近年、急速に発展しているAI産業。
「将来はAIによって仕事が楽になる」と希望的観測を持つ人や「AIによって仕事を奪われてしまう」と恐怖を感じる人など、さまざまな思いをAIに抱いています。
AIが我々の仕事に影響を与える未来を実感させたツールの筆頭が「ChatGPT」ではないでしょうか?
2022年11月にChatGPTを発表後、たったの2か月で月間アクティブユーザー数が1億人を突破する化け物級のサービスです。
「Open AIに投資をすれば儲かるのでは?」
そう思った方のために、この記事ではOpen AIの株の購入や投資方法をご紹介します。
Open AIの株の購入方法は?
Open AIの株は購入できません。
理由はOpen AIが上場していないからです。
基本的に株式は上場企業のものしか購入ができません。
そのためOpen AIの株は購入できないのです。
Open AIの上場予定はあるのでしょうか?
2023年6月現在、Open AIのCEOであるサム・アルトマン氏は上場する予定はないとアブダビの会合で明言しています。
サム・アルトマン氏は人工知能の開発は投資家目線では奇抜に映るため、上場に関心はないとのこと。
(参考:REUTERS|米オープンAIに上場計画なし、利益制限の「奇妙な構造」)
上場予定のないOpen AIへの投資は不可能なのでしょうか?
結論、直接的な投資は不可能ですが、間接的には投資可能です。
間接的にOpen AIに投資する方法
Open AIに間接的に投資する方法があります。
方法は以下のとおりです。
- Microsoftへ投資する
- 半導体メーカーへ投資する
- AI関連企業に投資する
主な方法はこの3つになります。
Microsoftへ投資する
MicrosoftはOpen AIに約1.3兆円の投資を行いました。
(参考:ビジネス+IT|マイクロソフトがOpenAIへ「1.3兆円投資」のワケ、ChatGPTで対グーグルとOffice強化)
MicrosoftはChatGPTを使い、Officeやbingなどの自社製品の強化を図り、他社との差別化を図ろうとしています。
ChatGPTを開発したOpen AIに投資することで、生成AIの技術を自社にも利用できるため、Microsoftにとって非常に良い判断といえるでしょう。
Microsoftはbingという検索エンジンを保有しています。
しかし、検索エンジン最大手はGoogleです。
日本では調べ物をするときに「ググる」というほど、浸透しています。
(引用:バズ部|日本の検索エンジンシェアTOP6を紹介|SEOですべきことはひとつ)
図でbingはシェアのTOP3に入りますが、1位のGoogleには大きな差を付けられています。
ChatGPTを導入することによって、この差が縮まるかもしれません。
通常の検索エンジンでは知りたいことのキーワードを入力し、出てきた結果を精査する手順が必要ですが、ChatGPTでは不要です。
知りたいことを文章で入力すると、その答えを文章で返してくれます。
手間を嫌う人間の習性にフィットしたサービスのため、bingが巻き返す余地はあるでしょう。
Microsoftに投資することで、Open AIの技術により株価上昇が見込まれるため、間接的にOpen AIに投資をすることができます。
半導体メーカーへ投資する
AIの深層学習には半導体は必須です。
近年ではNVIDIAを筆頭に半導体メーカーの株価が上昇しています。
Open AIが開発しているAIも例外ではなく、半導体が必要です。
半導体メーカーで特におすすめなのがNVIDIAでしょう。
NVIDIAが提供する半導体はGPUです。
GPUは画像処理にたけた半導体ですが、生成AIの深層学習にも利用されています。
(引用:株探米国)
ChatGPTが注目を集め始めた2023年から株価が上昇し始め、2023年1月では150ドル前後だったのが、現在は880ドルと6倍近く値上がりしました。
生成AIブームがしばらく続くと考えられるため、半導体メーカーへ投資をすることはOpen AIに間接的に投資することになるでしょう。
AI関連企業へ投資する
最後はAI関連企業に投資することです。
Open AIの競合となるAI関連企業に投資をすることで、相乗効果を生みだし、結果として利益を得ることができます。
主なAI関連企業は以下のとおりです。
- サイネックス
- エクサウィザーズ
- スーパー・マイクロ・コンピューター
AI開発そのものだけでなく、AI開発に必要な周辺装置の提供を行うなど、AIに関連する企業に投資することもOpen AIに間接的に投資する方法といえます。
近年ではAI関連の投資信託やETFが存在するため、より気軽にAI関連企業への投資が可能です。
Open AIの上場の可能性
Open AIのChatGPTをはじめとする生成AIは現在のトレンドとして注目を集めています。
GoogleのBardや画像生成AIのStable Diffusionなどさまざまな種類が加速度的にリリースされています。
今、上場すればOpen AIの市場価値は非常に高くなるはずですが、なぜ上場しないのでしょうか?
上場するメリットとデメリットを踏まえ、筆者なりに考察したいと思います。
上場するメリットは主に3点です。
- 資金調達手段の多様化
- 知名度や信用力の向上
- 創業者利益の享受
主なデメリットは以下のとおりです。
- 上場準備にまとまった時間とコストがかかる
- 上場後の経営の自由度が下がる
上場には厳しい審査やクリアしなければならない基準があるため、上場することで知名度と社会的信用力が上がります。
社会的信用が上がれば経営資金の融資も受けやすくなるでしょう。
株式の発行による資金調達も可能です。
創業者は上場時の売り出しや上場後の売却でキャピタルゲイン(株価の値上がりによる収益)を得ることができます。
※インサイダーなどの決まりにより、禁止されているもしくは好まれない方法です。
メリットをOpen AIに当てはめて考察してみましょう。
Open AIは非営利法人とその子会社の営利法人からなります。
Open AIの創業理念は、人類全体に利益をもたらす汎用人工知能を普及・発展させることです。
AIを使った利益追求をしていないため、創業者利益の享受は求めていないでしょう。
資金調達手段の多様化に関してもOpen AIは必要と感じていないでしょう。
Open AIにはMicrosoftという巨大企業がバックについており、先述したとおり約1.3兆円の大規模な投資を受けています。
資金調達には困っていません。
知名度や信用力の向上も不要ではないでしょうか?
ChatGPTの登場により、注目を集めMicrosoftからの信用を勝ち取っている今、Open AIは上場で得られるメリットをすべて手に入れているといえます。
むしろ、上場準備にかかる時間とコストや上場後の経営の自由度の低下の方がリスクと考えているのかもしれません。
いずれにせよ、Open AIはしばらく上場しないでしょう。
(参考:AGSmedia|【経営者必見】株式上場(IPO)とは?メリット・デメリットや基礎知識までわかりやすく解説)
まとめ:Open Aiの株は買えない。AI関連の銘柄に間接的に投資するしかない
株式上場を果たしていないOpen AI株の購入は不可能です。
そのため、Open AIには間接的に投資するしかありません。
間接的に投資する方法は以下のとおりです。
- Microsoftへ投資する
- 半導体メーカーへ投資する
- AI関連企業に投資する
中でもMicrosoftへの投資が一番、Open AIに投資することに近いでしょう。
MicrosoftはOpen AIに約1.3兆円もの投資を行い、Open AIの作る生成AIを自社サービスに取り入れているからです。
Open AIが成長すれば、Microsoftも成長する可能性があるため、Open AIとの関わりは一番強いのではないでしょうか?
Open AIは現在、上場に関して興味を示していません。
上場で得られるメリットよりも、経営の自由度が減る、準備にかかる時間とコストを天秤にかけた時、デメリットの方が大きいと感じているのではないでしょうか?
AI関連の銘柄に投資をして、Open AIへ間接的に投資をすることをおすすめします。