銀行口座を開設した時にキャッシュカードに勝手にデビット機能が付帯されているケースもあり、デビットカードを持っている自覚がない方もいますが、
基本「審査なしで」簡単に作ることが可能で、クレジットカードのように利用が出来るので現金を持ち歩く必要がなく、利便性が高いことから広く利用されています。
しかし、「審査なし」と言われながらも一定数審査落ちしてしまう人がいるのも事実で、本記事ではデビットカードで審査落ちをしてしまった時の理由と対処法を解説します。
デビットカードはそもそもどういう仕組み?
実店舗での決済、ネットショッピングの決済と様々な場面で支払の手続きは基本同じとなるクレジットカードとよく比較されますが一番の違いは支払いのタイミングです。
クレジットカードは後日まとめて支払うのに対し、デビットカードは即時紐づいている銀行口座から引き落としとなります。
そのため、クレジットカードは引き落とし日までに口座に入金しておけば良いのに対し、デビットカードは口座にお金が入っていないと使えません。
デビットカードは審査がない?デビットカードのメリット4つ
デビットカードのメリットとしては主に4つ
①審査なしであることがほとんど
デビットカードはクレジットカードと違い、多くの金融機関では審査がありません。
デビットカードは銀行口座に入っているお金が支払いのもととなるのでクレジットカードのように一時的に「借りる」ことがないことから基本的には審査なしで発行が可能です。
理由として口座の残高が支払い可能額となり、即時決済となることから金融機関に「立替えてもらう必要がない為です。
②クレジットカードとほぼ同じ使い方ができる
また、クレジットカード同様VISAやMaster Cardなどの発行になる為、クレジットカードとほぼ同様に利用が可能で、最近ですとタッチ決済対応なども増えています。
③使いすぎる心配がない
支払いのもととなるお金は銀行口座残高で「支払いの限度額=口座残高」となる為、クレジットカードのように使いすぎてしまって、引き落とし日前にあたふたするようなことはありません。
④18歳未満でも作ることができる
15歳以上であれば作成が可能であることもメリットのひとつです。最近はネットショッピングが当たり前になっていることから決済手段として登録が必要な場面も多いのでデビットカードがあれば高校生でも登録が可能になります。
以上がデビットカードのメリット4つになりますがいかがでしょうか?
クレジットカードとの対比でのメリットとはなりますが使い勝手が良いことは確かです。
デビットカード審査落ちする理由
審査なしが原則の中で何故落ちる人がいるのかというと大きく2つ
・信用情報の審査で落ちた
・口座の審査で落ちた
信用情報の審査で落ちる場合
これは審査のあるカードで条件を満たしていなかった場合になります。
「デビットカード」という名前がついていても「立替払い」の機能があるカードは審査があるので要注意。
代表例がショッピングモールで有名なイオン系のイオン銀行や新たなネット銀行として伸びてきているみんなの銀行のデビットカードには不足分を一定額までカバーしてくれる機能が付帯しています。
“銀行システム停止時や、万が一預金口座残高が不足している場合に、一時的に10万円まで、イオンカード側でご利用金額を立て替えます。
“「Cover(カバー)」を使えば、残高が足りないときでも最大5万円まで自動で立替可能です。後払いサービスの代わりとしても使えます。
出典: 後払いサービスのように使える「カバー」|みんなの銀行
本来、銀行口座残高分まで支払うことができるのがデビットカードですが、支払時に口座残高が不足していた場合や不足分を「立替」できるという機能が付帯しています。
「立替払い」とはクレジットカード同様、支払い時にお金がなくても金融機関が代わりに払ってくれることを言います。つまり一時的に金融機関からお金を借りるということになる為、審査が必要となるのです。
また、大手地銀のスルガ銀行の場合はキャッシング機能付きのデビットカードになります。
“普通預金口座に自動貸越サービス ※ をセットすると、いつもお使いのキャッシュカードで、キャッシングができるようになります。口座引落日の残高不足も心配いりません。
(出典)スルガ銀行│Visaデビット
自動貸越というサービスが付帯しており、口座引落時はもちろんATMからの出金時においても、不足額があればその分を自動で貸し付けを行ってくれるサービスです。
キャッシングを利用して不足分を借りることになるため、発行には審査が必要となります。
審査が必要になると与信審査を行う為、ブラックリストに載っている場合は基本的に発行できませんし、下記のような場合も難しい場合が多いです。
・収入が安定しない職についている。
・過去5〜7年以内に自己破産、個人再生、任意整理など債務整理を行っている。
・ローンやクレジットカードの支払い延滞が連続したり、頻繁に起こっている。
口座の審査で落ちた場合
デビットカードは銀行口座の開設が前提になるので口座開設が出来ない場合や口座凍結するようなことがあった場合は結果として審査落ちとなります。
口座開設時の不備
運転免許証など住所変更がされていないなどの理由で本人確認資料が不備となり、口座が開設できない場合は、デビットカードは発行されません。
銀行と過去にトラブルがあった
不正行為の過去があると口座開設そのものが出来ません。
過去、闇金に手を出してしまったなど反社勢力との接点が確認された場合はもちろんですが、口座凍結になってしまうケースもあります。
海外移住予定がある
海外を拠点とする場合、日本の銀行口座を使い続けることが難しくなります。これは租税回避や反社への資金流出防止の観点から定められているケースが多い為で、特にインターネット銀行に多い規定となります。
デビットカード審査落ちしないための対処法とは?
デビットカードの審査に落ちないためには気を付けるべきことについて解説します。
1.審査があるかどうかをよく確認する
審査の有無を確認する際は「商品概要説明書」を確認することがおすすめです。
・審査があることが明記されていない事例
大手都市銀行の事例になりますが、審査の有無が一切記載されておりません。
参考: 三菱UFJ-VISAデビット」
・審査があることが明記されている事例
はっきりと審査があることが記載されています。
“お申込みに際して当行所定の審査をさせていただきます。審査結果によっては、ご希望に添いかねる場合がありますが、その場合、お断りする理由および内容についてご回答いたしません。
これらの事例のように審査の有無が記載されていることが多いため、まずは概要書をチェックしてみましょう。
2.銀行トラブルは避ける
銀行とのトラブルは意図せず起こることがあります。
知人の商売を手伝う際に銀行口座を何も考えずに貸してしまった時は口座売買を疑われ、居住地から離れた地銀へ口座開設をしようとすると振り込め詐欺を疑われることがあります。
各銀行は国からの厳しい監督下で商売を行っているため、何気ないことが思わぬトラブルになることもあるのです。
いつもと違う口座の使い方をするようなことがある時は細心の注意を払うように心がけましょう。
3.銀行との取引は丁寧に
口座開設時はもちろん開設後も住所変更や新しいお取引をする際など本人確認書類のやり取りを行う機会はたびたび発生します。
・本人確認書類が銀行指定のものであるか
・有効期限内のものであるか
・画像不鮮明ではないか(WEB手続きの場合)
こういった些細なことで取引が止まってしまうことはよくある話ですのでしっかりと手続きは丁寧に行いましょう。
まとめ
デビットカードは「審査がない」。これは原則間違ってはいませんが、現在はサービスが多様化してきており、銀行各社も「お得」や「便利」を提供しようといろいろなサービスを付帯しているケースが多くなってきています。
デビットカードの審査を通過するためには細心の注意をして、問題なく発行ができるように気を付けましょう。
金融営業マンライター(FP2級所有)帽子の人