「看護師としてのスキルを他にも生かして仕事がしたい」
「看護師として十分な収入はあるけど、もう少し稼いで自分のお小遣いにしたい」
「でも、看護師って副業していいの?何に気をつけたらいいの?」
こんな風に不安を抱えている看護師は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、副業を始める前におさえておきたいポイントを解説します。また、副業をバレずにしたいという人に向けておすすめ副業をご紹介します。
まずは看護師の勤務先は副業可能なのかを確認しよう
看護師として働いている方は、まずご自身の勤務先や病院が副業OKなのかを確認しましょう。
以下では、勤務先の病院によって異なる制限をまとめていきます。
勤務先が国公立か民間かによって副業可能か異なる
看護師としての勤務先が国公立か民間かどうかによって副業の制限が異なります。
以下で確認してみてください。
<勤務先が国公立の場合>
公務員の副業については、それぞれ国家公務員法・地方公務員法において制限が設けられています。
国家公務員法第103条
職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
国家公務員法第104条
職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。
引用:国家公務員法e-Gov法令検索
地方公務員法第38条
職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
引用:地方公務員法e-Gov法令検索
また、国家公務員法・地方公務員法それぞれに共通して以下の3点が義務づけられています。
「信用失墜行為の禁止」
「秘密を守る義務」
「職務に専念する義務」
以上のことを踏まえ、公務員として職務を遂行する上で常に公務員としての自覚をもち、信用を失う行為はしてはならないという観点から副業に関しても制限が設けられているのです。
近年公務員の副業に関しては、徐々に解禁に向けての動きもみられています。しかし全ての副業が認められているわけではありません。
社会貢献活動などの公益的な副業は可能となりましたが、依然営利目的としての副業は禁止されており、今後も公務員の副業解禁の動向には注目が集まっています。
<勤務先が民間の場合>
民間企業では、近年副業可能な企業も増えています。
しかし、勤務先によっては副業全面禁止している企業や条件付きで認めている企業など、就業場所により異なるため、勤務先の就業規則をしっかりと確認すべきです。
「自分の職場は副業しても大丈夫だろう」と勝手な思い込みで副業を始めると、バレて処分されるなんてこともあり得るので事前にしっかり確認しましょう。
看護師が副業を選ぶ際の注意点
続いて、看護師が副業を選ぶ際の注意点を解説します。
副業しながら本業が疎かにならないかを判断する
副業に力を入れすぎると、本業が疎かになり医療ミスにもつながりかねません。
看護師の仕事は人命を預かる責任重大な仕事です。副業の負担が大きいと、本業に支障をきたす可能性があります。
きちんとワークライフバランスを考え、無理なく働けるかどうかの判断をしっかり行ってください。
副業を隠している場合は身バレしない職業を選ぶ
もし副業を隠してする場合は、どこから情報が漏れるかわかりません。気を許している友人でさえも内緒にしておいた方が無難です。
また、副業も就業場所によっては知り合いと遭遇、なんてこともあり得ます。
副業が禁止されている場合、バレると処分が下されるケースがあります。それでも副業をする際は、バレないよう細心の注意を払いましょう。
看護師がバレずに副業するときは確定申告に注意する
続いて、看護師として勤務しながら副業するとき、勤務先にバレずにしたいという方向けの情報を解説します。
そもそも確定申告とは
企業や病院などに勤務している場合、自分で確定申告をしたことのある人は少ないかもしれません。
確定申告とは簡単にいうと、1年間の所得を計算し所得税の金額を確定し納税する一連の流れを指します。
会社員であれば、所得税は毎月給料から天引きされています。それを年末調整で1年間の所得から正しい所得税額を確定させているのです。
副業していても確定申告不要な場合
副業の年間収入または年間所得が20万円以下であれば確定申告は不要です。
ただし、上記に当てはまる場合でも確定申告が必要になるケースがあります。
・年収が2,000万以上の場合
・医療費控除やふるさと納税(寄附金控除)などを受ける場合
副業がバレたくない場合は住民税を自分で納める手続きをする
住民税は収入の金額に関係なく市町村に申告する義務があります。
しかし、この住民税の申告により本業の会社に副業がバレてしまうケースも多々あります。
そもそも住民税の納税方法には2種類の方法があります。
- 特別徴収:給料から徴収される
- 普通徴収:市町村から納税通知書が送られてくるため納税者自身が納付する
会社員であれば、毎月の給料から住民税が引かれています(特別徴収)。副業で20万円以上の所得があり副業がバレたくない場合は、確定申告する際に注意が必要です。
(副業がバレたくない場合の確定申告の注意点)
確定申告には「住民税に関する事項」という項目があります(下図参照)
出典:国税庁
もし、副業がバレたくないという人は必ずこの「自分で納付」を選択しましょう。
ただ、自治体によっては難しい場合もあるそうなので一度自治体に確認すると安心ですね。
バレずに副業可能!看護師におすすめの副業5選
クラウドソーシングで仕事を探す
在宅で副業を考えている人は、まずクラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサイトに登録するのがおすすめです。
ライティングやデータ入力等、初心者でも応募しやすい案件もたくさんあり、興味のある分野にチャレンジするといずれ大きな収入につながるかもしれません。
特にライティングは医療分野の募集も出ていたりするので、自分の知識・経験を生かせるでしょう。
【おすすめクラウドソーシングサイト】
・ランサーズ(Lancers)
・クラウドワークス(CrowdWorks)
YouTube・動画編集
近年動画編集に興味を持つ人が増え、副業で動画編集をしている人もたくさんいます。動画編集の需要も高まっており、あらゆる場面で動画編集の求人を目にする機会が増えました。
今後も動画市場はますます需要が高まると考えられているので注目の業界ですね。
映像などに興味がある人やもくもくと作業するのが好きな人はチャレンジしてみるといいかもしれません。この機会に自分のチャンネルを開設してみるのもいいですね。
ポイ活
ポイ活はすきま時間にできるので、副業でがっつり稼ぎたいわけじゃないけど、コツコツお小遣い程度稼ぎたいという人にはおすすめです。
以下におすすめのポイ活サイト3つをお伝えします。
看護師のオンライン相談
昨今コロナの影響もあり、テレビなどでファストドクターという言葉も頻繁に耳にするようになりました。
在宅診療や在宅療養の増加に伴い、看護師の電話相談等の需要も高まっています。
身体的に負担も少なく看護師としてのスキルを十分生かせるので、一度求人検索してみるのがおすすめです。
フリマアプリ
いまや多くの人が利用しているフリマアプリ。自宅で不要になったものを売るだけで収入になるのですごくおすすめです。
意外にこんなもの売れるの?!というものが売れたりします。
現在はフリマアプリも様々な種類のものがあり、サイトによっては使い方ガイドもあるので初心者でも安心して始められますね。
また不要になったものを売ることで自宅も整理できて一石二鳥。ぜひこの機会にはじめてみるといいですね。
おすすめのフリマアプリ3選
- メルカリ
- ラクマ
- ヤフオク
まとめ
看護師が副業を始める際に注意すべきポイントは以下の3点です。
- 本業の勤務先が副業可能かしっかりと確認し、申請や許可が必要な場合は副業開始前に必ず手続きをする
- 副業がバレたくない場合は細心の注意を払い、確定申告の際は住民税の支払方法に注意する
- 本業が疎かにならないようしっかりワークライフバランスを考える
「看護師は副業してもいいの?」
と疑問を持っている看護師は多いと思います。しかし、きちんと勤務先の規定を確認すれば副業できるかもしれません。
今の知識・経験をもっと生かしたい、他にもスキルを身につけたいという人は今回ご紹介した注意点を踏まえ副業にチャレンジしてみると、新たなやりがいが見つかるかもしれませんね。
在宅でできる副業も幅広く存在しています。副業を考え始めた段階で、どんな副業があるのかを調べてみるといいでしょう。
ただし、くれぐれも本業に支障のない範囲で副業も楽しみながらできるといいですね。
ライター:河野香織