「NISAとつみたてNISAの違いって何?投資初心者に向いているのはどっち?」
そんな疑問を持っていませんか?
結論をいいますと、投資初心者の方には100円という少額から始めることができるつみたてNISAがおすすめです。
もちろんNISAにも、つみたてNISAにはないメリットがあります。
そこで、この記事では、NISAとつみたてNISAについて、
- 両者の違い
- 選び方
- それぞれのメリットとデメリット
を解説します。
ぜひ最後までお読みください。

【比較表】NISAとつみたてNISAの違いは?
(画像引用元:金融庁|NISA特設ウェブサイト)
NISA(ニーサ、小額投資非課税制度)は、株式投資や投資信託などの資産運用で得た利益に税金がかからない制度をいいます。
本来であれば投資で得た利益には、約20%の税金がかかりますが、NISAを利用することで利益を得ても税金がかからないため、節税しながらの資産運用が可能です。
NISAには「一般NISA(以後は、NISAと記載)」と「つみたてNISA」の2種類があります。
ここで、両者の違いを比較表にして明らかにしていきます。
NISA(2024年から新NISAに移行) | つみたてNISA | |
非課税期間 | 最長5年 | 最長20年 |
年間非課税投資枠 | 120万円(新NISAは122万円) | 40万円 |
非課税投資総額 | 600万円 | 800万円 |
買付方法 | 通常買付積立 | 積立のみ |
ロールオーバー | 可 | 不可 |
投資対象商品 | 株式投資信託ETF(上場投資信託)REIT(不動産投資信託)ETN(上場投資証券)新株予約権付社債 | 金融庁が認めた投資信託ETF |
投資可能期間 | 2014年~2023年(新NISAは2024年~2028年) | 2018年~2042年 |
NISAとつみたてNISAは、同じ非課税制度ではありますが期間や非課税枠、対象商品に違いがあることが見て分かります。
なお、ロールオーバーとは、非課税期間が終了した後に保有している金融商品を、新たなNISA非課税投資枠に移行することをいいます。
また、NISAとつみたてNISAは同時保有ができないため注意が必要です。
NISAとつみたてNISAはどちらがおすすめ?
ここではNISAとつみたてNISAのおすすめな選び方を解説していきます。
NISAがおすすめな人
NISAがおすすめな人は、以下のような人です。
- 投資に回せる余剰資金が年間100万円ほどある人
- 短期で利益を出したい人
- 投資経験がある中級者以上
(画像引用元:金融庁|一般NISAのポイント)
NISAは、年間非課税投資枠が120万円ということで、投資に回せる余剰資金が年間100万円ほどある人におすすめです。
さらには、個別株投資もできるため、短期で利益を出したい人にも向いています。
個別株投資は、銘柄選びが上手くいけば短期間で相応な利益を得ることも可能といえるでしょう。
ただし、個別株投資を含めた資産運用は、投資の知識や経験がなければ相応の利益を得ることは難しいといえます。
そのため、NISAは投資経験がある中級者以上の方に向いているといえるでしょう。
つみたてNISAがおすすめな人
つみたてNISAがおすすめな人は、以下のような人です。
- 投資に回せる余剰資金が限られている人
- 長期の積立投資で資産を増やしたい人
- 投資初心者
(画像引用元:金融庁|つみたてNISA早わかりハンドブック)
つみたてNISAは、100円という少額から投資ができるため、投資に回せる資金が限られている人や小額から投資をしたい人に向いています。
また、つみたてNISAはその名のとおり、長期での積立投資を想定しています。
そのため、長期で積立を続けてコツコツと利益を積み重ねていきたい人にもおすすめです。
さらに、つみたてNISAは商品購入のタイミングに悩むことなく、毎月自動で積立購入されることから、投資に手間を掛けたくない人や初心者の方でも安心して投資ができます。
NISAのメリットとデメリットは?
まずは、NISAのメリットとデメリットを紹介していきます。
メリット
投資の自由度が高いことがNISAのメリットです。
取扱商品も投資信託やETFに加えて個別株などにも投資ができ、さらには積立だけではなく通常買付も可能な点は、つみたてNISAよりも自由度が高いといえます。
また、年間非課税投資枠が120万円と、つみたてNISAよりも高く設定されています。
120万円という投資枠を使って非課税口座を運用できることも、NISAの大きなメリットといえるでしょう。
デメリット
NISAのデメリットは、非課税期間が最長5年と短いことです。
短期間ということで運用もシビアになりがちで、商品の購入タイミングなども見極める必要があります。
そのため、相応な利益を得るためには投資に関する知識や経験が必要といえるでしょう。
また、これはつみたてNISAにも共通するデメリットですが、NISA口座以外の通常口座とは損益通算ができません。
損益通算とは、投資で出た損失と利益を通算して税金の算出をすることです。
NISAは利益に対して税金がかからない分、損失に関しても損益通算ができません。
この場合、
- 通常口座では利益が出ている
- NISA口座では損失が出ている
という状況では、通常口座の利益を減らすことができません。
先ほども解説しましたが、投資で得た利益に対しては約20%の税金がかかります。
NISA口座が通常口座と損益通算ができないことで、通常口座で得た利益にそのまま約20%の税金がかかることになるのです。
ただし、通常口座で投資しない場合は、損益通算を気にする必要はありません。
損益通算を気にする場合は、NISA口座のみでの投資をおすすめします。
つみたてNISAのメリットとデメリットは?
続いて、つみたてNISAのメリットとデメリットを紹介します。
メリット
つみたてNISAのメリットは、100円という少額から積立投資ができるという点です。
投資を始めたいけど不安があるという人は、小額から始められるつみたてNISAを選ぶと良いでしょう。
さらに、最長20年間非課税になるほか、非課税投資総額が最大800万円とトータルでみると最大600万円のNISAよりも200万円多く投資できることも、つみたてNISAのメリットといえます。
投資総額が大きいということはそれだけ節税効果も大きいといえるため、節税も考えるならつみたてNISAはおすすめできます。
デメリット
つみたてNISAのデメリットは、対象商品が金融庁が認めた投資信託やETFに限られていることと、買付方法が積立投資のみに限られていることです。
投資経験があり、商品や買付方法を自由に選びたい人には大きなデメリットといえます。
まとめ:投資初心者には、つみたてNISAがおすすめ
ここまで、NISAとつみたてNISAの違いや選び方、メリット、デメリットを解説してきました。
簡単にまとめると、
- 投資初心者には、つみたてNISA
- 投資中級者以上には、NISA
がおすすめです。
この記事を参考に、自分にあった方を選んで将来に向けて資産形成をしていきましょう。
ライター:伊藤 健二