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ネット銀行へ給与振込ができない理由は?ネット銀行特有の事情を探る!

「ネット銀行へ給与振込をお願いしたら、会社からできないと言われた。」

ネット銀行への給与振込は、勤務先によってはできないケースもあります。

ネット銀行は既存の銀行とは異なるさまざまなメリットもあるため、ぜひ、ネット銀行を利用したいと考える方も多いことでしょう。

筆者はかつて銀行に10年間勤務していた経験があります。

その経験をもとに、この記事ではネット銀行への給与振込ができない理由や、ネット銀行特有の事情を探っていきます。

勤務先でネット銀行へ給与振込ができない理由

勤務先での給与振込は、勤務先それぞれに会社規定や考え方があるため、ネット銀行への給与振込が認められないケースもあります。

勤務先で給与振込可能な金融機関が決められている

勤務先で給与振込に利用できる金融機関が指定されていることもあります。

その場合は、ネット銀行が利用できないだけではなく、指定されている金融機関の預金口座を新たに作成しないといけないケースもあります。

通帳による給与振込口座の確認ができない

勤務先は給与振込を行うに当たって、従業員から通帳のコピーを提出させて、給与振込口座の確認を行うことが多いです。

勤務先が給与振込を行う際、万が一にも他人の預金口座へ振込むようなことになったら大変です。

ネット銀行の場合、キャッシュカードは作成しても通帳は発行していません。

そのため、勤務先としては、ネット銀行は給与振込口座としての確認ができないから不可、という判断になるケースもあります。

実店舗が無いことによる信頼性の問題

ネット銀行は既存の金融機関とは違って、実店舗(支店)がありません。

ネット銀行は実店舗を持たないことによって、設備費や人件費を抑え、既存の金融機関との差別化を図っています。

しかし、勤務先で給与振込を行う際は、このことがマイナスに作用することもあるようです。

実店舗を持たないことが、その金融機関への信頼性という面でややマイナスとなっているのです。

勤務先が給与振込を行うに当たっては、確実に従業員の預金口座に給料を届ける必要があります。

金融機関も、何らかのトラブルが発生することがあります。

その際、問合せ先である実店舗が存在しないということは、勤務先にとっては不安材料となります。

そのため、給与振込口座をネット銀行とすることに不安を感じる会社もあるわけです。

ネット銀行を利用するメリット

ネット銀行には、既存の金融機関には無いさまざまなメリットがあります。

預金金利が高い

預金金利が既存の金融機関と比べて高く設定されています。

これは、実店舗を持たないことにより、設備費・人件費等のコストを抑えていることが関係しています。

現在、預金金利はほとんど付かない状況ですが、それでも少しでも多くの利息をもらえた方がお得ですね。

振込手数料が安い

振込手数料は、他の金融機関と比較して安く設定されていることが多いです。

これもコストを抑えていることによるメリットです。

ネット銀行をメイン口座としてではなく、サブ口座として利用する方もいらっしゃると思います。

メイン口座でいろいろな口座振替・支払いを行うに当たって、ネット銀行からメイン口座へ振込を行うことも多くなります。

その際、振込手数料が安いことは、大きなメリットとなります。

独自のサービス・商品が豊富

既存の金融機関とは一味違ったサービス・商品が豊富にあります。

銀行名独自のサービス
SBI新生銀行特別金利の「スタートアップ円定期預金」
3ヶ月もの円定期預金:1.0%
住信SBIネット銀行他行への振込手数料が最大月20回無料
ソニー銀行米ドル定期(6ヶ月)年利:8.00%

コンビニATMの利用が可能

ネット銀行は実店舗(支店)を持っていませんが、その分、コンビニATMの利用が幅広くできるようになっています。

銀行名独自のサービス
SBI新生銀行セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、イオン、
ゆうちょ銀行、PatSat、VIEWALTTE、全都市銀行、
三菱UFJ信託銀行、三井住友信託銀行、商工中金
住信SBIネット銀行セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、イオン、
ゆうちょ銀行、PatSat
ソニー銀行セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、イオン、
ゆうちょ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行

ネット銀行を利用するデメリット

ネット銀行の利用に当たっては、デメリットもあります。

メリットと合わせて検討してみましょう。

セキュリティに注意が必要

ネット銀行は資金の入出金等がインターネット上だけとなるため、セキュリティにより気を付ける必要があります。

既存の金融機関の場合は、通帳・印鑑・キャッシュカード・暗証番号等の管理で足りますが、ネット銀行はインターネット上の情報が全てです。

筆者が銀行で働いていたときも、顧客の預金口座がインターネットバンキングからハッキングされてしまい、数千万円の預金が複数の他人口座へ振込まれるという事件が発生しました。

そのときは、銀行側の保証対応で顧客に実害はなかったのですが、かなり衝撃的な事件でした。

他行へ振込まれた資金は、すぐさまATMから50万円ずつ引出されていました。

ICカードや生体認証が無い場合、1日のATM出金額は50万円までに制限されており、そのおかげで被害は最小限に食い止められました。

支店での直接の相談・手続きができない

ネット銀行は実店舗(支店)が無いため、直接、銀行員の方へ直接相談したり、窓口で手続きを行うということができません。

電話でお問合せする場合も、今は業種を問わず自動音声が流れてなかなか担当者まで電話が繋がらないケースも多いですね。

よって、インターネットでの手続きに不慣れな方にとっては、少しストレスになるかもしれません。

インターネットに障害が発生すると取引ができない

取引がインターネット上のみであるため、システム障害が起きてインターネット取引ができなくなると、銀行取引が一切できなくなってしまいます。

システム障害についても、筆者が以前勤務していた銀行でも発生したことがありました。

「支店内のシステムが正常に起動しない」

「ATMの取引も一切できなくなっている」

「どうやら、銀行全体でシステム障害が発生しているらしい」

朝8時頃にシステム障害が発生し、当初は9時の開店時までには復旧できる見込でしたが。

実際にはお昼頃まで時間を要し、多くのお客様に影響が出てしまいました。

筆者が勤務していた銀行は実店舗があったため、職員がシステムを介さずに手動で手続きを行い、ある程度の取引は可能でした。

ただ、ネット銀行の場合はそうはいきません。

そのようなリスクがあることも、理解しておくべきです。

まとめ

ネット銀行は、勤務先の会社規定や考え方によって、給与振込口座に指定できないこともあります。

ネット銀行は独自のサービスや商品を提供するなど魅力もあるため、給与振込への指定が可能であれば、検討してみても良いと思います。

その一方で、ネット銀行ならではのデメリットもあるため、その点も考慮した上で検討したいところです。

参考記事:「楽天銀行への給与振込はデメリットが多い!おすすめの使い方も紹介」

  • この記事を書いた人

マネーリテラシー編集部

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