結論から書きます。買い物の決済代金に応じて、その店やサービスを運営する企業から付くポイントは、国税庁が「通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたもの」として扱っていて、取得しても使っても確定申告の必要はありません。ただし同じ国税庁のページには、抽選キャンペーンに当たってもらったポイントや、共通ポイント制度の運営企業から付与されたポイントなど、値引きとは考えられない付与についての注が付いています。ここに当たると、使ったポイント相当額が一時所得などの収入に入ります。
つまり、ポイ活で貯めたポイントを一律に「非課税」とも「課税」とも言えません。分かれ目は、どうやって手に入れたポイントなのかです。以下は2026年9月3日に国税庁のページと所得税法の条文を実際に開いて確認した内容だけで書いています。
申告が要らないのは、買い物で貯まったポイントです
根拠は国税庁のタックスアンサー No.1907 個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い です。ドラッグストアで買い物をしてポイントを付与され、後日そのポイントを商品購入に使った、という設問に対して、答えは「通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものとして、確定申告をする必要はありません。」と書かれています。
説明部分はもう少し踏み込んでいます。「一般的に企業が発行するポイントのうち決済代金に応じて、その企業から付与されるポイントについては、そのポイントを使用した消費者にとっては通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものと考えられますので、こうしたポイントの取得または使用については、課税対象となる経済的利益には該当しないものとして取り扱うこととしています。」とあります。
ここで条件が2つ出てきたことに気づいてください。1つ目は決済代金に応じて付くこと、2つ目はその企業から付くことです。両方に当てはまる付与なら、国税庁の説明をそのまま自分に当てはめて構いません。どちらかを外れる付与には、この説明はそのままは使えません。
値引きにならないポイントも、国税庁が自分で挙げています
同じNo.1907のページには注が付いています。「ポイントを発行する企業が行う、ポイント付与の抽選キャンペーンに当選するなどして臨時・偶発的に取得したポイントや、共通ポイント制度によりその制度を運営する企業から付与されたポイントを使用した場合には、通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものとは考えられませんので、その使用したポイント相当額を、使用の目的に応じ、使用した日の属する年分の一時所得や事業所得など、各種所得金額の計算上、総収入金額に算入します。」という文です。共通ポイント制度というのは、楽天ポイントやPontaのように、1つの店だけでなく複数の店で共通して貯まる仕組みのことです。
この注で見落としやすい点が2つあります。1つは、収入として数えるのが、ポイントをもらった時ではなく使った日の属する年だという点です。もう1つは、どの所得に入るかが「使用の目的に応じ」て決まると書かれていることで、一時所得になることも事業所得になることもあります。ポイントが貯まった時点で税金の心配をする必要はなく、使った年で考えます。
もっとはっきりした例が、マイナポイントです。国税庁は No.1490 一時所得 Q&A で、マイナンバーカードの新規取得や健康保険証としての利用申込み、公金受取口座の登録で付与されるマイナポイントについて「通常の商取引における値引き」とは認められないので一時所得になる、と明記しています。なお、この付与を受けられる申込みが今も続いているかどうかは、今回この記事では確認していません。ここで見ているのは、過去に受け取ったマイナポイントを使ったときに国税庁がどう扱うかという点だけです。買い物で貯まるポイントと、施策に参加してもらうポイントを、国税庁が自分で区別している実例です。
ここまで読んで、自分の手元のポイントがどちらなのか気になっていると思います。ふだんどんな貯め方をしているかで、この先に読むべき部分が変わります。あなたの貯め方に近いものを選んでください。
あなたのポイントは、ふだんどうやって貯まっていますか。
名前もメールアドレスも聞きません。どれが選ばれたかの件数だけ、記事を直すための集計に使います。
国税庁は、決済代金に応じてその企業から付与されるポイントを、通常の商取引における値引きと同じものとして扱っています。確定申告は要りません。
「申告が要らないのは、買い物で貯まったポイントです」に原文を引いています。
そちらは値引きとは扱われません。使った日の属する年分の一時所得などに算入します。
「値引きにならないポイントも、国税庁が自分で挙げています」と、一時所得の50万円の特別控除の章を読んでください。
まず洗い出しからです。「自分のポイントを、今日この順番で洗い出す」に手順を書きました。
楽天は履歴の表示に1年という上限があるので、年内のうちに控えておくほうが確実です。
国税庁が実際に書いていることを、表で並べます
| ポイントの種類 | 国税庁の書きぶり | 確定申告 |
|---|---|---|
| 決済代金に応じて、その企業から付与されるポイント | 通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたもの。課税対象となる経済的利益には該当しないものとして取り扱っています | 必要ない(No.1907の答え) |
| 抽選キャンペーンに当選するなどして臨時・偶発的に取得したポイント | 値引きと同様の行為が行われたものとは考えられない | 使用した日の属する年分の一時所得や事業所得などの総収入金額に算入します |
| 共通ポイント制度により、その制度を運営する企業から付与されたポイント | 値引きと同様の行為が行われたものとは考えられない | 同上 |
| マイナポイント(カード新規取得、保険証利用申込み、公金受取口座の登録) | 通常の商取引における値引きとは認められない | 一時所得として所得税の課税対象 |
| 所得控除の対象になる支出にポイントを使ったことが明らかな場合(医薬品の購入など) | ポイント使用後の支払金額で控除額を計算するか、使用前の金額で計算してポイント使用相当額を一時所得に算入するか、どちらかを選びます | 選んだ方法で計算する |
出典は 国税庁 No.1907 個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い と 国税庁 No.1490 一時所得 Q&A です。どちらもページ冒頭に「令和7年4月1日現在法令等」と書かれています。2026年9月3日に確認しました。
No.1907が根拠に挙げている条文は所得税法27条、34条、36条です。27条が事業所得、34条が一時所得、36条が収入金額の条文にあたります。
一時所得に入っても、50万円の特別控除で税額が出ないことが多いです
「一時所得に算入します」と書かれていると、すぐ納税が発生するように読めます。実際にはもう一段あります。国税庁 No.1490 一時所得 によれば、一時所得の金額は「総収入金額 - 収入を得るために支出した金額 - 特別控除額(最高50万円)」で計算します。受け取った金額から、それを得るために使った金額と特別控除を引く、ということです。そして税額は、その一時所得の金額の2分の1を他の所得と合計してから計算します。
No.1490 一時所得 Q&Aには、さらに具体的な目安が書かれています。一時所得は特別控除額50万円を控除するので、他の一時所得とされる所得との合計額が年間50万円を超えない限り確定申告をする必要はない、という説明です。加えて、一般的な給与所得者については、給与以外の所得金額が年間20万円を超えなければ申告不要とされているため、一時所得の合計額が90万円を超えない限り確定申告の必要はないと書かれています。この90万円がどこから出た数字なのかはページに書かれていないので、こちらで補います。90万円から特別控除の50万円を引くと40万円、その半分が20万円になる、という計算です。
この20万円というルールは、所得税法121条1項1号に書かれています。1か所から給与を受けていて、その全部について源泉徴収がされている場合に、給与所得と退職所得以外の所得金額の合計が20万円以下なら申告書の提出は不要、という定めになっています。国税庁も No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人 で同じ内容を案内しています。
ただし、この20万円と90万円をそのまま自分に当てはめる前に、確認してほしい前提があります。121条1項の本文は、そもそも給与等の金額が2,000万円以下である人を対象にしています。同項のただし書きには「不動産その他の資産をその給与所得に係る給与等の支払者の事業の用に供することによりその対価の支払を受ける場合その他の政令で定める場合は、この限りでない。」という除外もあります。そして、ここで言う「他の一時所得とされる所得との合計額」は、ポイントだけでなくその年の一時所得すべての合計です。給与所得者ではない人に、90万円の説明はそのままは当てはまりません。
なお、この20万円は所得税の申告の話です。住民税の申告が必要かどうかは別の制度で、今回は住民税側の一次情報を確認していないため、この記事では触れません。
20万円の線の使われ方そのものは、副業収入に確定申告は必要?申告漏れを防ぐ方法とおすすめツールの紹介で扱っています。
楽天ポイントとPayPayポイントが、どちらに当たるかは断定できません
ここが一番知りたいところだと思いますが、正直に書きます。国税庁のNo.1907には、楽天ポイントやPayPayポイントというサービス名は一切出てきません。設問はドラッグストアの一般的な事例で、個別のサービスがどう扱われるかは書かれていないのです。
事業者側の説明も見ました。楽天は 楽天PointClubのポイント進呈ルール で「楽天の各サービスをご利用いただくことにより、利用額に応じて原則100円(税抜)で1ポイントを進呈いたします。」と書いています。この「利用額に応じて」という付与の仕方は、国税庁が言う「決済代金に応じて」と形の上では重なります。ただ、楽天がこれを税務上の値引きだと述べているわけではないので、両者を直結させて「だから非課税」と結論づけることはできません。
PayPayは PayPay残高(マネー、マネーライト)とPayPayポイントとは で、PayPayポイントを「特典やキャンペーン等の適用に伴い、進呈されたポイントです。」と説明しています。これは残高の種類を説明したページで、税務上の取扱いには一切触れていません。この一文だけでPayPayポイントの課税・非課税を決めることはできません。
楽天の期間限定ポイントについても同じです。楽天は 期間限定ポイントとは のページで「特定のキャンペーンなどで進呈され、それぞれに有効期限が設定されています。」と書いていますが、そのキャンペーンには買い物金額に応じた倍率アップ型と、抽選型や参加特典型が混ざっています。楽天のこのページはその区別をしていないため、期間限定ポイントをまとめて国税庁の言う「臨時・偶発的に取得したポイント」だと決めつけることはできません。
楽天ポイントもPayPayポイントも、一般には共通ポイントと呼ばれます。しかし、加盟店での決済に応じた通常付与分と、運営企業が上乗せする分の線引きを説明した一次情報を、今回は見つけられませんでした。だからここは断定しません。断定している解説を見かけたら、その根拠が国税庁の文書のどこなのかを確かめてください。
よくある誤解を4つ、なぜ間違いかまで書きます
誤解1 ポイントは現金じゃないから所得にならない
所得税法36条1項は、収入金額とすべき金額について「その年において収入すべき金額(金銭以外の物又は権利その他経済的な利益をもつて収入する場合には、その金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の価額)とする。」と定めています。現金でなくても、経済的な利益であれば収入になりうるという条文です。ポイントが所得の話に登場する根拠がここにあります。
誤解2 ポイントを◯円分もらったら申告が必要という基準がある
国税庁の一次情報にある数字は、一時所得の特別控除50万円と、給与所得者についての20万円および90万円だけです。どれも所得の側の金額であって、ポイント獲得額そのものに基準は置かれていません。「年間◯ポイントを超えたら申告」という説明を見たら、出どころを疑ってください。
誤解3 貯めた年に課税される
No.1907の注は「使用した日の属する年分」と書いています。貯めた年ではありません。年をまたいで使ったなら、考えるのは使った年です。
誤解4 一時所得に当たると必ず税金が出る
国税庁は ふるさと納税の返礼品についての質疑事例 で、寄附者が特産品を受けた場合の経済的利益は一時所得に該当するとしたうえで、「その年中にこの特産品(3,000円程度)に係る一時所得のほかに一時所得に該当するものがないときには、課税関係は生じません。」と回答しています。一時所得に該当することと、税金が出ることは別だという実例です。このページには、令和7年8月1日時点の法令や通達にもとづく回答であること、質問した人の個別の事情を前提にした一般的な回答であることが注記されています。2026年9月3日に確認しました。
自分のポイントを、今日この順番で洗い出してください
先に断っておきます。3つ目に入るポイントが出てきたら、この記事だけで結論を出さないでください。この記事は国税庁が書いていることまでしか書いていないので、そこから先はあなたの使い方を見た人でないと答えが出ません。
- 去年1年間に「使った」ポイントを書き出します。貯めた分は関係ありません。
- 使った分を3つに分けます。1つ目は、買い物の決済に応じて、その店やサービスの発行元から付いたポイント。2つ目は、抽選に当たった分、キャンペーンの参加特典、マイナポイントのように施策への参加で受け取った分。3つ目は、どちらとも言い切れない分です。楽天ポイントやPayPayポイントの通常付与のように、この記事で断定できなかったものは3つ目に入れてください。
- 2つ目に分類した分の合計金額を出します。1ポイント1円のサービスなら、そのままポイント数が金額になります。3つ目は、同じように金額を出したうえで、税務署に聞くときの材料として別に控えます。3つ目を自分の判断で1つ目に寄せて消さないでください。
- 同じ年のほかの一時所得を足します。ふるさと納税の返礼品、懸賞の賞金、生命保険の一時金など。
- 合計が50万円を超えるかを見ます。超えなければ、一時所得としての所得税の申告はここでは出てきません。給与を1か所から受けていて年末調整が済んでいる人は、そのうえで90万円が目安になります。給与所得者ではない人、給与を2か所以上から受けている人、給与が2,000万円を超える人に、この90万円は当てはまりません。ひとつ前の見出しに書いた前提条件も一緒に読んでください。
- 医療費控除やセルフメディケーション税制を使う年に、薬の支払いへポイントを充てているなら、No.1907にある2つの計算方法のどちらかを選びます。
- 迷った場合は税務署に聞きます。聞き方は「去年、抽選のキャンペーンで当たったポイントを何円分使いました。ほかに一時所得はこれだけあります。申告は必要ですか」で通じます。国税庁の相談窓口の案内ページから、電話相談センターかチャットボットの入口を確認してください。金額が大きいときや、ポイントを貯めること自体が仕事に近くなっているときほど、自己判断で終わらせないでください。
扶養に入っている人は、話が1つ増えます。扶養の判定に使う所得に一時所得がどう入るかは、この記事で確認した範囲の外にあります。金額が50万円に近づいているなら、扶養を判定する側(勤務先や健康保険組合)に確認してください。
この手順で詰まりやすいのが2と3です。ただ、履歴はあなたが思っているより残っています。PayPayは公式ヘルプの取引履歴のダウンロードについてで「[その他の期間]を選択すると、過去2年間であれば、任意の期間が指定できます。」と案内していて、取引履歴をCSVで落とせます。ただし「2年以上前の取引履歴はダウンロードできません。」とも書かれています。楽天はポイント実績確認方法で、ポイント実績の画面から獲得と利用の履歴を確認でき、期間指定は「1年前まで表示可能です。」としています。まずはこの2つを開いて、去年使った分を書き出してください。2026年9月3日に確認しました。
気をつけたいのは楽天の1年という上限です。確定申告の時期に去年1月分をさかのぼろうとすると、表示できる範囲から外れていることがあります。今年の分を申告する可能性があるなら、年内のうちに使ったポイントを控えておくほうが確実です。
口座とポイントをまとめて見る道具を選ぶなら、ZaimとマネーフォワードMEの違いは?人気家計簿アプリを徹底解説が参考になります。
まとめ
- 決済代金に応じてその企業から付くポイントは、国税庁が値引きと同じ扱いだとしていて、確定申告は不要です。
- 抽選キャンペーンで当たったポイントや、共通ポイント制度の運営企業から付与されたポイントを使った場合は、使ったポイント相当額が一時所得などの総収入金額に入ります。
- 課税されるタイミングは、貯めた年ではなく使った年です。
- マイナポイントは値引きとは認められず一時所得になる、と国税庁が明記しています。
- 一時所得には50万円の特別控除があるため、その年の一時所得の合計が50万円を超えなければ、所得税の確定申告は要りません。給与を1か所から受けている一般的な給与所得者なら90万円が目安ですが、給与2,000万円以下などの前提があります。
- ここまではすべて所得税の話です。住民税の申告が必要かどうかは別の制度で、この記事では住民税側の一次情報を確認していません。お住まいの市区町村の案内を確認してください。
- 楽天ポイントやPayPayポイントの通常付与分が、注の言う共通ポイント制度の付与に当たるかどうかは、一次情報で確認できませんでした。この記事では断定していません。
- この記事の内容は、2026年9月3日に国税庁のページと所得税法の条文を開いて確認したものです。制度は変わるので、申告の前にもう一度出典を開いてください。
