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高配当株はやめとけと言われる5つの理由|投資家が投資している株式も解説

高配当株投資は、株式選定を行えば不労所得が得られる素晴らしい投資手法です。ただし事前にデメリットを把握しないと思いもよらない失敗につながります。

本記事では、3級ファイナンシャル・プランニング技能士を持つ投資家が「高配当株はやめとけ」と言われる理由を5つ解説します。また実際に筆者が購入した株式も解説するため、「これから高配当株投資をしてみたい」と、考えている方は参考にしてください。


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高配当株投資とは?

高配当株投資とは、高配当株と呼ばれる株式に投資して配当金を長期的に受け取る投資方法です。長期的に配当金を受け取ることが目的のため、基本的に一度購入した株式は売却せず保有し続けます。

高配当の明確な定義はありませんが、配当利回りが3%以上ある株式を高配当と呼ぶことが多いです。例えば、株価1,000円の株式が1株当たりの配当金を30円出していると、配当利回りは3%となります。

  • 配当利回り3%=株価1,000円÷配当金30円×100

参考までに、2023年3月時点のプライム市場・スタンダード市場・グロース市場の配当利回りを表にまとめました。

市場名配当利回り
プライム市場2.28%
スタンダード市場2.15%
グロース市場1.14%

(参考元:日本取引所グループ

「高配当株投資はやめとけ」と初心者が言われる5つの理由

「高配当株投資はやめとけ」と投資初心者が言われる理由は下記の5つです。

  1. 減配リスク・株価下落リスクがある
  2. 配当金が予想を下回るときがある
  3. 資産形成に向いていない
  4. 配当に税金がかかる
  5. 投資金額が多くないと、ありがたみを感じにくい

1.減配リスク・株価下落リスクがある

高配当株には、減配リスクと株価下落リスクがあります。減配とは企業が配当金を減らすことです。前期よりも配当金が減ると「減配した」と表現します。最悪のケースでは一切配当を出さない「無配」となり、株式保有していても一切配当金が受け取れないこともあります

減配を発表する企業は、将来の業績悪化による売上・利益の減少を見込んでいるケースが多いです。減配と業績悪化は投資家を不安にさせるため、基本的に株価に対してマイナスに働く株価下落要因となります。

株価が下落すると元本割れするケースもあり、コロナショックでは約30%値下がりした株式もありました。仮に株価が30%下落すると、100万円投資している場合70万円まで値下がりします。

高配当株投資は、減配して予想した配当金を受け取れないだけでなく、株価が下落して資産評価額が下がる2つのリスクを抱えています。

そのため高配当株は、株式選びと購入する時期が難しく、投資初心者は「高配当株投資をやめとけ」と言われることが多いです。

2.配当金が予想を下回るときがある

配当金が予想を下回るケースもあります。企業は現時点での見通しから業績予想と配当金の予定を発表します。しかし予想外のケースが生じて業績が落ち込むと、予定していた配当金を修正して実際に出す配当金を少なくする企業は珍しくありません。

直近ではコロナショックにより、業績の下方修正と予想配当金の引き下げを行った企業が多くありました。

ANAホールディングス株式会社は、2020年1月30日に発表した決算短信の発表時点では、2020年3月期の配当予想を1株当たり75円としていました。しかし2020年4月28日に発表した決算短信では、配当金は0円に修正しています。

外部環境によって企業の業績に悪影響が出ると、配当金は減配されてしまう可能性が高いです。高配当株に投資する際は、過去の配当金推移や業績の推移を確認しましょう。

3.資産形成に向いていない

高配当株は基本的に、2倍・3倍値となる上がりが見込めないため、資産形成には向いていません。高配当を続ける会社は成熟企業が多いです。

基本的に成熟企業は積極的な投資を行わないため、売上・利益が成長せず長期で株価が上昇しないケースも多いです

高配当株投資は、不労所得を増やす目的には適しています。しかし、大きな成長を見込めないため資産形成目的での投資はおすすめできません。

4.配当に税金がかかる

配当金には20.315%の税金がかかります(特定口座・源泉徴収ありの場合)。年間100万円の配当金を受け取っている場合の税金は、20万3,150円です(100万円×20.315%)。

「せっかく受け取った配当金から税金を引かれたくない」と考える方は、NISA口座の活用がおすすめです。NISA口座で購入した株式やETFからの配当金・分配金は非課税となります。特定口座では100万円の配当金を受け取ると約20万円税金が差し引かれますが、NISA口座で購入すると、まるまる配当金を受け取れます。

現行のNISA制度は2023年で終了するため、新規の買い付けは2023年までです。2024年からは新制度に移行します。

5.投資金額が多くないと、ありがたみを感じにくい

高配当株投資による配当金は、投資金額が多くないとありがたみを感じにくいです。配当利回り3%の株式を10万円分購入したケース、1,000万円分購入したケースで受け取れる配当金をシミュレーションしてみましょう。

  • 10万円分購入したケース:受け取れる配当金3,000円(10万円×3%)
  • 1,000万円分購入したケース:受け取れる配当金30万円(1,000万円×3%)

配当金が3,000円では、携帯料金の支払いや1回の飲み代でなくなるため、ありがたみを感じない方も多いでしょう。一方で配当金が30万円だと、人によっては1か月分または2か月分の生活費になるため「高配当株投資をしていて良かった」と、感じる方も多いでしょう。

高配当株の良さを実感するのは投資金額が多くなってからです。ただ、毎月コツコツ高配当株を購入し配当金が1,000円・2,000円でも増えていくと、日々の生活が楽になると実感できます。

実際に購入した高配当株

実際に筆者が購入した高配当株のオリックス株式会社(以下、オリックス)について解説します。

オリックスはリースを主体として、あらゆる金融サービス業を提供している会社です。2016年には空港運営や上工下水処理場運営にも参入しています。

(画像引用元:オリックスの事業-オリックス株式会社

筆者はオリックスを2020年7月31日に1,151.5円で購入しました。オリックスを購入した理由は下記の3つです。

  • 設立初年度を除くと毎年黒字を計上しているため
  • 2010年から増配が続いていたため
  • 購入時の配当利回りが6.6%あったため

オリックスは設立初年度以外、当期純利益を毎年黒字で計上しています(2023年4月現在も継続中です)。

(参考元:オリックス株式会社 2023年3月期第3四半期 決算資料

配当金は、企業が稼いだ利益から支払われます。毎年黒字を計上している会社であれば、多少の減配があっても無配にはならないと思い購入しました。

オリックスは2010年〜2019年まで10年連続で増配しています。配当金は10年で10倍以上に成長しました。

  • 2010年の配当金:7.5円
  • 2019年の配当金:76円

筆者が購入を検討したときのオリックスの配当利回りは、6.6%です(配当76円÷株価1,151.5円×100)。6.6%は非常に高利回りのため、多少減配しても3%以上の配当は確保できると思ったため購入に踏み切りました。

筆者が購入してからオリックスは、増配と株価の成長どちらも達成しており、非常に満足のいく投資結果となりました。

2023年3月の配当金は1株当たり最低でも85.6円を予定しているため、購入当時の配当金と比べて9.6円増配しています。また株価は2023年4月24日の終値が2,281.5円のため、購入当時の株価から1,130円も値上がりしました。

4.【初心者必見】高配当株の探し方

初心者でも簡単に実践できる高配当株の探し方を3ステップで解説します。

  1. 過去業績を確認する
  2. 過去の配当金の推移を確認する
  3. 業績の見通しを確認する

1.過去業績を確認する

過去の業績は『IR BANK』を活用して確認します。IR BANKは企業ごとに、業績の推移や配当金推移などの高配当株投資で確認したい情報がまとめてあるサイトです。

高配当株を探す際は、最低限でも下記の3項目は最低限チェックしましょう。

  • 売上高
  • EPS
  • 配当性向

売上高は、少しでも右肩上がりで成長している企業が望ましいです。全く成長していない企業は、会社または業界全体が縮小している傾向にあり、長期で配当金を受け取り続ける高配当株投資には向いていません。

EPSとは、企業が1株当たりに稼いでいる純利益を示します。EPSも売上高と同様に少しでも右肩上がりで推移している企業が望ましいです。EPSが右肩下がりまたは赤字となっている会社は、いずれ減配・無配となる可能性が高いです。

配当性向とは、企業が稼いだ利益に対する配当金の割合を示します。配当性向は「年間配当金÷税引き後当期純利益×100」で求めます。例えば、EPS100円の企業が配当金10円のときの配当性向は10%(10円÷100円×100)です。

一般的に配当性向はおよそ30%が良いと言われています。配当性向が低すぎると株主還元を重視していない可能性があります。配当性向が高いと増配が見込めず、業績が悪化すると簡単に減配する可能性が高いです。

2.過去の配当金の推移を確認する

次に過去の配当金の推移を確認しましょう。右肩上がりで推移していることが理想です。しかし毎年増配できる企業ばかりではないため、少なくとも過去10年間は減配していない会社を探しましょう。

また、配当金の推移を確認する際には記念配当には注意しましょう。記念配当とは、企業の創立100周年などを記念して行われる配当です。基本的に記念配当は、1回限りで終わるため記念配当を含めない配当金推移の確認が重要です。

3.業績の見通しを確認する

最後に企業のIRページで業績の見通しを確認しましょう。業績の確認の際は、企業が決算説明会用に作成している「プレゼンテーション資料」の確認がおすすめです。プレゼンテーション資料は、図解や表が多数使用されており普段から決算資料を見ない方でも非常に理解がしやすく作成されています。

今後の業績が問題ないのであれば、減配の可能性は低いです。しかし、今後の業績が悪化する見込みであれば、今後減配する可能性が高くなるため注意しましょう。

高配当株投資におすすめの証券口座2選

高配当株投資を行う際は、証券口座の開設が必須です。証券口座は、いくつもあり「投資初心者におすすめの口座はあるのか知りたい」と考えている方もいるでしょう。

高配当株投資におすすめの証券口座を下記2つ解説します。紹介する証券口座は実際に筆者も使用しています。投資初心者は参考にしてください。

  1. SBI証券
  2. 楽天証券

1.SBI証券

(画像引用元:SBI証券

SBI証券は、国内で初めて証券口座開設数が1,000万を突破し、国内株式における個人取引シェアNo.1の証券会社です。

「国内株式 アクティブプラン」であれば、国内株式の取引合計額が100万円未満であれば手数料がかかりません。

1日の国内株式の取引合計額(現物取引・信用取引の合計額)が300万円以下であれば、手数料は一切かかりません。25歳以下の方であれば国内株式の現物取引にかかる手数が完全無料化されています。

さらにSBI証券は1株から株式を購入できる「S株」制度を導入しており、投資できる資金が少ない方でも高配当株式投資を行えます。

2.楽天証券

(画像引用元:楽天証券

楽天証券は、大手楽天グループの証券会社で、過去5年間の累計新規口座の開設数はNo.1です。

「いちにち定額コース」であれば、1日の約定代金合計が100万までであれば、手数料がかかりません。また、2023年4月17日より国内株式が1株から購入できる「かぶミニ」が始まりました。

かぶミニでは、ポイント投資が行えます。普段から楽天グループのサービスを利用している方であれば、自己資金を使用せずに高配当株投資が可能です。

楽天証券はパソコン画面・スマホ画面共に使いやすく設計されているため、投資初心者の方も迷わず使用できます。

6.まとめ

本記事では、投資初心者が「高配当株投資はやめとけ」と言われる5つの理由、実際に筆者が購入した高配当株や高配当株の探し方、高配当株を行うのにおすすめの証券会社を解説しました。

「高配当株投資はやめとけ」と言われる理由は下記の5つです。

  1. 減配リスク・株価下落リスクがある
  2. 配当金が予想を下回るときがある
  3. 資産形成に向いていない
  4. 配当に税金がかかる
  5. 投資金額が多くないとありがたみを感じにくい

高配当株投資はコツコツ続けると、徐々に生活が良くなると実感できる素晴らしい投資です。ただし本記事で解説した内容を理解していないと、高配当株投資に失敗する可能性が高まります。

高配当株は株式選びと購入する時期を間違わなければ、しっかりと利益の出る投資手法です。本記事を参考に株式分析を行って、高配当株投資を始めてください。

ライター名:中村大地


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  • 日本経済新聞に投資家が使うツールとして掲載
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マネーリテラシー編集部

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