コヤッキーさんの『陰陽師に人生めちゃくちゃにされたけど金運が爆上がりした話』は、陰陽師との出会いを起点に、仕事や暮らしの変化をつづった本です。2026年10月13日に扶桑社から刊行されました。
本記事は、Kindle版をもとにしたマネーリテラシー編集部の書評です。おすすめしたいのは、不思議な体験の展開を楽しみながら、登場するお金と著者の行動にも目を向ける読み方です。
たとえば「年商7億円」をひと月あたりに割ってみる。「850万円の請求」なら、何の取引で生じたお金なのかをたどってみる。数字が身近になると、著者が抱えた仕事の規模や、その後の判断にも興味が湧いてきます。体験談を楽しみながら、お金の見方も学べる一冊です。
不思議な体験と、仕事や暮らしの変化を楽しむ一冊
本書では、活動上の悩みを抱えたコヤッキーさんが陰陽師と出会い、さまざまな出来事を経験していきます。会話やリアクションに加え、漫画やゲームになぞらえた表現もあり、先の展開を追いやすい語り口です。
お金の視点で読みどころになるのは、出来事を受けて著者が動く場面です。新しい商品の企画を考える、会社の体制を見直す、家の図面や費用を組み直す。不思議な体験とともに、経営者や生活者としての具体的な選択が描かれています。
著者が出来事をどう受け止めたのかに触れながら、「この場面で自分なら何を考えるだろう」と想像する。そんな楽しみ方ができる本です。
金額に「何のお金か」を添えると、場面が見えてくる
本書に出てくる金額を、著者の記述に沿って並べてみます。これは書籍の内容を読み解くための表です。
| 本書に出てくる金額 | 何のお金か |
|---|---|
| 年商7億円 | 著者の会社の年間売上。個人の所得や会社の利益とは別の数字 |
| 1億5000万円 | 追加の術について提示された料金。著者には特別枠として、それまでのセッションと同じ料金でよいと説明される |
| 850万円 | 飲食事業の仕入れ契約の切り替えに伴う請求 |
| 7000万円の予算超過 | 新居の建築見積が予算を上回った額 |
「売上」「提示料金」「請求」「見積」と言葉を添えると、同じ大きな金額でも意味が違うと分かります。たとえば1億5000万円の場面は、提示額に続いて著者に適用される条件まで読むと理解しやすくなります。この額をそのまま著者の支払額とすることはできません。
850万円は飲食事業の仕入れ代金の請求です。新居の7000万円は見積時点の予算超過で、本の前半に出てくるスタジオ移転の7000万円とも別の話。お金の使い道や時点を追うことで、著者が何に対応しようとしているのかが見えてきます。
なお、本書の年商7億円と、動画で語られた音楽活動への支援の話は別のものです。動画の経緯は「7億円の支援話を断った」と語った内容を紹介する記事で確認できます。
年商7億円を月平均にすると? 簡単な計算で規模をつかむ
大きな金額は、なじみのある期間に置き換えてみるのもおすすめです。年商7億円なら、12か月で割ると月平均の売上が出せます。
7億円 ÷ 12か月 ≒ 月平均5833万円の売上
これは年間売上を均等に割った計算で、実際の各月の売上を示すものではありません。それでも「ひと月あたりにすると、このくらいの規模の仕事なのか」と想像しやすくなります。
さらに、売上とあわせて費用にも目を向けると、数字の見え方が変わります。ここでいう利益は、売上から費用を差し引いたものです。
たとえば、ある事業の売上が100万円、仕入れや人件費などの費用の合計が90万円なら、差額の利益は10万円です。
売上100万円 − 費用90万円 = 利益10万円
こちらは売上と利益の違いを考えるために編集部が置いた仮の数字で、コヤッキーさんの会社の収支ではありません。年商だけでは利益や個人の所得までは分からない、と押さえておけば、ほかの経営者の体験談も読みやすくなります。
数字を少し計算してみると、「いくら稼いだか」から「どんな事業を動かしているのか」へと関心が広がります。物語の背景を想像する手がかりが増えるのも、お金に注目して読む面白さです。
著者の行動を、自分の仕事や暮らしに重ねてみる
本書では、長野での撮影をきっかけに御朱印帳の企画を思いつく場面があります。その後には、外部の経営コンサルタントを入れて会社の体制を見直すことや、発信の変更、新居の図面の組み直しも描かれます。
こうした場面は、自分の仕事や暮らしと重ねて読めます。商品企画なら「自分の得意なことから、誰かに喜んでもらえるものを作れないか」。家の計画なら「希望を全部盛り込む前に、どこにお金をかけたいか」。著者の選択をきっかけに、自分への問いを一つ持つだけでも、読書から得られるものが変わります。
体験談の結果が誰にでも同じように再現するとは限りませんが、具体的な行動は自分の状況に合わせて考えられます。著者が何を支えにして、どんな判断を重ねたのか。その過程を追うと、不思議な体験の話にも仕事や生活との接点が見つかります。
お金の体験談を楽しむ、三つの問い
本書に限らず、お金が登場する体験談では、次の三つを問いかけながら読むのがおすすめです。
- 何のお金? 売上、利益、料金、見積など、数字の意味を確かめる。
- どのくらいの規模? 年額を月平均にするなど、簡単に計算してみる。
- その後どう動いた? 登場人物の判断から、自分にも考えられることを探す。
物語を楽しみながら数字を読み、登場人物の選択を自分に重ねる。コヤッキーさんの本は、そんなお金の読み方を試してみたい人にも楽しめる一冊です。
参照書籍:コヤッキー『陰陽師に人生めちゃくちゃにされたけど金運が爆上がりした話』扶桑社BOOKS、2026年10月13日発行、Kindle版。書籍は実体験をもとに再構築された作品とされています。金額や出来事は著者の記述として紹介しており、取引や収支を会計資料から検証したものではありません。
書籍をめぐる関係者の見解も読みたい方は、陰陽師・水鳥マリアさん事務局の公式note(2026年10月12日)もあわせてご覧ください。
公開資料の確認日:2026年10月19日。