ソシオネクストの将来性は?今後の見通しを解説

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ソシオネクストは、上場からわずか8ヶ月で株価が7倍になりました。これまでソシオネクストのことを知らなかった人も、この株価急騰で注目し始めたことでしょう。

ただ、2023年6月につけた5,666円を超えることができておらず、2025年現在の株価は下落基調です。

そこでこの記事では、株価の反転があるのか、ソシオネクストの将来性について解説していきます。

目次

ソシオネクストはどのような会社?つぶれる心配はない?

まずは、ソシオネクストについて会社概要や業績について解説していきます。

会社概要

ソシオネクストが事業を開始したのは2015年で、わずか7年後の2022年10月に東証プライム市場に上場を果たしました。

会社名株式会社ソシオネクスト
本社神奈川県横浜市北区新横浜2-10-23 野村不動産新横浜ビル
資本金326億円(2024年3月31日現在)
事業開始日2015年3月1日
事業内容SoC及びそれを核とするソリューション/サービスの設計、開発及び販売
社員数約2,500名
代表者肥塚雅博
上場市場東証プライム市場

(参考:ソシオネクストHP

ただ、ソシオネクストは、勢いのあるベンチャー企業というわけではなく、富士通パナソニックのSoC事業を統合した会社です。

そのため、設立当時から営業基盤も財務基盤もしっかりした会社といえます。

事業内容

ソシオネクストの事業内容を一言でいうと「SoC事業」になります。

SoCとは、「System on Chip(システム オン チップ)」の略で、あらゆる機能を一つに凝縮した半導体チップのことです。

「いまスマートフォンが、これほど高性能にもかかわらず小型なのか」「昔のPCよりも小型になったにもかかわらず性能が大幅によくなっているのか」は、すべてSoC技術の発達といえます。

今までなら、機能を増やせば増やすほど大型化していましたが、SoC技術により多くの機能を一つの半導体チップに凝縮できるため、小型化することができるようになりました。

このようにソシオネクストは、一見聞いたことがない企業かもしれませんが、とても身近で私たちの生活を豊かにしてくれている企業の一つです。

事業の特徴

ソシオネクストはただのSoC事業を行っている企業ではありません。

その特徴は、通常であれば新製品を開発するメーカーが行う半導体チップの仕様・設計をソシオネクストが行ってくれることです。

「半導体チップにどのような機能を搭載するか」がメーカーにとっての差別化要素である一方で、半導体業界は日進月歩の業界で、日々技術が進化しています。そのため、どのような技術を使えば、どの程度の機能を搭載することができるのかは、専門家の手助けが必要となります。

そのようなときに、「メーカーがやりたいことがどのようなことで、そのためにはどのようなチップにするべきか」を入口から提案することができる会社がソシオネクストです。

このようなビジネスモデルのため、ソシオネクストの利益率は高くなっています。

業績

最後に業績を確認してみましょう。

単位:百万円2021/3期2022/3期2023/3期2024/3期
売上高99,746117,009192,767221,246
経常利益1,9699,05023,44037,122
当期利益1,4694,45019,76326,134
純資産額81,67689,609109,864131,020
自己資本比率78.3%75.7%56.6%70.1%

東証プライム市場に上場以来、増収増益が続いています。

AIの進化や車が電子機器化していく流れなど、電子機器の高機能化ニーズは増えており、ソシオネクストに対する電子機器メーカーなどからの期待の表れでしょう。

あしもとの株価が下落している理由は?

2024年4月以降、ソシオネクストの株価は下落し続けています。

(出典:Yahoo!ファイナンス

この主な下落要因は、2025/3期決算の影響と推察します。

単位:百万円2024/3期2025/3(予想)前年比
売上高221,246190,000▲14.1%
経常利益37,12224,000▲35.3%
当期利益26,13418,000▲31.1%

2025/3期の業績の落ち込みは、中国の低迷によるものです。

上場以来、大幅な増収増益を続けてきていたため、ここまでは成長期待で買われてきましたが、初の減収減益予測となったため、売られ始めていると考えられます。

ソシオネクストの将来性は?

2024/3期まで、順調に業績を拡大してきたソシオネクストですが、あしもとでは成長鈍化懸念が浮上しています。

そこでここでは、ソシオネクストの将来性について考察します。

NRE売上高が高水準を維持

ソシオネクストでは、NRE売上高を公表しています。

ソシオネクストの場合、ほとんどが顧客のオーダーメイドでSoCを設計するため、設計期間やメーカーの評価期間が長期にわたり、量産開始(業績に寄与)するまでの期間は2年以上です。

NRE売上高は、このような「まだ量産開始には至っていないけれども、将来、業績に貢献するかもしれない商談金額」を表しています。

つまり、NRE売上高が維持・拡大していれば、ソシオネクストの成長期待は高いと考えられるでしょう。実際にソシオネクストのNRE売上高は高水準を維持しています。

単位:億円2022/3期2023/3期2024/3期2025/3期 3Q
NRE売上高280349376295

(参考:ソシオネクスト 2025年3月期 第3四半期 決算説明資料

2025/3期3Qまでの売上高は、2024/3期と比べて約78.5%と前年を上回る水準です。このため、成長期待は薄らいではいないと考えらえます。

SoC需要は堅調

ソシオネクストは注力分野として、次の4つを掲げています。

  • スマートデバイス
  • オートモーティブ
  • 産業機器
  • データセンター

例えば、「オートモーティブ」分野では、自動運転向けなどのSoCニーズは高まっていますし、産業機器ではDX化・自動化などのニーズは衰えていません。

ソシオネクストのビジネスモデルが、どれだけ顧客に受け入れられるかはこれからかもしれませんが、今後この4分野向けのSoC需要の拡大は期待できるのではないでしょうか。

ソシオネクストの株価はこれからどうなる?

最後に、今後のソシオネクストの株価ですが、しばらくは上昇は期待できないかもしれません。

現在の株価の低迷が、業績の落ち込み(成長期待の剥落)にあれば、業績の回復が必要です。そのため、次の上昇のタイミングは、2026/3期が発表されるの決算見通しが発表される2025年4月末でしょう。

ただ、2025/3期の第3四半期の決算説明資料によれば、2026/3期の売上は2025/3期と同水準の見込みとの記載があります。

そのため、上昇時期はもう少し後になることを覚悟しておいた方がよさそうです。ただ、逆に言えば、安値で買うチャンスととらえることもできるため、買い場を探しのタイミングととらえましょう。

まとめ

ソシオネクストは、オーダーメイド型のSoC事業をグローバルに展開している企業です。

2025/3期の決算が芳しくないため株価は下落基調ですが、外部環境やNRE売上高をみる限り今後の成長期待は続く可能性は十分にあります。

しばらくは、株価は苦戦するかもしれませんが、NRE売上高を注視しながら買い場を探っていくといいかもしれません。

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ライター名:社会人ライター ひろきち

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