「iDeCoに加入すると100万円以上節税できる」と聞いて、疑いを持つ方もいるかもしれません。
しかし、iDeCoに加入することで節税になると聞いたことがある方も少なくないでしょう。
年収や加入期間にもよりますが、会社員にとってiDeCo加入の節税効果は大きいです。
とはいえ、なかなか一歩が踏み出せずにいる方も少なくないでしょう。
- なんだか難しそう
- 始め方が分からない
- 会社から書いてもらわないといけない資料があるらしい
そこで本記事では、実際にiDeCoに加入している私が加入した理由や感想を交えつつ、iDeCoについて解説していきます。
iDeCoに加入するか迷われている方の参考になれば幸いです。
iDeCoのメリット
iDeCo最大のメリットは節税効果です。掛金の全額が所得税・住民税の控除になります。
ほかにも、通常投資信託では20.315%の税金がかかりますが、iDeCoで得られた通用益は非課税になるというメリットもあります。
掛金を投資信託などの運用益を期待できるもので積立すると、その分非課税メリットも大きくなっていきます。
具体的に次のようにシミュレーションしてみます。
年収300万円 40歳 女性 毎月の積立金額2万3,000円 積立期間25年間 運用利率3%
1年間の節税額
所得税 | 1万4,000円 |
所得税 | 2万7,400円 |
合計 | 4万1,400円 |
25年の所得税・所得税の合計節税額 103万5,000円
25年間の想定運用実績
積立元金 | 690万円 |
運用益 | 335万円 |
合計 | 1,025万円 |
運用益の節税額 約67万円
上記のようにiDeCoでは約170万の節税効果があります。
税金は給与を支払う会社が社員の代わりにまとめて納税する仕組みになっているため、会社員が節税できることは多くありません。
しかし、iDeCoに加入することで税制優遇のメリットを受けることができます。
iDeCoのデメリット
iDeCoのデメリットとしては、60歳まで引き出しできないことです。
積立している途中で、急にお金が必要になったとしても、特別な理由がない限り積立したお金を引き出すことはできません。
次に、元本割れのリスクがあることです。元本変動型の商品に積立すると運用益のリターンを期待できる代わりに元本を下回るリスクがあります。
手数料がかかることもあげられます。加入時にかかる手数料・口座管理手数料・給付手数料がかかってきます。
iDeCoをはじめた理由
紹介してきたメリットデメリットを踏まえて、なぜ私がiDeCoに加入したのかとデメリットをどのように考えているのかをご紹介します。
私は老後資金を貯めたいという目的のために始めたので、60歳まで引出しできないことはむしろメリットとして考えています。
旅行費用や冠婚葬祭費用など、ほかに必要な資金は別に貯めるようにしています。
元本割れリスクに関しては、投資信託で長期を運用するとプラスになる可能性が高いというデータがあり、それを期待しています。元本保証型の定期預金の商品もあるので、元本割れが心配な方は選んでみるのもひとつの手です。
iDeCoには手数料がかかりますが、証券口座によりますが月々数百円と安いので問題ないと考えています。
iDeCoについて知っておきたいこと
iDeCoを興味が出てきた方のために、iDeCoについて代表的な知っておきたいことを3つあげます。
iDeCoと企業型DCの違い
企業型DC(企業型確定拠出年金)とは、毎月の積立金を企業が出して、運用を自分(従業員)でする制度です。
掛金を自分で負担するのがiDeCo(個人型確定拠出年金)、企業が負担するのが企業型DC(企業型確定拠出年金)となります。企業型DCもiDeCoと同様に60歳まで引き出すことはできません。
これまでiDeCoと企業型DCは同時に加入できませんでしたが、2022年10月の法改正で企業型DCの加入者であってもiDeCoに加入しやすくなります。
iDeCoとNISAの違い
運用益の非課税の制度として、iDeCoのほかにNISAや積立NISAがあります。
大きな違いとしては、iDeCoは60歳まで掛金を引き出すことはできませんが、NISAや積立NISAはいつでも引き出すことが可能です。また、掛金が全額所得控除されるのはiDeCoのみです。
iDeCoに加入できる対象者と掛金
iDeCoに加入できる人は、日本に居住している20歳以上60歳未満で国民年金保険料を支払っている人です。会社の企業型DCの規約でiDeCoの加入が認められていると加入可能です。
掛金には上限があり、企業型DCのない会社員は月2万3,000円、企業型DCに加入している会社員は月2万円、公務員は月1万2,000円です。下限はいずれも月5,000円となっています。
iDeCoの始め方
自分がiDeCoに加入できることが確認できたら申込みをします。
iDeCoの始め方の流れを紹介します。
- 掛金を決める
- 運用商品を選ぶ
- 金融機関を選ぶ
- 必要書類を提出
郵送かweb申込みか選べますので、ご自分に合った申込み方法が可能です。
金融機関を選んで申し込んだ後に運用商品を選ぶこともできますので、運用商品を決められない方は先に申込みを済ませておくと良いでしょう。
iDeCoを申込みした感想
私は最大限に節税をしたかったので、上限の2万3,000円を掛金に設定しました。下限5,000円から設定できるので、余剰資金や自分のライフスタイルに合わせて設定していきましょう。
iDeCoを申し込んで感じたことは、申込みから時間がかかることです。私は2ヶ月かかりました。待っている間に運用商品を決めておくのもおすすめです。
iDeCoにおすすめなネット証券
・楽天証券:運用管理手数料無料。インターネットサイトが使いやすい。
・SBI証券:加入者No1の証券会社。運用管理手数料無料。
どのネット証券を選んだのか
私はSBI証券を選びました。楽天証券とSBI証券で迷いましたが、まだSBI証券の口座を持っていなかったため、ポイントサイトのモッピー経由で開設しました。ポイントをお得に貯められるのでおすすめです。
iDeCoの加入を会社に知られたくない場合は
iDeCoの申込みに必要な書類に「事業主証明書」があります。しかし、iDeCoに加入することを会社には知られたくないという方もいるかと思います。私もそう思って悩んでいましたが、いざ申し出てみるとすんなり受け入れられました。
しかし、どうしても知られたくないという方には2024年12月の制度改正を待ってみるのも良いでしょう。
まとめ
事前に知っておきたいこと、会社員の私が実際iDeCoをやってみた感想について解説してきました。
コツコツ老後資金のためながら節税できるiDeCoはおすすめです。自分のライフスタイルと相談しながら検討してみましょう。
ライター:井村そら