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19歳から22歳の子のバイト代は、親の会社にいくらと伝わる?令和8年分の申告書で確認しました

19歳から22歳の子のバイト代は、親の会社にいくらと伝わる?令和8年分の申告書で確認しました

結論から書きます。令和8年分の年末調整で親が会社に出す紙には、19歳以上23歳未満の子の合計所得金額の見積額を数字で記入する欄があります。子のバイト代は「金額」と「特定扶養親族か特定親族か」というチェックの区分の両方が、親の勤務先に伝わります。

合計所得金額というのは、振り込まれたバイト代の合計ではありません。そこから決まった額を差し引いた後の数字です。差し引き方は後で書きます。

この記事は2026年9月3日に、国税庁のPDFとe-Gov法令検索の条文を実際に開いて確認した内容だけで書いています。

この記事で扱うのは、令和8年分の扶養控除等申告書で子の欄がどう変わったかという一点です。扶養そのものが会社や役所にどう伝わるかの全体像は、扶養がバレる仕組みの記事にまとめています。

目次

ただし、伝わる相手は「会社」で止まります

書いた金額がそのまま税務署へ流れるわけではありません。国税庁の手続案内ページ「A2-1 給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」は、この申告書について「この申告書は、本来、給与の支払者を経由して税務署長及び市区町村長へ提出することになっていますが、給与の支払者は、税務署長及び市区町村長から特に提出を求められた場合以外は、提出する必要はありません(給与の支払者が保管しておくことになっています。)。」と書いています。建前としては税務署と市区町村へ出す書類ですが、実際に求められない限り会社が持っている、ということです。つまり原則として、紙は会社の中に保管されます。

ただ、会社の中の誰がその紙を見るのかについては、一次情報がありません。書かせて処理する側なので、給与担当者はまず見ます。それ以外の人がどこまで見るかは会社によって違い、国税庁の資料には書かれていないので、この記事では断定しません。

もうひとつのただし書きが金額です。令和8年度税制改正で、いくらまでならセーフという金額の基準そのものが動いたため、手元にある令和8年分の申告書の裏面に印刷された数字が、古いままの場合があります。これは推測で書いているのではなく、国税庁自身が注意している点です。詳しくは後半で扱います。

あなたの子のバイト代が今どの区分に当たるのか、まずここで確かめてください。年間の給与収入の見込み額によって、申告書のどこに何を書くかが変わります。

お子さんの今年のバイト代は、どのくらいになりそうですか。

名前もメールアドレスも聞きません。どれが選ばれたかの件数だけ、記事を直すための集計に使います。

令和8年分から、書く欄の名前が変わりました

令和7年分までの扶養控除等申告書には「控除対象扶養親族」を書いていました。令和8年分からは「源泉控除対象親族」を書くことになりました。国税庁のパンフレットは「令和7年分までの扶養控除等申告書等には、『控除対象扶養親族』を記載することになっていましたが、令和8年分以後の扶養控除等申告書等には、『控除対象扶養親族』に、特定親族に該当する人のうち合計所得金額が100万円以下である人を加えた『源泉控除対象親族』を記載することとされました」と説明しています。控除対象扶養親族に、所得100万円以下の特定親族を足したもの。それが源泉控除対象親族です。

国税庁の記載例PDFも冒頭で、「記載事項が『控除対象扶養親族』から『源泉控除対象親族』に改正されていますので、記載漏れがないようご注意ください」と念を押しています。名前が変わっただけの形式的な話に見えますが、そうではありません。ここに子の所得の見積額を書く義務があるからです。

子の所得の見積額を書くのは、財務省令で決まっています

会社が親切心で聞いているのでも、勤務先が独自に決めたルールでもありません。所得税法施行規則第73条第1項第3号は、扶養控除等申告書の記載事項として「源泉控除対象親族の生年月日、住所及び申告者との続柄並びに合計所得金額の見積額」と定めています。生年月日と住所と続柄、そして所得の見積額。この4点セットです。条文は所得税法施行規則(e-Gov法令検索)で読めます。

そして源泉控除対象親族が誰を指すのかは、所得税法第2条第1項第34号の5にあります。控除対象扶養親族と、「年齢十九歳以上二十三歳未満の者で合計所得金額が百万円以下であるもの(控除対象扶養親族に該当しないものに限る。)」の2種類です。2026年9月3日にe-Gov法令検索で確認した版は施行日2026年8月12日のもので、この100万円という上限は令和8年度税制改正でも動いていません。

年齢について補足します。条文はすべて「年齢19歳以上23歳未満」という書き方で、19歳から22歳という言い方は条文にはありません。令和8年分では、平成16年1月2日から平成20年1月1日までに生まれた子が該当します。

金額と一緒に、チェック欄の区分も伝わります

先に2つの言葉を分けておきます。特定扶養親族は、これまでどおり扶養控除(63万円)が使える子です。特定親族は、そこから稼ぎが増えて扶養控除の枠は外れたものの、令和8年分から新しくできた特定親族特別控除の対象になる子です。どちらも19歳以上23歳未満の子で、違うのは稼いだ金額だけです。名前が似ていますが、親が使える控除の種類が変わります。

令和8年分の申告書の裏面には、「源泉控除対象親族が特定扶養親族である場合には、『特定扶養親族・特定親族』欄の『特定扶養親族』に、特定親族である場合には、同欄の『特定親族』にチェックを付けてください」と書かれています。

どちらにチェックが付くかは、子の所得の見積額で決まります。つまり親の勤務先には、子がいくら稼いだかという金額だけでなく、扶養控除の枠に収まっている子なのか、そこを超えた子なのかという区分も一緒に渡ります。

ここは書き漏らすと実害が出ます。令和8年分から、毎月の源泉徴収税額を決める扶養親族等の数え方が「源泉控除対象配偶者」と「源泉控除対象親族」の数を基にする方式へ変わりました。子の欄を空けたままにすると、親の毎月の手取りがその分少なくなります。

令和8年分の金額を、一次情報で並べます

ここで給与所得控除という言葉が出てきます。バイト代から自動で差し引かれる、経費の代わりの金額のことです。会社員やアルバイトは仕事の経費を自分で計算しないかわりに、収入に応じてこの金額が引かれます。差し引いた残りが合計所得金額で、申告書に書くのはこちらの数字です。令和8年度税制改正では、特定親族の所得の基準と、この給与所得控除の下限(収入が少ない人に最低限保障される金額)の両方が動きました。改正前後を並べます。

項目令和8年分(改正後)改正前
特定親族の所得要件合計所得62万円超123万円以下合計所得58万円超123万円以下
同じものを給与収入で言い換えると136万円超197万円以下123万円超188万円以下
給与所得控除の下限(最低保障額)74万円65万円
源泉控除対象親族の所得の上限合計所得100万円以下合計所得100万円以下
特定親族特別控除の最大額63万円(合計所得62万円超85万円以下)63万円(合計所得58万円超85万円以下)

特定親族特別控除そのものは令和7年度税制改正でできた制度で、令和8年度税制改正で動いたのは最大額ではなく、その最大額が適用される所得の範囲です。

出典は、令和8年4月源泉所得税の改正のあらまし(国税庁)、令和8年分給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 給与所得者の特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書(国税庁 様式PDF 裏面3-1(1))、所得税法第2条および第84条の2(e-Gov法令検索)です。2026年9月3日に確認しました。

収入で言い換えた数字が動いた理由は、給与所得控除です。あらましは「給与所得控除について、65万円の最低保障額が74万円に引き上げられました」と書いています。所得の線は同じでも、そこに足し戻す給与所得控除が9万円増えたので、収入ベースの数字が9万円ずつ上にずれました。

令和8年分の年末調整で何が変わったのかを通しで見るなら、2026年の年末調整は何が変わる?基礎控除の引上げと申告書の変更点にまとめています。

よくある誤解

誤解1 103万円を超えなければいい

103万円は、給与所得控除の最低保障55万円と基礎控除48万円を足した、令和6年分までの数字です。国税庁が令和7年5月30日に出したパンフレットは「給与所得控除について、55万円の最低保障額が65万円に引き上げられました」「扶養親族や同一生計配偶者の所得要件が、48万円から58万円へ引き上げられました」と書いています。この時点で103万円は123万円へずれました。さらに令和8年分は最低保障が74万円、扶養親族の所得要件が62万円になったので、線は136万円です。103万円という足し算はもう成り立ちません。今の令和8年分で見るべきは、合計所得62万円超123万円以下(給与収入136万円超197万円以下)が特定親族という線と、合計所得100万円以下なら源泉控除対象親族として申告書に書くという線です。103万円という数字は、2026年9月3日時点の令和8年分の様式にも改正のあらましにも出てきません。

誤解2 申告書の裏面に書いてある金額を信じてよい

ここが今年いちばん危ないところです。国税庁のQ&A(令和8年5月)は「令和8年分の扶養控除等申告書に記載する事項に変更はありません。」と述べたうえで、注記で「令和8年分の扶養控除等申告書の様式裏面の注意事項等が改正前の内容となっている場合がありますのでご注意ください。」と書いています。

実際、令和8年分の扶養控除等申告書の裏面には、源泉控除対象親族について「令和8年中の所得の見積額が100 万円以下(給与所得だけの場合は、給与の収入金額が165 万円以下)の人」とあります。所得100万円以下という部分は現行法どおりですが、括弧の中の165万円は最低保障65万円で計算した改正前の数字です。会社から配られた紙の裏面を読んで金額を判断すると、ここでつまずきます。

では正しい数字はいくつか。改正のあらまし2ページの特定親族特別控除額の表に「95万円超100万円以下(169万円超174万円以下)」という行があります。合計所得100万円は、給与だけなら収入174万円です。裏面の165万円は、これが9万円ぶん古いまま残っているものです。

誤解3 バイトの振込額の合計をそのまま書く

申告書の「令和8年中の所得の見積額」欄に書くのは、振り込まれたバイト代の合計ではありません。様式の裏面は「収入金額等から必要経費等を差し引いた金額を記載してください。所得の種類が給与である場合には、収入金額から給与所得控除額を差し引いた金額が給与所得の金額となります。」と説明しています。収入から給与所得控除を引いた後の金額を書きます。ここを収入額のまま書くと、実際より多い所得として扱われます。

見積額なので、後から実際の金額とずれることはあります。ずれた分は年末調整と確定申告で精算されるので、少なく書いておけば税金が減るという話ではありません。年の途中で見込みが大きく変わったときにどう直すかは、勤務先の給与担当者に確認してください。

誤解4 もう今月の給与から天引きが変わっている

今日は2026年9月3日で、まだ変わっていません。国税庁のQ&Aは、令和8年度税制改正の該当事項について「令和8年12 月1日に施行され、令和8年分以後の所得税について適用されます。」とし、あわせて「令和8年11 月までの給与の源泉徴収事務に変更は生じません。」と書いています。要するに、変わるのは12月からです。11月までの給与明細を見ても、この改正の影響は出ていません。効いてくるのは年末調整のタイミングです。

子の金額を会社に出す機会は、年に2回あります

1回目が、年の初め(または就職時)に出す扶養控除等申告書です。ここに源泉控除対象親族として、子の生年月日・住所・続柄と所得の見積額を書きます。

2回目が年末調整です。年末調整のときに配られる、4つの申告書が1枚にまとまった用紙(正式名称は「令和8年分 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書」です)には「特定親族の氏名等」「特定親族の本年中の合計所得金額の見積額」「特定親族特別控除の額」という欄があり、裏面は「『特定親族の本年中の合計所得金額の見積額』欄に記載した金額を『控除額の計算』の表に当てはめて求めた控除額を『特定親族特別控除の額』欄に記載してください」と案内しています。

ですから、年末調整の紙を出さなければ子の稼ぎが会社に一切伝わらない、ということにはなりません。年初の扶養控除等申告書の段階で、すでに見積額の記載義務があるからです。

源泉徴収票についても触れておきます。特定親族特別控除の適用がある場合、令和7年12月以後の源泉徴収票には特定親族特別控除額等が記載されます。控除額が載るところまでは国税庁の資料で確認できました。子の所得金額そのものが源泉徴収票に印字されるかどうかは、今回開いた資料には書かれていないので断定しません。

自分で確かめる手順

会社から配られた紙や、ネット上のまとめではなく、あなた自身で確認する手順です。スマホでもできます。

  1. 子の生年月日を確認します。平成16年1月2日から平成20年1月1日までの生まれなら、令和8年分では19歳以上23歳未満に当たります。
  2. 子のバイトの年間見込み収入を出します。1月から直近までの給与明細(または振込履歴)の総支給額を合計し、年末までの見込みを足します。手取りではなく総支給額です。
  3. そこから給与所得控除を引いて、合計所得金額の見積額にします。給与収入190万円以下なら令和8年分の給与所得控除額は74万円です(令和8年4月源泉所得税の改正のあらまし)。
  4. 令和8年分の年末調整用の様式(国税庁PDF)の裏面3-1(1)を開き、特定親族の定義「合計所得金額が62万円超123万円以下」に自分の数字を当てはめます。
  5. 会社から配られた令和8年分の扶養控除等申告書の裏面に165万円という数字があったら、それは改正前の記載だと理解して、金額の判断には使いません。
  6. 迷ったら、勤務先の給与担当者に「令和8年分の特定親族の所得要件は改正後の数字で見ていますか」と一言確認します。裏面が古い様式は全国的に出回っているので、担当者にとっても有用な確認です。

子の側の読者へ。この紙を書くのは親のほうで、そこに子の所得の見積額を書くことが法令で決まっています。だから、年末までの見込み額を早めに親へ伝えておくと、あとで金額が食い違いません。書かれなかった場合に親の毎月の手取りが減るという実害も、上で書いたとおりです。家庭の事情で親と金額の話ができないこともあります。その場合に何ができるかは今回開いた資料の範囲を超えるので断定しませんが、勤務先や学校ではなく税務署に直接聞くという道があります。

ここから先は、申告書を出す親の側の話です。

年末調整で書き漏らしたときは、確定申告で取り戻せます

年末調整の紙を出したあとに子の最終的な収入が確定して、特定親族特別控除の額が変わることがあります。あるいは、そもそも書き忘れることもあります。その場合、翌年の確定申告で申告し直せば、控除は取り戻せます。国税庁のタックスアンサー「No.2030 還付申告」が、確定申告の必要がない人でも還付を受けるための申告ができること、その申告は対象となる年の翌年1月1日から5年間提出できることを説明しています(2026年9月3日確認)。ただし、すでにその年の確定申告を済ませたあとで気づいた場合の手続きは、今回開いた資料には書かれていないので、税務署に確認してください。

問題は、確定申告の書類を一から作るのが面倒だという点です。会社員が年に一度だけ触る作業なので、去年どうやったかを毎回忘れます。最初に開くのは国税庁の確定申告書等作成コーナーです。無料で、源泉徴収票の数字を画面の案内どおりに入れていけば申告書ができます。子の控除の書き漏らしを直すだけなら、ここで終わります。

子の扶養とは別に、あなた自身に副業や事業の収入があって毎年の帳簿づけから必要になる場合は、マネーフォワード クラウド確定申告のような会計ソフトを使う手もあります。年1回の還付申告だけが目的なら、そこまでは要りません。

年末調整で書き漏らした分を自分で申告する流れは、副業収入に確定申告は必要?申告漏れを防ぐ方法とおすすめツールの紹介が近い内容です。

年末調整で会社に何が伝わるか、項目ごとに調べました

会社に出す紙ごとに、どの欄に何を書くのか、そこから何が伝わるのかを国税庁の様式で1件ずつ確かめています。気になる項目から読んでください。

まとめ

  • 令和8年分の扶養控除等申告書には、19歳以上23歳未満の子について合計所得金額の見積額を書きます(所得税法施行規則第73条第1項第3号)。金額は親の勤務先に伝わります。
  • 金額に加えて、特定扶養親族か特定親族かというチェックの区分も伝わります。
  • この申告書は会社が保管し、税務署や市区町村から特に求められない限り提出されません。
  • 令和8年分の特定親族は、合計所得62万円超123万円以下(給与収入136万円超197万円以下)です。給与所得控除の最低保障が65万円から74万円になったことで、収入ベースの数字が動きました。
  • 手元の令和8年分の申告書の裏面は改正前の内容の場合があると、国税庁自身が注意しています。裏面の165万円は古い数字です。
  • 所得の見積額の欄に書くのは、バイト代の総額ではなく、そこから給与所得控除を引いた後の金額です。
  • 改正の施行は令和8年12月1日で、令和8年11月までの毎月の源泉徴収事務は変わりません。
  • 健康保険や年金の扶養(いわゆる130万円の壁)は、今回確認した所得税の資料の範囲外です。この記事の数字をそのまま社会保険の判断に使わないでください。

以上の内容は、2026年9月3日に国税庁のPDFとe-Gov法令検索の条文を開いて確認しました。制度は改正されるので、次に判断するときは同じ手順でご自身の目で最新版を確かめてください。

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