者さんと接したことがありました。

その方は複数の病気を持ち、外出もままならず、その影響で一人での外出は不可能でした。

そんな状態でも障害者手帳の基準の範囲外だったため、生活保護費からお金を捻出して暮らしていくには厳しく、自宅に戻っている時はお金を遣わないよう、ほぼ買い物などはせず、引きこもりの生活をしている方でした。

筆者は業務上、金銭的に助けることができず、歯がゆい思いをしていました。

ただでさえ身体にハンデがある中、このままでは障害を持たない方と比べて、あきらかに不公平です。

まとめ

いかがだったでしょうか。障害者加算は現在、身体障害者手帳および精神障害者保健福祉手帳を所持している方々に限定されています。

ですが、障害者手帳まで取得できない病気をお持ちの方もたくさんいるのが現状です。

例えば普段は車椅子で歩けない方が近距離でもタクシーを利用する時や、メンタルヘルスの持病をお持ちの方が、外出して買い物に出られず配達に来てもらうなど、生活保護費基準額では賄えない場合も多く、より生活を圧迫しかねない方も多いと思われます。

また、療育手帳を持つ知的障害の方は支給の対象にならないのも、差別的に感じます。

政府は障害者加算の支援を拡充し、生活保護受給者全ての身体の不自由な方に対して、人たるに値する最低限度の生活を守る行動をしてもらいたいと願います。

 フリーライター 下川正博

  • この記事を書いた人

マネーリテラシー編集部

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