一般的に販売されている香典袋には、中袋がついているタイプとついていないタイプがあります。
どちらを購入したら良いのか、中袋がついていない香典袋にはそのままお金を包んでしまっても良いのかと不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
本記事では、中袋なしの香典袋へのお金の入れ方を葬儀社スタッフとして働く筆者が解説していきます。
お金は香典袋を表にしたときに裏面になるように入れる
中袋が付いていない香典袋は、表書きや自分の名前を書く側が香典袋の表面となりますので、表から見たときにお札が裏を向いているように入れましょう。
お札の表は、肖像画が描いてある面になりますので、その逆が裏面になります。
お札を縦にした時の上下に関しては、肖像画の描かれている方を下向きにして入れる事が多く見られますが、地域によっては逆とするところもあるようです。
お札が裏を向いていれば、お札の上下に関しては、それほど気にする必要はないでしょう。
一枚の紙を折りたたんでお札を包み込むようなタイプの香典袋は、お金を左側に挟んでから右・下・上と折りたたみます。
上下の順番が慶事とは逆になります。
「喜びは下からも受け止めて、悲しみは上から下へ流す」と覚えておくのがおすすめです。
(画像は筆者作成)
中袋なしの香典袋には直接お金を包んでOK
水引が印刷されているタイプの香典袋は中袋がついていないケースがあります。
中袋がついていない場合は、そのまま直接お金を包んでも問題ありません。
香典袋にお札を入れるときには、まず全てのお札を表に揃えてから裏面に返し、お札を包みましょう。
お札は表裏だけでなく、向きを同じ方向に揃えることも大切です。
また、新札はあらかじめ用意していたことを想起させてしまうのと、数え間違いの元になるので通夜・告別式の香典では使いません。
新札しか手元にない場合は一度、折り目を付けると良いでしょう。
新札とは逆に、汚れたり破れているお札、しわしわのお札は失礼にあたりますので注意しましょう。
糊付けは不要
基本的に香典袋には糊付けはしません。
中袋がついている場合も、中袋には糊付けはしません。
封筒タイプの香典袋では、お金が滑り落ちてしまうこともあるので、シールがついていることもありますが、こちらのタイプも基本的にシールも貼らなくても失礼にはあたりません。
香典袋を折りたたんでお金を包むタイプの香典袋にも糊付けしてしまう方がいますが、しっかり糊付けされてしまうと、開封する際にわざわざはさみを使うことになるので、香典を確認する遺族や葬儀スタッフの手間を増やしてしまうことになります。
中袋なしの香典袋の場合は裏側に住所や金額を記入する
中袋がついていない香典袋を使用する場合は、香典袋の裏に住所、金額を直接書きましょう。
記入欄がある場合もあります。
記入欄が無い場合には、裏側の左半分に縦書きで住所を記載し、改行して「金壱萬圓也」などと書きます。
ご葬儀で使用する香典袋の表書き・名前は薄墨を使用しますが、住所・金額などの細かい字を筆ペン等で記載するのが難しければ、ボールペンなどを使っても構いません。
御遺族の方は香典袋や芳名帳を見てお礼状や香典返しを準備することが多くありますので、相手にとってわかりやすく・読みやすく記載するのを意識しましょう。
香典袋には中袋がついているタイプとついていないタイプが販売されている
香典袋はコンビニ、文房具店、文具コーナーがあるようなスーパーマーケット、仏具販売店等で販売されています。
葬儀場に売店がある場合もあります。
香典袋には、中袋がついているタイプとついていないタイプ、どちらも販売されていることが多くありますが、「袋を二重にすることで、不幸が重なることを連想させる」という理由から中袋を使用しない地域もあります。
この考え方の地域で中袋がある香典袋を買った場合は、中袋を使わず、外袋だけを使用しそのままお金を包みます。
特にそういった風習が無いのであれば、中袋に住所や名前、金額等を記載した上でお金を包むのが良いでしょう。
地域の風習がわからなければ、店員に確認するのをお勧めしますが、基本的にその地域の風習に合ったものが置いてあるケースが多いと思います。
もちろん、一万円以下の香典でも中袋を利用するのは間違いではありません。
中袋が無くても失礼ではない
中袋を利用しない風習のある地域以外では、中袋がついていない香典袋は略式と受け取られる場合もありますので、特に一万円以上を包む場合には中袋がついている香典袋を購入した方が良いでしょう。
もし中袋がついていない香典袋を購入した際は、そのまま中袋を付けずにお金を包んでしまっても問題ありません。
中袋が絶対に無ければ失礼である、ということはありません。
半紙で包んでから香典袋に入れることも可能
中袋がない香典袋を購入してしまい、そのままお金を包むのがどうしても気になる場合は書道等で使う半紙でお金を包んで、中袋として代用することも可能です。
半紙はツルツルしている面が表、ザラザラした面が裏になるように包みますので、お金はザラザラの面に置くようにします。
半紙を使用する場合は、下記の図の様に包みます。
まず半紙をひし形に広げて、お札を中央よりやや左側に来るように置きます。
次にお札の端に合わせるようにしながら、下・左・右・上の順番に畳めば完成です。
最後に表面中央に金額を記載するようにします。
(画像は筆者作成)
まとめ:中袋なしの香典袋には、香典袋を表にしたときにお札が裏になるように入れる
中袋が無い香典袋には、表から見たときにお札が裏を向いているように入れます。
香典袋の中袋は、地域によっては使わない方が良いとされることもあります。
逆に、10万円以上を包む場合など、金額によってはできれば中袋を使った方が良い場合もあります。
中袋が無い香典袋を購入してしまった際には、半紙で中袋を代用することも可能です。
地域で独自の風習がある場合もありますが、中袋のあり・なしでご遺族に対して失礼にあたるというようなことはありませんので安心してください。