飲食店でアルバイトをするときに必要なのが、定期的な検便です。
しかし、恥ずかしいと感じたり、正しいやり方がわからなかったり、抵抗を感じる方も多いかもしれません。
今回は、アルバイトの検便に関して、検査内容や採取方法、検便の提出がないアルバイト先はどんなものがあるかを紹介していきます。
検便について困っていることや戸惑いがある方は、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店でのバイトはなぜ検便が必要なのか?
飲食店で検便が必要な理由は、感染症予防のためです。
スタッフの中に保菌者が万が一いた場合、調理や接客を通して他のスタッフやお客さまに感染させてしまう可能性があります。
そうした細菌やウイルスは、体調不良の症状がなく、健康に見えるときでも保菌している場合があります。
感染や食中毒が拡大する前に検査で発見し、保菌者が自宅待機するなど適切な対策をとれれば、店舗の信頼や売上を損ねる事態に発展するのを防ぐことができます。
1:検便の検査内容
どのような腸内細菌を調べるかは検査機関によって異なる部分はありますが、赤痢菌・サルモネラ・チフス菌・パラチフス菌・腸管出血性大腸菌O157の5つを検査するのが一般的です。
2:実施される頻度
実施する頻度は店舗や企業によって異なります。法律でその頻度について明記されている訳ではありません。
店舗や企業によって、「毎月1回以上」「半年に1回」「年1回」とそれぞれガイドラインを設けています。
これは保健所の指導にのっとって企業ごとに決めています。
飲食業においてスタッフの健康管理を推進することは、感染症や食中毒を未然に防ぐ目的があります。
さらに企業の衛生管理に対する意識に直結します。
したがって、実施可能な範囲内で多くの回数を実施することが求められるでしょう。
働いているバイト先で検便がどのくらいの頻度で行われているかは、現場の責任者に確認してみるとわかると思います。
筆者の経験では、どんなに多くても「月1回」が目安となっていると思いますし、大人になるとなかなか検査の機会なんてありませんので、病気に気付き得るいい機会だと捉え、提出するようにしていました。
3:検便の採取方法
なるべく新しい便から採取しましょう。
採便スティックは、直接、肛門に挿入し便をとらないでください。
便秘の方は、食物繊維を多く含む食品を摂るか、牛乳・水などの水分を多く摂取するなどしてみましょう。
どうしても便通が無い場合は、市販の便秘薬を飲んでもよいですし、下痢の場合は下痢止め薬を飲んでも構いません。
細菌性の下痢ではなく、ただの体調不調などで下痢をしている場合にはそれが原因で陽性になることはありません。
抗生物質を飲まれている場合は、数日あけてから採取しましょう。
また、生理中の採取でも検査結果に影響はありません。
採便容器内には保存用の液体が入っていますが、採取後はおよそ1週間以内に提出するのが望ましいでしょう。
検査機関へ届くまでは直射日光を避け、室温で保管しましょう。冷蔵庫で保管する必要はありません。
4:提出し忘れてしまった場合
誰が見てもすぐにわかってしまいますので、空の容器を提出してはいけません。
また、他の人に頼んで検便してもらうこともやめましょう。
正確な結果が出なければ検便している意味がなくなってしまいますし、もしあなたが保菌者だった場合はアルバイト先にも迷惑がかかってしまいます。
期限までに検便をできなかった場合は、正直にアルバイト先の責任者に伝えましょう。
1、2日でしたら待ってもらえることもあると思います。
筆者は飲食店で責任者として検便の提出管理をしていたことがありますが、提出が間に合わないとわかったらすぐに伝えてくれた方が助かります。
しかし、どうしても待ってもらえないこともあると思います。
その場合は、送料を自己負担で提出することになってしまうこともあるので、注意が必要です。
なるべく期限内に提出できるようにするのがよいでしょう。
5:もし再検査になった場合
検査で陽性判定が出てしまうと自宅待機となります。
必要があれば、医療機関で治療を受けたのち、アルバイト先の指示に従い検便を再提出しましょう。
検査結果が陰性判定となれば職場復帰することができます。
検便が必要ないバイトは?
基本的に、食品の取り扱いのない場所では検便を実施する必要がないと考えるとよいでしょう。
書店・テレアポ・倉庫内作業・事務・ドラッグストア・ホームセンターなどが挙げられるかと思います。
筆者はコンビニエンスストアでのアルバイト経験がありますが、コンビニエンスストアも検便の提出はありませんでした。
また、飲食店でも大手チェーンだと実施しますが、個人店などでは実施しないこともあるようですので、確認してみましょう。
【体験談】筆者がこれまでに勤務したことのある検便があるバイト先
筆者はこれまでファーストフードチェーン・カフェチェーンでアルバイトしたことがあり、検便の提出をしていました。
ファーストフードチェーンは月1回・カフェチェーンは半年に1回の頻度で検査を実施していました。
また、カフェチェーンはいくつかの店舗で働いたことがありますが、ショッピングセンターの店舗で働いていた時は、そのショッピングセンターの検便が月1回の頻度で実施されていました。
このように同じアルバイト先であっても、働く店舗によって頻度が変わることもあるので、気になる方はアルバイトを始める時に質問してみるのがよいでしょう。
まとめ:飲食店でのアルバイトは衛生管理の観点から検便が実施されています!安全な店舗運営のため提出に協力しましょう
今回はアルバイトにおける検便についてご紹介しました。
恥ずかしいと感じたり、正しいやり方がわからなかったり、抵抗を感じる方も多いかもしれませんが、感染症や食中毒を防ぐための大切な検査です。
正しいやり方を覚えれば、そんなに手間のかかることではありませんし、自身の健康を知る機会にもなります。
今回の記事を参考に、アルバイト先やお客さまの安全のためにも、検便提出には協力して取り組みましょう。