近年、お給料も上がらず将来が不安で悩んでいる方は多いですよね。
そんな中考えるのが独立であり、その選択肢として「フランチャイズ(経営)」があります。
でもあまり良い評判を聞かないという印象を持っていませんか?
フランチャイズはやめた方がいいのかどうか?
先に結論をお伝えします。
しっかり情報を精査し覚悟を持てば、フランチャイズは十分に成功できるビジネスモデルといえます。
その理由も交え、以下の通り説明します。
フランチャイズとはそもそも何か
フランチャイズとは、すでに確立したビジネスを保持する「本部」と、そのビジネスを利用したい「加盟者」が契約を結び、加盟者が本部にロイヤリティと呼ばれる加盟金を支払い、経営ノウハウや商標の使用権や商品、サービスの販売権を手にするビジネス形態です。
主なフランチャイズの種類
ひとことでフランチャイズといってもその種類はさまざまです。
代表的なものは以下の通りです。
- コンビニ
- 飲食店
- スクール
- その他(介護、家事代行、リサイクルショップ、ドラッグストア等)
なぜフランチャイズはやめとけといわれるのか?
フランチャイズの種類を見てみると、私たちの身近な業種であり、よく一般的に聞くビジネスモデルなのに、なぜやめた方が良いといわれるのでしょうか?
フランチャイズに対して、よく巷でいわれるのが以下のようなことです。
- 悪質なフランチャイズ本部が存在
- 過大なオーナー(加盟者)への負担
- 過大なロイヤリティ
それぞれその真偽を確かめていきましょう。
悪質なフランチャイズ本部が存在
確かに悪質なフランチャイズ本部は存在します。
例えば経営サポートを放置する業者や、実際は違うのに高い収益性を謡ったり、加盟料は無料といいながら、実際は宣伝費や研修費といった別の名目で加盟者に請求したりする悪質業者も存在するのです。
そういった業者は、加盟者から搾取することだけしか考えていませんので要注意です。
もちろん悪質業者ばかりではありませんが、ではどうやってそういった悪徳業者を見分けるのか、気になるところですよね。
私の友人もかつてフランチャイズに挑戦しようと試みたのですが、上記のような悪質業者であったため断念した経緯があります。
友人曰く、
- リスクをきちんと説明しない
- 本部担当者の態度が悪い
- 加盟者からの口コミが悪い
- 会社情報や契約内容が曖昧
などで見分けられるそうです。
過大なオーナーへの負担
これはよく聞く噂ですよね。
昔私がアルバイトをしていた某コンビニの店長が加盟者だったのですが、365日フルで働いていて、肉親の冠婚葬祭も休めない、とこぼしていました。
では、すべてのフランチャイズがそうなのでしょうか。
結論から言えば、これは業種によって異なると言わざるを得ません。
コンビニはご存じの通り、基本24時間営業なのでどうしてもそういう勤務体系になりがちですが、それでもアルバイトの方とうまくシフト調整すれば休めるオーナーさんもいます。
その他、コンビニ同様学習塾や飲食店、美容室等は土日祝日に売上が上がりやすい業種なので、土日は休めないところが多いです。
逆にビル清掃・介護福祉・服飾バイヤー・経営コンサルタント等の業種は、土日は休みたい、というあなたにはピッタリかもしれません。
過大なロイヤリティ
フランチャイズを利用する上で避けて通れないのがロイヤリティです。
本部の持つノウハウや看板を利用するわけですから、お支払いするのは当然ですが、それが法外な値段であれば問題です。
ではどういったタイプのロイヤリティがあり、いくらくらいが相場なのでしょうか。
- <定額タイプ>本部に毎月定額を支払うやり方
例:飲食店 3~8万円/月
- <売上歩合タイプ>売上の一定の割合を本部に払うやり方
例:学習塾 売上の10~25%/月
- <粗利分配タイプ>売上から原価を引いて残った粗利益を本部と加盟者で分け合うやり方
例:粗利の40~70%/月
※上記はあくまで一例であり、例えば同じ定額タイプでも業種によって異なり、全てのフランチャイズに当てはまるわけではございません。
以上から売上や業種にもよりますが、人気店のブランド名やノウハウを使用できるのであれば、さほど法外な値段、というわけではなさそうですね。
ただ注意しないといけないのは、安ければ良いというわけではありません。
ロイヤリティを安くして、本部からの製品の仕入れ値を不当に高くする業者もいるので要注意です。
以上から、巷でいわれている「フランチャイズは危ない」といったことは必ずしも正しくはなく、きちんと事前に準備・リサーチを行えば危険は回避できます。
フランチャイズのメリット
フランチャイズ加盟による開業のメリットは少なくないですが、代表的なものは下記の4つです。
- 未経験でも可能
- ブランド力を利用できる
- 広告宣伝が不要
- 商品開発やマーケティングが不要
なんといっても未経験から始められ、失敗するリスクが他スキームによる起業と比較し、低いということでしょう。
フランチャイズで起業した場合の成功率は70%前後になるという研究結果があります。
(出展「フランチャイズ契約が加盟店の廃業に与える影響」より)
これは、本部からの経営ノウハウや必要情報の提供により、素人が陥りがちな失敗を未然に防いでいるからといえます。
また、本部の知名度が高く集客しやすいということもあげられます。
開業したらどれだけお客さんが来てくれるかといった不安があります。
しかしフランチャイズの場合、ブランドがあるため集客の不安が少なく、オープン初日から売り上げがあがることも珍しくありません。
そして、適切な初期投資ができることも大きなメリットの1つです。
通常の起業だと様々な初期投資が必要であり、その中には無駄になる出費もあります。
フランチャイズの場合は本部にてマニュアル化されており、自分でリサーチする手間や無駄を省けて、経営に集中できます。
同様に商品開発やマーケティングについても、本部からデータや戦略等を提供してくれます。
フランチャイズのデメリット
それでは逆にデメリットはどうでしょうか。
やはり、起業ですのでデメリットは存在します。きちんとそれを把握することが必要です。
主なデメリットは以下の通りです。
- ロイヤリティの支払い
- ブランド力低下のリスク
- オーナーはなかなか休めない
ロイヤリティについては前述の通りで、必要出費ですがデメリットといえます。
うまく自分が希望するビジネス形態に合ったロイヤリティ制度を選択する必要があります。
あとデメリットというか、リスクにあたるかと思いますが、もし本部が何かしらの不祥事を起こした場合、その巻き添えになることがあります。
例えば以前流行った(?)アルバイトによる飲食大手チェーンでの炎上事件でもわかるとおり、本部自体が悪くなくても、たった1店舗の不祥事・炎上でブランドイメージが失墜するリスクがあります。
本部のブランドを借りて運営している以上、避けられないデメリットといえます。
最後にこれも前述しましたが、オーナーさんは業種によってはなかなか休みにくい場合があります。
さすがに独立するのでサラリーマン時代と同じ待遇を求める人はいないとは思いますが、フランチャイズの場合、土日祝日、夏休みが完全に休めて、9:00-18:00で業務終了、とはいかない場合もあります。
厳しいかもしれませんが、そこは覚悟しておく必要があります。
フランチャイズ経営の失敗例
フランチャイズには成功率が高いとはいえ、起業なので当然失敗例もあり、そのケースはさまざまです。
よくある失敗例を紹介します。
- 資金不足により廃業を余儀なくされる
- 環境の変化に適応できなくなる
- 契約条件を見落としていて本部とトラブルになる
- ブームが去ったことにより収益が得られなくなる
こういった失敗例を反面教師とすれば、リスクを軽減できます。
フランチャイズ経営を失敗しないためには
フランチャイズ経営に失敗しないためには上記失敗例を踏まえていく必要があります。
まず、自分の資金をきちんと把握できているか。資金が足りなくなれば銀行の融資という手段もありますが、不要なコストがかかったりしていないか、計画的に進める必要があります。
次に、後々のトラブル防止の為にもきちんと契約書を読み込み、不明点等はつぶしておきましょう。
さらに、フランチャイズに限らずビジネスをする上で避けて通れないのが環境=市場の変化です。
これまでのニーズがガラッと変わったりすることは多々あります。
簡単な例を申し上げますと、タピオカ等にみられるブームの終焉です。
目先のブームにとらわれず、先を見据えてビジネスを展開しましょう。
そのためにはあらゆる勉強が必要です。
最後にもう一つ重要な要素、それは良好な本部を見極め、本部との良い関係性を構築することです。
本部はあなたのビジネスパートナーとなり、今後経営ノウハウや情報を提供され、サポートを受けることになります。
お互いがwin-winの関係性になれるように努めていく必要があります。
まとめ
以上から、フランチャイズに対する見方が多少変わったのではないでしょうか。
どんなビジネスでも100%成功する保証はありません。
ただ、フランチャイズというビジネスモデルは正しい情報を持つことで、他のビジネススキームよりもリスクを軽減し成功率を高めることが可能です。
ぜひこの記事を参考にしてビジネスの成功にお役立てくださいね。
ライター名:兼城 直人
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