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うつ病で退職する際に傷病手当を受給した体験談|失業保険を受給し再就職するまで

この記事は、うつ病で退職した際の体験談です。

傷病手当を受給したことや利用した制度などをお話しします。

生活習慣病や癌を発症した際に備えて、保険に加入している方は多く見られます。

一方で、うつ病など心の病気になった時のことを考えたことがある方は少ないのではないでしょうか。

自分や身近な人がうつ病になった場合、知っておきたいお金のことをご紹介します。

うつ病で退職する際に検討したい傷病手当の受給

私は、個人病院で医療事務として勤務していた際、うつ病を発症しました。

退職する際に、手続きをして受給したのが、傷病手当です。

傷病手当は、傷病手当金とも呼ばれます。

病気やケガで会社を休んだ時に、被保険者とその家族の生活を保証するための制度です。

支給には以下の4つの条件があり、(1)から(4)の全てを満たした時に支給されます。

  • (1)業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
  • (2)仕事に就くことができないこと
  • (3)連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  • (4)休業した期間に給与の支払いがないこと

(参考:病気やケガで会社を休んだとき|こんな時に健保|全国健康保険協会

傷病手当は、資格喪失後すなわち退職後も支給を受けることが可能です。

私が退職後すぐに受給できたのは、以下の条件を満たしていたためです。

  • 資格喪失の日の前日(退職日等)までに被保険者期間が継続して1年以上あること
  • 被保険者資格喪失日の前日に、傷病手当金を受けられる状態(1)(2)(3)の条件を満たしていること

傷病手当が支給される期間は、支給開始日から通算1年6ヶ月(令和4年1月1日より通算に変更)で、勤務していた時の給与の約3分の2が支給されます。

私は、うつ病の症状が長引いたため、期間の上限まで受給しました。

うつ病の療養中に、お金の心配は付き物です。金銭的な不安から焦って再就職し、うまくいかず、症状が悪化することもあります。

利用できる制度を紹介しますので、療養に専念することを心がけてください。

失業保険と傷病手当の違いとは?

退職する際に、勤務先から必ずもらうべき書類は、離職票です。

離職票は、離職したことを公的に証明する書類で、失業保険を受給する際に必要となります。

ここで気を付けたいのが、退職後すぐに働ける状態にあるかどうかということです。

失業保険は、あくまでも、再就職先を見つけるまでの期間の経済的支援をすることが目的の手当です。

そのため、すぐに再就職できない病状の場合は、傷病手当を受給して療養に専念することを検討します。

傷病手当と失業保険は、同時には受給できません。

失業保険は、雇用保険とも呼ばれます。

受給期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。

しかし、その間に病気、ケガ、妊娠出産、育児等の理由により引き続き30日以上働くことができなくなった場合は、受給期間を最長3年間延長することが可能です。

退職後、傷病手当を受給する際は、管轄のハローワークに問い合わせて必要な書類を確認し、失業保険の延長の手続きをしましょう。

自分で手続きをするのが困難な病状の際は、代理人や郵送による申請も可能なため、早めに申請することをお勧めします。

(参考:ハローワークインターネットサービス-基本手当について|受給期間

退職時に勤務先から必ずもらう               離職票すぐに働ける     (再就職先を探す)場合失業保険(雇用保険の基本手当)を受給する
すぐに働くことが    困難な場合傷病手当(傷病手当金)を 受給する

うつ病の方は自立支援医療を利用しましょう

うつ病で心療内科を受診する際に、利用したのが自立支援医療制度です。

自立支援医療を利用するには、医師の診断書や保険証のコピーなど所定の書類を添えて申請します。通院している心療内科または精神科で相談すれば、手続きをしてもらえます。

認定されれば、通院する心療内科または精神科と、その処方薬を調剤してもらう薬局での負担額が1割または所得に応じた負担上限額となります。

うつ病は、定期的な受診が欠かせず、急に調子が悪くなった時にも受診することがある病気です。

症状に応じて薬の処方が変更され、処方薬が増えれば薬局での支払いも高額になります。

通常は3割負担であるため、1割になることには助けられました。

(参考:自立支援医療|厚生労働省

他にも、心の病気には、居宅介護支援や訪問看護師など利用できるサービスがあります。

病気が長引き重症化した場合には、障がい者手帳の交付を受けたり、障害年金を受給したりすることも可能です。

障がい者手帳(精神障害者保健福祉手帳)により受けられるサービスには、以下のようなものがあります。

  • NHK受信料の減免
  • 税金の控除や減免
  • 公共交通機関の運賃割引
  • 携帯電話料金の割引
  • 各自治体による福祉手当の支給
  • 公営住宅の優先入居  など

今すぐ利用することはなくても、このようなサービスや制度があることを知っていれば、自分や身近な人が苦しんでいる時に助けとなる時があるかもしれません。

(参考:こころの情報サイト|障害者手帳・障害年金

失業保険を受給し再就職へ

冒頭でもお話しましたが、私は個人病院で医療事務として働いていた時に、うつ病を発症しました。

医療事務という仕事は、受付、カルテの入力、会計、電話の応対、レセプト請求など、多岐に渡ります。また、患者と医師や看護師の間を繋ぐ役割も担っています。

大病院では業務が分担化されていますが、個人病院ではマルチタスクを熟すことが求められ、気遣いが必要とされる仕事です。

2年ほど勤務して仕事にも慣れた頃、何もやる気が出ない、何をしても楽しくないという状態になりました。

眠れなくなり朝起きるのがつらく、他人に会うのが怖くて仕事のことを考えると頭痛や吐き気がします。

そのような症状が続き、仕事を休んで心療内科を受診しました。

症状を話し、医師から示された診断が、うつ病です。

処方される薬の説明を受け、生活上で気を付けることを聞きます。

仕事について相談すると、処方した抗うつ薬と不眠症状を改善する薬で症状が落ち着くようなら出勤して構わないが、無理はしないように、とのことでした。

症状が落ち着いても薬を飲み続けることと受診を続けることも、注意されます。

仕事を続けるのが困難な場合は、診断書を提出した上で休職することができるとの説明も受けました。

処方された薬を飲み、翌日から出勤しましたが、調子はよくありません。

集中力も落ちているためミスをし、叱責されれば精神的に不安定なため今までにはない恐怖心に襲われます。

しばらく出勤した後、再び心療内科を受診しました。薬の処方が変更され、退職の相談をし、診断書を書いてもらいました。

退職願を提出するのは勇気が必要でしたが、診断書を提出したこともあり、受理されました。

傷病手当がすぐに受給できるような形で、退職の手続きを進めてもらえたこともありがたかったです。

そして、傷病手当を1年6ヶ月受給しながら療養した後、医師と相談しながら、再就職のための活動を始めました。

延長していた失業保険を受給し、ハローワークで求職活動をします。

幸いにも、医療事務の資格と2年の勤務経験があったため、再就職先は程なく見つかりました。

同じ職種に再び就くことへの不安もありましたが、無理をし過ぎないように気を付け、勤務しました。

うつ病で退職する際に傷病手当を受給した体験談まとめ

うつ病になった時は、傷病手当や自立支援医療などについての知識はありませんでした。

退職する際に傷病手当がすぐに受給できるように手続きをしてもらったり、自立支援医療を利用することを勧められたり、周囲の人達に恵まれていたと思います。

この記事が、うつ病での退職に悩んでいる方や退職後の金銭的不安を抱えている方の一助となれば、幸いです。

ライター名:玖珂史緒

  • この記事を書いた人

マネーリテラシー編集部

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