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メルカリの株価下落のやばい理由とは?今後どこまで下がる?

設立10年も立たない間に、東京プライム市場に上場して注目を浴びたメルカリですが、2021年ごろから株価が急落し始めました。

わずか半年で株価は1/4になりました。

ここまでの急落を引き起こした「やばい理由」とは何が考えられるのでしょうか。

そこで今回、株式投資歴15年の筆者が、メルカリの株価下落を引き起こした理由を解説します。

この記事を読めば、下落の理由だけでなく、今後の株価反転のためのポイントも分かりますよ。

メルカリはどのような会社?

メルカリは、CMでもおなじみのフリマアプリ「メルカリ」を運営しています。

メルカリの経営理念は、「テクノロジーの力で世界中の人をつなぐことで、あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」です。

昨今の循環型社会の先端をいく会社で、サーキュラーエコノミーの観点でもとても社会的に意義のある会社といえるでしょう。

項目内容
会社名株式会社メルカリ
本社東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー
資本金461億円
設立2013年2月1日
決算期6月末日
市場東証プライム
単元株数100株
事業内容フリマアプリ「メルカリ」の企画・開発・運用

メルカリの事業内容

メルカリの事業は、大きく3つのセグメントに分けられます。

Marketplace

フリマアプリ「メルカリ」の事業セグメントです。

「メルカリ」は、月間利用者数2,200万人以上、累計出品者数は30億品以上という巨大フリマ市場となっています。

1秒間に7.9個売れていることからも、多くの人から愛されているアプリであることが分かります。

Fintech

「メルペイ」「メルカード」などの金融事業です。

楽天などもそうですが、モノを売る事業と金融とは相性がいいため、この組み合わせはよくみますね。

まだまだ、投資が嵩んでいるため、赤字体質ですが、これからの巻き返しを期待したいセグメントです。

US

アメリカ版「メルカリ」事業です。

日本で成功した「メルカリ」の世界進出第一弾としてアメリカ版「メルカリ」をリリースしました。

こちらもFintech同様、営業赤字事業となっていますが、日本のIT企業が世界で通用するのか楽しみですね。

メルカリの業績

メルカリの過去5期分の実績および2024/6期の業績見通しを下の表にまとめました。

決算期売上高営業利益経常利益当期純利益
2024/6期(予)1,900億円165億円170億円120億円
2023/6期1,721億円170億円174億円131億円
2022/6期1,470億円△37億円△39億円△76億円
2021/6期1,061億円51億円50億円57億円
2020/6期763億円△193億円△194億円△228億円
2019/6期517億円△121億円△122億円△138億円

「メルカリ」の利用者数が安定的に増加しているため、増収傾向が続いています。

一方で利益面は、2019年にメルペイ事業を開始するなど、新規事業へのシステム投資や広告宣伝費などを積極的に行っていたことで、赤字が続いていました。

しかしながら2020/6期以降は、本業のメルカリが、その他の事業の赤字を吸収できるほどに成長したことで、黒字転換を実現しています。

メルカリの株価推移

メルカリの週足ベースの過去2年の株価チャートです。

(出典:Yahoo!ファイナンス

2021年11月に上場来高値7,390円を記録しましたが、わずか3年の間に株価が1/4程度まで急落しました。

上場来安値1,557円(2020年3月)も射程圏内の状況です。

業績がようやく黒字体質になってきたことから、株価が堅調に推移してもおかしくないはずですが、実際には株価は下落傾向です。

いったいなぜでしょうか?

メルカリの株価がやばい理由|下落の理由は?

2021年から続く、株価の下落・低迷の理由は3つあると考えられます。

理由1|国内「メルカリ」の取引量成長率の頭打ち感

メルカリの主要事業は、フリマアプリの「メルカリ」です。

この「メルカリ」の収益源は取引成立時の手数料になるため、たくさんの取引が行われないとメルカリの利益にはなりません。

<日本>2019/6期2020/6期2021/6期2022/6期2023/6期
取引高4,902億円6,259億円7,845億円8,933億円9,846億円
増加率41.3%27.7%25.3%13.9%10.2%

上の表は、「メルカリ」の取引額と増加率をあらわしたものですが、年々成長率は鈍化していることが分かります。

このように主要事業の成長率の鈍化が鮮明となってきたことで売られ始めたと考えることができるでしょう。

そのため、メルカリとしては成長性を示すため「メルカリの成長を維持する」もしくは「新事業を成功させる」ことが株価維持の必須条件となります。

理由2|米国版「メルカリ」の低迷

メルカリは米国進出をしていますが、赤字が続いており、国内のようにはうまくいっていません。

日本と同様に、取扱高を比較すると、既にピークアウトしていることが分かります。

<米国>2019/6期2020/6期2021/6期2022/6期2023/6期
取引高$363百万$681百万$1,173百万$1,145百万$1,015百万
増加率-87.6%72.2%-2.4%-11.4%

徹底したコストの見直し等も行っているため、今後黒字化を達成する可能性もありますが、メルカリに求められていることは、メルカリに次ぐ収益の柱です。

日本よりも市場規模の大きいはずの米国で、日本の取引量の1/5程度にとどまっている状況が嫌気されたと考えられます。

理由3|コロナ特需によって買われすぎていた

メルカリは、コロナによる巣ごもり需要を受けて、かなり買われていました。

というよりも、買われすぎていたのでしょう。

それを示すようにPERは100倍(2024/6期予想EPSで算出)を超えており、業績に対してかなりの期待を背負わされていたと考えられます。

そのタイミングで、理由1や理由2で説明したような成長率の鈍化を示すような数字が発表されたことが、株価の急落を招いたのでしょう。

メルカリの株価はどこまで下がる?今後の展望は?

メルカリの株価は今後どうなるのでしょうか。

今後の株価を占うポイントは次の2つだと考えます。

ポイント1|国内「メルカリ」事業の取引量成長率

やはりポイントは、国内「メルカリ」の成長率鈍化に歯止めがかかるかです。

メルカリの主力事業は国内「メルカリ」事業のため、ここが成長していかないようでは今よりも株価が売られる原因となることは避けられないでしょう。

現在のPERは29倍程度とまだまだ売られてもおかしくはありません。

ポイント2|国内「メルカリ」以外の成長事業を育てられるか

次に重要なのが、新たな成長事業を育てられるかでしょう。

現状の次世代候補は、金融事業と米国版「メルカリ」事業です。

ただいずれも、柱になるほどは育っていません。

メルカリとしては、国内「メルカリ」事業が10%を超える高い成長率を維持している間に、次の柱を育てたいと考えているはずです。

まとめ

メルカリの下落理由と今後の株価を展望しました。

おさらいをすると以下の通りです。

  • 国内の「メルカリ」の利用者が右肩上がりで増収を維持している
  • 増収効果もあり、営業利益は黒字へと転換しています
  • ただ株価は、国内「メルカリ」の取引量の成長率が低下してきたことなどを嫌気して下落しています
  • そのため、今後の株価を占う上では、国内「メルカリ」において現状程度の成長率を維持できるのかどうかが最大のポイントになりそうです
  • また、米国版「メルカリ」を成長軌道にのせることができるのかも要注目です

個人的には、様子見が望ましいと考えますが、メルカリのヘビーユーザーなどメルカリ事業を高く評価している人などは、株価購入を検討してみてもいいかもしれませんね。

また、設立間もない会社は成長率も高いことから、株価の上昇局面では大きく利益をあげることができますが、財務面の悪化や株価の乱高下が起こりやすいため注意しましょう。

ライター名:金融ライター ひろきち

  • この記事を書いた人

マネーリテラシー編集部

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