資産運用や投資という言葉を良く聞くようになりました。
始めてみたいと考えている方は多いのではないでしょうか。
今回は筆者が実感したソーシャルレンディングによる資産運用がやばいと言われる理由をまとめました。
投資初心者にはソーシャルレンディングはおすすめできません。
やばい理由とそのリスクを減らす方法をまとめているのでぜひ参考にしてください。
ソーシャルレンディングとは
筆者はソーシャルレンディングを理解しないまま、ソーシャルレンディング業者が宣伝する魅力的なポイントに惹かれて投資を始めました。
今振り返れば本当に危険なことをしていたと思います。
まずはソーシャルレンディングとは何か、どのような仕組みかを説明します。
ソーシャルレンディングの仕組み
ソーシャルレンディングは(融資(貸付)型クラウドファンディング)のことを指します。
インターネットを用いてファンドの募集を行い、投資者からの出資をファンド業者を通じて企業等に貸付ける仕組みをいいます。
(参考:金融庁)
分かりやすくお金の流れを説明すると以下の通りです。
- 投資家がお金をソーシャルレンディング業者へ預ける
- ソーシャルレンディング業者は企業へお金を貸し付ける
- お金を借りた企業は利息をソーシャルレンディング業者へ支払う
- ソーシャルレンディング業者は投資家へ利息(配当)を分配する
以上がソーシャルレンディングの仕組みと大まかな流れです。
仕組みとお金の流れを理解することでリスクの理解の一歩になります。
筆者が感じたソーシャルレンディングのやばいところ5選
ここからは何も知らずにソーシャルレンディングを利用し始めた筆者が実際に感じたやばいところを5つご紹介します。
不祥事の発生
ソーシャルレンディングがやばいと思った最大のポイントは2021年に起きたSBIソーシャルレンディングの不祥事です。
その当時筆者はSBIソーシャルレンディングを利用していました。
資産運用やソーシャルレンディングの知識もなく、「SBI」という大手企業の名前だけですっかり安心していました。
しかしSBIソーシャルレンディングは不祥事を起こし、金融庁から業務停止命令が下されます。
原因は、貸し付けされた企業がお金を不正流用したことに対し、SBIソーシャルレンディングが資金使途の確認義務を怠っていたことです。
幸い筆者のお金は無事に戻りましたが、「大手企業」でさえもこのような不祥事が起こるというソーシャルレンディングのやばさを実感しました。
元本割れのリスク
ソーシャルレンディングは元本が保証されていません。
ソーシャルレンディングは企業にお金を貸し付けて、借りた企業が利子を付けて返済します。
お金を借りた企業の事業が上手くいかず返済が出来ないと貸し倒れに繋がります。
貸し倒れたお金は投資家に戻りませんので元本割れが生じます。
ソーシャルレンディング業者は貸し付ける企業の信用を確認していますが、必ずしも元本を保証しているわけではありません。
ソーシャルレンディング業者が破綻すると資金が守られない
先ほどは貸付先の企業の貸し倒れリスクを説明しました。
貸付先の企業だけでなくソーシャルレンディング業者が破綻するリスクもあります。
貸付先の企業が相次ぎ倒産し貸し倒れが生じたらソーシャルレンディング業者も資金が回収できないため破綻の危機に直面します。
もし破綻した場合、出資しているお金や預けているお金は必ずしも保護されるわけではありません。
ソーシャルレンディング業者は投資家の資産を信託銀行に信託する義務がありません。
つまりソーシャルレンディング業者が破綻した場合、投資家が預けている資産も差押の対象となり、投資家のお金は返還されないというリスクがあるということです。
投資を始めると期間までお金を引き出せない
ソーシャルレンディングは企業への貸付が始まるとお金は引き出せません。
そのため、もし身の上の都合でお金が必要になったり、投資そのものが不安になっても引き出すことは出来ません。
資金を拘束されて引き出せないのは大きなデメリットと言えます。
税金面に課題
ソーシャルレンディングで得られた収益は総合課税の対象となる「雑所得」です。
つまり所得と合算され、その所得に応じて税率が5~45%に決定するということです。
税率の一覧は以下の通りです。
(参考:国税庁)
課税される所得金額 | 税率 |
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% |
40,000,000円 以上 | 45% |
さらにソーシャルレンディングの収益は源泉徴収(税率20.42%)の対象です。
そのため、ソーシャルレンディングの収益がある場合は確定申告を行い、源泉徴収された金額と過不足がないようにする必要があります。
次に他の資産運用と比べてみましょう。
ソーシャルレンディング | 税率5~45% |
預貯金上場株投資信託 | 税率20.315% |
新NISAを活用した資産運用 | 税率0% |
新NISAの非課税と比べると税制面にもデメリットを感じます。
これに加えソーシャルレンディングは確定申告の必要が生じるため、毎年確定申告をされない人にとっては大きな手間となります。
ソーシャルレンディングのリスクを軽減する5つの方法
これまではソーシャルレンディングのやばいところをお伝えしました。
ここからはそのリスクを軽減する5つの方法をご紹介します。
余剰資金で投資する
ソーシャルレンディングには貸し倒れリスク、ソーシャルレンディング業者の破綻、満期までの資金拘束が生じます。
「なくなっても良い」「なくなっても困らない」と思える余剰資金で投資することをおすすめします。
間違っても、近い未来に必要になると分かっているお金や普段の生活費を投資してはいけません。
ソーシャルレンディングの業者を調べる
利用するソーシャルレンディング業者を十分に調べましょう。
ソーシャルレンディング業者には第二種金融商品取引業の登録が義務づけられています。
無登録業者は詐欺である可能性が高いので一切関わらないことをおすすめします。
この登録を受けている業者は金融庁HPで確認することができます。
ただし、登録業者であっても、金融庁や財務局がその信用力を保証したものではありません。
これだけを確認するのではなく、ソーシャルレンディング業者の経営母体やこれまでの運用実績を確認することも重要です。
またソーシャルレンディングのリスクを分かりやすく提供していないファンドには注意が必要です。
ソーシャルレンディング業者を複数使用する
ソーシャルレンディング業者を複数使用しましょう。
1つのソーシャルレンディング業者に資産を集中させてしまうとソーシャルレンディング業者が破綻した時に損失が大きくなってしまいます。
複数のソーシャルレンディング業者を使用することで破綻する場合のリスクを軽減することができます。
また複数のソーシャルレンディング業者を活用しようとすることで、自然とソーシャルレンディング業者を複数比較検討することが出来ます。
これによりソーシャルレンディング業者のそれぞれの特徴や長所短所を把握することにも繋がり理解が深まります。
投資するファンドを調べる
ソーシャルレンディング業者を選んで安心してはいけません。
投資するファンドも十分調べる必要があります。
金融庁はソーシャルレンディング業者が提供する情報を確認するよう推奨しています。
ソーシャルレンディング業者からの情報提供の例は以下の通りです。
- 貸付企業の業種事業内容利害関係の状況
- 貸付条件
- 貸付先の資金使途
- 回収可能性に影響を与える情報
- 審査体制
- 貸付債権の管理回収方針態勢
(参考:金融庁)
上記を確認して大丈夫だと思ったファンドに投資するようにしましょう。
金融庁は上記提供情報に理解出来ないところがあれば投資を控えるよう注意しています。
高利回りを疑う
ソーシャルレンディングの利回りは年率2~7%が相場です。
これを大きく上回る利回りを提示しているものは相応のリスクがあることを留意していなければなりません。
リスクのみならず詐欺に巻き込まれる危険もありますので十分に注意が必要です。
【まとめ】ソーシャルレンディングは初心者におすすめしない
ソーシャルレンディングのやばいといわれる理由とそのリスクを軽減する方法を解説しました。
業者の選定やファンドの選定は初心者では難しいことが多く、多くのリスクがあることが分かります。
筆者自身は上記のリスクを考慮して現在はソーシャルレンディングによる資産管理はやめています。
これからソーシャルレンディングを始めようと思っている方の参考になれば幸いです。
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ライター名:モーリス