NASDAQ100だけに投資をすることをおすすめしない3つの理由!

NISA制度や確定拠出年金の普及にともなって、国内投資だけでなく、米国の指数に連動する投資信託などに興味を持つ個人投資家が増えています。

その中でもNASDAQ100は、NYダウやS&P500と並ぶ代表的な指数で、この指数に連動する投資信託はとても人気です。

ただ、NASDAQ100に投資するだけで十分なのかというと、決してそうではありません。

この記事では、株式投資歴15年の私が「NASDAQ100だけに投資することをおすすめしない理由」について解説していきます。

目次

NASDAQ100とは

NASDAQとは、米国の新興企業向けの株式市場のことで、正式名称は「National Association of Scurities Deals Automated Quotations」となります。

日本では、東証グロース市場と同じような扱いといえるでしょう。

NASDAQには3,000社以上が上場していますが、そのうちの時価総額上位100社を「NASDAQ100」と呼んでいます。

構成銘柄

では具体的にどのような銘柄がNASDAQ100に選ばれているのでしょうか。

ここでは、2024年12月6日現在で、NASDAQ100を構成する時価総額上位10社を紹介します。

No.銘柄時価総額
1.Apple Inc.3.67兆ドル
2.NVIDIA Corporation3.49兆ドル
3.Microsoft Corporation3.30兆ドル
4.Amazon.com, Inc2.39兆ドル
5.Alphabet Inc2.15兆ドル
6.Meta Platforms, Inc.1.57兆ドル
7.Tesla, Inc.1.25兆ドル
8.Broadcom Inc.0.84兆ドル
9.Costco Wholesale Corporation0.44兆ドル
10.Netflix, Inc.0.40兆ドル

(参考:Trading View)

日本でもおなじみの企業が名を連ねていますね。

なお、日本の時価総額No.1はトヨタ自動車(時価総額:0.28兆ドル)ですが、そのトヨタ自動車でさえNASDAQの上位10社には入れないことになります。

セクター別構成比

次にNASDAQ100をセクター別構成比でみてみましょう。

そうするとNASDAQ100は、セクターに偏りがあることが分かります。

セクター構成比
情報技術60%
一般消費財・サービス17%
ヘルスケア7%
資本財4%
情報通信4%
生活必需品4%
その他4%

(出典:くりっく株365

NASDAQはアメリカの新興企業の集まりになっているため、時価総額は大きいながらも急成長を遂げた企業がおおく、その中心はIT系となっていることがわかります。

S&P500との違い

アメリカの主要な指数には、NASDAQ100以外に「S&P500」がありますが、NASDAQ100との違いは、主にセクター別構成比にあります。

[S&Pのセクター別構成比]

セクター構成比
情報技術31%
金融13%
ヘルスケア11%
一般消費財・サービス10%
情報通信9%
資本財9%
その他17%

(出典:SBI証券 SBI・V・S・S&P500インデックスファンド 月次レポート(10月31日)

NASDAQ100に比べると、業種の偏りが少ないことが分かります。

これは、S&P500がNASDAQだけでなく、ニューヨーク証券取引所に上場している企業と合わせた500社を対象にしているためです。

このようにS&P500の方が、NASDAQ100に比べると多くの企業、多くの業種をカバーしていることになります。

NASDAQ100だけに投資をすることをおすすめしない3つの理由

NASDAQ100は米国を代表する株式指標ですが、NASDAQ100はリスクが高いことに気を付けなければなりません。

ここでは、NASDAQだけに投資をすることのリスクについて解説します。

1.銘柄分散効果が弱い

NASDAQ100は米国を代表する株式指標ですが、新興市場という特性から情報技術セクターに業種が偏っています。

分散投資は投資の基本で、リスクをおさえながら高いリターンを目指す手法です。

分散は、企業数だけでなく、業種や時間などを幅広く行うことでより高い効果を発揮できます。

そのため、NADAQ100だけでは業種の分散効果が限定的となるため、別の投資信託やETFなどと組み合わせる必要があります。

2.ボラティリティが高い

NASDAQ100は新興市場であり、分差効果が低いという特性から値動きが激しくなります。

つまり、うまくいっているときは利益も大きくなりますが、株価の下落時はNYダウやS&P500など、他の米国の株式指数よりも大きな損失を被ります。

必ずしもボラティリティが高いことが悪いわけではありませんが、他の株式指数と比べて値動きが激しいことはあらかじめ覚悟して投資をすることが大切です。

信託報酬が高い

NASDAQ100は、他の株式指数に連動する投資信託の手数料が高くなっています。

ベンチマークNASDAQ100S&P500日経225TOPIX
信託報酬0.2035%0.09372%0.143%0.143%

(参考:楽天証券 eMAXISSlimシリーズで比較)

この比較では、S&P500との比較では2倍以上の差となっています。。

例えば100万円を投資したとすると、信託報酬は0.1%の差があるため、NASDAQ100は年間で1,000円以上の手数料を払わなければならなくなります。たった1,000円と考えるかもしれませんが、長期投資で考えれば利益に差が出てくることは間違いないでしょう。

NASDAQ100を買う時の注意点

このようにNADAQ100はリスクが高いため、全額を投資することは避けたほうが無難です。

ただ、リスクが高い反面、高いリターンも狙えるため、決して投資をしてはいけないものではありません。

ここでは、どのようなことに気を付けて投資をするべきかを解説します。

積立で長期投資する

業種分散ができていないため、時間分散をすることでリスクを抑えるようにしましょう。

時間分散をするための方法で有効なのが積立投資です。

各証券会社とも積立投資機能があるため、設定しておけば「決まった日」に「決まった金額」を投資することができます。証券会社によっては100円から積立投資を行えるため、誰でも気軽にNASDAQ100への投資が可能です。

新NISAで積み立てる

NASDAQ100は新NISAを活用して積み立てることが可能です。

新NISAを使えば、一定の売却益まで非課税となるため、手元に多くの利益を残せるようになります。

S&P500などと組み合わせる

NASDAQ100は、業種分散が働いていないため、他の投資信託と組み合わせることでリスクをおさえながら高い収益を狙うことができます。

その一つがS&P500に連動する投資信託と組み合わせることで、その両方に投資すれば、より高い分散効果が得られます。

どちらか一つだけという選択であれば、S&P500がおすすめですが、両方へ投資するという選択は十分に合理的でしょう。

まとめ

NASDAQ100は、安定した成長を続けるアメリカの代表的な指数のため、新NISAなどで積み立てを検討している個人投資家には魅力的なものでしょう。

ただ、業種の偏りが多く、ボラティリティが大きいため、NASDAQ100に連動する投資信託に投資するのではなく、他の投資信託と組み合わせることで、より堅実なリターンが期待できます。

また、まとめて投資するのではなく、時間分散も活用することで、リスクをおさえながらリターンを高めることができるため、ぜひ参考にしてみてください。

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ライター名:社会人ライター ひろきち

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