2019年12月に新型コロナウイルスが中国にて蔓延し、その後、世界中に蔓延し緊急事態宣言が発動しました。
外出自粛が行われ、今までの自由な生活を送れなくなりました。
そんな状況を打破してくれたのが、ファイザー社のワクチンです。
(引用:株探米国)
ファイザーを皮切りにコロナウイルスのワクチンが普及し、一躍有名になりました。
この記事では、ファイザーの株価や将来性について解説します。
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ファイザーの概要
ファイザーはアメリカの大手製薬会社です。
1849年に設立、1944年1月にニューヨーク証券取引所に上場しています。
世界史でも有名なアメリカの南北戦争で、北軍の医薬品のほとんどがファイザー勢といわれ、歴史と実績がある企業です。
1990年代から積極的に大型買収を繰り返し、2003年にファルマシア社を買収したことで、世界最大の製薬会社になりました。
有力な新薬を会社ごと買収して利益を上げる手法は「ファイザーモデル」ともいわれています。
世界最大の製薬会社となったファイザーですが、その名を耳にしたのは新型コロナウイルスが蔓延した時でしょう。
結果、2021年には株価は最高値を更新しました。
しかし、最近は株価を下げて25ドル付近を推移しています。
(引用:Yahoo!ファイナンス)
どうしてファイザーは株価を下げてしまう結果になったのでしょうか?
この記事を読めば、以下のことがわかります。
- ファイザーの株価下落理由
- ファイザーの将来性
ファイザーが将来的にも伸び続ける銘柄か、判断する材料になるでしょう。
ファイザーの株価下落理由
ファイザーの株価下落の理由は、コロナワクチンの売上高の低下です。
コロナ禍のワクチン需要により、ファイザーの売上高は爆増しました。
2021年度には前年度の約2倍の812億ドル、2022年度には1,003億ドルとさらに売上高を伸ばしました。
(引用:株探米国)
コロナワクチンの売上は凄まじく、2022年度の1,003億ドルのおよそ半分に相当する567億ドルもの売上高を誇りました。
しかし、2023年にこの状況は一転します。
2023年に入り、コロナワクチンの売上が減少し始めました。
きわめつけは、2023年10~12月期決算で、前年同期比41%減の142億ドルです。
2四半期連続の赤字により、ファイザーの評価は大きく下がりました。
(引用:株探米国)
追い打ちをかけるように、アメリカ政府に納品したコロナ向け飲み薬である「パクスロビド」が返品され、計上していた35億ドル分の売上高を取り消すことになりました。
しかし、コロナウイルス関連以外の製品の売上は8%増、特に高齢者向けRSウイルスワクチンや心筋症の薬、血液凝固を防ぐ薬の売れ行きが堅調でした。
コロナ特需が終了し、売上高もアナリスト予想を下回る現状となりました。
市場のファイザーに対する見方が厳しい状況が続く今、新たな手を打つ必要があります。
(参考:日本経済新聞|ファイザー来期も売上高低迷 2年で4割減、コロナ薬不振)
ファイザーの将来性
ファイザーの将来性はあると思います。
ファイザーの将来性があると思う理由は以下のとおりです。
- シージェンの買収
- 経営の柔軟性
ファイザーは、コロナワクチンの次の目玉として、がん治療薬を手がけるシージェンの買収を発表しました。
430億ドル(約5.7兆円)の大型買収です。
ファイザーが世界最大の製薬会社になった手法である、有力な新薬を会社ごと買収して収益を上げるファイザーモデルが今回も光ります。
ファイザーCEOのアルバート・ブーラ氏は、シージェン買収により、少なくとも2030年までにブロックバスター(年間売上高が10億ドルを超える大型薬)の開発ができると、意気込んでいます。
(参考:日本経済新聞|米ファイザー、10~12月赤字5000億円 コロナ製品低迷)
日本では2人に1人ががんになると言われるくらいです。
がんの画期的な治療薬ができれば、成果は絶大でしょう。
今後のファイザーの動きに注目が集まります。
ファイザーの将来性がある理由の2つ目は、経営の柔軟性です。
ファイザーは2020年にアップジョンという会社を分社化しています。
アップジョンはファイザーのジェネリック医薬品部門でした。
ファイザーの事業多角化に寄与するも、売上高が落ちていたために分社化。
ファイザーは得意分野である成約事業に専念でき、経営管理がしやすくなり、売上高成長率を加速させました。
(参考:薬事日報|【米ファイザー】新会社「ヴィアトリス」設立ー特許切れ薬など事業統合)
買収だけでなく、分社も行い経営状況を常に最適なものにできるのはファイザーの強みです。
また、2023年度の業績悪化にともない、2024年末までに40億ドルものコスト削減に着手するなど、大手企業にしては素早い対応を見せています。
シージェンの買収と経営の柔軟性の2点がファイザー社の将来性があると感じる理由です。
まとめ:ファイザーの株は持っていて損はなし!
ファイザー社の株価低迷の理由は、新型コロナウイルス関連の製品の売れ行きが悪いことにあります。
ピーク時と比べるとコロナワクチンの売上は54%も減少、アメリカ政府に納品したコロナ向け飲み薬「パクスロビド」も返品され、35億ドルの売上を取り消しました。
コロナ関連以外の製品の売上は8%増と堅調を見せているだけに、コロナワクチンが足を引っ張る現状は投資家にとって好ましくありません。
2023年度には2四半期連続の赤字決算を出したことで市場の目が厳しくなったことが原因です。
ファイザー社の将来性があると感じる理由は以下のとおりです。
- シージェンの買収
- 経営の柔軟性
がん治療薬を手がけるシージェンを買収することで、ブロックバスターの開発が期待できます。
ファイザーは買収に目が行きがちですが、分社化することで経営効率を上げることにも長けています。
2020年に売上高が落ちていたアップジョンを分社化することで経営効率を上げ、売上高成長率を加速させることに成功しました。
また、2024年には40億ドルものコスト削減を表明しており、経営の柔軟性がうかがえます。
ファイザー社の株価は今後伸びるのではないでしょうか?
万が一、ファイザー社の株価が伸びなかったとしても、ファイザー社の銘柄を保有することはおすすめできます。
理由は、配当利回りの高さです。
ファイザー社の配当利回りは6%を超えています。
(引用:株探米国)
通常、高配当株と呼ばれる銘柄は3~5%が基準です。
ファイザー社は世界最大の製薬会社にもかかわらず、驚異の配当利回りを誇ります。
ファイザーは2009年に50%もの減配をした後は13年連続で増配を続けています。
株主を大切にするアメリカでは13年は短い方ですが、今後も増配を期待できるポテンシャルを秘めているといえるでしょう。
高配当株投資家にとっては現在のファイザーはバリュー株としての魅力があるのではないでしょうか?
ファイザーの株式を購入する時の参考にしてみてください。
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