ウォーレン・バフェット氏をご存じでしょうか?
バフェット氏はアメリカの投資家で、年平均20%以上の利益を得ています。
通常、株式投資の平均リターンは5%程度といわれている中、4倍以上もの利益を生み出す手腕から「投資の神様」とまで呼ばれているほどです。
バフェット氏は投資家以外に経営者としての側面もあり、世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイのCEOです。
(引用:株探米国)
バークシャー・ハサウェイは、アメリカの優良企業の動きを表す指数「S&P500」よりも良いパフォーマンスを見せています。
(引用:マネックス証券|伝説の投資家ウォーレン・バフェットを、知る)
S&P500は厳しい審査基準をクリアしたアメリカの上位500社からなる指数で、S&P500への投資が最適解の1つといわれるほどです。
バフェット氏もS&P500のパフォーマンスの高さを認めており、S&P500への投資を勧めています。
(参考:毎日新聞|バフェット氏もイチ押し「S&P500投資」のスゴさ)
そのS&P500に多くの期間、勝ち続けているバークシャー・ハサウェイの保有銘柄とはどんなものなのでしょうか?
この記事を読めば次のことがわかります。
- バークシャー・ハサウェイとは
- バークシャー・ハサウェイの保有銘柄
- ウォーレン・バフェットから学ぶ投資の鉄則
記事を読み終わった頃にはバークシャー・ハサウェイと投資の鉄則について理解を深めることができるでしょう。
バークシャー・ハサウェイとは
バークシャー・ハサウェイの起源は、1888年に創業されたハサウェイ製造会社という綿紡績企業です。
1950年代に綿織物会社であるバークシャー・ファイン・スピニング・アソシエイティーズと合併し、現在のバークシャー・ハサウェイになりました。
15箇所もの向上を所有し、120万ドル以上の収益、1万人を超える従業員を誇っていましたが、その後衰退。
工場が7箇所閉鎖に追い込まれ、大規模な一時解雇まで行われました。
1962年に現CEOであるウォーレン・バフェット氏がバークシャー・ハサウェイの株を買い始め、会社の筆頭株主に。
最初のうちはバークシャーの中核ビジネスであった綿織物紡績業を維持していたものの、1985年に撤退。
1967年頃から投資事業に力を入れ始めました。
今やバークシャーが保有する銘柄は「バフェット銘柄」と呼ばれ、安定的で成長性も期待できる銘柄として市場から注目を集めています。
バークシャーは投資業だけでなく、さまざまな企業を買収して事業拡大をしています。
保険事業を中心として、鉄道やエネルギー、家具や菓子など幅広い業種の子会社を傘下に収めているのが特徴です。
バークシャーが保有する銘柄はアメリカだけにとどまらず、日本の企業の株も保有しています。
2020年以降、バフェット氏が三菱商事や三井物産、住友商事、伊藤忠商事に丸紅といった日本の総合商社に投資をしたことは記憶に新しく、商社の株価は大きく上がりました。
(参考:REUTERS|バークシャー、日本の5大商社株式保有比率引き上げ 約9%に)
株式市場に大きな影響を与えるバークシャー・ハサウェイは世界中の投資家から注目を集めています。
バークシャー・ハサウェイの保有銘柄
バークシャー・ハサウェイの保有銘柄の一部は以下のとおりです。
1.Apple 2.バンク・オブ・アメリカ 3.アメリカン・エキスプレス 4.コカ・コーラ 5.シェブロン 6.オキシデンシャル・ペトロリウム 7.クラフト・ハインツ 8.ムーディーズ 9.ビザ 10.ダビータ 11.シティグループ 12.ベリサイン 13.クローガー 14.PararamountGlobal 15.マスターカード 16.キャピタル・ワン・ファイナンシャル 17.アマゾン・ドット・コム 18チャーター・コミュニケーションズ 19.スノーフレーク 20.エーオン 21.アライ・ファイナンシャル 22.NU HLDGS LTD 23.Tモバイル 24.ヒューレット・パッカード 25.フロア・アンド・デコア・ホールディングス 26.ルイジアナパシフィック 27.リバティ・メディア・コーポレーション 28.シリウス・エックスエム・ホールディングス 29.エヌブイアール 30.ディアジオ 31.LENNARCORP 32.VANGUARD INDEX FDS 33.SPDR S&P500 ETF TR 34.ルーカディア・ナショナルリバティ・ラテンアメリカ 35.ATLANTA BRAVES HLDGS INC |
(参考:投資の森|バークシャー・ハサウェイ保有銘柄(バフェット銘柄)一覧)
セクター別にみると、情報技術・金融・生活必需品およびエネルギーの順に保有割合が多くなります。
さまざまな分野の事業に投資をしており、分散を利かせているのがわかります。
個別株だけでなく、S&P500に連動するETFやインデックスファンドにも投資をしており、安定性を高めています。
ひとつ気になる点があるとすれば、Apple株の保有率が非常に高いことです。
Apple株は全体の約50%もの比率を占めます。
2位のバンクオブアメリカは約10%と5倍近くの株価を保有しており、バフェット氏のお気に入りであることが伺える結果です。
保有株の一覧は、大口の機関投資家がアメリカの証券取引委員会に提出する「フォーム13」という報告書を参考に作られているとのことで、掲載されているのは米国上場銘柄のみです。
バークシャーが日本株を保有しているのは有名ですが、名前が載っていないのは上記の理由からです。
ウォーレン・バフェットから学ぶ投資の鉄則
株式の期待リターンの平均値である5%を大きく上回る20%ものリターンを出し続けているバークシャー・ハサウェイ。
購入する銘柄を決めるバフェット氏の投資への鉄則を学んで、自身の投資スタイルを強化していきましょう。
継続的に利益を生み出している企業
バフェット氏が選ぶ銘柄は、継続して利益を生み出し、安定している傾向があります。
トレンドではなく、長期的な目線で投資しているのです。
そのためには財務諸表を読み解いて、売上高や営業活動によるCFが右肩上がりか、リーマンショックやコロナショック時にどのように対応しているかを読み解きます。
中でもバフェット氏が注目しているのはROEが高い企業です。
ROEとは、投資家が出資した資本に対して企業がどれだけ利益を上げたかを表す指標です。
一般的にはROEが10%以上で稼ぐ力があると判断されます。
投資家として外せない項目です。
有能な経営者がいる企業
バフェット氏の考えでは、有能な経営者がいなければ企業の継続的な成長は不可能です。
ニュースやIR、証券アナリストレポートを通じて、発している言動を精査し、経営者が優秀か判断しています。
シンプルで理解しやすい事業内容
バフェット氏は自分が理解できない事業には投資をしません。
企業分析をするうえで、事業を理解できるかできないかは非常に重要な項目になるからです。
バフェットが購入する銘柄では、スタートアップ企業やトレンド銘柄には積極的に投資をしていません。
バフェット氏は、台頭するIT企業の中でAmazonへの投資機会を逃し、失敗したと発言したことは有名です。
(参考:日本経済新聞|バフェット氏「失敗した」 アマゾン投資機会逃し後悔)
この他にも、株価が割安なタイミングに購入するなど、投資初心者にも役立つ考え方が多くあり、学びが深いです。
まとめ:バークシャー・ハサウェイは自分の投資に気づきをもたらしてくれる
バークシャー・ハサウェイの保有銘柄のトップ10は以下のとおりです。
- Apple
- バンク・オブ・アメリカ
- アメリカン・エキスプレス
- コカ・コーラ
- シェブロン
- オキシデンシャル・ペトロリウム
- クラフト・ハインツ
- ムーディーズ
- ビザ
- ダビータ
アメリカ株なので、馴染みのない企業も多いですが、私たちが知っている企業も数多くあります。
バークシャー・ハサウェイが購入する銘柄にはバフェット氏の考えが色濃く反映されており、投資初心者にとって勉強になります。
- 継続的に利益を生み出している企業に投資する
- 有能な経営者がいる企業に投資する
- シンプルで理解しやすい事業内容か
- 割安のタイミングで購入する
さらに、銘柄を見ていると多数の成長企業およびセクター(業種)に投資しています。
投資のハウツーでよく聞く、長期で分散して投資をする、これを実践しているのがわかるでしょう。
バークシャー・ハサウェイの動きを追って、投資の勉強をするのも面白いかもしれません。
銘柄選びの参考にしてみてください。