近年、FIREなどの単語をよく耳にしますが、配当金などインカムゲインを狙った投資に注目している人も多いのではないのでしょうか。
米国株は今後も成長が見込まれており、インカムゲイン狙いの投資先としてもおすすめです。
そこでこの記事では、米国株投資初心者向けに米国株のおすすめの銘柄や購入方法について解説します。
すでにつみたてNISAをしている人も多いとは思いますが、老後、つみたてNISAの売却タイミング時に株価が大暴落していたらどうしますか。
配当金などのインカムゲインがあれば、万が一、積み立てた投資信託が暴落していても、切り崩すことなく収入を得ることができます。
この記事では、米国株でインカムゲインを狙える理由やおすすめの銘柄、購入方法を解説しました。
高配当株をポートフォリオに組み入れて、将来の生活を少し豊かにしていきませんか。
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インカムゲインとは?
インカムゲインとキャピタルゲインの違い
- インカムゲイン ・・・資産を保有しながら得られる利益
- キャピタルゲイン・・・資産の売却時に得られる利益
のことです。
インカムゲインとキャピタルゲインには、それぞれメリットとデメリットがあります。
インカムゲイン | キャピタルゲイン | |
利益の種類 | 株式の配当金投資信託やETFの分配金銀行預金の利息 | 株式の売却投資信託やETFの売却外貨預金やFXの為替差益 |
メリット | 資産を所有しているだけで、定期的に収益が得られる | 一度に大きなリターンを得やすい |
デメリット | キャピタルゲインと比較するとリターンが小さい | 売却時に価値が下がっており、損失が出る可能性がある |
インカムゲインとキャピタルゲインのどちらを選ぶべきかというのは、個人の投資の目的によるので、正解はありません。
むしろ、自身の投資をより最善の状態に近づけるよう組み合わせることをおすすめします。
筆者は現在、つみたてNISAをしています。
つみたてNISAはキャピタルゲイン目的の投資であり、利益を得たいときには資産を売却し、手放す必要があります。
しかし、資産売却のタイミングで投資信託の価額が暴落していたら、果たして売却することができるでしょうか。
このような状況に陥っても、資産を手放すことなく、定期的に所得があれば安心できるのではないか。
このような考えから、資産を保有したままでも収益が得られるインカムゲインに興味をもち、米国高配当株への投資を始めました。
もし自身の投資に不安な点があり、インカムゲイン重視の投資を組み入れることでリスクが解消されるのであれば、インカムゲインを狙った投資の検討をしてみてはどうでしょうか。
配当利回りとは
配当利回りとは株式への投資金額に対してどのくらいの割合で配当金が受け取れるかを表しており、
配当利回り(%)=(1株当たりの配当金 ÷1株あたりの株式の購入金額)×100
の式で表されます。
配当利回りが高い方が、より小さい投資金額で多くの配当金を受け取れることができているということになります。
したがって、インカムゲイン目的の投資では配当利回りの高い株式に投資することが重要です。
米国株でインカムゲインを狙うメリット
米国株でインカムゲインを狙うメリットは3つです。
- 米国が成長市場
- 年間配当回数が多い
- 配当利回りが高い株が多い
長期でインカムゲインを狙うのであれば、これらのメリットは必須条件といえます。
また、これらは日本株にはない特徴です。
詳しく説明します。
米国が成長市場
インカムゲインは資産を持ち続けたままで利益が得られるのがメリットですが、配当が減ったり、会社が倒産して資産そのものを損失してしまっては意味がありません。
したがって、それらのリスクが小さい成長市場に投資することが重要です。
米国は世界を牽引する経済大国であり、人口も増え続けているため、今後も経済成長を続けていくでしょう。
実際、アメリカの最も古い株価指数であるダウ平均株価は2022年1月に最高値を記録しています。
ダウ平均株価は1896年からスタートしているので、アメリカは実に120年以上経済成長を続けているといえます。
日本は高齢化が進んでおり、人口も減少が続いており経済は縮小していく方向に進んでいくと予想されます。
株価に関しても、日経平均の最高値は1989年に記録した限りで、30年間以上、この記録を超えることができていません。
したがって、成長を続ける米国株に投資したほうが安心して株式を保有し続けることができます。
年間配当回数が多い
日本株の配当は一般的に年に1~2回ですが、米国株の配当は年4回が一般的です。
インカムゲインを意識し始めるのは、おそらく定年退職後の年金暮らしとなったときではないのでしょうか。
その際、収入が年に1回よりかは4回あったほうが生活費への充当がしやすく、月々の生活のゆとりにつながります。
配当利回りが高い株が多く、減配しにくい
アメリカの企業は株主還元の意識が強いため、配当利回りが高い株が多くあります。
また、連続増配している株も多く、例えば米国株で50年以上増配している銘柄は20社以上あります。
一方、日本で最も連続増配しているのは花王ですが、それでも約30年です。
より高額の配当が長い期間受け取れる米国株はインカムゲインを狙う資産として適していると言えるでしょう。
インカムゲインが狙えるおすすめ米国株
インカムゲインが狙えるおすすめ米国株を3銘柄紹介します。
選抜基準は3つです。
- グローバルな企業で、誰でも知っている
- 連続増配50年以上
- 業績が安定している
米国株にはインカムゲインが狙える高配当株が山ほどありますが、どのようなビジネスをしているのかリサーチするのは大変な作業です。
そこで、日本でも利用する機会があり、馴染みのある高配当有料銘柄をピックアップしました。
おすすめの3社であれば、おそらく30年後でも世の中に存在しているので、安心して保有することができるでしょう。
ジョンソンエンドジョンソン(JNJ)
ジョンソンエンドジョンソンは世界最大級の総合医療メーカーです。
絆創膏、コンタクト、ボディクリームなど日常に利用する商品はもちろん、医療機器や製薬の事業も展開しています。
・連続増配 60年
・予想配当利回り 2.48% (2022年11月現在)
2022年11月現在で1株が170ドル前後と株価が上昇してきており、配当利回りは2.48%と低めです。
しかし、長期保有していると、増配してきた歴史もあり、配当利回りはどんどん高くなっていきます。
例えば、2012年頃、ジョンソンエンドジョンソンは1株約70ドルでした。
次回の予想配当は4.37ドルなので、現在まで株を保有しているとすると利回りは6.2%となります。
キャピタルゲインも十分狙える銘柄です。
長期間、資産の減少を気にすることなく保有できます。
コカ・コーラ(KO)
コカ・コーラは世界最大の飲料メーカーです。
コカコーラやアクエリアス、ファンタなど誰でも一度は飲んだことがあるでしょう。
・連続増配 60年
・予想配当利回り 2.82%(2022年11月現在)
コカ・コーラは2022年11月現在、1株60ドル前後と購入しやすい株価です。
投資の神様と言われているウォーレン・バフェットもコカ・コーラの株を保有しています。
プロクターアンドギャンブル(PG)
プロクターアンドギャンブルはP&Gのことです。
プロクターアンドギャンブルはオムツやシャンプー、化粧品、洗剤など一般消費財を販売する世界最大の企業です。
生活必需品を販売しているので、需要がなくなることがない企業でしょう。
・連続増配 66年
・予想配当利回り 2.55%(2022年11月現在)
増配年数が66年と非常に長く、株主還元意識の高い企業といえます。
2022年11月現在、1株140~145ドル程度です。
【初心者におすすめ】インカムゲインが狙える米国ETF
「個別銘柄はどれを買ったらよいのかわからない。」
「1点集中投資はリスクが高い」
と考えている方にはETFをおすすめします。
ETFとは上場投資信託のことです。
つみたてNISAなどで毎月S&P500に連動した投資信託を購入している人も多いと思いますが、投資信託を株のように売買できる形にしたものをETFといいます。
米国株式市場には指数連動のETFだけでなく、高配当株を集めたETFや特定業種に着目したETFなど、大変多くの銘柄が上場されています。
ETFは様々な企業の株式に少しずつ投資できるので、分散投資をしたい人にもおすすめです。
また、米国ETFには分配金(株でいう配当金)利回りの高い銘柄が多数あり、インカムゲインも狙えます。
インカムゲイン狙いでおすすめの米国ETFを紹介していきます。
VYM(バンガード米国高配当株式ETF)
VYMは高配当に特化したETFで、米国高配当ETFでは最も人気のETFです。
VYMの2022年11月現在のETF情報です。
・1株あたり100ドル前後
・ベンチマーク指数 FTSEハイディビデンド・イールドインデックス
・分配利回り 2.91%
・経費率 0.06%
・組入上位銘柄
- ジョンソンエンドジョンソン
- エクソンモービル
- JPモルガン
- プロクターアンドギャンブル
- ホームデポ
組入銘柄上位は配当王(50年以上連続増配株)として知られるジョンソンエンドジョンソンやプロクターアンドギャンブルなどで構成されています。
安定した大企業で構成されているため、安定した大企業(オールドエコノミー)に分散投資したい人にもおすすめの銘柄です。
株価も右肩上がりなので、資産の減少を気にする必要がなく、長期保有にも適しています。
SPYD(SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF)
SPYDはS&P500構成銘柄の中でも配当利回りの高い銘柄から構成されたETFです。
分配金利回りの高さに注目です。
SPYDの2022年11月現在のETF情報です。
・1株あたり40ドル前後
・ベンチマーク指数 S&P500高配当指数
・分配利回り 3.96%
・経費率 0.07%
・組入上位銘柄
- プリンシパルファイナンシャルグループ
- カーディナルヘルス
- ギリアドサイエンス
- エクソンモービル
- シェブロン
SPYDは分配利回りが非常に高く、4%~5%で推移しています。
また、1株あたり40ドル前後と購入しやすい株価です。
SPYDの懸念点としては、
・株価が景気の影響を受けやすい
・ETFとしての歴史が浅い
ことです。
SPYDは景気変動の影響を受けやすいエネルギーや金融、不動産などの銘柄で構成されています。
したがって、株価の大暴落時には資産の大幅な減少が見込まれ、分配金も減少してしまうかもしれません。
また、SPYDは2015年設定の新しいETFなので、リーマンショックなどの経済危機を経験していません。
したがって、不況の際の株価推移について予想しにくい点に不安があります。
しかしながら、今後もS&P500については長期的に成長していくと予想されるので、多少のリスクが許容されるのであれば、インカムゲイン狙いの投資先として組み入れるのはありだと思います。
SPYDに1点集中投資ではなく、他の投資と併用するのがおすすめです。
【筆者のお気に入り】VDC(バンガード米国生活必需品セクターETF)
VDCは生活必需品セクターに投資するETFです。
生活必需品は不況時でも一定の需要があるので、株価が景気動向に左右されにくい「ディフェンシブ株」といわれます。
VDCの2022年11月現在のETF情報です。
・1株あたり190ドル前後
・ベンチマーク指数 MSCI USインベスタブルマーケット・生活必需品25/50インデックス
・分配利回り 2.25%
・経費率 0.10%
・組入上位銘柄
- プロクターアンドギャンブル
- コカ・コーラ
- ペプシコ
- コストコホールセール
- ウォルマート
もともと高配当に特化したETFではないため、分配金利回りは2%程度とそれほど高くありません。
VDCは不況時の株価の落ち込みがS&P500より小さかったり、S&P500より成長率が上回っていた期間があるなど、ディフェンシブ株ならではのメリットが発揮されることがあります。
筆者がVDCに注目したのも生活必需品株であれば、将来的にも成長し続けるため、安心して保有しておけると思ったからでした。
当初、コーラはこの先も飲み続けられるだろうと思い、コカ・コーラの株の購入を検討していました。
しかし、調べていくうちにコカ・コーラが組み入れられたVDCに出会い、組み入れ銘柄も知っている企業が多く、分配金利回りが比較的高かったため、VDCへの投資を決めました。
インカムゲイン重視の投資は長期で保有し続けることが重要であるため、自分の価値観に合った投資先を選択する必要があります。
個別株への1点投資がリスクだと考えている人はETFへの投資を検討してみてはいかがでしょうか。
米国株・ETFの購入方法
米国株や米国ETFは
・楽天証券
・松井証券
など大抵の大手証券会社で購入することができます。
筆者はSBI証券を利用しているので、SBI証券での米国株の購入方法について紹介します。
【画像付き】SBI証券米国株アプリでの購入方法
SBIで米国株を購入する際は、無料のSBI証券米国株アプリから購入するのがおすすめです。
日本株をアプリから購入する場合とほぼ同様の操作で購入できます。
1.SBI証券米国株アプリで購入したい米国株やETFを検索します。
ページ下部の現物買をタップしてください。
2.購入の条件を選択していきます。
・特定口座で購入する場合は特定
・購入株数(米国株は1株から購入可能です)
・指値・成行などの購入方法
・決済方法 ドル決済または円決済
SBI証券の証券口座内に円での入金がある場合は、米国ドルを保有していなくても、 購入することができます。
また、あらかじめ証券口座内にドルを入金しておけばドル決済での購入も可能です。
3.注文内容を確認後、発注するをタップして発注完了です。
米国株の購入手数料や購入可能時間は?
米国株の購入手数料や購入可能時間は次の通りです。
- 米国株・ETF購入手数料はSBI証券(インターネットコース)の場合、約定手数料の0.495 %です(上限22ドル)。SPYDなどの一部米国ETFは買付手数料無料の場合があります。
- SBI証券の場合、指値注文などリアルタイムで取引可能な時間帯は月~金の23:30~翌朝6:00です。
インカムゲインを重視した米国株投資の注意点
インカムゲインを重視した米国株投資の注意点は
- 税金が二重にかかる
- 為替の影響がある
ことです。
日本株投資の場合とは異なる点があるので、注意が必要です。
税金が二重にかかる
米国株から得られる配当金や分配金には、日本と米国の両方で課税されるため税金が多く徴収されます(二重課税)。
配当金にかかる税率は米国10%、日本20.315%です(2022年11月現在)。
課税の流れはまず米国で課税された後、残りの金額に対して日本で課税されます。
具体的に、計算します。
例:配当金100ドル、1ドル=100円の場合
日本円での受取金額は100ドル×100円=10,000円
米国で課税 10,000円×(1-0.1)=9,000円
日本で課税 9,000円×(1-0.20135)=7,187円(消費税以下切り捨て)
受取金額は7,187円、税金は2,813円となります。
なお、米国での課税分は外国税額控除として確定申告することで還付を受けることができます。
還付を受けず二重課税の状態でも法律上は問題ありません。
配当金額が小さいうちは還付を受けず、配当金額が大きくなって税額が大きくなってきたら還付を受けるようにしてもよいでしょう。
為替の影響がある
米国株はドル建ての資産なので、為替の影響を受けます。
為替は日々変動しており、国際情勢によっては短期間で大きく変動する可能性があります。
収入として、毎回一定額が得られないという点で注意が必要です。
例:同じ配当金100ドルで比較すると
・1ドル=100円の場合 配当金10,000円
・1ドル=120円の場合 配当金12,000円
・1ドル=80円の場合 配当金 8,000円
また、保有している株の資産価値も、株価の上下だけではない複雑な動きを示します。
筆者が購入した米国株ですが、
購入時 177.42ドル (日本円25,785円、1ドル=145.3円)
現在 196.31ドル (日本円27,844円、1ドル=141.8円)
ドル建て評価 +18.89ドル +10.65%
円建て評価 +2,059円 +7.99%
購入後、株価自体は10%上がりましたが、為替が円高に進んでしまったため、円建てだと8%しかプラスになっていません。
このように、株価が上昇しても、上昇幅分資産価値が上昇するとは限らない状況となります。
しかしながら筆者としては、米国株に関しては、為替で受けるデメリットよりも株価上昇によるメリットのほうが大きいと考えています。
まとめ:米国株や米国ETFはインカムゲインが狙える!購入も簡単
この記事では、米国株でインカムゲインを狙うメリットや米国株の購入方法について解説しました。
米国市場はこれからも成長が見込まれており、つみたてNISAのようなキャピタルゲインを狙う投資先としてはもちろん、インカムゲインを狙える株式も多く存在します。
投資にはリスクがつきものです。
そのリスク軽減策として、配当金などのインカムゲインが得られる株式やETFに投資しておくというのは選択肢の1つといえるでしょう。
投資に正解はありません。
ご自分の価値観や、経済状況などご自分にあった投資スタイルを確立し、将来の生活を少しでも豊かにしていきたいですね。
ライター:ff.haruka
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- 全世界2,100万ユーザー
- 米国株は約7,000と最多水準の取扱銘柄
- 米国株取引に24時間対応
- 大口投資家の売買動向を確認できる
- プロのアナリストの株価予測を確認できる
- 投資の神様ウォーレンバフェットのポートフォリオと売買銘柄を確認できる
- 日本経済新聞に投資家が使うツールとして掲載
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