国税庁からのメールやSMSは本物?開いた・入力した後に今すぐやること

国税庁からのメールやSMSは本物?開いた・入力した後に今すぐやること

国税庁は、税金の納付を求める連絡や差押えの連絡を、SMS・メール・LINEでは送らないと公式ページに書いています。SMSにURLを書いた案内も送りません。「未納の税金がある」「差し押さえる」と言ってリンクを押させるメールやSMSは、国税庁が説明している連絡の形とは違います。

ただし、国税庁がメールを一切使わないわけではありません。e-Taxにメールアドレスを登録した人には、「税務署からのお知らせ」という件名の本物のメールが届きます。税務調査などで本人が希望したときに、メールを使うこともあります。「国税庁を名乗るメールは全部偽物」と覚えるより、本物が届く場面を知って照らし合わせるほうが確かです。

すでにお金を払った、カード番号を入れたという人は、先に「開いた・入力した・払った後にやること」の表へ進んでください。相談先は消費者ホットライン188と、警察相談専用電話#9110です。

目次

国税庁が「送らない」と書いているもの

国税庁の「不審なメールや電話にご注意ください」というページには、次のように書かれています。

国税庁(国税局、税務署を含みます。以下同じ。)では、ショートメッセージにURLを記載した案内を送信することはありません。また、国税の納付の求めや差押えに関して、ショートメッセージやメール、LINEによるメッセージを送信することはありません。

国税庁によると、税務調査や滞納整理などでメールを使うのは、納税者が希望した場合だけです。担当者のアドレスは「nta.go.jp」のドメインだけで、使い始める前に電話か対面で受信を確かめます。

出典は不審なメールや電話にご注意ください(国税庁)、オンラインツールの利用について(国税庁)です。2026年10月12日に確認しました。

本物のe-Taxメールと、偽物を疑うポイント

本物のe-Taxメールの形と、偽物を疑う形は、国税庁などの説明では次のとおりです。

確かめる点本物のe-Taxメール偽物を疑う形
件名・送信元件名は原則「税務署からのお知らせ」か「国税庁からのお知らせ」(一覧には公金受取口座や開示請求の通知など、別の件名もある)。送信元は info@e-tax.nta.go.jp送信元や表示名をe-Taxに装ったもの
本文決まった文面。お知らせの中身はe-Taxにログインして見る手続きや納付を催促する。滞納金などの金額が書いてある
リンク・添付添付ファイルはない。本文のURLも原則なし本文のリンクから偽の手続き画面へ誘導する
宛名・画像宛名を登録した人には、その宛名が出る「納税者様」などの一般的な宛名。イラストやロゴの画像入り
アプリAndroid向けの「e-Taxアプリ」は2021年1月4日に終了アプリを入れさせようとする(フィッシング対策協議会の注意喚起)

URLが入るのは、メールアドレスや宛名の登録・変更、パスワードの再設定など、自分でe-Taxの手続きをしたときに届くメールです。本物の件名にも「還付金の処理状況に関するお知らせ」などがあり、「還付」の語だけでは見分けられません。

国税庁の注意喚起には日付の表示がなく、e-Taxの注意喚起の最終更新は2026年3月18日です。出典は「税務署からのお知らせ」等のメールが届いた方へ(e-Tax)、e-Taxを装った不審なメール等にご注意ください(e-Tax)、e-Taxアプリについて(e-Tax)、不審なメールや電話にご注意ください(国税庁)、2026年9月30日の緊急情報(フィッシング対策協議会)です。2026年10月12日に確認しました。

いま届いているのは、還付やe-Taxの通知を装ったメール

フィッシング対策協議会は2026年9月30日、国税庁をかたってAndroid向けの不正なアプリを入れさせるメールについて、緊急情報を出しました。同日10時の時点で、配信は続いていました。文面は、控除による還付の案内、税務署からの通知、メッセージボックスの確認依頼などです。協議会は「2026年9月30日現在、スマートフォン用e-Taxアプリは提供されていません。」と書いています。

協議会の月次報告では、2026年5月分と6月分のSMSの項目にも国税庁の名前が出ています。5月分には、カードの利用額や税金、社会保険料などの未払いを装って、決済アプリの請求画面に誘導し送金させる手口が、4月以降に急増したとあります。国民生活センターも5月27日、国税庁を名乗るメールからコード決済で送金してしまった相談を紹介しています。

一方で、9月以降に国税庁や警察庁が新しく出した注意喚起は、国税庁のトピックス一覧、e-Taxのお知らせ一覧、警察庁の特殊詐欺対策ページ(SOS47)の一覧では見つかりませんでした。協議会の9月分の月次報告は、10月12日の時点でまだ出ていません。

出典は2026年9月30日の緊急情報と月次報告の5月分・6月分(いずれもフィッシング対策協議会)、国税庁をかたるSMSやメールへの注意(国民生活センター)です。2026年10月12日に確認しました。

開いた・入力した・払った後にやること

あなたの状況に近い行を選んでください。

あなたの状況公式の案内この記事の整理
①リンクを開いただけアクセスしただけなら被害にはつながらない。何も入力していなければ影響はない(IPA)ページを閉じれば終わりです
①の続き:Androidでアプリを入れた機内モード(Wi-Fiもオフ)にしてアプリを削除。初期化の前に、各サービスから届いたSMSやメールで不正な登録や利用がないかを確かめ、写真などを別に保存。そのうえで初期化を推奨(操作方法は携帯電話会社へ)。初期化後にパスワードの変更と、携帯電話の決済の請求の確認(IPA)不正アプリの影響や対処に迷ったら、IPAの安心相談窓口に相談できます
②IDやパスワードを入れたすぐにパスワードを変更。同じIDやパスワードを使うほかのサービスも変更。ネットバンキングの情報なら、すぐ金融機関へ(協議会・警察庁)e-Taxの暗証番号などを入れた場合の公式の手順は見つかりませんでした。提出先の税務署に相談します
③カード番号を入れたすぐにカード会社の紛失・盗難窓口へ連絡し、利用停止と、必要に応じて再発行(協議会)連絡のあとで、利用明細に覚えのない利用がないかを見ます
④お金を払ってしまった決済アプリで自分で送ったお金は補償されない(協議会・PayPay)。PayPayは、詐欺の疑いがある送金をアプリから報告できる(PayPay)。プリペイドカード(電子マネー)の番号を入れたなら、必要に応じて発行元か最寄りの消費生活センターへ(IPA)。振り込んだなら、まず警察、その後すぐ振込先の金融機関へ(政府広報オンライン)ペイジーで払った場合の公式の案内は見つかりませんでした。払うのに使った銀行と警察へ、すぐ連絡します
⑤書かれた番号に電話をかけた即答せず、相手の所属・氏名・電話番号を聞いて一旦切る。最寄りの税務署の総務課などに問い合わせる。番号は「税務署の所在地などを知りたい方」で調べる(国税庁)SMSの番号にかけ直さないでください。暗証番号や口座番号を伝えたなら、取引銀行に連絡します

IPAは情報処理推進機構、協議会はフィッシング対策協議会です。「この記事の整理」は、公式に書かれていない部分の補足です。

アプリを入れてしまった人へ

IPAは、不正なアプリを入れたスマートフォンから、同じ内容のSMSが知らない相手に大量に送られる例を挙げています。機内モードは、そのSMSの送信と、スマホの中の情報が外へ送られるのを止めるためです。この解説は2022年10月31日のもので、SMSから誘導する例です。今回はメールからですが、国税庁をかたってAndroidに不正なアプリを入れさせる点は同じです。

入力した人、払ってしまった人へ

警察庁は、普段のIDやパスワードを偽サイトに入れたなら、それを使う全てのサービスで速やかに変えるよう書いています。口座を守る順番はスマホが突然圏外になったときに連絡する順番の記事に、明細の調べ方は身に覚えのない請求の正体を調べる3ステップの記事にあります。

カード番号を入れたあとに身に覚えのない請求が出た場合、補償されるかどうかはカード会社の規約で決まります。カードの不正利用が補償されない条件は、主要12社の規約で比べた記事にあります。決済アプリで自分で送ってしまった場合は、PayPayで送ってしまったときにやる順番も見てください。

PayPayは「企業や団体へのお支払いに、送る・受け取る機能は利用されていません。」と書き、詐欺の疑いがある送金はアプリから報告できるとしています。振り込んだお金は、犯人に引き出された後ではほとんど取り戻せないと政府広報オンラインは書いています。連絡は早いほうが有利です。

出典は国税庁をかたる偽SMSや偽メールに注意(IPA)、よくあるご質問(フィッシング対策協議会)、フィッシング対策(警察庁)、未払いや未納を騙るメールへの注意(PayPay)、振り込め詐欺救済法の解説(政府広報オンライン)、不審なメールや電話にご注意ください(国税庁)、月次報告の5月分(フィッシング対策協議会)です。2026年10月12日に確認しました。

「還付金がある」という電話は詐欺の入り口

電話の先で「還付金がある」と言われる手口もあります。警察庁は還付金詐欺を、税金の還付などを装ってATMを操作させ、犯人の口座へお金を送らせる手口と説明しています。税務署などの職員を名乗って急がせ、携帯電話を持ってATMへ行かせる流れです。警察庁のページには、次の一文があります。

ATMでお金が返ってくることは、絶対にありません。

国税庁も、還付金の受取や納付のためにATMの操作を求めることはないと書いています。政府広報オンラインも「電話でお金やキャッシュカードに関する話が出たら、全て詐欺です。」と書いています。

警察庁の暫定値では、還付金詐欺は2026年1〜8月で2,058件、被害額は46.5億円でした。件数は前年同期より10.0%減り、被害額は7.2%増えています。出典は還付金詐欺(警察庁・SOS47)、電話でお金の話は詐欺!(政府広報オンライン)、特殊詐欺の認知・検挙状況(警察庁)、不審なメールや電話にご注意ください(国税庁)です。2026年10月12日に確認しました。

よくある誤解を4つ

誤解1「国税庁や税務署は、メールを一切送らない」

本物のメールはあります。e-Taxに登録した人へのお知らせと、本人が希望した税務調査などのメールです。見分ける軸は、メールの中で納付を求めているか、リンクから手続きさせようとしているかです。この軸は、国税庁の説明をもとにしたこの記事の整理です。

誤解2「送信元がe-Taxで、宛名も自分の名前だから本物」

送信元は偽装できます。警察庁は、メールソフトに出る送信元名や送信元アドレスだけで真偽を判断するのは困難だと書いています。国民生活センターには、宛名に自分の名前が入ったe-Taxを名乗る未納のメールが届いた、という相談も寄せられています。

誤解3「リンク先が国税庁のアドレスに見えれば安全」

IPAは「URLを見ただけで、リンク先の真偽を判別することは一般的には難しいです。」と書いています。https:// で始まることも、安全の証明にはならないとしています。

誤解4「確定申告の時期だけ気をつければいい」

国税庁をかたるメールやSMSは、確定申告の時期に限らず届いています。協議会の月次報告では、2024年12月、2025年8月、2026年5月と6月に国税庁の名前が出ており、今回の緊急情報は9月末です。確定申告の時期に増えると示す公的な統計は、今回は見つけられませんでした。

出典は上の各節のページと、報告書本文(国民生活センター)、月次報告の2024年12月分・2025年8月分(フィッシング対策協議会)です。2026年10月12日に確認しました。

届いたメールが本物か、自分で確かめる手順

届いたメールやSMSが本物かどうかは、次の順で確かめられます。

  1. リンクは押さず、メールやSMSは報告や相談のために残します。
  2. e-Taxの「税務署からのお知らせ」等のメールが届いた方へにある本物の一覧と、件名・文面を照らします。一覧にない形なら、e-Taxからのメールではありません。
  3. e-Taxを自分で開いてログインし、メッセージボックスの「お知らせ・受信通知」と「通知書等」を見ます。本物のメールには、「通知書等一覧」や「マイページ」の「還付・納税関係」など、確かめる場所も書かれています。詳しい中身の表示には、マイナンバーカードなどでの認証が要ります。
  4. 還付の状況は、e-Taxのマイページの「還付・納税関係」で見られます。電話で聞くなら提出先の税務署です。e-Taxのヘルプデスクは個人情報を扱っていません。
  5. 納付が必要か気になるときも、リンクは使わず、e-Taxか税務署で確かめます。スマホの決済アプリでの納付も、国税庁は2025年2月1日からe-Taxを経由する形にまとめています。

手順3と4で、メールと同じ時期の新しいお知らせや通知書が見当たらなければ、そのメールは疑うのが安全です。これは公式の判定基準ではなく、この記事の整理です。出典はメッセージボックスについて(e-Tax)、お問い合わせ(e-Tax)、スマホアプリ納付の手続(国税庁)です。2026年10月12日に確認しました。

これから気をつける時期

令和8年分の所得税の確定申告は、窓口での相談と申告書の受付が2027年2月16日(火)から始まり、期限は3月15日(月)です。還付申告は2月15日以前でも出せます。

e-Taxは毎年、一定の利用者のメッセージボックスに確定申告のお知らせを入れ、メールアドレスを登録した人にはメールで知らせています。令和7年分は2026年1月19日から22日の予定でした。本物も届く時期のため、自分で開いたe-Taxで確かめる習慣が役に立ちます。これはこの記事の整理です。

出典は暮らしの税情報(令和8年度版)申告と納税(国税庁)、お知らせの格納時期について(e-Tax)です。2026年10月12日に確認しました。

報告と相談の窓口

用件ごとの窓口は、公式ページの記載では次のとおりです。

窓口使う場面公式ページの記述
フィッシング対策協議会不審なメールやSMSの報告メールはリンクを押さずに info@antiphishing.jp へ転送。SMSはスクリーンショットをメールに添付。迷惑メールフォルダーに入ったものは報告不要
消費者ホットライン 188払ってしまった、どうすればよいか分からない近くの消費生活センターなどを案内する番号。相談は無料で、通話料はかかる
警察相談専用電話 #9110被害の相談平日8時30分から17時15分(都道府県警察本部で異なる)。土日祝と時間外は、一部を除き当直か音声案内
税務署通知や未納が本当にあるかの確認国税庁の「税務署の所在地などを知りたい方」で、郵便番号や住所から調べられる
IPA 情報セキュリティ安心相談窓口不正なアプリを入れた。ウイルスや不正アクセスへの対処を相談したい03-5978-7509。10時から17時(土日祝日・年末年始を除く)。パソコンやスマホの基本操作の案内は受けていない

いま送金やATMへの移動を求められているなら、110番です。この使い分けは、この記事の整理です。具体的な被害の相談先として、国税庁のリーフレットは、最寄りの警察署か都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口を挙げています。

出典はフィッシングの報告(フィッシング対策協議会)、消費者ホットライン(消費者庁)、#9110の案内(政府広報オンライン)、税務署の所在地などを知りたい方(国税庁)、情報セキュリティ安心相談窓口(IPA)、不審なSMSやメールへの注意のリーフレット(国税庁)です。2026年10月12日に確認しました。

訴訟や裁判を予告するハガキが届いた場合は、訴訟最終告知のハガキは本物?裁判所の書類が特別送達で届く理由と見分け方を見てください。

まとめ

  • 国税庁は、納付の求めや差押えの連絡をSMS・メール・LINEで送らないと書いています
  • SMSにURLを書いた案内も送らない、というのが国税庁の説明
  • 本物は、e-Taxに登録した人へのお知らせと、本人が希望した税務調査などのメールです
  • e-Taxのメールは決まった文面で、添付なし、URLも原則なし
  • 開いただけなら被害にはつながらない、とIPAは説明しています。入力や送金をしたら、表に沿ってすぐ連絡を
  • ATMで還付金は受け取れません
  • 確かめるのは、自分で開いたe-Taxか、自分で調べた税務署の番号で

この記事に書いた内容は、2026年10月12日に各公式ページで確認しました。

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