「S&P500に投資した場合、どれくらいのリターンが得られるの?」
「そもそもS&P500って何?一括で投資した方がいいの?」
こんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
2024年のNISA制度の改正を受け、投資を始める人が多くなってきました。
その中でも注目を集めているのが、「S&P500」です。
筆者も約3年前からS&P500に関する投資信託を購入し運用を継続しています。
この記事では、そんな筆者が、「S&P500に100万円を投資した場合、10年後にどれくらいの資産になるのか」をテーマに、S&P500の想定利回りのシミュレーションやS&P500を一括購入の際の留意点について詳しくご紹介します。
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考えられる想定利回り(過去からの分析)
長期間投資する上で、最も大切なのは「利回り」です。
そこで、まず、S&P500に投資するとどれくらいの利回りを得られるのかをシミュレーションする必要があります。
この点、S&P500は、導入以降、年平均で約10%上昇しています。
特に、過去10年間はその平均を上回る年率約14.7%上昇しています。
一方で、S&P500は、例えば、リーマンショックなどの時期には前年度よりも下落している年もあります。
これらの過去の利回りを基に、S&P500に100万円を一括投資した場合、10年後のリターンはどれくらいになるのでしょうか。
「想定利回り」が5%、7%、10%の場合を想定してご紹介します。
5%の場合
S&P500が毎年5%上昇した場合には、10年後でいくらになるのでしょうか。
S&P500が毎年5%上昇した場合には、100万円が162.9万円になります。
この想定利回りの前提は、アメリカの株式市場において、穏やかに株価が上昇していき、少しずつ成長していくシナリオが想定できる場合のシミュレーションとなります。
あまりリスク要因がない場合のシミュレーションともいえます。
7%の場合
次にS&P500が毎年7%上昇したときには10年間でいくらになるのでしょうか。
S&P500が毎年7%上昇したときには、100万円が196.7万円になります。
この想定利回りの前提は、歴史的な平均利回りに近い値であるため、現実的なものと言えます。
アメリカの株価市場がこれまで成長してきたペースで成長していくシナリオが想定できる場合のシミュレーションといえます。
10%の場合
S&P500が毎年7%上昇したときには10年間でいくらになるのでしょうか。
S&P500が毎年10%上昇したときには、100万円が259.4万円になります。
この想定利回りの前提は、歴史的な平均利回りを超えているため、アメリカの株価市場がこれまで成長していきた以上のペースで成長していくシナリオが想定できる場合のシミュレーションといえます。
そもそもS&P500とは?
上記のようなリターンを得られる可能性のあるS&P500ですが、どのような投資方法なのでしょうか。
S&P500は指数
S&P500は、アメリカの株式市場を代表する重要な株価指数の一つです。
S&Pとは米国の民間格付け会社の名称の一部で、会社の正式名称は「S&P Global Ratings(S&P グローバル・レーティング)」です。
指数は、同社がアメリカ市場に上場する主要な500社の企業株式の価格変動を基に算出しています。
S&P500はあくまで指数ですので、「S&P500に投資する」というのは、正確に言えば、「S&P500の動き」に連動して値動きをする金融商品(投資信託など)に投資する」ということです。
500社には、アメリカ経済の多様なセクターを代表するさまざまな企業が含まれていることから、アメリカ経済の状況を把握する指標になっており、S&P500への投資の有無に関わらず、多くの投資家が変動を注目しています。
構成銘柄
S&P500には、テクノロジー、ヘルスケア、金融をはじめ、多種多様な業種の企業が含まれ分散されているという点が特徴的です。
銘柄500社の時価総額の合計は、米国株式市場全体の「約80%」をカバーしています。
例えば、「アップル」 「マイクロソフト」「アマゾン・ドット・コム」「テスラ」「メタ・プラットフォームズ」「アルファベット(GOOGLE)」などの大企業のほか、著名な投資家であるウォーレンバフェット率いる世界最大の投資会社であるバークシャー・ハサウェイなども含まれます。
S&P500への投資は、これらの企業に投資することとなりますので、実質的にアメリカの経済に丸ごと分散投資しているともいえます。
S&P500に100万円を投資した場合10年後まで起こるリスク
S&P500に100万円を一括で投資する場合には、投資後に起こり得るリスクも想定しておかなければなりません。
市場の急変動
歴史的に見てもリーマンショックやITバブル崩壊のような局面においては急激な市場の変動があり、S&P500も乱高下したことがあります。
また、過去S&P500の利回りは好調だったといえますが、このような状態が恒常的に継続するかは分かりません。
このようなことから、シミュレーションの際には、過去の実績を参考にしつつも、アメリカ経済がどう変化するのか、その要因となりそうな事情は何かなど、S&P500の投資成果に影響を与える事情を具体的に予測することが大切です。
為替
日本円でS&P500へ投資する場合には、購入までの間に「ドル」に交換しなければなりません。
そこで、注意しなければいけないのは、円とドルの為替レートの変動です。
例えば、S&P500に100万円を投資した場合に10年間で円高が進行した場合には、S&P500で得る利回りと為替による損失が相殺されてしまい、利益がでない、または元本割れするリスクが発生します。
為替は、両国の金利の差、経済成長率の差、政治的な安定性、戦争や紛争、要人の発言ななどで大きく左右されます。
S&P500は、日本で「円」を使って投資する以上、為替がどのように動くかということも予測して慎重に投資する必要があります。
積立投資との比較
S&P500に100万円を一括で投資した場合には、その後、値動きは全て静観しなければなりません。
例えば、100万円を一括投資した翌日に大暴落があり、10万円に価格が下落してしまった場合には、何もできません。
一括投資には暴落を受けて入れなければばらない「時間のリスク」があります。
この点、例えば、毎年10万円ずつ積立投資した場合には、上昇しても購入し、下落しても購入するので、結果的に、平均的なコストで購入したこととなるというメリット(ドルコスト平均法)を享受できます。
特に、相場のタイミングを見極めるのが難しい一般投資家にとって、積立投資はリスクを分散しやすいとされており、多くの投資家が積立投資しています。
これに対して、一括投資する場合には、「なぜこのタイミングで一括投資するのか(なぜ積立投資しないのか)」という明確な理由を持って臨む必要があります。
S&P500を一括購入する方法
では、具体的にS&P500を一括購入する場合には、どのようにすればいいのでしょうか。
証券会社で購入する
S&P500は人気の商品ですので、概ねどこの証券会社でも購入できますが、手数料の安さからネット証券がおすすめです。
人気のS&P500関連の投資商品
S&P500に投資する商品のうち、以下の2商品は純資産総額や購入者が非常に多く人気があります。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、三菱UFJ国際投信が運用するeMAXISシリーズのひとつです。
本ファンドの運用コストは、最安値ではないものの十分低コストだと考えてよいでしょう。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、ファンドの設定日が2019年9月と比較的新しいファンドですが、純資産総額が1兆円を超えるまで成長しており、順調に資産が増加しています。
まとめ:S&P500に100万円を投資した場合10年後にいくらになる?
この記事では、「S&P500に100万円を投資した場合、10年後にどれくらいの資産になるのか」をテーマに、S&P500の想定利回りのシミュレーションやS&P500一括購入の際の留意点について詳しくご紹介しました。
S&P500に100万円を投資した場合、10年後にどれくらいの資産になるのかを想定するには過去の経緯などを分析して想定されるシナリオを基に具体的な数字で検討することが大切です。
また、各種リスクを考慮する必要もあります。
S&P500は人気の投資商品ですが、あくまで投資は自己責任です。
「人気があってみんなが買うから一括して買う」という発想ではなく、アメリカ経済の将来を予測しつつリスクも加味して主体的に投資を検討して購入しましょう。
ライター:お金と子育ての相談室 かずーむ
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