初めて米国株投資を始める人におすすめなのは投資信託かETFです。
米国株投資を始めるには、まず証券口座を作る金融機関を決め、外国株式取引口座を開設する必要があります。
新NISA制度が始まり、投資を始めようとしている人はどんどん増えています。
しかし、始め方がわからない、という人は多いです。
わからないまま購入するのは怖いですし危険ですよね。
この記事では、米国株投資の始め方を、金融機関の選び方から注文の仕方まで画像付きで解説します。
この記事を読めば、米国株投資の始め方が一からわかります。
米国株投資の始め方4STEP
米国株投資を始めるには、まずどこの金融機関で証券口座を開くのかを検討することから始めます。
そして、米国株投資をするには、外国株式取引口座の開設が必要です。
そこまで終わったらやっと銘柄選びですが、ここからが初心者にとってハードルが高くなります。
何を買えばいいのか、そもそも注文の仕方もよくわからない…という方は多いと思います。
ここでは、米国株投資を始める手順と考え方のポイントを解説します。
注文の仕方も画像付きで解説しますので参考にしてください。
STEP1:金融機関を選ぶ
まずは証券口座を開設する金融機関を選びましょう。
窓口販売のある証券会社とネット証券がありますが、開設するならネット証券がおすすめです。
ネット証券は、窓口販売のある証券会社よりも、手数料が低く、取扱銘柄数が豊富であるのがメリットです。
次に、金融機関を選ぶポイントを解説します。
金融機関を選ぶポイント
金融機関を選ぶポイントは3つです。
①手数料の安さ
②取扱銘柄数が豊富か
③取引について相談しながら決めたいか
以上のポイントをもとに検討するとよいでしょう。
主なネット証券会社を取扱銘柄数・手数料・電話相談の有無で比較してみました。
松井証券 | SBI証券 | |
米国 取扱銘柄数 | 個別株4,150 ETF明記なし | 個別株4,451 ETF396 |
売買手数料 | ・NISA:0円 ・国内株式 25歳以下:0円 26歳以上:1日の約定代金50万円まで0円 以降約定代金によって変動 ・米国株式:約定代金の0.495%(税込み) 最低手数料0米ドル(無料) 最高手数料22ドル(税込) | ・NISA:0円 ・国内株式:0円※条件あり ・対象の海外ETF:買付手数料0円 ・米国株式:約定代金の0.495%(税込) 最低手数料0米ドル(無料) 最高手数料22ドル(税込) |
為替取引 手数料 | 米ドル/円 為替手数料0銭 | 米ドル/円 リアルタイム為替手数料0銭 |
電話相談 | あり | なし |
楽天証券 | マネックス証券 | |
米国 取扱銘柄数 | 個別株4,718 ETF355 | 個別株4,464(ADR込み) ETF423 |
売買手数料 | ・NISA:0円 ・国内株式:0円※ゼロコース ・米国ETF:買付手数料0円 ・米国株式:約定代金の0.495%(税込み) 最低手数料0米ドル(無料) 最高手数料22ドル(税込) | ・NISA:0円 ・NISA以外の株式 ・信用取引:55円~ ・特定の米国ETF:買付手数料無料 ・米国株式:約定代金の0.495%(税込) 最低手数料0米ドル(無料) 最高手数料22ドル(税込) |
為替取引 手数料 | 米ドル/円 リアルタイム為替手数料0銭 | 米国株買付時為替手数料0円 |
電話相談 | なし | あり |
(2024年7月1日時点)
取扱銘柄数はどのネット証券も4,000銘柄以上あり、さほど大きな違いはなさそうです。
手数料が高ければ運用益が減ってしまうため、手数料がなるべく低いところを選ぶのは重要なポイントです。
手数料の安さでは、SBI証券か楽天証券が有利であることがわかります。
松井証券とマネックス証券では、取引や商品に関する電話相談が可能です。
初心者にとって、相談できる場所があることはとても安心ですね。
相談しながら決めたい人は松井証券かマネックス証券を選ぶとよいでしょう。
ちなみに、銀行でも投資信託を購入することができますが、ETFや株式は購入することができません。
ETFや株式投資をする可能性がある人は、証券会社で口座を作るようにしてください。
筆者はSBI証券を利用しています。
その理由としては、コストが低い点を重視しました。
金融商品ごとにアプリが分かれており、管理を一元化できないのはやや不便であると感じます。
口コミでは、アプリが使いにくいとのコメントが散見されましたが、筆者は特に使いにくいとは感じていません。
取扱サービスが豊富で、連携するネット銀行の使い勝手も良いことからおすすめの証券会社です。
STEP2:外国株式取引口座を開設する
米国株投資を始めるには、外国株式取引口座を開設する必要があります。
外国株式取引口座を開設するには、その金融機関の証券総合口座を開設していることが前提です。
外国株式取引口座とは、外国株式、外国投資信託、外国債券などの売買を行う時には必ず必要になる証券口座です。
なぜなら、国内株式等の取引とはかかる税金が違うからです。
米国の有価証券なら、配当金に対して米国での課税が10%、日本での課税が20.315%と二重に課税されます。(確定申告によって外国税額控除を受けることができます)
総合口座の開設がまだの人は、総合口座の開設から始めてください。
マネックス証券では、米国株デビュー応援プログラムとして、米国株取引手数料最大30,000円キャッシュバックキャンペーンを実施中です!
(※ 出典:マネックス証券 米国株デビュー応援プログラム)
マネックス証券で米国株投資のスタートを切ってみてはいかがでしょうか。
STEP3:銘柄選び
初心者には、個別株よりも投資信託やETFが向いています。
銘柄を選ぶときは、できるだけ手数料や信託報酬の低いものを選びましょう。
長期的に保有するために、大事なポイントです。
初心者にとって最も難しい問題が、銘柄選びではないでしょうか。
特に個別株において、何を買えばいいのかの見極めは容易ではありません。
投資の基本は、長期・積立・分散投資です。
分散とは、「資産の分散」「地域の分散」「時間の分散」を意味します。
投資信託やETFは、分散投資に向いている商品です。
そのため、初心者は投資信託やETFから始めるとよいでしょう。
ここでは、投資信託とETFについて解説します。
始めやすいのは投資信託かETF
初心者が米国株投資を始めやすいのは、投資信託かETF(上場投資信託)です。
投資信託は、資金を預けてプロ(ファンドマネージャー)に運用してもらう商品です。
保有するには信託報酬がかかり、運用資産から引かれていってしまいます。
ETFは株式と同様に市場に上場している投資信託で、イメージとしては株式と投資信託の中間です。
投資信託ですが株式のような取引が可能となります。
投資信託やETFは、商品によっては1本で全世界や市場全体に投資することができ、分散投資がしやすいのが特徴です。
例えば、人気のあるETF「バンガードトータルストックマーケット」は米国市場全体を投資対象とします。
投資信託組入上位銘柄には誰もが知る大企業が入り、米国市場で投資可能な銘柄のほとんどに分散投資されています。
定期的に一定額・一定口数買い付けることで、さらにリスクを軽減することが可能です。
保有コストはETFが最も低く抑えられるため、長期保有に向いています。
STEP4:注文する
ETFや個別株を注文したいときには、売買価格を指定する指値注文などができます。
投資信託の場合は、購入金額指定や口数指定で比較的注文も簡単です。
一度積立設定を行ってしまえば、毎月一定額(もしくは一定口数)の買付も可能です。
ここでは、米国株投資を始める人が迷いやすい、ETFや個別株を買う時の注文手順を解説します。
注文画面にある用語の意味
注文画面に出てくる専門用語について解説します。
こちらはSBI証券の米国株取引用のスマートフォンアプリ注文画面です。
①預かり区分:特定口座、一般口座、NISA口座 どの証券口座で取引するか ②数量:購入したい株数を入力 ③価格 指値:いくらで売買したいか指定する注文方法 (買いなら上限価格、売りなら下限価格を指定する) 成行:値段を気にせず売買する注文方法 逆指値:いくらまで上がったら買う・いくらまで下がったら売ると指定する注文方法 (買いなら下限価格、売りなら上限価格を指定する) ➃期間:注文を出しておく期間 ⑤決済方法 外貨決済:事前に外貨を入金し、外貨で決済する注文方法 円貨決済:円で注文し、注文後に自動的に為替取引をする注文方法 |
③の成行注文については、いくらでもいいから買いたい(売りたい)と思う時に行う注文方法です。
取引が成立しやすいことがメリットです。
しかし、注文後に株価が急激に変動した場合、不利な価格で取引が成立するリスクがあるため注意が必要です。
⑤の決済方法を外貨決済にする場合は、事前に外貨で外国株式取引口座に入金しておく必要があります。
円貨決済は、事前の外貨での入金がなくても円で取引ができるため手軽です。
円貨決済では、注文後に証券会社が定めるタイミングで為替取引を行うことになります。
証券会社によっては、為替取引を事前に済ませておく方が手数料も抑えられる場合があります。
手数料を抑えたい人は外貨決済、手軽に行いたい人は円貨決済を選ぶとよいでしょう。
筆者も初めて注文するときは、注文画面の専門用語がわからず困っていました。
まず、言葉の意味を調べるところから始めたのを覚えています。
専門用語がわからなかった人は参考にしてください。
注文手順【スクショ解説】
それでは、注文手順を解説します。
今回はSBI証券の画面で紹介します。(手順は米国株アプリの画面です)
アップルの株を購入するという想定でやってみましょう。
1.「検索」をタップ
ホーム画面から「検索」をタップします。
2.銘柄を検索
検索バーで「アップル」と入力します。
ティッカー(アップルならAAPL)がわかる場合はティッカーを入力してもOKです。
出てきた候補をタップします。
3.「現物買」をタップ
アップルの情報画面が出たら、画面下部の「現物買」をタップしてください。
4.注文内容を入力
次に注文内容を入力します。
今回は、特定口座で1株指値で購入することにしましょう。
価格は「220.30ドル以下」で買いたい、ということにします。
期間指定をするとカレンダーが表示されるため、注文を出したい日付を選びましょう。
当日のみで良い場合は、「当日中」を選んでください。
決済方法は、今回は円貨決済にします。
「確認へ」をタップ。
5.「発注する」をタップ
確認画面で注文内容を確認し、問題なければ「注文する」をタップします。
これで注文完了です。
パソコンのWEBサイトで取引する場合は、このようになります。
入力する項目に違いはありません。
現物取引は、すぐに取引が成立するとは限りません。
指定した価格で売りが出たら買い注文が成立します。
複雑な操作ではないため、数回やってみると慣れてきますよ。
注文操作がわからない時は参考にしてください。
米国株投資が人気の理由
ここ最近、米国株の人気が高く、米国に投資をする人がとても増えています。
米国株投資が人気である理由は主に3つです。
①株主還元に積極的
②1株から買える
③長期的な経済成長
投資する側にとってメリットがあることと、米国経済の成長性が高いことが挙げられます。
これらについて1つずつ解説します。
株主還元に積極的
米国の企業は株主への還元意識が高いのが特徴です。
米国株は年に4回配当金を受け取れることが多いです。
配当利回りは日本株より高い傾向にあります。
米国では、日本のように株主優待を行う企業はほとんどありません。
その代わりに、配当金で株主に還元する方針をとっています。
1株から買える
米国株式は1株から購入することができます。
そのため、少額から購入可能です。
日本株は通常100株から購入できることが多いため、ある程度まとまった資金が必要になります。
初心者にとって少額から始められることは安心感がありますし、投資に挑戦するハードルがぐっと下がります。
長期的な経済成長
米国経済は、ITバブル崩壊やリーマンショック、近年ではコロナショックなど、様々な危機がありながらも上昇傾向にある経済の強さが魅力です。
過去およそ30年間のS&P500と日経平均の推移を比較すると、その差は一目瞭然です。
(出典:SMBC日興証券)
また、米国の人口は今後も増加していく予測です。
(出典:国土交通省)
グラフを見ると、2050年まで米国人口が右肩上がりに増加しているのがわかります。
2050年以降も上昇を続け、2080年がピークではないかというデータもあります。
加えて、先進国の中でも米国の平均年齢が38.9歳(参考:米国国勢調査局)と低いのが特徴です。
日本の平均年齢は48.75歳(参考:グローバルノート)で、およそ10歳の差があります。
人口が増加し、しかも若年層が多いとなれば、消費が増え企業の収益も上がるため経済は拡大します。
よって、米国は今後も経済成長が見込まれています。
米国株(外国株)投資のリスクおよび注意点
米国株を含めて外国株の投資には、外国株特有のリスクがあります。
それが、為替変動リスクとカントリーリスクです。
為替変動リスクは、為替相場の変動により時価に影響するリスクを言います。
例えば、円安の時に購入した米国株式が換金するときには円高に振れていた場合は為替差損が出る可能性があります。
逆に購入時よりも円安に振れれば、為替差益が出る可能性があります。
カントリーリスクは、自然災害や戦争などによりその国の政治・経済情勢が不安定になり株価に影響するリスクを言います。
他にも、全ての投資には価格変動リスク、流動性リスク、信用リスクがあります。
元本割れの危険性を切り離すことはできないため、できるだけリスクを抑えられる手法で始めましょう。
投資の基本は、長期保有・積立投資・分散投資です。
まとめ:米国株投資の初心者には投資信託やETFがおすすめ!まずは口座の開設から始めよう
この記事では、米国株投資を始める手順について、金融機関の選び方から注文の手順まで解説しました。
米国株投資を始めるには、外国株式取引口座の開設が必要です。
初心者が始めやすいのは、投資信託やETFです。
銘柄を選ぶときは、売買手数料や保有コストが低いものを選ぶようにしましょう。
米国株投資は、1株から購入でき、年4回程度配当金が得られるのがメリットです。
米国経済は今後も拡大すると見込まれており、米国株投資の人気は続くでしょう。
しかし、どんな投資にもリスクはつきものです。
長期保有・積立投資・分散投資で、できるだけリスクを軽減する手法で始めることが大切です。
まずは、証券会社で外国株式取引口座を開設しましょう。
ライター名:FP2級・AFP保有ライターchaky