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三菱商事の株価はなぜ安い?今後の株価の行方は?

株で利益を狙うなら割安な株を買いたいですよね?

そこで気になるのが、今の株価は本当に割安なのかどうかです。

そのためには、今の株価がなぜ割安なのかを知る必要があります。

そこで今回、株式投資歴15年の筆者が、投資の神様バフェット氏も投資していることで注目されている三菱商事の株価について解説します。

この記事を読めば、三菱商事の株価はなぜ安いのか、その理由がわかります。

そして、今の株価が見直されて今後上昇するのかを考察します。

三菱商事の株価の現状

三菱商事の株価は史上最高値を更新し、引き続き高値圏にあります。

(引用:Yahoo!ファイナンス

この株価が割安かどうかを判断するためにPER(株価収益率)を使って分析します。

プライム市場平均との比較

三菱商事の現在の株価は割安水準にあるといえます。

2024/3/15時点のプレミアム全銘柄のPERは前期基準で18.59倍、予想基準で16.48倍です。

(引用:日本経済新聞

一方で、三菱商事の前期基準でのPERは12.3倍、2024/3期業績予想をもとにしたPERは14.6倍といずれもプレミアム全銘柄のPERを下回っています。

5大商社の比較

三菱商事、伊藤忠商事三井物産住友商事丸紅は「5大商社」と呼ばれていて、日本を代表する総合商社です。

そこで同業界の企業でPERを比較してみます。

2024/3/15時点三菱商事(8058)伊藤忠商事(8001)三井物産(8031)住友商事(8053)丸紅(8002)
前期基準12.3倍(*)11.7倍9.0倍8.6倍9.1倍
予想14.6倍11.5倍10.3倍7.8倍7.8倍

(*)2024年1月に実施された株式分割を考慮

この比較からわかることは2つです。

  1. 総合商社の株価はPERで分析すると割安
  2. 三菱商事の株価は総合商社の中ではPERが高い

三菱商事の株価が安い理由

三菱商事の株価はプレミアム市場全体でみれば安いと結論づけましたが、なぜ安くなっているのでしょうか。

資源価格に影響される収益体質

一つには資源ビジネスからの収益の割合が高いからです。

資源ビジネスは変動の激しい資源価格に影響を受けるため、収益の変動も激しくなり予想ができなくなります。

収益予想が難しいことは投資家に不安を与えてしまうため、株価の低迷につながります。

では三菱商事の現状をみていきます。

三菱商事は、10のセグメントに分けて利益が公表されています。

(単位:億円)

2019/3期2020/3期2021/3期2022/3期2023/3期
天然ガス8947032121,0511,706
総合素材35326147368620
石油・化学ソリューション358-120262403450
金属資源2,5252,1237814,2074,393
産業インフラ-404414212173319
自動車・モビリティ972196-2811,0681,275
食品産業99532394793634
コンシューマー産業315227-732210230
電力ソリューション331515423505619
複合都市開発3243432544001,233
総合計5,7675,1941,5729,17811,479
うち、資源ビジネス
(利益全体に占める割合)
3,777(65.5%)2,706(52.1%)1,255(79.8%)5,661(61.7%)6,549(57.1%)

三菱商事は資源ビジネスの利益を公表していませんが、「天然ガス」「石油・化学ソリューション」「金属資源」が資源ビジネスと考えられます。

この3セグメントからの利益の合計は、会社全体の半分以上を占めていて、その変動も激しいことがわかります。

事業内容がわかりにくい

もう一つは、総合商社のビジネスモデルがわかりにくいからです。

三菱商事という会社名は知っていても具体的に何をやっているのかと聞かれて説明できるでしょうか。

筆者も、三菱商事の株を保有したことがありますが、三菱商事のビジネスを理解することはとても難しかったです。

これは海外投資家も同じです。

「総合商社」というのは日本独特の産業で、海外ではなじみのないものだからです。

ビジネスモデルがわからない会社は投資先としては選ばれません。

三菱商事の株価が見直され始めている3つの理由

三菱商事の株価は、バブル期の高値を超えた日経平均株価と比べてもその上昇率は圧倒的です。

これは、三菱商事の株価が見直され始めていることが背景にあると考えられます。

(引用:Yahoo!ファイナンス

1.資源ビジネス比率が低下トレンド

株価が見直され始めた理由の一つは、資源ビジネスに依存しない収益体質になってきたことです。

三菱商事は資源価格の下落の影響で、2016/3期に創業以来初めて純損失を計上しました。

これがきっかけで、脱資源経営に移行し始めています。

三菱商事の10のセグメント別利益に戻って、今度は「天然ガス」「石油・化学ソリューション」「金属資源」以外を集計すると、2021/3期を除いて右肩上がりになっています。

資源ビジネスからの利益は依然として50%を超えていますが、確実に非資源ビジネスからの収益が伸びていることがわかります。

2019/3期2020/3期2021/3期2022/3期2023/3期
天然ガス8947032121,0511,706
総合素材35326147368620
石油・化学ソリューション358-120262403450
金属資源2,5252,1237814,2074,393
産業インフラ-404414212173319
自動車・モビリティ972196-2811,0681,275
食品産業99532394793634
コンシューマー産業315227-732210230
電力ソリューション331515423505619
複合都市開発3243432544001,233
総合計5,7675,1941,5729,17811,479
うち、非資源利益1,9902,4883173,5174,930

2.商社ビジネスモデルの面白さが認知された

株価が見直されてきたもう一つの理由は、商社ビジネスへの理解が深まってきたことです。

2020年に投資の神様バフェット氏が5大商社へ投資したことが判明しました。

バフェット氏が投資したことで、三菱商事の注目度が高まり、商社のビジネスモデルを理解しようとする国内外の投資家が増え、三菱商事の株価は大きく上昇を始めていたと考えられます。

3.配当が魅力的

最後に、配当が魅力的であることは忘れてはいけません。

三菱商事の配当利回りは2.12%(2024/3/15現在)で、日経平均構成銘柄の平均1.74%を上回っています。

また、2017/3期から8期連続増配予定で今後も魅力的な配当が続く可能性があります。

(引用:日本経済新聞

三菱商事の株価の行方を占うポイント

三菱商事の株価は見直され始めていますが、さらに上昇するかを考えるうえでは2つのポイントがあります。

日本全体の株価の行方

三菱商事の株価は、日本全体の株価のパフォーマンスの影響を受ける可能性があります。

日経平均株価はアベノミクスに始まり、今年に入ってからは新NISAが始まったことでさらに上昇が加速していますが、今後の動きはどうなるのでしょうか。

予想するカギは3つあります。

1)短期的な株価の調整があるか

上昇をした株価には調整局面がつきものです。

短期的にはこのリスクを考えておく必要があります。

2)日本の金利動向

マイナス金利が解除された場合、すでにマイナス金利解除は多少織り込まれていると思われますが、短期的にはやはり株価が下落することに注意しなければなりません。

そして解除後は、その後の金利動向がより重要になってきます。

ただ今後日本の金利は上昇していかないと考える投資家にとっては、マイナス金利解除発表後の株価下落局面が、絶好の買い場となるかもしれません。

3)アメリカの景気動向

現状では、雇用の急速な悪化がないまま、インフレを鎮静化させることに成功しています。

このまま景気を急速に冷やすことなくインフレをコントロールできれば、株価にはポジティブに働き、一層の株価上昇につながる可能性があります。

将来への投資が実を結ぶか

日経平均株価が下落しても、三菱商事の将来性に変化がなければ、三菱商事の株価は上昇し続ける可能性があります。

三菱商事は投資先を「従来の資源」から「新しい資源(クリーンな資源)」と「DX・成長分野」に変化させようとしています。

これは三菱商事が、今後世の中は「脱炭素社会」「DX社会」に変化を遂げていくだろうと想像しているからです。

そのため、三菱商事の将来性を考える上では「本当に三菱商事が考えるような社会に変わるのか」、「どれぐらいの期間をかけて変わるのか」が重要になります。

(引用:三菱商事HP 中期経営計画2024

まとめ

三菱商事の株価の現状と将来性について解説しました。

  • 三菱商事の株価はPERで分析すると割安
  • 割安な要因は「資源ビジネス依存度が高いこと」「ビジネスモデルが難しいこと」
  • 着実に非資源ビジネスは成長していて、ビジネスモデルも浸透し始めているため割安な株価は見直され始めている
  • 三菱商事はEX・DXの分野への投資を増やしており、しっかりとしたリターンが得られればさらなる株価の上昇につながる。

筆者としては、三菱商事の持続的な成長は期待できる企業だと考えています。

三菱商事の強みは、数年後・数十年後の社会を見通す力と、その社会に必要とされる会社・製品を見極める力にあるからです。

そのため、長期目線での投資銘柄として、おすすめです。

ただ現在の株価で新規参入することはリスクが高いので、株価が調整するのを待ってから買うタイミングを検討しましょう。

ライター名:金融ライター ひろきち

  • この記事を書いた人

マネーリテラシー編集部

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