皆さんは競馬がお好きですか?
日本ダービーを筆頭に、有馬記念、ジャパンカップ、天皇賞、安田記念など数多くのG1レースがあり、世代を超えて多くの感動をもたらしてきました。
日本人ほど競馬に熱中するのも珍しく、馬券の売り上げは世界で断トツのトップです。
また重賞のみならず平場から高額な賞金が用意されているのも特徴です。
そのような盛んな競馬業界で、一口馬主として馬を所有してみたいと考える方もいるのではないでしょうか。
競走馬で稼げるのは資金力のあるオーナーだけと思われがちですが、そんなことはありません。
10万以下の小額投資でも十分に勝つチャンスはあります。
一口馬主で競走馬を所有する方法
近年はギャンブルだけでなく、投資対象としても認知されている競走馬。
しかし一般的に中央競馬場を走る競走馬の購入には1頭数千万円から数億円と高額で、一介のサラリーマンにはとても手を出せる金額ではありません。
そこで複数人がお金を出し合い、共有財産として保有するために生み出されたのが一口馬主の概念です。
数十口から数百口と募集価格に対して口数を分けることで、必要な購入金額は数万円から数百万にまで下がります。
この場合、配当金の割合は購入口数に比例します。
これにより一口価格によってはサラリーマンにも競走馬を所有できる可能性が広がりました。
とはいえ出走レースで賞金を稼げなければ、結局は安物買いの銭失いで終わってしまいます。
では一口価格が低い馬で募集価格以上に投資資金を回収することは不可能なのでしょうか。
ここでは10万円を一つの基準として考えてみることにします。
計算方法
集計対象
- 2018年以降に誕生した4~6歳の牡馬、牝馬、セン馬
- 中央競馬場でデビュー(地方への転籍、地方レースの出走を含む)
- 第一線を芝、ダートで活躍した競走馬
一口馬主になるためには、対象となる競走馬を管理するクラブに入会し、口座を開設する必要があります。
競争馬の購入金額とは別に、月ごとの口座維持費用、出走レースの登録料、日々の餌代、馬房の管理費用など諸々の諸経費が掛かります。
また現役中に優秀な成績を残した競走馬は、引退してからも種牡馬や繫殖馬として出資者に配当をもたらす可能性もあります。
そのため実際の回収率算出はもう少し複雑になりますが、ここでは計算を簡単にするために純粋な獲得賞金に対する回収率で比較してみます。
誕生年度別回収率ランキング
それでは一口価格を10万円以下に限定した時の回収率ランキングを年度別に見てみましょう。
表の見方ですが、青字は牡馬、赤字は牝馬を表しています。
またそのうち重賞を勝った馬は下線付きの太字で示しています。
2020年 回収率ランキングtop10
全体ランキングに対する割合:10/20頭
(引用元:netkeiba)
2023年日本ダービー馬であるタスティエーラ、同年の菊花賞勝利のドゥレッツァなどクラシックレースの覇者は、意外なことに一口価格が安い競走馬から誕生しています。
さらにはクラシックレースの登竜門とされる共同通信杯を勝利したファントムシーフも一口価格は10万円以下です。
このように一口価格が低いと新馬期間の重賞を一つ勝つだけでも元を取れる結果となります。
2019年 回収率ランキングtop10
全体ランキングに対する割合:10/18頭
(引用元:netkeiba)
5歳になっても現役の馬は数多くおり、重賞を複数回勝利した馬もいます。
中でも特筆すべきはやはりイクイノックスでしょう。
4歳秋で引退していますが現役中は世界ランキング1位、G1を5連勝するなど多くの記録を残した歴史的名馬です。
上記表は国内レースだけの獲得金になりますが、海外の賞金を含めると22億を優に超えます。
2018年 回収率ランキングtop10
全体ランキングに対する割合:10/13頭
(引用元:netkeiba)
6歳になれば多くの競走馬が引退していきます。
その中にはもちろん重賞を勝った馬も含まれますが、勝てなかったからといって駄馬というわけではありません。
1着か着外といった成績の浮き沈みが激しい、あるいは怪我で長期離脱する馬よりも、怪我なく多くのレースに出てコンスタントに入線する方が回収率として上回るケースは数多くあります。
無事之名馬(ぶじこれめいば)との名句があるように1位を取ることだけが全てではないということですね。
全体的な傾向としては牡馬の方がやや回収率が高く、早期における活躍が目立ちます。
ただし途中でセン馬になると成績は下降し、ランキング外になる結果となりました。
また一口価格が低い馬ほど現役期間は長く、回収率の上位ランキングに占める割合が高くなっています。
華やかな経歴こそないですが、渋い活躍が光り、キャリア後期でも安定した成績が期待できます。
条件別で見た時の回収率
ここからは条件別で見た時の回収率の差を見ていきましょう。
中央競馬のレースは主に芝、ダートの2つで行われており、それぞれに重賞が設けられています。
また厩舎も美穂(関東)と栗東(関西)に分かれており、育成能力や距離などの得意分野、レースの勝率などが一口馬主を考える上での指標となっています。
ではこれを10万円以下の一口馬主に限ればどうなるでしょうか。
美穂と栗東どちらの厩舎を選ぶ方が回収率を上げられるのか。
結果は次のようになりました。
(引用元:netkeiba)
回収率の高い馬について、「輩出率」の観点から美穂と栗東で大きな差はありませんでした。
重賞の種類は芝の方が豊富ですが、一口価格が低いからと言ってダートでしか走れないといった傾向も見られません。
ダートの特徴としては足元への負担が小さく、芝よりも距離が短いことが挙げられます。
そのため勝率よりも耐久力、多くのレースに出走して安定的に成績を残せるかが回収率を上げるポイントになります。
回収率を高める上では生産者も注目すべき点です。
どの誕生年にも「ノーザンファーム」からは複数の競走馬がエントリーしています。
特に回収率のトップ層はいずれも「美穂」の「ノーザンファーム」出身です。
生産規模もさることながら、配合や育成のノウハウを持っているのが大きな強みと言えるでしょう。
またより小額で投資したいという方は「コスモヴューファーム」を狙ってみるのも面白いでしょう。
獲得賞金こそ少ないですが、多くは5万円以下で購入できます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事のポイントをまとめると以下のようになります。
- 10万円以下の一口価格でも100%以上の回収率を出す馬はたくさんいる。また現役期間が長い。
- 長期的には性別による回収率差は小さくなるが、牡馬の方が早期から活躍する傾向がある。
- 大きなリターンを狙うならノーザンファーム生産の美穂厩舎、小額投資ならコスモヴューファームから選ぶと的中率が上がる。
他の投資対象とは異なり競走馬は生き物です。
怪我や不調などで順調なキャリアを歩めない時期も出てきます。
そのような時でも苛々せず、温かい目で成長を見守る覚悟を以て、購入の是非を検討してください。
なお投資判断は自己責任でお願いいたします。
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ライター名:nova7104