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パートの社会保険加入はいつから?条件と手取り・保障の変化を整理

パートの社会保険加入はいつから?条件と手取り・保障の変化を整理

パートで働く方の社会保険加入について、条件と、加入したときに何が増えて何が減るのかを整理します。基本になるのは週20時間以上という労働時間の要件です。加えて現在は勤務先の従業員数と賃金額の条件がありますが、この2つは今後撤廃される方向で進んでいます。負担が増える面だけが注目されがちですが、年金や手当の面で受け取れるものも増えます。厚生労働省の資料をもとに、両面を並べて確認していきます。

目次

パートが社会保険に加入する条件

週20時間以上が基本の要件

短時間で働く方が勤務先の社会保険に加入するかどうかは、週の所定労働時間が20時間以上であるかどうかが基本になります。厚生労働省は、短時間労働者が週20時間以上働けば、働く企業の規模にかかわらず社会保険に加入するようになる、という方向性を示しています。

出典:社会保険の加入対象の拡大について(厚生労働省)

現在は従業員50人超の企業が対象

2026年時点では、企業規模の条件が残っています。厚生労働省の説明では、従業員数50人超の企業に週20時間以上で勤務し、所定内賃金が月額8.8万円以上になると厚生年金保険等に加入することになります。

勤務先が50人以下であれば、週20時間以上働いていても現時点では対象になりません。その場合は、配偶者の扶養に入れるかどうかを130万円で判断することになります。

月額8.8万円という賃金要件

もう1つの条件が、所定内賃金が月額8.8万円以上という賃金要件です。年収に換算すると約106万円になるため、106万円の壁と呼ばれています。

この8.8万円には、残業代、賞与、通勤手当などは含まれません。契約で決まっている基本的な賃金で判断します。

条件は今後段階的に広がる

賃金要件は撤廃される

月額8.8万円という賃金要件は、撤廃が決まっています。厚生労働省は、この要件について最低賃金の状況を踏まえ、令和7年6月から3年以内に撤廃するとしています。

撤廃の判断基準は、全国の最低賃金が1,016円以上になることです。なぜ1,016円かというと、週20時間で働いた場合の1か月あたりの労働時間が20時間×52週÷12か月で約86.7時間になり、月額8.8万円をこれで割ると約1,015円になるためです。時給が1,016円を超えていれば、週20時間働くだけで自動的に8.8万円に届きます。

2025年度の改定で、すべての都道府県の最低賃金が1,016円を超えました。この要件はすでに実質的な意味を失っています。

その後、厚生労働省は令和8年1月作成の資料で、この賃金要件を令和8(2026)年10月に撤廃する予定であると明記しました。全ての都道府県で令和7年度の地域別最低賃金が時給1,016円を超えたことが理由です。

関連記事:106万円の壁は2026年10月に撤廃|4つの加入要件と何が残るのか

企業規模要件は2027年10月から段階的に撤廃

従業員50人超という企業規模の要件も、段階的に縮小・撤廃されます。厚生労働省の資料では、2027年10月から2035年10月にかけて、対象となる企業が順に広がっていく予定が示されています。

最終的には、勤務先の規模にかかわらず、週20時間以上働けば社会保険に加入する形へ移ります。106万円という金額を意識する場面は、今後少なくなります。

加入すると負担はどう変わるか

保険料は勤務先と折半する

勤務先の社会保険に加入すると、健康保険と厚生年金保険の保険料を負担します。ただし全額ではありません。保険料は勤務先と本人で折半するため、負担するのは半分です。

これは、扶養から外れて国民健康保険と国民年金に加入する場合との大きな違いです。国民健康保険と国民年金は全額が自己負担になります。同じ「扶養を外れる」でも、勤務先の社会保険に入るほうが負担は軽くなります。

手取りが一時的に減る範囲がある

保険料の負担が生まれるため、加入の境目をわずかに超えた範囲では、収入が増えても手取りが減ることがあります。いわゆる働き損と呼ばれる状態です。

ただしこの状態は収入が増えれば解消します。保険料は一定の水準までしか増えないため、収入を伸ばしていけばどこかで手取りは逆転します。境目の手前で止まるか、しっかり超えるかという判断になり、中途半端な位置がいちばん不利になります。

加入すると保障はどう変わるか

将来の年金が増える

厚生年金に加入した期間は、将来受け取る年金額に反映されます。国民年金だけの場合と比べて、受け取れる額が増えます。

保険料の負担は現在の支出、年金の増加は将来の収入です。目先の手取りだけで比べると、この部分が見落とされます。

傷病手当金と出産手当金の対象になる

勤務先の健康保険に加入すると、病気やけがで働けない期間の傷病手当金、出産で休む期間の出産手当金を受けられる可能性があります。これらは国民健康保険にはない給付です。

働けなくなったときに収入が途切れないという意味で、家計にとっての安全網になります。加入を負担としてだけ見るのではなく、この点も並べて考えてください。

130万円の扶養とどちらで判断されるか

勤務先の規模と労働時間で決まる

自分が106万円と130万円のどちらで判断されるかは、勤務先の従業員数と週の労働時間で決まります。従業員50人超の企業で週20時間以上働いているなら106万円、それ以外であれば130万円が目安です。

まず勤務先の規模と自分の契約時間を確認してください。どちらに当てはまるかがわかれば、意識すべき金額が1つに絞れます。

関連記事:130万円の壁は2026年4月にどう変わった?労働契約ベースの新しい認定方法

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まとめ:負担と保障を並べて判断しよう

パートの社会保険加入は、週20時間以上を基本に、現在は従業員50人超という企業規模と月額8.8万円という賃金の条件が加わります。賃金要件は令和7年6月から3年以内に撤廃され、企業規模要件も2027年10月から2035年10月にかけて撤廃されます。将来は週20時間で判断が決まる形に近づきます。

加入すると保険料の負担は生まれますが、勤務先と折半であるため、国民健康保険と国民年金に全額自己負担で入るより軽く済みます。加えて将来の年金が増え、傷病手当金や出産手当金の対象にもなります。

判断に必要な数字は2つだけです。勤務先の従業員数と、自分の週の所定労働時間。この2つが分かれば、自分が106万円と130万円のどちらで判断されるかが決まります。あとは10月の最低賃金改定で年収見込みがどう動くかを見れば足ります。迷ったら勤務先の担当部署に聞くのが確実です。

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