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上場廃止を囁かれるアストラ・スペースの将来性は?事業や財務状況などを解説【米国株】

2016年に法人化し、2021年7月に特別買収目的会社(Holicity Inc.)を買収および経営統合契約の締結を通じてNASDAQ市場に上場した初の宇宙ロケット会社のアストラ・スペース。

ロケットの打ち上げ事業と電気推進エンジンの開発の2本柱で事業展開をしています。

2023年7月21日時点では0.42$と非常に低い値となっています。

引用:MINKABU米国株(https://us.minkabu.jp/stocks/ASTR)

この記事ではアストラ・スペースという会社の現状と将来性について、個人投資家副業ライターのあきらが解説していきます。

これを見ればアストラ・スペースが投資の対象となり得るのか、判断材料にすることができます。


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アストラ・スペースの事業内容

アストラ・スペースは、顧客の衛星をロケットで打ち上げる事業を軸としています。

比較的小型の衛星を打ち上げられるロケット3や、それを改良し600kgまで積載可能なロケット4があります。

2022年に有料の商業打ち上げサービスを開始し、2023年3月時点で3つの商業打ち上げと23の衛星を低軌道に打ち上げています。

アストラ・スペースの強みは、量産性と信頼性を重視した小型ロケットの製造にあります。

軽量のアルミニウムを使って、安価なロケットを作り、毎日のように衛星を宇宙へ運ぶことを経営方針としています。

ロケット打ち上げ事業の他に、アストラ宇宙用エンジンの開発も行っています。

2021年6月に電気推進エンジンの開発に取り組んでいるアポロフュージョン社を買収して以来、電気推進エンジンの販売事業にも注力。

2022年10月にはアストラ宇宙用エンジンの200基を超える累積受注確定とすでに納入したアストラ宇宙用エンジンの2つのフルプログラムを発表しました。

※累積数には買収したアポロフュージョン社のバックログ14基を含みます。

ここまでの事業内容を聞くと非常に好調な事業展開をしているように感じるアストラ・スペースですが、上場廃止の話が出ています。

次は、アストラ・スペースの上場廃止の話がなぜ出てきたのかを見ていきましょう。

アストラ・スペースの上場廃止について

2022年にアストラ・スペースについて、NASDAQの上場廃止の話が浮上しました。

始まりは2022年10月6日、アストラ・スペースがNASDAQから、NASDAQ上場規則を遵守していないとの書簡を受け取ったことです。

理由は”アストラ・スペース株の株価が30営業日連続で1ドルを下回った”ためです。

NASDAQのガイドラインに従い、アストラ・スペースはこの基準を回復するために、2023年4月までの180日間の猶予を与えられ、その期間中に最低入札価格要件である”10営業日連続で1ドルを上回る”必要に迫られました。

しかし、期限が近づくも回復できず、2023年3月にアストラ・スペースはNASDAQに対し、さらに180日間の追加期間(2023年10月まで)を申請。

2023年4月に受理されました。

2023年10月までに株価を1$以上に回復できるかどうか、注目です。

アストラ・スペースの将来性

ここまでの情報をまとめる限り、アストラ・スペースの将来性は厳しいものがあると思います。

理由は事業の柱としているロケット打ち上げ事業が好調とは言えないからです。

小型ロケット市場における競合の米国企業ロケット・ラボは2022年12月時点で、打ち上げ実績29回、152機の人工衛星の打ち上げに成功という実績を残しています。

対するアストラ・スペースの実績は先にも書きましたが、2023年3月時点で3つの商業打ち上げと23の衛星を低軌道に打ち上げというもの。

ロケット・ラボと比べると物足りなさがあります。

顧客は実績を重視して依頼先を決めるので、これでは競争力が弱まってしまいます。

また、ロケット打ち上げ産業にも転換点がきています。

従来のロケット打ち上げは小型ロケットの使い捨てがメインとなっています。

そうすることで、コストが安くなるからです。

しかし、イーロン・マスク氏が率いるスペースX社では再使用型ロケットを使い、打ち上げコストを100分の1にすることを目標としています。

実際、スペースX社のファルコン9というロケットに使われたブースターは2021年5月の打ち上げで10回目の使用実績を誇り、着実に再使用化への道を進んでいます。

また、日本でも再使用化ロケットの開発の動きを見せており、打ち上げコストの低減を図ろうとしています。

参考:https://www.mext.go.jp/kaigisiryo/content/20210927-mxt_uchukai01-000018059_2.pdf

この再使用化ロケットの技術が確立してしまうと、使い捨て型小型ロケットの打ち上げで低コスト化を図っているアストラ・スペースの強みが消えてしまいます。

このような流れから、アストラ・スペースの打ち上げ事業は厳しい環境に置かれています。

ただ、もう一つの事業の柱であるアストラ宇宙用エンジンの開発では好調ぶりが伺えますので、エンジン開発の分野は可能性があるといえます。

ここまでの情報を一旦まとめます。

  • アストラ・スペースのロケット打ち上げ事業は現状厳しい
  • エンジン開発の分野は好調
  • 現状、NASDAQの上場規則が遵守できていない

となります。

これらの情報を踏まえた上で、私自身が買うかどうかの判断軸をご紹介していきたいと思います。

自分がアストラ・スペース株を購入するかどうか?

結論から言うと、絶対買わない、です。

理由は将来性のところでも述べたように、厳しい現状だからです。

私自身の投資スタイルは、投資そのものにリスクがある以上、購入する銘柄はなるべくリスクは低くしたい、と考えています。

リスクを低くする代表的な方法は、

  • 長期保有すること
  • 分散投資すること
  • 手数料が安いこと

の3つです。

これらを実践するとインデックス投資一択になってしまいます。

しかし、インデックス投資は資産額は増えても”現在”の自分の暮らしを楽にしてくれることはありません。

そこで高配当株や短期売買の株を購入し、キャッシュフローの増加を狙います。

アストラ・スペースは配当金が無いので、株の売買益狙いになります。

私が購入銘柄を選定する時に見る指標があります。

  1. 売上高
  2. 1株当たりの利益
  3. 営業利益率
  4. 自己資本比率
  5. 営業活動によるCF
  6. 現金等資産
  7. ROE
  8. PBR

の8つです。

1つずつ確認していきましょう。

売上高

指標の1つ目は売上高になります。

注目するポイントは

  • 右肩上がりになっているか
  • 増減が激しすぎないか

の2点です。

引用:MINKABU米国株(https://us.minkabu.jp/stocks/ASTR/financial_statements)

売上高が発生しているのは2022年末からなので比較できません。

売上高は除いて考慮していきましょう。

1株あたりの利益

次は1株あたりの利益を見ていきましょう。

この項目で確認するポイントは、右肩上がりになっているか、です。

売上高の図で確認してほしいのですが、2021年末から2022年末で赤字縮小となっています。

右肩上がりとなっていますが、マイナスなのが気になります。

1株あたりの利益については懸念点が残ります。

営業利益率

営業利益率は、売上高に占める営業利益の割合のことです。

この数字が高いほど、企業の収益性が高いということです。

この数値は大体8%を基準に見るようにしましょう。

10%以上なら優秀、5%以下は論外となります。

売上高の図で確認すると営業利益がマイナスを示しているので、営業利益率もマイナスとなります。

営業利益率は論外となります。

自己資本比率

自己資本比率は、企業が倒産しないかどうかを測る指標です。

この比率が高ければ高いほど倒産の心配は少なくなります。

最低でも40%以上は欲しいところです。

引用:Yahoo!ファイナンス(https://finance.yahoo.co.jp/quote/ASTR/annual)

アストラ・スペースの自己資本比率は2022年末で40%を越えています。

しかし、2021年末でも87.47%と高い数字を出していたのに急落したことを考えると不安が残ります。

営業活動によるCF

営業活動によるCF(キャッシュフロー)は、ビジネスで手元の現金がどれだけ増えたのかを見るための指標です。

長期的に増加傾向にあり、毎年黒字であることが銘柄選定では重要になってきます。

引用:MINKABU米国株(https://us.minkabu.jp/stocks/ASTR/financial_statements)

毎年末、赤字が拡大しています。

営業活動によるCFは問題ありです。

現金等資産

現金等資産の項目では増加傾向にあるかをチェックします。

営業活動によるCFの項目で見た図では、2021年末で大幅に増加しているものの、2022年末では現金等残高が大幅に減少しています。

2020年末と比べると増加しているのですが、波が激しいので判断が難しいところです。

ROE

ROEは自己資本利益率のことで、株主が出資したお金を元手に企業がどれだけ効率よくお金を稼いでいるかを測る指標です。

株主から集めた資金を使って効率よく経営しているかを判断します。

引用:MINKABU米国株(https://us.minkabu.jp/stocks/ASTR/financial_statements)

毎年末、ROEの値はマイナスが拡大しています。

アストラ・スペースの経営効率は悪いようです。

PBR

最後はPBRです。

PBRは一般的に企業の純資産から見た株価の割高・割安を判断する指標として使われます。

目安は1で、1を下回ると割安、上回ると割高となっています。

引用:MINKABU米国株(https://us.minkabu.jp/stocks/ASTR)

アストラ・スペースのPBRは1.4倍なので、そこまで割高感はありません。

指標のまとめ

ここまで8つの指標を見てきましたが、安心できると言える数字ではありませんでした。

指標の上でアストラ・スペース株を買う理由は見つけられません。

アストラ・スペースの将来性まとめ

アストラ・スペースの将来性について、私は厳しいと思っています。

理由は、

  • ロケット打ち上げ事業で競合に実績で劣っていること
  • ロケット打ち上げ事業のトレンドが使い捨てから再使用型のロケットに転換しつつあること
  • NASDAQの上場規則が遵守できていない

の3つです。

ただ、アストラ・スペースの事業で好調である宇宙用エンジンの開発が伸びれば分かりません。

これから伸びると感じ、購入する選択肢もあります。

しかし、私自身はアストラ・スペースの株の購入は絶対しません。

先ほどご紹介した株を購入する時の8つの指標、

  1. 売上高
  2. 1株当たりの利益
  3. 営業利益率
  4. 自己資本比率
  5. 営業活動によるCF
  6. 現金等資産
  7. ROE
  8. PBR

の内、健全な数字が無かったからです。

そのため、私のようにリスクを極力抑えたいのであれば、おすすめできません。

これらを踏まえて、自己判断で購入を検討してみて下さい。


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  • この記事を書いた人

マネーリテラシー編集部

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