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生活保護受給者が受診するなら生活保護指定医療機関で!生活保護指定医療機関の調べ方を解説

生活保護受給者が医療扶助を受けるには、受診する病院が生活保護指定医療機関でなければなりません。

生活保護指定医療機関の調べ方は、ケースワーカーに確認することが最も確実な方法です。

医療扶助を受けるには、病院へ受診をする前にケースワーカーに申請が必要です。

しかし、事故などで、救急車で運ばれた場合や急病で夜間に救急を受診した場合はどうなるのか心配ですよね。

この記事では、生活保護指定医療機関の調べ方と生活保護指定医療機関を受診するまでの流れを、救急の場合はどうなるのかも合わせて解説しています。

この記事を参考に、受診する前の手続きをすすめてください。

生活保護指定医療機関の調べ方

近隣に生活保護指定医療機関があるかどうかの調べ方は、ケースワーカーに聞くか自治体のホームページを確認するかの2通りです。

生活保護受給者は、医療扶助によって医療を無料で受けることができますが、どの病院でも医療扶助が適用になるわけではありません。

生活保護指定医療機関とは、生活保護受給者が医療扶助を適用して医療を受けることができる医療機関のことです。

受診先を決める時は、なるべく近くの通いやすい生活保護指定医療機関を選ぶようにしましょう。

それでは、生活保護指定医療機関の調べ方を説明します。

ケースワーカーに聞く

生活保護指定医療機関の調べ方として最も確実なのは、担当のケースワーカーに確認することです。

ケースワーカーは、受給者の住まいと同じ自治体が管轄する福祉事務所の職員が担当します。

その自治体の生活保護指定医療機関の情報を持っているため、受診したい目的(病状)を考慮して比較的近距離の医療機関を提案してくれます。

生活保護受給者が病院を受診したい時には、ケースワーカーに事前申請が必要です。

この申請の時にケースワーカーに確認するとよいでしょう。

自治体のホームページで確認する

自治体のホームページに生活保護指定医療機関の一覧が載っている場合があります。

全ての自治体がホームページに掲載しているわけではないため、一度お住まいの自治体のホームページを確認してください。

もし載っていなければ、必ずケースワーカーに確認するようにしましょう。

保険医療機関の約9割が生活保護指定医療機関

現在、保険診療を行う医療機関の約9割が生活保護指定医療機関に認定されています。

よって、生活保護受給者であるからといって、受診できる病院が極端に制限されるということはないでしょう。

ただし、万が一あなたの近隣の病院が生活保護指定医療機関でないのに受診してしまった場合、医療扶助を受けることができないため、必ず事前に確認するようにしてください。

(参考:厚生労働省

生活保護指定医療機関を受診するまでの流れ

生活保護受給者が医療扶助を受けるには、ケースワーカーに申請し「医療券」などの発行を求める必要があります。

この「医療券」などの発行を受ける前に受診してしまうと、診療費が全額自己負担となってしまうため注意が必要です。

それなら急病の場合はどうなるのか、と心配な方もいると思います。

ここでは、生活保護受給者が生活保護指定医療機関を受診するまでの流れと救急時の対応を解説します。

1.ケースワーカーに申請する

病院にかかりたい事情ができた時は、まずケースワーカーに申請をしましょう。

「保護変更申請書(傷病届)」が発行されるため、記入して福祉事務所へ提出します。

そして、ケースワーカーと相談して、生活保護指定医療機関の中から委託医療機関(今回発行する医療券で受診する病院)を1か所決めます。

委託医療機関を変える必要がある時は、その都度申請してください。

2.「医療券」などが発行される

医療の必要性があると判断されれば、「医療券」や「医療要否意見書」などが発行されます。

「医療券」は、生活保護指定医療機関で提示し、医療扶助の適用を受けるために必要なものです。

「医療要否意見書」は、医療機関側で記入するため受診時に持参するようにしましょう。

受給者の病状が切迫していて「医療券」の発行を待てない場合は、先に受診をすることが認められることがあります。

この時は、福祉事務所から委託医療機関へ直接「医療券」が送られることになります。

「医療券」は、基本的には毎月申請が必要です。(医療の必要性がある場合)

また、入院から外来通院へ切り替わる時、委託医療機関を変える必要がある時などには都度申請をする必要があることを覚えておきましょう。

3.「医療券」などを持って生活保護指定医療機関を受診する

必要書類の発行を受けてから、生活保護指定医療機関を受診しましょう。

「医療券」「医療要否意見書」など、忘れずに持参するようにしてください。

「医療要否意見書」は、医療機関で記入してもらったら、受給者が福祉事務所へ提出します。

受給者の実情によっては、医療機関から福祉事務所へ提出されることもあります。

1枚の医療券で受診できる病院は委託医療機関として指定された1か所だけです。

生活保護指定医療機関であっても、委託医療機関として選択していない医療機関を受診する時には、再申請し新たな医療券が必要であるため注意してください。

生活保護指定医療機関以外を受診したらどうなる?

生活保護受給者が、生活保護指定医療機関以外の医療機関を受診することは可能です。

しかし、生活保護指定医療機関以外を受診した場合は、診療費が全額自己負担になります。

医療券は、生活保護指定医療機関でしか使用することができません。

生活保護受給者は国民健康保険の被保険者資格を失っているため、医療券が使えない病院では全額自己負担になります。

生活保護指定医療機関で医療券を提示することで、医療扶助の適用を受けることができます。

つまり、生活保護指定医療機関以外を受診すると支払いがとても高額になってしまうため、実質、生活保護指定医療機関しか受診できないということです。

医療券を持たずに救急で運ばれたらどうなる?

事故や夜間に発症した場合など緊急の場合は、医療券を持っていなかったとしても対応できることがあります。

このような時は、自分が生活保護受給者であることを申告しましょう。

医療機関から担当の福祉事務所に問い合わせが入り、その後情報が確認できれば医療券が発行されるという流れになります。

夜間や休日は、福祉事務所が閉まっており医療券発行手続きを行うことができません。

突然の事故や夜間・休日の急性疾患の場合は、事前に申告することが困難なため、このような対応をとられることがあります。

医療券が電子申請できる自治体も

自治体によっては、スマートフォンやパソコンからの電子申請で医療券の申請をすることができます。

この場合、医療機関に直接医療券が送られます。

そのため、受給者が医療券を受け取りにいく必要がなくなることがメリットです。

医療券を忘れる心配もありません。

ただし、医療券が医療機関に届くまでに数日かかる点に注意してください。

(参考:大阪府茨木市

オンライン資格確認とは

令和6年3月から、マイナンバーカードを使ってオンラインで医療扶助の資格有無が確認できるようになりました。

生活保護指定医療機関でマイナンバーカードを提示すれば、医療券を提示しなくても医療扶助の適用を受けることができます。

 (出典:厚生労働省

受給者は、これまで通り「保護変更申請書(傷病届)」の届け出が必要です。

届け出に基づいて福祉事務所が情報を登録し、医療機関がオンライン上で情報を確認するという仕組みです。

受給者は医療券を受け取りに行く必要がないため、手間が省けることがメリットです。

また、受給者が同意すれば、生活保護指定医療機関が診療情報や薬剤情報を確認することができます。

よって、より良い医療を受けることができる点がもう1つのメリットです。

受給者がマイナンバーカードを持っていない場合や、医療機関側がオンライン資格確認に対応していない場合は、医療券の発行が行われますので安心してください。

生活保護受給者は医療費が無料

生活保護受給者は、医療扶助によって無料で医療を受けることができます。

医療扶助とは、最低限度の生活を維持することが困難な人に対して医療を提供するものです。

医療扶助は、現金で支給されるものではなく、医療サービスの現物給付が原則です。

ここからは、医療扶助の概要について説明します。

医療扶助の対象

医療扶助の対象になる範囲は以下の通りです。

①診察
②薬剤または治療材料
③医学的処置、手術及びその他の治療並びに施術
➃居宅における療養上の管理及びその療養に伴う世話その他の看護
⑤病院又は診療所への入院及びその療養に伴う世話その他の看護
⑥移送

診療は、公的医療保険の適用になるもののみが対象となります。

そのため、先進医療や自由診療などの保険適用外の医療行為は含まれません。

生活保護費負担金の約半分が医療扶助

現在、生活保護費負担金の約半数を医療扶助による負担金で占めています。

令和2年の実績として、生活保護費負担金35,258億円のうち49.7%(17,536億円)が医療扶助であったというデータがあります。(参考:厚生労働省

およそ10年前でも医療扶助が多くを占めており、その構図は変わっていませんが、少しずつ割合が増えているのが現状です。

医療扶助の負担金が多い理由として、生活保護受給者の中には障害・傷病のために就労が困難な人が多く、医療を必要とする人が多いことがあげられます。

令和4年の厚生労働省のデータでは、生活保護受給世帯のおよそ25%が障害者・傷病者世帯でした。

高齢者世帯母子世帯障害者・傷病者世帯その他
55%4%25%15%

(参考:厚生労働省「医療扶助費の伸びの要因分解」を参考に筆者作成)

心身状態の不調によって働くことができないために、生活保護を受けている人が多いことがわかります。

高齢者も年齢を重ねるごとに医療にかかる頻度は増えていきます。

高齢化も医療扶助にかかる負担金が増えている一因と言えそうです。

生活保護受給者には、医療を必要とする人が多いということがわかります。

まとめ:生活保護指定医療機関を受診すれば医療費は無料、ケースワーカーに聞くか自治体のHPで近隣の生活保護指定医療機関を確認してから受診を

生活保護受給者は、決められた手順で申請して生活保護指定医療機関を受診すれば、無料で医療を受けることができます。

どの病院が生活保護指定医療機関かは、ケースワーカーに聞くか、自治体のホームページで調べることができます。

医療を受けたい事情ができた時には、まず1番にケースワーカーに報告しましょう。

この時に、生活保護指定医療機関について確認するのが最も確実な方法です。

生活保護指定医療機関で医療券を提示しないと医療扶助は適用されません。

医療扶助は、生活保護受給者が利用する可能性が高い給付です。

手続きの仕方をしっかりおさえておきましょう。

ライター名:FP2級・AFP保有ライターchaky

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マネーリテラシー編集部

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