PayPayで詐欺に払ってしまった。返金される?補償の対象外になる場合

PayPayで詐欺に払ってしまった。返金される?補償の対象外になる場合

だまされて自分でPayPay残高を送ってしまった場合、PayPayの補償制度でお金が戻ることは期待できません。PayPayのヘルプが、自分で「送る・受け取る」を使った取引は補償の対象外だと明記しています。

ただし、打つ手がないわけではありません。相手がまだ受け取っていなければ、あなたのアプリから取り消せます。他人に勝手にアカウントを使われた場合(不正利用)なら、補償を申請できます。他人に使われた疑いがあれば、PayPayの窓口(0120-990-634、24時間)に連絡できます。

送ってしまった直後なら、すぐ下の取り消しの手順から読んでください。取り消せなかったときは、アプリの[取引を報告する]と警察への相談を急いでください。いままさにお金を要求されているなら110番、相談は警察相談専用電話#9110です。

目次

ただし、相手が受け取る前なら自分で取り消せます

PayPayのヘルプは「相手が受け取りを完了する前であれば、キャンセルが可能です」と書いています。受け取りが完了したあとは取り消せません。あて先を指定して送った場合の手順は次のとおりです。

  1. ホーム画面の[送る]をタップします
  2. 履歴から送った相手をタップし、取り消したい金額をタップします
  3. [受け取り依頼をキャンセルする]、続けて[キャンセルする]をタップします

受け取りリンクで送った場合は、[送る]の[リンク]から履歴を開き、[受け取りリンクをキャンセル]、続けて[今すぐキャンセルする]をタップします。チャット画面に「友だちが受け取りました」と出ていれば、もう受け取られています。

あて先を指定して送った場合、相手が自動受け取りを有効にしていると、受け取りの操作なしで残高が入ります。その場合は間に合わないと考えてください(この記事の整理)。受け取りリンクは、相手が受け取りの操作をするまで入りません。受け取られないまま4日(96時間)が過ぎると、残高は自動で戻ります。ただし「ポチ袋」は、相手が自動受け取りを有効にしていると、4日を過ぎた時点で受け取りが完了します。

出典はPayPayヘルプのPayPay残高を送ったがキャンセルしたい、PayPay残高を送ったが受け取りされていない/届いていないです。自動受け取りは自動受け取り設定を変更したいによります。2026年10月12日に確認しました。

状況別の、公式の扱いと今すぐの連絡先

PayPayのヘルプとお知らせの記述を、4つの状況に分けました。

状況PayPayの公式の扱い今すぐの連絡先出典
①偽の請求メールから開いた画面で払った自分で送った残高は補償制度の対象外アプリの[取引を報告する]、警察PayPayのお知らせ(2026年5月18日)
②SNSのチケット・物品の取引や、お金を増やして返すという誘いで送った自分の意思で送った取引は対象外。返金は「お客様同士での解決」アプリの[取引を報告する]、警察、188送る・受け取るでお困りの場合(PayPayヘルプ)
③他人にアカウントを勝手に使われた第三者利用による心当たりのない請求は、補償を申請できるPayPay 0120-990-634(24時間)。警察へ届け出てから補償申請フォーム不正利用に伴う補償申請について(PayPayヘルプ)
④登録したクレジットカードで払われた・チャージされたカードの被害は、カード会社を通じて補償される場合があるまずカード会社、次にPayPay同上

③と④は、他人が操作した場合の扱いです。だまされて自分で送り、不足分がカードからチャージされた場合に、カード会社が補償するかは確認できていません。カード会社ごとの補償の条件は、カードの不正利用が補償されない条件の記事で比べています。

PayPayは、完了したチャージは「原則取り消しやキャンセルはできません」と書いています。明細の切り分けは身に覚えのない請求の正体を調べる3ステップにあります。

お店への支払いだった場合、キャンセルは店舗の手続きで、PayPayに問い合わせても対応できないとヘルプにあります。これは通常の購入のキャンセルについての説明で、お店そのものが詐欺だった場合の扱いは、公式ページでは確認できませんでした。スマホが突然通信できなくなったときの順番は、スマホが突然圏外になったときに連絡する順番の記事にあります。

出典はPayPayヘルプのチャージを取り消したい(キャンセルしたい)、購入をキャンセルしたい・返金したいです。2026年10月12日に確認しました。

補償の線は「誰が操作したか」で引かれています

補償の対象は、他人による不正利用です。ヘルプは、申請できるのは「第三者利用による心当たりのない請求が発生した場合」などだと書き、続けてこう明記しています。

お客様ご自身がPayPayの残高を送る・受け取る機能を使ったお取引は、PayPayの補償制度の対象外となります。

申請の条件は5つです。損害発生日から60日以内、初回か前回の申請から1年超、家族や同居人の利用でないこと、警察への被害の届出、PayPayの審査です。補償額は全額で、ほかから補償を受けられる分は差し引かれます。審査には約2〜3か月、状況によってはそれ以上かかると書かれています。PayPayは、被害にあった人に故意や重大な過失などがあった場合は補償できない場合がある、とも書いています。

同じフィッシングメールが入口でも、結果は分かれます。PayPayの「安全への取り組み」には、PayPayを名乗るメールでログイン情報を入力した事例が載っています。その後、登録していた銀行口座から第三者によってチャージされ、送金されました。結果は「不正利用の被害として全額を補償」でした。偽サイトに情報を入れて他人に操作されたのか、本物のアプリで自分が送ったのか。この違いが線になる、というのがこの記事の読み方です。

不審なアプリでスマホを遠隔操作され、送金された場合も他人の操作です。PayPayは2026年9月7日のお知らせで、補償条件に当てはまるなら申請を検討するよう案内しています。

規約には例外の余地を残す一文もあります。PayPay補償制度に関する規約の第2条は、対象に「本人操作であっても、前2号と同等の事情があると当社が認めたもの」を挙げています。2023年12月6日版にはなく、2024年8月14日の改定で加わりました。ただ、どの場合が当たるかは公式ページに書かれていないので、当てにせず連絡と届出を進めてください。

出典は不正利用に伴う補償申請について(PayPayヘルプ)とPayPayの安全への取り組み(PayPay)です。遠隔操作は不審なサイトやリンク先からのアプリのダウンロードにご注意ください(PayPay)、規約はPayPay補償制度に関する規約(PayPay、2024年8月14日改定)によります。2026年10月12日に確認しました。

偽の請求メールからPayPayの「送る」画面へ。この手口の公式な記録

フィッシング対策協議会は2026年4月2日の緊急情報で、カードの月額請求や通信料金をよそおうメールからPayPayで送金させる手口の報告を受けていると、注意を呼びかけました。同じページには「支払った金額は PayPayから補償されません。」とあります。

協議会の2026年5月分の月次報告は、キャッシュレス決済サービスの請求画面へ誘導して送金させる手口を、まとめて数えています。PayPayだけの数字ではありません。この手口が、5月上旬は報告数の6割以上を占める日が続きました。6月分の報告では、6月初旬以降に急減したものの、少数ながら続いているとしています。

PayPayは5月18日のお知らせで「企業や団体へのお支払いに、送る・受け取る機能は利用されていません。」と書いています。兵庫県警は5月11日の防犯通信で、正規の電子決済アプリへ誘導されて送金させられる被害相談が多いと書きました。警視庁も、保険料の未納差額の請求を装う同じ型の手口を挙げています(2026年9月24日更新)。

兵庫県警の資料の画面例では、メールのボタンの先に「○○カードさんに送る」と出ていました。請求のつもりで開いた画面に「送る」とあれば、会社への支払いではなく、「送る」機能での相手のアカウントへの送金です(PayPayの記述と画面例からの、この記事の整理)。

税金の未払いをうたうメールやSMSから誘導された場合は、国税庁を名乗るメールやSMSが本物か確かめる方法も役に立ちます。

出典はフィッシング対策協議会のPayPayアプリでの支払いへ誘導するフィッシングです。月次報告は2026/05 フィッシング報告状況と2026/06 フィッシング報告状況です。PayPayのお知らせは各種サービスの未払いや公金の未納を騙るフィッシングメール・SMSにご注意くださいです。警察の資料はサイバー防犯通信 令和8年11号(兵庫県警察)とフィッシングに騙されないために(警視庁)です。2026年10月12日に確認しました。

振り込め詐欺救済法は、PayPay残高にも使える?

銀行口座への振り込みなら、振り込め詐欺救済法により、犯人側の口座を凍結して残ったお金を被害者に分配する仕組みがあります。金融庁は、この法律の対象を、預金口座等への振込みが使われた詐欺などの被害だと説明しています。

法律の第2条は「金融機関」を銀行や信用金庫など15種類と定めていて、資金移動業者は入っていません。「預金口座等」は「預金口座又は貯金口座」です。PayPayは、PayPayマネーを発行する資金移動業者として、「銀行等が行う為替取引ではありません」と表示しています。

PayPay残高での送金がこの法律の対象になるかを、金融庁や預金保険機構が直接書いた記述は見つかりませんでした。自分の場合に当てはまるかは、警察や弁護士に確かめてください。

別の線もあります。金融庁の資金移動業者向けの事務ガイドラインは、詐欺に使われた疑いのある取引や払い出しを止める態勢を求めています。止めた資金は「被害者に返金する等の被害回復のための措置を講じることが望ましい」とも書いています。これは、犯罪に使われたと認めるに足りる相当な理由がある場合の話です。また、金融庁が資金移動業者を監督するときの着眼点で、返金は「望ましい」という書き方です。PayPayが止めた資金をどう扱っているかは、公式ページでは確認できませんでした。

金融庁のガイドラインは、捜査機関などからの情報を、取引を止めるきっかけの一つに挙げています。止まった資金が被害者に戻るかは、PayPayの公式ページには書かれていません。それでも報告と警察への相談は早いほうがよい、というのがこの記事の考えです。

銀行口座の場合も、分配の上限は凍結時の残高です。預金保険機構は「被害額の全額を国や金融機関が補填するというものではありません」と書いています。金融庁は2013年から、この法律の返金制度を装った勧誘に注意を呼びかけています(2015年更新)。

出典は犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律(e-Gov法令検索)です。PayPayの表示はPayPayマネー 資金決済法に基づく表示(PayPay)によります。金融庁の事務ガイドライン 14 資金移動業者関係、「振り込め詐欺救済法」に基づく被害者への返金制度を装った詐欺行為についても読みました。分配の上限は振り込め詐欺救済法について(預金保険機構)によります。対象の説明は振り込め詐欺等の被害にあわれた方へ(金融庁)です。2026年10月12日から13日にかけて確認しました。

よくある誤解を3つ、公式の記述でほどきます

誤解1「PayPayは詐欺の被害も全額補償してくれる」

PayPayの公式ページで「全額」と書かれているのは、他人による不正利用の補償です。自分で送った分は対象外だと、ヘルプとお知らせが繰り返し書いています。

誤解2「警察に届ければPayPayが返金してくれる」

警察への届出は、補償を申請する条件のひとつです。届け出れば返金される仕組みではなく、自分で送った取引は対象外のままです。アプリからの報告についても、PayPayは「調査の進捗や結果」には回答できないとしています。それでも警察への相談には意味があります(理由は前の節)。

誤解3「返金の手続きで、PayPayの操作を頼まれることもある」

PayPayは「返金の際にお客様へPayPayアプリの操作を求めることはありません」と書いています。兵庫県警も7月6日の防犯通信で、通販の在庫切れの返金だと言われて操作し、送金してしまった例を挙げています。国民生活センターも、「○○Payで返金します」と言われたら詐欺を疑うよう呼びかけています。

出典はPayPayヘルプの「一時的にご利用を制限しています」と表示された、詐欺等の疑いがある送る・受け取るを利用した取引を報告したいです。ほかにサイバー防犯通信 令和8年16号(兵庫県警察)と、被災地支援をうたう不審なSNS上のダイレクトメッセージ(DM)に注意!(国民生活センター)を読みました。2026年10月12日に確認しました。

自分の状況を、アプリの画面で確かめる手順

次の順に見ると、状況とまだ取り消せるかが分かります。

  1. ホーム画面の[取引履歴]を開きます
  2. 左上の絞り込みで「出金」を選びます。「送金(譲渡)」なら送る機能、「支払い」ならお店への支払いです
  3. 送金なら、[送る]から相手とのチャットを開きます。「友だちが受け取りました」がなければ、最初の節の手順で取り消しを試せます
  4. [アカウント]から[セキュリティとプライバシー]、[端末の管理]と進みます。見覚えのない端末があれば[削除]か[すべての端末を削除してログアウト]を選びます。すべての端末からログアウトすると、もう一度ログインするときにSMS認証が必要です
  5. 取引の日時・金額・相手の表示名と、メールやSNSのやり取りをスクリーンショットで残します

偽サイトにPayPayのパスワードを入れたなら、パスワードを変えます。警察庁は、同じIDやパスワードを使う全てのサービスで変えるよう書いています。手順5は、PayPayが調査で証跡の提示を求める場合があると書いているための、この記事の勧めです。

出典はPayPayヘルプの取引履歴についてと端末の管理機能について、PayPayの不正やトラブルへの対策、警察庁のフィッシング対策です。2026年10月12日に確認しました。

相談先と受付時間(公式ページの記述どおり)

番号と受付時間は、どれも公式ページの記載どおりです。

窓口番号・受付使う場面
PayPayのカスタマーサポート窓口0120-990-634(24時間対応)見知らぬ取引がある、乗っ取りが疑われる
PayPayの紛失・盗難専用窓口0120-990-633(24時間対応)スマホをなくした、盗まれた
アプリの[取引を報告する]相手とのチャットで取引をタップ(過去90日以内)だまされて送ってしまった
警察相談専用電話#9110(平日8時30分〜17時15分が基本。都道府県警察で異なる)緊急でない相談、被害の届出の相談
警察110番今まさにお金を要求されている、身の危険がある
消費者ホットライン188取引のトラブルの相談先を知りたい

#9110は土日祝日と時間外、一部の都道府県警察を除き当直か音声案内の対応です。「緊急の対応を必要としない」相談の窓口とされているので、緊急なら110番、というのはこの記事の整理です。

188は、近くの消費生活センターなどを案内する番号です。相談は無料で、通話料がかかります。土日祝日に地元の窓口が閉まっていると、国民生活センター(10時〜16時)につながる場合があります。

PayPayを名乗る偽のメールやSMSは、PayPayのフィッシング通報フォームで報告できます。補償の申請は、警察へ届け出たうえで補償申請フォームから行います。電話やお問い合わせフォームでは受け付けていません。

出典はPayPayマネー 資金決済法に基づく表示(PayPay)、不正利用・詐欺対策について(PayPayヘルプ)です。警察は令和6年版犯罪被害者白書 資料9(警察庁)、188は消費者ホットライン(消費者庁)と土曜、日曜、祝日に利用できる相談窓口(国民生活センター)によります。2026年10月12日に確認しました。

まとめ

  • 自分で送ったPayPay残高は、PayPayの補償制度の対象外です
  • 相手が受け取る前ならキャンセル可能。受け取られないまま4日(96時間)たつと自動で返還(ポチ袋は例外あり)
  • 他人にアカウントを使われた場合は、損害が起きた日から60日以内に、警察へ届け出たうえで補償を申請できます(審査あり)
  • 請求のメールから開いた画面が「送る」なら、送金しないでください。PayPayは、企業や団体への支払いに「送る・受け取る」は使われていないと書いています
  • 振り込め詐欺救済法が定める「金融機関」に、資金移動業者は入っていません(自分の場合は警察や弁護士に確認)
  • 連絡先はPayPay 0120-990-634(24時間)、#9110、188。緊急なら110番

人に聞きにくいお金の疑問は、人に聞けないお金の質問の一覧から探せます。

この記事に書いた内容は、2026年10月12日から13日にかけて各公式ページで確認しました。

お金の話は、根拠のあいまいな情報がそのまま広がっていることがあります。このサイトでは、法律の条文や官庁・業界団体の資料まで戻って、確認した日付とあわせて書いています。実際に出回っている誤りを訂正した例も含め、ほかの調べ物は人に聞けないお金の質問にまとめました。

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