平均合格率9%台の難関資格と言われるさなか、
「合格してもメリットが薄すぎる」
と感じる受験者が多いとよく耳にします。
また、マンション管理士には管理業務主任者や宅建士のように事務所ごとの資格保有者設置義務がありません。
マンション管理士資格を取得するメリットはなんなのか?
こういった要望に応える記事を書きました。
本記事で分かる事は下記の通りです。
- マンション管理士試験に合格しても役に立たないと言われる理由
- マンション管理士資格取得のメリットとデメリット
- マンション管理士の主な就職先とは
筆者は、令和5年のマンション管理士資格に独学で合格し、現在も大手マンション管理会社に勤務しており、マンションの担当物件も10棟を超えております。
実際に勤務しているからこそ分かるマンション管理士の実態についてまとめてみましたので、信憑性があると思います。
マンション管理士は、宅建や管理業務主任者に比べ受験者数が少なく、知名度も薄いのが現状です。
しかし、マンション管理士資格の取得はかなり役に立ちます。
「本当に役に立つのか?」
マンション管理士資格保有者として実際に仕事している筆者が解説します。
マンション管理士試験に合格しても役に立たないと言われる理由
マンション管理士資格は取ってもなぜ役に立たないと言われているのか。
ここでは、役に立たないと言われる理由を解説していきます。
マンション管理士の独占業務について
マンション管理士にも独占業務が存在します。
だが、なぜ役に立たないと世間は主張しているのか。
それは、令和2年に法改正があり、令和4年から施行。
そこでマンション管理士にも独占業務が誕生しました。
実際、令和4年の法改正施行までマンション管理士はただの名称資格だったのです。
(名称資格=肩書を名乗るだけの資格)
管理業務主任者との違い
管理組合側の立場となって組合運営をサポートするのが、「マンション管理士」
管理会社側の立場となって組合運営をサポートするのが、「管理業務主任者」
の違いになります。
なぜマンション管理士と管理業務主任者はセットで扱われている事が多いのか?
それは、「試験範囲がほぼ被っている」事が明確な理由です。
マンション管理士試験と管理業務主任者試験のテキストが、まとめて1冊で販売されるほど試験範囲が同じ事が理由です。
マンション管理士資格取得のメリット
マンション管理士は難関資格と言うだけあって合格することで多くのアドバンテージが得られます。
ここでは、マンション管理士資格取得のメリットについて解説していきます。
難関資格合格という社会的評価と信頼の向上
平均合格率9%台という難関資格だからこその特権ですが、マンション管理士試験の存在を知らなかった人に対しても、合格率を伝えるだけで誰もが驚きます。
これは筆者も体験済みです。
筆者がマンション管理会社に勤務しているからこそ分かることですが、職場の方にかなり褒めてもらえました。
実際、マンション管理の専門職に勤務している筆者からしても難しい試験でした。
専門知識の習得
試験合格により、言うまでもなく専門知識が身に付きます。
筆者も実際に理事会・総会時にマンション管理士試験で培ってきた知識を活用する場面が何度もありました。
また、マンション管理会社に勤務していない方でもマンションにお住まいであれば、管理組合運営について参考になるので、お勧めの資格です。
マンション管理士資格取得のデメリット
資格取得にデメリットは存在するのでしょうか?
ここではあえてマンション管理士資格取得のデメリットについて解説していきます。
合格しても資格を活用する場面が少ない
マンション管理士には独占業務が1つしかありません。
マンション管理士が国家資格になってからまだ20年程の歴史しかないことも1つの要因です。
しかし、マンションの老朽化が深刻な問題となっていることから、近い将来マンション管理士の需要が高まると予想されます。
なぜなら、一般的に築40年前後のマンションが築古物件として扱われます。
実際、平成30年の築40年以上のマンションは81万戸でしたが、令和20年には366万戸とデータが出ています。
そのため、今後ますます需要が高まってくるのではないでしょうか。
(参考:国土交通省 マンション政策の現状と課題)
マンション管理士資格取得までの時間と費用
勉強時間
勉強時間は500時間程度となります。
月にすると個人差がありますが6ヶ月以上見ておく必要があります。
本業や家事育児で時間を作るのが難しい方は10ヶ月程度みる必要があります。
費用
独学で勉強する場合は、テキスト・問題集の購入費用で1〜2万円程度です。
独学に自信がない方や時間管理が心配な方は学習塾等に通う事をおすすめします。
学習塾は10万円程費用がかかりますが、時間効率や知識定着などを考慮した場合、独学に勝るからです。
マンション管理士の主な就職先とは
マンション管理士資格に合格した方の主な就職先は不動産会社です。
特に、マンション管理会社への就職が一番多いですが、独立開業されている方も中にはいます。
また、難関資格合格という実績があることで不動産業界での転職活動はかなりの武器になります。
マンション管理士は役に立たない?まとめ
マンション管理士はこれから成長が見込まれる資格でもあり、職業でもあります。
今後のマンション老朽化問題が浮彫になっている以上、欠かせない職業になることは間違いありません。
不動産業界への転職にも有利となることから、この記事を参考にマンション管理士試験のモチベーションアップに繋がれば幸いです。
ライター名:マンション管理士保有ライター kouki