ふるさと納税でよくある失敗は、控除上限額を超えてしまうことです。
控除上限額を超えないために大きく押さえるポイントとして、医療費控除、住宅ローン減税、iDeCoがあります。
できるだけ正確に控除上限額を把握するために、どのように自分の現状に合ったシミュレーションを行えばよいかわかるよう、解説しています。
また、住民税課税証明書を確認して、ふるさと納税に失敗したと思っても、実は失敗していないケースも紹介しています。
ふるさと納税で最も多い失敗は、上限額を超えてしまうこと
お得なふるさと納税、控除上限額ギリギリまで使いたいですよね。
そんな気持ちが裏目に出て、控除上限額を超えるという悲劇に見舞われる人も多いようです。
控除上限額を超えてしまう、代表的な原因を確認してみましょう。
収入が前年より増減した場合
収入が変わると、当然、ふるさと納税できる額が変わってきます。
サラリーマンで、給与の増減がないと踏んでいる年でも、意外なところで増減が産まれることがあるので、気を付けてください。
例えば、会社の業績がよく、年度末に賞与が出て、思いのほか収入が上がることがあります。
会社の業績が悪くて、急にボーナス減額、ということもありえます。
おすすめは、ふるさと納税の額を見込み年収の7割程度に抑えておいて、源泉徴収票をもらって収入を確定させてから、残りの額をふるさと納税する方法です。
我が家の場合、源泉徴収票を12月20日頃もらいます。
そこから急いで計算して、年末駆け込みで、残りの額のふるさと納税します。
源泉徴収票をもらうまでに、医療費控除やiDeCoなどは、合計額の計算を済ませておきましょう。
12月30、31日辺りのギリギリになると、ふるさと納税サイトがつながりにくくなることがあるので、その前に済ませておくのがよいでしょう。
また年末は、各サイトともキャンペーンを行ったりしているので、さらにお得に納税できます。
ふるさと納税の他にも控除されるものがあった場合
ふるさと納税は、「寄付金控除」扱いになります。
そのため、他にも控除になるものがあった場合、ふるさと納税の上限額が低くなります。
失敗として多いのが、医療費控除、住宅ローン控除、iDeCoの控除があるにもかかわらず、それらを勘案せずに全額ふるさと納税してしまうケースです。
これらの控除と、ふるさと納税の控除は併用可能ですが、控除が増えることで、課税所得が減り、全額控除されるふるさと納税額の目安も変わるので注意してください。
①医療費控除
医療費が10万円を超えると、医療費控除の対象になります。
医療費控除で税金が多く控除されるほど、課税所得が減ります。
大きな病気や、長期入院、不妊治療などで、多額の医療費控除を受ける方は、課税区分が変わることも多く、ふるさと納税の控除上限額が大きく変わることも覚えておきましょう。
②住宅ローン減税
住宅ローン減税と、ふるさと納税の両方を行う場合も、注意点があります。
確定申告する場合、控除は、所得税から住宅ローン減税とふるさと納税が控除されます。
ふるさと納税の控除から優先して行われるため、住宅ローン減税が所得税から控除しきれずに、住民税からの控除になることがあります。
住宅ローン減税の住民税からの控除には限度額があるため、ふるさと納税の額によっては、税制メリットが少なくなる場合があります。
③iDeCoに加入している
iDeCoは、掛け金が所得控除の対象になっているため、課税所得が減ります。
ふるさと納税とiDeCoを併用する場合は、iDeCoで減った後の課税所得額をもとに、ふるさと納税の控除上限額を計算しましょう。
ふるさと納税で失敗しないためにシミュレーターを使おう
ふるさと納税で控除上限額を超えないために、できるだけ正確にシミュレーションする方法をお伝えします。
方法1:自分の現状に合うシミュレーターを見つける
ふるさと納税の各サイトにシミュレーターが設置されています。
しかし、これらのシミュレーターは、全て同じではありません。
シミュレーションの入力項目が、年収と家族構成だけの簡単なものもあれば、各種控除(医療費、iDeCoなど)や株式の譲渡益まで含み、かなり詳細に渡るものまであります。
詳細なシミュレーション項目が不要な場合は、簡単なシミュレーションでよいでしょう。
各種控除や株式の譲渡益など該当するものがある場合は、詳細シミュレーションをしましょう。
方法2:複数のシミュレーターを使う
シミュレーターも、3つくらいは試してみた方が安心です。
複数試すと、控除上限額が違う場合があります。
その時は、どの入力項目が影響して、金額が違うのか確認しましょう。
そして、自分の現状に合う項目が入っているシミュレーターを必ず使用しましょう。
私は、ふるさとチョイスのシミュレーターをメインで使っています。
こちらは、控除の入力項目が多く、株式の譲渡益も含まれた、かなり詳細なシミュレーターです。
シミュレーション結果より気持ち少なめにふるさと納税する
シミュレーターを試して控除上限額がわかったら、ふるさと納税額を少な目にしておくと、納税しすぎの失敗を防ぎやすいです。
我が家では、ふるさと納税の額を、控除上限額より1~2万円程度、少な目に抑えています。
これにより、失敗したらどうしよう、という心配から解放されています。
実はふるさと納税に失敗していないケース
住民税課税証明書を確認して、ふるさと納税に失敗したかも、と焦っている方。
実は、失敗していないケースもあります。
ふるさと納税を確定申告した場合は、住民税だけでなく、所得税も還付される
ふるさと納税を確定申告した場合は、住民税だけでなく、所得税も還付されます。
ですから、ふるさと納税での還付額を知りたい場合は、住民税課税報告書に加え、確定申告書の還付金額も確認する必要があります。
私は、ふるさと納税を確定申告し、その後届いた住民税課税証明書の控除額を確認して、控除上限額より少なくてショックを受けました。
よく調べると、確定申告した場合は、所得税からも還付を受けられていることを知り、ほっとした経験があります。
まとめ:ふるさと納税で上限額を超える原因を知って、自分の現状に合ったシミュレーションをしておこう
ふるさと納税で失敗しないために、控除上限額を超えない方法を解説してきました。
せっかく、お得になるためにはじめたふるさと納税でも知識不足で、失敗してしまっては意味がありません。
失敗しないためにも、記事内で紹介したように自分の現状に合ったシミュレーションをして確認しておくことが重要です。
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