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VIGはおすすめできない?連続増配ETFを買わない方が良い場合とは?【米国ETF】

2024年から新NISAが始まり、投資に興味を持つ人も多くなりました。

投資と聞いて思い浮かべるもののひとつが配当金です。

株式を購入するだけで年に1回~複数回、株式の保有数に応じてお金が振り込まれます。

不動産などの家賃収入と違い、メンテナンス不要の完全なる不労所得です。

不労所得を手に入れたいと考える人が多いですが株式は企業が倒産すると配当金どころか、投資した元本自体が消えてしまいます。

投資リスクをなるべく減らし、安心して不労所得を得たい人におすすめなのがETFです。

ETFとは上場投資信託のことで、日経平均株価やS&P500といった指標に連動する運用成果を目指すインデックス型と対象指数を定めないアクティブ型のETFがあります。

ETFと投資信託の違いは証券会社でのみ取り扱われているかどうかです。

上場とついているため、株式と同じように売買単位が決まっています。

ETFの中でも米国ETFは人気で、世界三大運用会社のひとつであるバンガード社のETFは投資家から注目を集めています。

「VTI」「VOO」「VYM」とラインナップも豊富です。

そんな中、おすすめできないと言われているバンガード社のETFがあります。

VIGです。 

(引用:株探米国

VIGは「S&P US Dividend Growers」という指標に連動したETFで、S&P500(アメリカを代表する大手企業500社)の中から連続増配を行っている企業に投資をすることで安定した収益を目指しています。

安定した連続増配を行っている企業に投資し、安定した収益を得ることを目標としている指数に連動するETFがどうしておすすめできないといわれるのでしょうか?

この記事を読めば次のことがわかります。

  • VIGとは
  • VIGがおすすめできない人とは

VIGの仕組みを理解することで、優良な投資対象となるか判断できるようになります。

VIGとは

VIGの正式名称は「バンガード・米国増配株式ETF」(以下VIG)です。

2006年4月27日に設定され、総資産額は790億ドルを超えます。

VIGの投資先は10年以上連続で増配を行っているアメリカの中型・大型企業です。

VIGの構成銘柄数は300以上。

主要な構成銘柄は以下のとおりです。

  • マイクロソフト
  • アップル
  • ブロードコム
  • JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー
  • エクソンモービル
  • ユナイテッドヘルス・グループ
  • ビザ
  • プロクター・アンド・ギャンブル
  • マスターカード
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン

投資先のセクター割合は次のとおりです。

(引用:Money Journey|VIGとは?株価推移や配当利回り、おすすめの証券会社を解説

現在主流である情報技術セクターを軸に幅広く投資しています。

VIGの「配当月」「配当利回り」「経費率」は次のとおりです。

配当月年4回(3月・6月・9月・12月)
配当利回り1.68%
経費率0.06%

(参考:Bloomberg|VIG

VIGの強みは財務の健全性にあります。

S&P500に選ばれる優れた企業の中でさらに10年以上連続して増配を行っている企業が投資対象のため、暴落局面でも他のETFより株価の下落率が低いのです。

増配を行える企業というのは株主に還元できる利益を毎年のように生み出せる能力を持っています。

株価の世界的な暴落局面でも耐えられるほどの基盤を持っているため、株価が下がりにくいのが特徴です。

近年、世界的な株価の下落局面と言えばコロナショック。

コロナショック時のバンガード社のパッシブ型ETFの下落率は以下の表のとおりです。

下落幅(単位:米ドル)下落率
VIG129.4→93.23約28%
VYM93.44→63.64約32%
VTI171.7→115.19約33%
VOO310.28→210.74約32%

(参考:Bloomberg|VIG
(参考:Bloomberg|VYM
(参考:Bloomberg|VTI
(参考:Bloomberg|VOO

VIG以外のパッシブ型ETFは30%以上の下落率の中、VIGは20%台にとどまっています。

「財務状況が健全な優良企業に投資をしている」

「増配が狙える」

「下落相場に強い」

という3拍子揃ったVIGですが、おすすめできない人がいるのも事実です。

理由は配当利回りの低さにあります。

VIGがおすすめできない人とは

VIGがおすすめできないのは「高配当狙いの投資家」です。

投資の安全性よりもキャッシュフローの改善を期待している投資家にとって、VIGの配当利回り1.68%は寂しいもの。

一般的に高配当と呼ばれる銘柄は3%以上の配当利回りが期待できます。

高配当ETFとして有名な「SPYD」「HDV」「JEPI」の配当利回りは以下のとおりです。

配当利回り経費率
SPYD3.72%0.07%
HDV3.48%0.08%
JEPI7.69%0.35%
VIG1.68%0.06%

(参考:Bloomberg|SPYD
(参考:Bloomberg|HDV
(参考:Bloomberg|JEPI

どれも3%以上の配当利回りを誇ります。

JEPIに至っては驚異の7.69%です。

経費率を含めて考えるとJEPIの購入は要検討ですが、SPYDとHDVに関してはVIGと大差ありません。

高配当狙いの投資家であればVIGよりもSPYDやHDVといった銘柄に投資をしたいはずです。

10年以上、連続増配を行っている優良企業に投資しているVIGですが、なぜ配当利回りが低いのでしょうか?

VIGの配当利回りが低い理由

VIGの配当利回りが低い理由はVIGの構成銘柄の選定基準にあります。

「S&P500の中で10年以上連続増配を行っている企業」だけでなく「上位25%の高利回り企業は排除」されているからです。

高利回りの企業の恩恵を受けられないため、配当利回りが低くなっています。

高利回りの企業の中には一時的な企業も多く、高い配当利回りを維持できない企業も多いです。

VIGのコンセプトは「長く増配し続けられる企業に投資をすること」であり「高い配当利回りを誇る企業に投資をすること」ではありません。

同じバンガード社のETFの中にVYMという銘柄があります。

VIGとよく比較されるETFですが、VYMのコンセプトは「米国籍の企業の中で平均以上の配当利回りを誇る企業に投資をすること」です。

VYMの配当利回りと経費率は以下のとおりです。

配当利回り経費率
VYM2.21%0.06%
VIG1.68%0.06%

(参考:Bloomberg|VYM
(参考:Bloomberg|VIG

経費率は変わりませんが、VYMの方が配当利回りも高いです。

配当利回りだけ見るとVIGに投資するメリットを感じなくなりますが、値上がり益を含むトータルリターンを考慮するとVIGの価値がグッと上がります。

3年トータルリターン5年トータルリターン
HDV6.75%6.67%
SPYD2.86%6.22%
VYM6.7%9.81%
VIG7.71%11.9%

(参考:Bloomberg|HDV
(参考:Bloomberg|SPYD
(参考:Bloomberg|VYM
(参考:Bloomberg|VIG

3年でも5年でもVIGは飛びぬけて優秀なパフォーマンスを発揮しています。

VIGは安定した投資先を選ぶことで、値上がり益も確保できるETFです。

増配と値上がり益の両方を狙いたい場合はVIGを選択することをおすすめします。

まとめ:現在の高配当を狙うならVIGはおすすめできない!将来的なリターンを狙う投資家はVIGの購入を!

VIGはS&P500の中でも10年以上連続して増配を行っている企業に投資をしているETFです。

増配を行える企業は財務状況が健全なものが多く、ベンチャー企業のように爆発的な値上がりは期待できませんが、堅実な値上がりが期待できます。

増配をしている企業に投資をしているVIGですが、高配当ETFではありません。

理由はVIGの選定基準である「上位25%の高配当企業は排除する」からです。

そのため配当利回りではSPYDやHDVといった高配当ETFには見劣りします。

配当だけでなく、値上がり益まで含めたトータルリターンでは、他のETFを上回るパフォーマンスを発揮します。

今に注目して高配当を求める投資家にはおすすめできませんが、長期投資を前提とするならばVIGは非常に有力な投資先となるでしょう。

VIGを購入するときの参考にしてください。

  • この記事を書いた人

マネーリテラシー編集部

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