こんにちは。
最近、FIRE(Financial Independence, Retire Early:経済的に自立して早期退職する意味)がよく聞かれるようになりました。
FIRE達成の手段として、多くの株式資産を保有し、その配当金のみで生活する方法があります。
その一方で、経済的に自立できるほどの配当金を得るには高額の株式資産の保有が必要であり、難易度が高いのも事実です。
ここでは、米国高配当株を中心に資産運用している実績を踏まえ、「月20万円の配当金を得るにはいくら必要か」検証してみました。
シミュレーションによる実例たっぷりにまとめております。これから高配当株投資への検討を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
結論:月20万円の配当金は約7,500万円必要
先に結論をまとめると、月20万円の配当金を得るには、諸々の税引き後、年間配当利回り4%で約7,500万円必要となります。
詳細を見ていきましょう。
1:配当利回りの考え方
まず、年間での配当利回りについて整理します。
配当利回りとは、株式などの資産額に対する配当額の割合を示しており、通常「年間」で示します。例えば、年間配当利回り4%の高配当株を1億円保有していた場合、年間配当利回りは約400万円という計算となります。
「月20万円」であれば、年間で240万円の配当金となるため、4%の年間配当利回りを逆算すると6,000万円の高配当株という計算となるわけです。
ただし、この計算では、諸々の税を考慮していません。もう少し計算していく必要があります。
2:税金の扱い
配当金には約20%の税金が発生します。なので、「月20万円」を税引き後の状態で受け取るためには、税引き前の状態では「月25万円」程度となります。
米国株の税金については、米国側で10%税が差し引かれた状態で配当金を受け取ることとなり、合計約28.3%税金が発生することとなります。ただし、米国側の税金は「外国税額控除」で取り戻すことができるため、ここでは、総じて「約20%」で整理します。
税引き前で「月25万円」であれば、年間で300万円の配当金となります。年間配当利回り4%を逆算すると7,500万円の高配当株が必要となります。
配当金生活実現のためにやれる事
月20万円の配当金を得るために4%の高配当株で7500万円分の資産が必要となりますが、具体的にはどのように資産形成すれば実現可能でしょうか。
資産運用シミュレーションを活用することで、自分の資産形成計画に合わせて色々とシミュレーションすることができます。
※出典:資産運用かんたんシミュレーション
例えば、運用利回り4%(税引き後年間配当利回り4%の資産を購入するなど)で20年かけて達成するには、上記シミュレーションでは、月21万円が必要でした。
月20万円の配当金を得るために、月21万円を20年かけて積み立てる必要があります。やはり気のとおくなる計算になってしまいます。
配当金を得るには、いばらの道であることに変わりはありませんが、ここでは、配当金生活実現のためにやれる事をいくつか記載します。
1:貯金できる額を確保する
まずやることは、日々の生活費を見直し、貯金できる額を確保することです。ここで特におすすめしたいのは、固定額を見直すこと。以下のリストを参考に固定額削減につながる項目がないか洗い出してみてください。
・スマホ・携帯電話の料金
・インターネット料金
・電気料金
・その他不要なサブスクがないか
2:副業をする
本業などで得られた貯金だけで、月20万円以上、高配当株に投資を継続するのは現実的ではありません。
副業などで収入を上げ、投資に回すことで、投資額を上げることができます。
副業についての記事はこちら↓
3:配当利回りの高い銘柄を買う
配当利回りが高いほど、資産形成に必要な金額は少なくなります。
たとえば、運用利回りを4%から8%に変更(税引き後年間配当利回り8%の資産を購入するなど)で20年かけて達成するには、月13万年必要となります。
ですが、配当利回りが高い銘柄を選択するには、リスクを伴うことにも注意が必要です。向こう20年継続して同じ配当率を維持できるか、業績などもチェックしながら銘柄選定を考えていく必要があります。
まとめ
今回、「月20万円の配当金を得るにはいくら必要か」シミュレーションを通して検証してみました。配当金を得るには、約7,500万円という膨大な資金が必要であり、達成へのハードルは極めて高い印象です。
ここからは、個人的な意見となりますが、必ずしも「月20万円の配当金」達成を目指すのではなく、自分の身の丈にあった目標を設定して段階的にステップアップを目指す方をおすすめしたいです。
自分の身の丈にあった目標を考えるには、そもそも目指すべき姿から考える必要があります。自分は将来的にどのようにありたいか。FIREを目指したいのか、何年で達成し、その後どのような生活をしていきたいか。そのための必要資金として配当金はいくら程度必要か。
その上で、例えば、「月20万円は無理でも、まずは月3万円の配当金ゲットを目指そう」といった具合に目標設定するのもよいでしょう。これであれば約1,000万円超で達成可能です。向こう20年でなくとも、本業の貯金と副業を組み合わせることで実現の可能性は出てきます。
もし、これから資産形成や株式投資を考えている方にとって、夢の配当金生活に向けて1歩を踏みだすための参考になれば幸いです。
ライター:ポイ活・せどりリーマンライター キッシュ