「みんなで大家さん」はサービス開始から15年で1度も元本割れがないことや、想定投資利回りが6.0%〜7.0%と非常に高く設定されていることから、非常に人気のある不動産投資サービスとなっています。
その一方、「みんなで大家さん」はSNS等の口コミでなにか怪しい、おかしい等の書き込みをよく見かけます。
宅地建物取引士で不動産投資の経験がある筆者が「みんなで大家さん」は本当に怪しいのか、おかしいのかさまざまな面から徹底調査しました。
関連記事↓
みんなで大家さんとは
「みんなで大家さん」とは不動産小口化商品と呼ばれる不動産投資の商品の一つで、簡単に言うとその名のとおり、複数人でお金を持ちより、想定利回りの高い物件を共同で所有し運用利益を得るサービスです。
共生バンクグループである「都市綜研インベストファンド株式会社」が営業者となり、企画したファンドと呼ばれる商品を同じグループ会社の「みんなで大家さん販売株式会社」が販売代理として出資者への窓口業務を行っているサービスとなります。
「みんなで大家さん」が人気の理由
少額の1口100万円から始めることが可能
「みんなで大家さん」は複数人でお金を持ちより一つの不動産を所有するという形式と
なっているので、一般的な不動産投資より少額の1口100万円から投資を始めることが
可能となっています。
高利回り
想定利回りが6.0~7.0%と東京都内の不動産投資(マンション)の平均利回りが3.0~
3.5%が理想的と言われているなかで、その2倍程度の高い想定利回りが設定されていま
す。
年6回の分配金を受け取ることができる
不動産投資の分配は平均年に1~2回となっていますが、「みんなで大家さん」の分配
は年に6回となっており、定期的に収入を得ることが可能となっています。
管理等の手間がかからない
通常の不動産投資は、賃借人の募集・家賃回収などさまざまな管理を自ら行うことが必
要ですが、「みんなで大家さん」は営業者が管理を行うため、出資者が自ら管理等を行
う必要がなく、管理等の手間がかかりません。
サービス開始から1度も元本割れがない
サービス開始から15年で1度も元本割れや利回りが下がったことはなく、現時点にお
いては他のサービスと比べても安全性が高いと言えます。
「みんなで大家さん」の怪しい点、おかしい点
高すぎる利回りがおかしい
人気の理由にも書きましたが、想定利回りが6.0~7.0%は他の投資物件と比較して、高
すぎる利回りとなっています。個人的な考えですが「みんなで大家さん」が投資する不
投資動産だけが高い利回りを設定できるというのは何かおかしい気がします。
営業者の財務状況がおかしい
営業者である「都市綜研インベストファンド」の財務状況(令和4年3月31日時点)は正直
良くありません。
・流動比率(流動資産÷流動負債)24%※不動産業平均169.19%
流動比率が100%以上あれば負債を返済できる能力があるということ。
・自己資本比率7.35%※不動産業界平均29.7%
自己資本比率とは全ての資産のうち、返済の義務がない資産がどれくらいの割合なのか
を表す比率。20~49%が一般的な企業で倒産のリスクはまだ低いと言われている。
このように、「都市綜研インベストファンド」の財務状況を見ると他の不動産会社と比
較して、負債に対する返済能力が非常に低い財務状況となっていることが分かります。
契約形態がおかしい
「みんなで大家さん」を始めるにあたって、出資者は匿名組合契約を営業者と締結する
こととなります。匿名組合契約は出資者にとって、自ら出資した範囲内でしか事業に関
する責任ないことや投資物件の管理等の手間がかからない等のメリットもありますが、
投資物件の所有権がないことから、もし、営業者が倒産した場合には、所有権のある一
般的な不動産投資と違い、なにも残らなくなってしまうというリスクがあります。
まとめ
「みんなで大家さん」はサービス開始から1度も元本割れがないことや、高利回り、管理
の手間がかからない等多くのメリットがあるとても人気のある不動産投資サービスとなっ
ています。しかし、契約形態が営業者との匿名組合契約であり、出資者に物件の所有権
がなく、もし、営業者が倒産した場合のリスクが大きいことや、営業者の「都市綜研イ
ンベストファンド」の財務状況があまりよくない状況を考えると、注意が必要な投資先で
あると言えます。
ここからは、私の個人的な考えですが、不動産投資はある程度長い期間をかけて投資する
ことが必要であると考えています。
その点から言うと、現時点で財務状況に不安のある「都市綜研インベストファンド」が営業者となっている「みんなで大家さん」に長期間投資をするのは非常にリスクがあると考えています。
そのような理由から、私自身は、「みんなで大家さん」に投資しようとは考えていません。
関連記事↓