「新NISAが始まると聞いたけど、いつから?現行NISAとの違いは?」
「つみたてNISAやジュニアNISAにも何か変更はあるの?」
そんな疑問をお持ちではないですか?
結論ですが、新NISAの開始は2024年からです。
新NISAが開始すると投資可能期間が延長されるほか、非課税投資枠などが2階建ての制度になるといった現行NISAから変更される部分もあります。
また、つみたてNISAとジュニアNISAにも新NISA同様に変更点があります。
そこで、今回は
- 新NISA制度がいつから始まるか
- 現行NISAとの違い
- つみたてNISAとジュニアNISAの変更点
などを解説します。
ぜひ最後までお読みください。
新NISAとは?いつから始まる?
最初にNISA制度やNISAの種類、新NISAの開始時期について解説します。
NISAとは
(画像引用元:金融庁|NISA特設ウェブサイト)
まずは、NISA制度を解説していきます。
株式投資や投資信託などの資産運用で発生した利益には、通常であれば約20%の税金がかかります。
これに対し、NISA(ニーサ)は、それぞれに定められた金額の範囲内であれば資産運用で得た利益に税金がかからない小額投資非課税制度です。
NISAを利用することで、節税しながらの資産運用が可能になります。
NISAの種類
NISAは
- 一般NISA(以後は現行NISAと記載)
- つみたてNISA
- ジュニアNISA
の3種類に分かれており、それぞれ非課税保有期間や非課税投資枠などが異なります。
3種類のNISAの違いは、以下の表のとおりです。
現行NISA | つみたてNISA | ジュニアNISA | |
利用できる人 | 日本に住む20歳以上の人 | 日本に住む0歳~19歳の人(運用管理者は両親や祖父母など) | |
非課税保有期間 | 最長5年間 | 最長20年間 | 最長5年間 |
年間非課税投資枠 | 120万円 | 40万円 | 80万円 |
投資商品 | 上場株式、ETF(上場投資信託)、公募株式投信、REIT(不動産投資信託)など | 金融庁が定める投資信託、ETF | 一般NISAと同じ |
買付方法 | 通常の買付、積立投資 | 積立投資のみ | 一般NISAと同じ |
投資可能期間 | 2014年~2023年 | 2018年~2037年 | 2016年~2023年 |
払出し制限 | なし | あり(18歳まで) |
なお、民法改正に伴い、2022年4月1日から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。
これにより、2023年から
- 現行NISAとつみたてNISAは「18歳以上」
- ジュニアNISAは「0歳~17歳」
の人が利用できることになります。
新NISAは2024年から
新NISAは、2024年から始まります。
もともと、現行NISAは小額から投資を行う人向けの非課税制度として2014年1月から始まったものです。
そして、その後の制度改正で現行NISAやジュニアNISAが見直された結果、2024年から新NISAが始まることになりました。
新NISAと現行NISAの違いは?
ここでは、新NISAと現行NISAとの違いやつみたてNISA、ジュニアNISAの変更点を解説していきます。
現行NISAは新NISAへ移行
新NISAへの移行に伴う変更点は、以下のとおりです。
- 投資可能期間が5年間延長
- 非課税投資枠と投資可能商品、買付方法が2階建ての制度へと変更
- 現行NISAから新NISAへのロールオーバーが可能
ここで、新NISAへの移行に伴う変更部分を比較表で明らかにしていきます。
現行NISA | 新NISA | |
制度開始 | 2014年1月から | 2018年1月から |
非課税保有期間 | 最長5年間(変更なし) | |
非課税投資枠 | 120万円 | 2階部分 102万円1階部分 20万円計122万円 |
投資可能商品 | 上場株式、ETF(上場投資信託)、公募株式投信、REIT(不動産投資信託)など | 2階部分 現行NISAと同様1階部分 つみたてNISAと同様 |
買付方法 | 通常の買付、積立投資 | 2階部分 現行NISAと同様1階部分 積立投資のみ |
払出し制限 | なし(変更なし) | |
投資可能期間 | 2014年~2023年 | 2024年~2028年 |
新NISAには2階部分を利用するための条件として、まずは1階部分で積立投資する必要があるという注意点があります。
ただ、この場合は1階部分で満額の20万円積立投資する必要は無く、少額でも購入していれば2階部分を利用できます。
なお、2019年以降に現行NISA口座で購入した金融商品は、新NISA口座にロールオーバーができます。
ロールオーバーとは、現行NISAで購入した金融商品を、新NISAへ移管して継続保有することです。
ロールオーバーした場合、最大10年間非課税での運用ができます。
現行NISAの非課税期間終了時に、資産が新NISAの非課税投資枠である122万円を超えていたとしても金額に制限なく全額ロールオーバーが可能です。
ただし、ロールオーバーした額分だけ翌年の非課税投資枠を使用することになります。
122万円を超えてロールオーバーしていた場合、翌年は新NISAで新たに投資することはできません。
また、新NISAの1階部分で積立購入した金融商品は、非課税保有期間終了後に新NISAからつみたてNISAへとロールオーバーができます。
つみたてNISAの非課税保有期間は20年間ということで、ロールオーバーをすれば新NISAの非課税保有期間5年間と合わせて最大25年間非課税で運用できることになります。
つみたてNISAは5年間延長
つみたてNISAは以下のとおり、投資可能期間が5年間延長します。
2023年までのつみたてNISA | 2024年以降のつみたてNISA | |
投資可能期間 | 2018年~2037年 | 2018年~2042年 |
そのほか、投資可能期間以外に変更点はありません。
ジュニアNISAは2023年末で終了
ジュニアNISAは、利用者数が少ないという理由もあり、2023年末で終了になります。
また、ジュニアNISAは口座名義人が18歳に達するまで保有資産の払出しはできません。
しかし、2024年以降は18歳に達していなくても払出しが可能になります。
これからNISAを始めるなら、新NISA開始まで待った方が良い?
結論からいいますと待つ必要はありません。
なぜなら、投資は基本的に早めに始めることが大切で、時間を味方につけることでそれ相応の利益が期待できるからです。
投資では、運用期間が長いほど得た利益がさらなる利益を生む「複利効果」が効果的に働いてくれます。
さらに、今からでも現行NISAを始めることで、購入した商品は新NISAへロールオーバーができます。
よって、早めに始めれば、それだけ長く運用益非課税のメリットを受けることができるということです。
そのため、NISAを始める場合は、新NISA開始まで待つ必要はなく、今からでも現行NISAを始めることをおすすめします。
まとめ:新NISAは2024年から
新NISAは、2024年にリニューアルします。
大きな変更点は
- 非課税投資枠
- 投資可能商品
- 買付方法
が2階建ての制度になることです。
さらには、1階部分と2階部分では非課税枠や選べる商品、買付方法が異なります。
新NISAは、1階部分の投資可能商品や買付方法がつみたてNISAと同じです。
よって、現行NISAとつみたてNISAを組み合わせたような制度となるといえるでしょう。
これにより、投資経験者のみならず、投資初心者にも新NISAを始めるハードルが下がることが予想されます。
NISAがリニューアルしても、NISA制度が投資を手助けする制度であることに変わりはありません。
NISA制度を利用して、将来の資産形成を図っていきましょう。
ライター:伊藤 健二