「家計が苦しくて先々の授業料を払っていくのが厳しいが、大学に進学したい」と考えている高校生の方は大勢いらっしゃるでしょう。
「最初は授業料を払えたが、家計が苦しくなりこの先も払える見込みが無い」「予約奨学金を借りていないが、想像以上に大学の授業料が高い」と思っている大学生もいらっしゃるでしょう。
また、その中には「奨学金を借りるとどんなリスクがあるの?」と考えている方もいらっしゃるでしょう。
このような不明点があれば、少しでも早く解消させたいですよね。
そこで当記事では、大学時代に奨学金を貸与しており現在返済中である私が、
- 色々な奨学金制度から自分が利用可能なものを選ぶ
- 奨学金申請時の注意点
について解説します。
この記事を読んで、奨学金を申請する時・借りる時に、不手際や後悔の無いようにしましょう。
色々な奨学金制度から自分が利用可能なものを選ぶ
ここでは、色々な奨学金制度についてお伝えします。
具体的には、
- 給付型の奨学金
- 第一種貸与型奨学金
- 第二種貸与型奨学金
- 入学時特別増額
- 海外留学の奨学金
- 家計が急変した時の奨学金
- 新聞奨学金
- 大学独自の奨学金
があります。
給付型の奨学金
「給付型の奨学金」は、お金が貰えるため返還の義務はありません。
また、経済的に困難な家庭の学生しか申請できません。
そして、家計の基準は、「家計支持者が住民税非課税」か「社会的擁護を必要とする人(生活保護を受ける人)」である必要があり、基準としてはかなり厳しいです。
収入や所得を証明する書類の提出も必要になってきます。
また、大学での取得単位数やGPAも採否の判断基準になります。
第一種貸与型奨学金
「第一種貸与型奨学金」は、非常に採用条件が厳しいです。
経済的に困窮しているだけでなく、学力基準や大学の公私や一人暮らしであるか等の条件も関係してきます。
無利子で借りることができ、返済は卒業後から始まります。
第二種貸与型奨学金
「第二種貸与型奨学金」は、採用基準が比較的緩やかです。
利用資格は
- 成績が平均水準以上
- 特定の分野で特に優れた資質能力を有する
- 学修意欲があり確実に学業を修了できる見込みがある
の、いずれかに当てはまることです。
返還の際は利子が付与され、上限は3%と決められていますが、実際の利率はその時の経済状況に応じて変わります。
借りる金額は自分で選択できます。
入学時特別増額
「入学時特別増額」は、一定の条件を満たした人のみが借りることができる奨学金で、入学時特別増額のみの申請はできません。
振込みがされるのは入学後です。
入学時特別増額は、第一種・第二種奨学金に加えて、入学月の分に月額で一時金として増額して貸与する有利子の奨学金です。
日本政策金融公庫の「国の教育ローン」に申し込んだが採用されなかった世帯の学生が対象です。
入学時特別増額だけの貸与はできないので注意してください。
海外留学の奨学金
基本的に、返済不要・給付型の「海外留学の奨学金」へ申し込んで借りるには厳しい条件があります。
高額な費用が必要となる海外での勉強をするため、優秀な人達が多く申請する奨学金は簡単には支給してもらえません。
奨学金提供の目的をよく把握し、それに沿って申し込みに必要な書類を準備しましょう。
家計が急変した時の奨学金
生計維持者の失業や病気、災害など、予測できない事態によって家計が急変してしまったときに申請できる制度があります。
急変事由発生日から3ヶ月以内に申し込まないといけません。
また、学業成績や家計(所得・資産)や収入に関わる書類も必要であり、給付額は「緊急採用」と「応急採用」で異なってきます。
新聞奨学金
「新聞奨学金」制度は、大手の新聞社系列の新聞販売店に住み込みで働き、給与・奨学金の両方が支給される制度です。
新聞社によって異なりますが、新聞奨学生の定員は、提携する大学によって一定の枠が設けられており、早めに受付を終了する場合があります。
また、授業時間と配達業務のスケジュール調整が難しい場合、新聞奨学金を利用できないこともあるため、事前に確認しましょう。
医科・歯科系や理工系大学に通われている学生は注意しないといけません。
大学独自の奨学金
大学毎に色々な支援額・支援対象・支援方法の奨学金制度が実施されています。
収入状況が厳しい家庭の学生を対象としたものや、成績優秀者やスポーツ・文化活動で優れた実績を持つ学生を確保するためのものがあります。
奨学金申請時の注意点
ここでは、奨学金を申請する時の注意点をお伝えします。
具体的には、
- 説明会出席が必須
- 返済が卒業後も長期間続くことも考慮
- 留年すると貸与がストップ
- 奨学金を借りる前には一旦ちゃんと考えよう
- 繰り上げ返還について
があります。
説明会出席が必須
大学入学後の「在学採用」は春の1回きりで、4月に奨学金申し込み説明会が開催されます。
奨学金の貸与を希望するのであれば必ず出席しなくてはいけません。
説明会に出席しなければ、奨学金を申し込むことができません。
また、一度採用されて奨学金を貸与することになると、次年度以降継続して借りたい場合も、「継続説明会」というものが開催されますので覚えておきましょう。
返済が卒業後も長期間続くことも考慮
貸与型の奨学金を利用すると、大学卒業後の社会人1年目の10月から返済開始です。
貸与金額にもよりますが、卒業時には、数百万円の借金を背負うことになっているケースも少なくありません。
万単位の金額を30~40代まで毎月支払っていく可能性もあるのです。
いつ頃まで月々いくらの返済を継続することになるのかを「奨学金貸与・返還シミュレーション」等で事前に試算し確認しておきましょう。
留年すると貸与がストップ
大学1年時に奨学金を借りることができていても、成績不振や単位不足で留年することになった場合、学力面での基準をクリアできていないと判断され、その後の奨学金を受け取れなくなります。
実際に、私は大学時代に留年をして奨学金の貸与がストップしたため痛い目に遭いました。
留年しても、大学の学費を払わないといけません。
奨学金を借りられないと学費が足りなくなる場合、返済が必要な奨学金を抱えたまま大学を中退し、就職先を見つけなくてはならない事態になってしまいます。
奨学金を利用する限りは、学業を疎かにしないようにしましょう。
奨学金を借りる前には一旦ちゃんと考えよう
奨学金は、金銭的な余裕のない家庭の学生でも勉学に励めるようにするための支援制度です。
しかし、返済の必要がある奨学金によって、卒業後の生活に負担が掛かります。
奨学金を申し込む前に、自分が借りたい奨学金の制度についてしっかりと把握しておくことが重要です。
返還の必要性の有無、返せない場合はどうなるのか、月々の返還金額や返還に費やす年月はどのくらいか、数百万円の借金をしてまで大学生活を送る価値があるのかについても深く考えてみましょう。
繰り上げ返還について
日本学生支援機構の貸与型奨学金を受給した場合の返還について、必ずしも月ごとの返済日を待たずにいつでも前払いをすることができます。
これが奨学金の「繰り上げ返還」という制度です。
繰り上げ返還の申し込みは、インターネットを利用した「スカラーネット・パーソナル」で行います。しかし、その申請には、返済口座の登録が必要で、登録ができない場合は、郵送かFAXや電話による申請が必要です。
まとめ
奨学金制度には色々な種類があります。
具体的には、
- 給付型の奨学金
- 第一種貸与型奨学金
- 第二種貸与型奨学金
- 入学時特別増額
- 海外留学の奨学金
- 家計が急変した時の奨学金
- 新聞奨学金
- 大学独自の奨学金
があります。
また、奨学金を借りるためにきっちりと誤りなく申請するだけでなく、大学卒業後の返還も視野に入れておくことも重要です。
当記事でお伝えした内容を参考に、奨学金を利用し、有意義な大学生活を送ってください。