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ヴァージン・ギャラクティックの将来性は?宇宙旅行会事業初の上場会社の株価や財務状況を紹介【米国株】

2004年に創業し、2019年にニューヨーク証券取引所に上場したヴァージン・ギャラクティック・ホールディングス(以下ヴァージン・ギャラクティック)。

宇宙旅行会社として世界初の上場を果たし、2年で株価が最高値の57.15ドルになった後、2024年5月現在は1.01ドルまで落ちています。

引用:Kabutan米国株(https://us.kabutan.jp/stocks/SPCE/finance)

この記事ではヴァージン・ギャラクティックという会社の事業内容と将来性について、個人投資家副業ライターのあきらが解説していきます。

これを見ればヴァージン・ギャラクティックが投資の対象となるのか、判断材料にすることができます。


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ヴァージン・ギャラクティックの事業内容

ヴァージン・ギャラクティックは宇宙航空会社で、商業宇宙旅行事業を開拓している企業です。

宇宙船の設計・製造・試験から、実際の宇宙旅行の企画・実施まで行う垂直統合型の運営をしています。

ヴァージン・ギャラクティックは、2021年に世界初となる民間人を乗せた宇宙遊覧飛行に成功。

2022年はテスト飛行を1度も行わず、機体の点検や整備に終わりました。

2023年には6月と8月に商業宇宙旅行を成功させています。

現在、ヴァージン・ギャラクティックが提供している宇宙旅行は、数日間の飛行前訓練を受けたのちに、宇宙からの景色を楽しむというもの。

宇宙旅行というよりは宇宙空間を体験するサービスと言えます。

ヴァージン・ギャラクティックの宇宙遊覧は全体で約1時間10分。

宇宙船”スペースシップ2”を母船である”ホワイトナイト2”が高度約15kmまで引き揚げます。

その後、スペースシップ2がアメリカ政府が定める宇宙空間の下限である高度80kmを超え、最高到達点(約86km)から着陸に向かうというものです。

※FAI(国際航空連盟)が定める宇宙空間の下限は”カーマンライン”と呼ばれる高度100kmです。

その間に遊覧者は無重力状態を体験および宇宙空間から地球を眺めることができるというものです。

宇宙空間の滞在時間はわずか数分程度のものです。

この1時間少しのサービスにかかる金額は1人45万ドル(約6,500万円)もします。

一般的な感覚からすると、わずか1時間に約6,500万円もの大金をつぎ込むのは理解しがたいものがあります。

しかし、約800席分が予約済みで、日本の代理店である「クラブツーリズム・スペースツアーズ」によれば20名弱の日本人の申し込みがあるほどの人気を誇ります。

ヴァージン・ギャラクティックの強み

ヴァージン・ギャラクティックの強みは何といっても先行者利益ではないでしょうか。

商業宇宙飛行で初の有人飛行を成功させ、宇宙旅行会社として初のニューヨーク証券取引で上場を果たしています。

世界初というのは誰もが目を引く偉業です。

また、スペースXやブルー・オリジンといった宇宙産業に携わる企業の打ち上げ失敗が続く中、2023年に2回もの有人宇宙飛行を成功させているのは安全性という強みも感じられます。

ヴァージン・ギャラクティックの将来性

ヴァージン・ギャラクティックの将来性はあるのでしょうか?

私は、判断が難しいと思っています。

判断が難しいと思った理由は以下の観点からです。

  • 宇宙産業の規模
  • ヴァージン・ギャラクティックの今後の事業展開

まずは、宇宙産業の規模がどんなものなのか、見ていきましょう。

宇宙産業の規模

テスラ社のCEOであるイーロン・マスク氏のスペースX、Amazonの創業者ジェフ・ベゾス氏のブルー・オリジンなど、アメリカの有名起業家がこぞって宇宙産業へと介入しています。

日本でもホリエモンこと、堀江貴文氏がインターステラテクノロジズ株式会社を立ち上げており、名だたる起業家は宇宙を視野に入れている現状です。

経済産業省のホームページでは”宇宙基本計画”の中で「宇宙産業の規模を2030年代早期に倍増(約1.2兆円から2.4兆円)することを目指す」としており、宇宙産業がこれからの時代に必要不可欠であることが伺えます。

(参考:https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/space_industry/index.html)

世界の宇宙経済規模を見てみると、2015年には3,230億ドルだったのが2021年には4,960億ドルにまで成長しており、前年からの成長率は約9%と過去最高の成長率を誇りました。

宇宙関連の市場規模はこれからも伸びると予測され、2026年には6,340億ドルに達するとされています。

(参考:https://spacemedia.jp/spacebis/2865)

その内訳ですが、画像のとおり衛星関連のサービスが4割近くを占めています。

(引用:https://sorabatake.jp/17696/)

ロケットの打ち上げや非衛生産業は4分の1にも満たない割合です。

これから増えてくる可能性もありますが、宇宙旅行が市場規模の上位を占めるのは、まだ先だと思われます。

ヴァージン・ギャラクティックの今後の事業展開

ヴァージン・ギャラクティックは2023年8月に2度目の商業宇宙旅行を成功させました。

今後は毎月1回の商業宇宙旅行を計画しており、3回目は2023年9月に予定しています。

(参考:https://sorae.info/space/20230811-galactic-02.html)

現在使われているスペースシップ2に加え、スペースシップ3・デルタクラスといった新しい宇宙船の開発も進めており、乗客数の拡大を目指しています。

(参考:https://clublog.club-t.com/_ct/17596046)

乗客数を増やして、回転効率を上げることで収益を増加させることが可能になれば、企業としての成長は見込めるはずです。

判断が難しい理由のまとめ

私が判断が難しいと感じた理由は以下のとおりです。

  • 宇宙産業はこれから伸びていく
  • 宇宙産業の主軸は衛星サービス関連
  • ヴァージン・ギャラクティックは宇宙旅行事業
  • 乗客数を増やすための宇宙船開発を進めている

伸びている産業分野でも主軸は衛星サービス関連です。

ヴァージン・ギャラクティックの宇宙旅行事業は横にそれています。

宇宙旅行へ800席近くの予約がされており、数字上は好調です。

宇宙旅行というサービスへのリピーターがどれくらいいるのか読めないというのも判断が難しい要因になっています。

次は、これらの情報を踏まえた上で、私自身が買うかどうかの判断軸をご紹介していきたいと思います。

自分がヴァージン・ギャラクティック株を購入するかどうか?

結論から言うと、慎重にいくなら買いたくない、です。

理由は先ほども書いたように将来性の判断が難しいと感じるからです。

私自身の投資スタイルは、投資そのものにリスクがある以上、購入する銘柄はなるべくリスクは低くしたい、と考えています。

リスクを低くする代表的な方法は、

  • 長期保有すること
  • 分散投資すること
  • 手数料が安いこと

の3つです。

これらを実践するとインデックス投資一択になってしまいます。

しかし、インデックス投資は資産額は増えても”現在”の自分の暮らしを楽にしてくれることはありません。

そこで高配当株や短期売買の株を購入し、キャッシュフローの増加を狙います。

ヴァージン・ギャラクティックは配当金が無いので、株の売買益狙いになります。

私が購入銘柄を選定する時に見る指標があります。

  1. 売上高
  2. 1株当たりの利益
  3. 営業利益率
  4. 自己資本比率
  5. 営業活動によるCF
  6. 現金等資産
  7. ROE
  8. PBR

の8つです。

売上高

指標の1つ目は売上高になります。

注目するポイントは

  • 右肩上がりになっているか
  • 増減が激しすぎないか

の2点です。

引用:Kabutan米国株(https://us.kabutan.jp/stocks/SPCE/finance)

この表を見る限り、2021年度より下がっているため、条件に当てはまりません。

1株あたりの利益

続いては1株あたりの利益を見ていきましょう。

この項目で確認するポイントは、右肩上がりになっているか、です。

売上高の項目の表を見ると3期続けて赤字になっています。

2021年度は赤字が減少したものの、2022年度で赤字が増加しているため、1株あたりの利益については問題ありです。

営業利益率

営業利益率は、売上高に占める営業利益の割合のことです。

この数字が高いほど、企業の収益性が高いということです。

この数値は大体8%を基準に見るようにしましょう。

10%以上なら優秀、5%以下は論外となります。

こちらも売上高の表を確認すると、3期続けてマイナスを記録しています。

営業利益率も問題ありです。

自己資本比率

自己資本比率は、企業が倒産しないかどうかを測る指標です。

この比率が高ければ高いほど倒産の心配は少なくなります。

最低でも40%以上は欲しいところです。

引用:Kabutan米国株(https://us.kabutan.jp/stocks/SPCE/finance)

ヴァージン・ギャラクティックの自己資本比率は今期は減少しているものの、40%以上を示しており、自己資本比率に関しては基準をクリアしています。

営業活動によるCF

営業活動によるCF(キャッシュフロー)は、ビジネスで手元の現金がどれだけ増えたのかを見るための指標です。

長期的に増加傾向にあり、毎年黒字であることが銘柄選定では重要になってきます。

引用:Kabutan米国株(https://us.kabutan.jp/stocks/SPCE/finance)

常に赤字になっているため、営業活動によるCFには問題が見られます。

現金等資産

現金等資産の項目では増加傾向にあるかをチェックします。

営業活動によるCFの項目で見た表では毎期減少していることが読み取れるため、現金等資産の項目も問題ありです。

ROE

ROEは自己資本利益率のことで、株主が出資したお金を元手に企業がどれだけ効率よくお金を稼いでいるかを測る指標です。

株主から集めた資金を使って効率よく経営しているかを判断します。

引用:Kabutan米国株(https://us.kabutan.jp/stocks/SPCE/finance)

ROEが毎期マイナスを示しているため、ヴァージン・ギャラクティックの経営効率は悪いようです。

PBR

最後はPBRです。

PBRは一般的に企業の純資産から見た株価の割高・割安を判断する指標として使われます。

目安は1で、1を下回ると割安、上回ると割高となっています。

引用:Kabutan米国株(https://us.kabutan.jp/stocks/SPCE/finance)

ヴァージン・ギャラクティックのPBRは1.51倍なので、割高とまでは言えませんが、割安とも言えません。

指標のまとめ

ここまで8つの指標を見てきましたが、自己資本比率以外は優良と言える数字ではありませんでした。

宇宙産業という成長分野のため、株価が低い今を買い時と捉えるのも悪くありませんが、資産を安全に増やしたいと考えているため、買いたくはない、という判断をします。

ヴァージン・ギャラクティックの将来性まとめ

ヴァージン・ギャラクティックの将来性は判断が難しいです。

ヴァージン・ギャラクティックは、成長産業である宇宙産業を営んでいるのですが、事業内容が宇宙産業の中核である衛星サービス関連ではありません。

宇宙旅行事業がこれから栄える未来もありますが、現状のサービスのままだとリピーターの見込みが薄い・自社のサービスより優れたサービスを提供する競合が現れた時に負けてしまうという懸念点もあるからです。

これらの情報を踏まえ、私自身がヴァージン・ギャラクティックの株を購入するかと聞かれると、安全に資産運用するなら買いたくない、です。

先ほどご紹介した株を購入する時の8つの指標、

  1. 売上高
  2. 1株当たりの利益
  3. 営業利益率
  4. 自己資本比率
  5. 営業活動によるCF
  6. 現金等資産
  7. ROE
  8. PBR

の内、健全な数字だったのが自己資本比率だけだからです。

予測が立てづらいだけに購入するのは控えた方がいいと感じました。

リスクを取って購入するのもありですが、余裕資金の範囲で購入したいですね。

これらを踏まえて、自己判断で購入を検討してみて下さい。


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マネーリテラシー編集部

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