【1489】ETFで配当金生活を送ることは可能?必要資金や注意点も解説【NF・日経高配当50ETF】

高い配当利回りの企業に手軽に分散できる「NF・日経高配当50ETF(1489)」で配当金生活を目指してみたいですよね。

1489は新NISAの成長投資枠を活用して購入できるため、個人投資家にもとても人気です。

そこでこの記事では、「1489で配当金生活ができるのか」について解説します。

最後まで読めば、配当金生活を目指すために「いくら必要なのか」「注意点は何か」も分かりますよ。

目次

(証券コード:1489)NF・日経高配当50ETFとは?

正式名称は「NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信」です。

楽天証券のNISAランキング(2024年10月)の「国内ETF 買付代金」部門で1位を獲得するなど個人投資家に人気の高いETFとなっています。

構成銘柄

1489は「日経平均高配当株50指数」に連動するETFです。

日経平均構成銘柄のうち予想配当利回りの高い50銘柄で構成されています。

代表的な銘柄を確認するために、2024年12月26日現在の上位10社の構成銘柄を見てみましょう。

No.コード銘柄構成比率
14502武田薬品工業4.5%
24503アステラス製薬3.9%
32914日本たばこ産業3.7%
45401日本製鉄3.7%
59434ソフトバンク3.3%
68725MS&AD3.3%
78411みずほFG3.2%
89104商船三井3.1%
97267本田技研工業3.0%
109107川崎汽船3.0%

(出典:野村証券 NF・日経高配当50ETF 投資信託説明書

医薬品、金融や海運などの銘柄が並んでいますね。

例年、銀行・保険・海運・鉄鋼・医薬業の配当利回りが高い傾向にあるため、これらの業種の組み入れ比率が高くなっています。

配当実績

1489の決算は年に4回(3ヶ月に一度)のため、配当は年に4回です。

配当実績は以下の通りで、配当利回りは、2024年12月26日現在で3.39%となっています。

1月4月7月10月合計
2024年5円30円5円38円78円
2023年4.83円32.2円3.47円29.77円70.27円
2022年3.57円30.6円5.9円31.33円71.4円
2021年3.5円19.57円3.33円20.53円46.93円
2020年3.43円18.97円0.7円15.5円38.6円
2019年3円20.13円2.43円19.07円44.63円

(出典:野村アセットマネジメント Next Funds

新型コロナの影響で2019年以降の企業決算が悪化したため、一時的に各社の配当が少なくなりましたが、足元の企業業績の回復により、配当も右肩上がりになっています。

また配当は企業業績の影響を強くうけますが、業績だけでなく、昨今の上場企業は、株主還元を強めているため、今後は配当性向の上昇による配当金額の増加も期待できるかもしれません。

値動き

1489は2017年2月13日に上場したETFです。

上場以降、指数は2倍に上昇しており、高い配当を得ながらも大きなキャピタルゲインで利益を上げることができます。

(出典:Trading View

なお、ETFは信託報酬が安いことがメリットのひとつですが、1489の信託報酬は0.308%とETFとしてはやや高い設定になっています。

【シミュレーション①】1489で配当金生活をするためにはいくら必要?

1489で配当金生活を送るために必要な資金を知るためには、1ヶ月の生活費を把握する必要があります。

生活費は、地域や家族構成などの要因によって変わりますが、総務省統計局の家計調査(2023年)によれば2人以上の世帯の1ヶ月の生活費は約294,000円のため、ここでのシミュレーションでは、この数字を使っていきます。

[配当金生活をするための必要資金]

配当利回り
1.0%2.0%3.0%4.0%5.0%
投資資金3億5,280万円1億7,640万円1億1,760万円8,820万円7,056万円

1489の配当利回りは2024年12月26日現在で3.39%のため、投資資金は約1億円が必要となります。

これでは、ほとんどの人が1489で配当金生活をすることはできないでしょう。

【シミュレーション②】1489の配当金で月5万円を稼ぐことができる?

1489の配当金だけでは生活ができないことが分かりましたが、配当金が少しでも生活費の足しにできたらいいですよね?

配当利回り3.39%でシミュレーションしてみました。

1万円/月2万円/月3万円/月4万円/月5万円/月
投資資金354万円708万円1,062万円1,416万円1,770万円

月1万円(年間12万円)の配当金なら投資資金は354万円あれば十分で、月5万円(60万円)でも1,770万円を準備すればいい計算になります。

配当金生活に必要な資金よりもかなり現実的となるため、1489を配当金目的で投資したい方は生活費の足しにして、毎月の生活を少し豊かに暮らすことを目指した方がいいかもしれません。

配当金生活をおくるための資金をためる方法

配当金だけで生活を送るにしても、お小遣い程度に配当金を受け取ることを目指すにしても、シミュレーション結果のような投資資金を準備することが第一歩となります。

これから投資資金を用意しなければならない方は、ぜひチェックしてみてください。

家計を見直す

投資資金を捻出するための第一歩は、家計を見直すことです。

とくに固定費の見直しが効果的となります。

例えば、スマホ代を安くする手段がないかを検討してみましょう。ほかにも電力とガスを同一の会社とすれば、割引を受けられるかもしれません。

家計に無駄があれば、月々の収入の中から投資資金を捻出することができるはずです。

こちらの記事もおすすめ:【固定費削減】通信費が安くなるおすすめ格安SIM6選!

積立投資をする

「千里の道も一歩から」という通り、毎月積み立て投資をしてみてはいかがでしょうか。

月々5万円を投資資金に回せれば、5年で300万円にすることができ、運用がうまくいけば投資資金が400万円や500万円に増えているかもしれません。

投資は目標金額がたまってから始めるよりも、少額でも早く始めるほうが時間の分散効果が期待できるためおすすめです。

1489に投資する際の注意点

1489はインカムゲイン(配当収入)だけでなく、過去の値動きをみてもキャピタルゲインも期待できるため、とても魅力的なETFですが、注意点もあります。

配当利回りが高い理由を考えよう

1489は配当利回りが高い銘柄に投資をしています。

配当利回り(%)は、(1株あたり配当金)÷(株価)×100で計算することができますが、配当利回りが高いということは、「しっかり利益を上げているにもかかわらず株価が安い状態にある」ということです。

これは「割安」とも考えられますが、配当利回りが高い業種には金融や海運など偏りがあり、「割安」だけでは説明できない点が多くあることは理解しておきましょう。

市況に影響を受ける業種への偏りが大きい

海運や鉄鋼など市況に影響を受けやすい、いわゆる景気敏感業種に偏りが大きくなります。

このような業種は好決算であっても株価がそれほど大きな反応を示さないため、一時的に配当利回りが高くなります。これは決して割安というものではなく、業種の特性です。

景気敏感業種の特性・値動きをしっかり理解して投資をしましょう。

ポートフォリオの分散が効いていない

1489の投資先には、これまで見てきた通りで業種の偏りがあるため分散効果が限定的です。

1489にだけの投資では、投資の基本である分散効果が得られにくいため、その他の投資信託やETFとの組み合わせが必要でしょう。

まとめ

これまでの配当実績からのシミュレーション結果では、1489で配当金生活を送ることは難しいですが、「お小遣い程度」や「副収入がほしい」などであれば1489の配当は魅力的です。

ただ、1489に投資をする際には業種の偏りがあり分散効果が効いていないことは理解して、他のETFや投資信託と組み合わせて投資をすることをおすすめします。

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ライター名:社会人ライター ひろきち

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