退職代行サービスに依頼してから退職が完了するまでの流れを、実際に退職代行サービスを利用した筆者が解説します。
退職代行が実施されるまでの流れで、筆者がしたことは次の5ステップです。
- 依頼
- 情報送信
- 電話面談
- 料金振込
- 契約書類の送信
これだけで退職代行が実施されます。
その後は事務的なメールや書類のやりとりがあるだけです。
この記事を読めば、退職代行が難しいものではなく、誰でも簡単に利用できることがわかるでしょう。
退職代行の流れ:弁護士法人みやびの場合
筆者が実際に利用した退職代行サービス「弁護士法人みやび」を例に流れを解説します。
依頼する
「退職代行」で検索し、退職代行サービスのWEBサイトから問い合わせメールを送ります。
詳細情報を送信する
依頼すると、退職代行サービスから返信が来ます。
以下の内容を回答するよう求められます。
- 弁護士との電話面談の希望日時
- 会社名(URLもあればURL)
- 所属部署
- 内容証明送付先住所(会社住所)
- 雇用形態(正社員、契約社員、アルバイト、業務委託)
- 勤続年数
- 勤務開始日(入社日)
- 勤務サイクル(月~金10時~19時まで等)
- 退職理由
- 退職代行実施希望日と時間
- 会社の始業時間
- 会社電話番号
- 会社FAX番号
- 有給の日数
- 健康保険証の種類(社保or国保)
- 賃金の締め日と支払日
- 人事責任者、もしくは上司のお名前とその方のメールアドレス
筆者の場合、パソコンを使う業務についていなかったため、上司のメールアドレスがわからない旨を伝えましたが、それでも問題ありませんでした。
調べてわかるものは記入し、返信します。
電話面談する
弁護士と電話面談します。ここで退職代行するかどうか最終確認します。
面談といっても事務的なやりとりで、3分程度で終わります。
料金を振り込む
電話面談が終わると、料金の振込案内がメールで来ます。
後払いできる退職代行サービスもありますが、基本的には前払いです。振込が確認されないと退職代行が実行できないため、できるだけすぐにやりましょう。
振込をATMで行った場合は明細票、ネットバンキングで行った場合は振込完了後のスクリーンショットが必要になります。
契約書類を送信する
退職代行の契約書、身分証明書、振込の明細票もしくはスクリーンショットを写メで撮り、メールに添付し、送信します。
契約書は、セブンイレブンのマルチコピー機から「ネットプリント」メニューで印刷するよう指示があります。
ネットプリントを利用した経験がなくても、スマートフォンが操作できる程度の知識があれば大丈夫です。
退職代行が実施されるのを待つ
契約書類が受理されれば、あとは退職代行されるときを待つだけです。
実施されると、退職代行サービスからその旨を知らせるメールが届きます。
貸与品、退職書類を勤務先に郵送する
以下の物は勤務先に返却する必要があります。
- 勤務先からの貸与品(通行証、制服、携帯電話など)
- 健康保険証(社会保険の場合)
また、勤務先から退職届といった退職に必要な書類が郵送されてくる場合があります。それらを記入し、郵送します。
退職が完了する
筆者の場合、残った有給を消化しきった日が退職日となりました。
離職票、健康保険資格喪失証明書、源泉徴収票が順次勤務先から送られてきます。
源泉徴収票は送られてくるのに時間がかかります。筆者の場合は退職日から二か月後に郵送されてきました。
何か月経っても送られてこないようなら、退職代行サービスを通して勤務先に催促しましょう。
退職代行を利用するメリット
本来、退職するのにお金は必要ありません。
しかし、退職を言い出せない、退職を受け入れてもらえない環境で働く人にとって、退職代行はお金を払うだけのメリットがあります。
勤務先に行かずに辞められる
仕事がある日はベッドから起きあがれない、起きたら頭痛や目眩がするという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そういう方でも、自宅からメールやLINEで退職代行サービスに依頼するだけで辞められます。
勤務先と直接やりとりしなくていい
退職代行サービスが、あなたと勤務先のあいだに入ってくれます。
あなたの代わりに退職の意思を伝えてくれ、確実にあなたを退職させてくれます。
勤務先から引き留められたり、責められたりすることはありません。
退職代行で辞めたときのリスク
退職代行で辞めたときのリスクは、ゼロではありません。
ただ、恐れるようなリスクではないことを、ここで解説します。
同じ業界に転職すると退職代行の利用がバレるかもしれない
同じ業界だと会社間で交流があることも。
そのため、同業の別会社に転職しようとしたら、転職先の人事がこちらのことを知っていた、という可能性はありえます。
損害賠償を請求されるかもしれない
まず、退職代行を利用したという理由で損害賠償を請求されることはありません。
ただ、あなたが会社に対して義務違反していた場合、損害賠償を請求され、それが通る可能性はあります。
また、単に嫌がらせで会社が損害賠償を請求する場合もあります。
共に稀なケースではありますが、弁護士に退職代行を依頼すれば、こういったリスクは下げられます。
民間業者が非弁行為するかもしれない
非弁行為とは、弁護士資格を持たない人間がお金を得て法律事務を行うことです。
退職代行における非弁行為は、民間業者が有休消化、退職金など、退職条件の交渉を行うことが該当します。
何かしら交渉したい場合は、労働組合や弁護士がついている退職代行サービスに依頼すると、非弁のリスクを回避できます。
退職代行を頼む前にやっておくといいこと
いきなり退職代行サービスに依頼しても何の問題もありませんが、余裕があれば以下のことをしておくといいでしょう。
引継ぎ用の資料を作る
「自分が辞めたらこの仕事はどうなるんだ?」という不安がある方は、引き継ぐ方のために何か残しておくと、いきなり辞めることへの罪悪感が薄れます。
勤務先にある私物を片づける
デスクやロッカーに私物を置いている方は、辞める前に大事な物だけでもこっそり持って帰っておくといいでしょう。
もし自宅まで送ってほしい物があれば、その旨を退職代行サービス経由で勤務先に伝えることもできます。
転職先を探す
ストレスがひどければ、まずはゆっくり休んでください。
余力がある方は、次の仕事を探しておくと、スムーズな転職ができるでしょう。
病院に行っておく
社会保険の場合、退職したら健康保険証を勤務先に返却しなければいけません。
次の就職先で社会保険に入る場合も、国民健康保険に切り替える場合も、健康保険証が手に入るまで少し時間がかかります。
もし服用している薬があり、薬の残りが少ないのであれば、健康保険証があるうちに病院に行って、薬を処方していただくといいでしょう。
歯科の定期検診なども、健康保険証があるうちに。
まとめ:退職代行の流れを把握していなくても退職代行は利用できる
退職代行を利用したい方に向けて、退職代行の流れや、やっておくといいことなどを解説しましたが、たとえそれらを知らなくても退職代行は利用できます。
退職代行とは、あなたの代わりに辞めたいと勤務先に伝えてくれ、実際に退職まで導いてくれるサービスのこと。それだけわかっていれば十分です。
このまま働き続けて鬱になり、働けない体になったときの損失を考えれば、退職代行サービスに払うお金は安いと言えないでしょうか。
この記事が、退職代行の利用を検討するあなたの助けになれば幸いです。