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最低賃金はいつから上がる?2026年度の改定日と都道府県別の見込み額

最低賃金はいつから上がる?2026年度の改定日と都道府県別の見込み額

最低賃金がいつから上がるのかを調べている方へ、先に結論をお伝えします。2026年度の最低賃金は、2026年10月以降に都道府県ごとに順次発効します。全国一斉ではありません。前年度は10月1日から翌年3月31日までの間にばらついて発効し、県によって半年近い差が出ました。この記事では、厚生労働省が公表した2026年度の目安をもとに、47都道府県それぞれの見込み額と、時給が上がったときに年収がいくら変わるかを試算してまとめます。

目次

最低賃金はいつから上がる?2026年度の改定日

2026年10月以降、都道府県ごとに順次発効する

最低賃金の改定は毎年秋に行われますが、全国で同じ日に上がるわけではありません。改定日は都道府県ごとに決まります。

前年度にあたる2025年度(令和7年度)の実績を見ると、最も早い栃木県が2025年10月1日、最も遅い秋田県が2026年3月31日でした。同じ年度の改定でありながら、半年近い開きがあります。

出典:令和7年度地域別最低賃金全国一覧(厚生労働省)

2026年度も同じ流れになる見込みです。10月上旬から順に発効し、遅い県では年をまたぐ可能性があります。

全国一斉に上がらないのはなぜか

最低賃金は、国が一律に決めているわけではありません。決まるまでの流れは次のとおりです。

  1. 厚生労働大臣が中央最低賃金審議会に諮問する
  2. 中央最低賃金審議会が引上げ額の「目安」を答申する
  3. 各都道府県の地方最低賃金審議会が、地域の賃金実態調査などを踏まえて審議し、答申する
  4. 異議申出の手続きを経て、各都道府県労働局長が金額を決定する

出典:地域別最低賃金の改定について(厚生労働省)

つまり、中央が示すのはあくまで目安であり、実際の金額と発効日は都道府県ごとの審議で決まります。審議にかかる時間も、異議申出の有無も県ごとに違います。発効日がそろわないのはこのためです。

自分の県の発効日を確かめる方法

確実なのは、お住まいの都道府県の労働局が公表する情報を見ることです。各労働局は答申の内容と発効日をその都度発表します。厚生労働省の地域別最低賃金の全国一覧にも、確定後に一覧が掲載されます。

勤務先から改定の案内がある場合もありますが、案内がないまま発効日を過ぎることもあります。自分で確認しておくと安心です。

2026年度の最低賃金はいくら上がるのか

全国加重平均は1,176円、上げ幅55円が目安

2026年7月28日に開かれた第75回中央最低賃金審議会(会長 藤村博之 独立行政法人労働政策研究・研修機構理事長)で、2026年度の目安が答申されました。

仮に目安どおりに各都道府県で引上げが行われた場合、全国加重平均は1,176円になります。上昇額は55円、引上げ率にすると4.9%です。

出典:令和8年度地域別最低賃金額改定の目安について(厚生労働省)

A・B・Cランクごとの引上げ額

目安は全国一律ではなく、都道府県の経済実態に応じて3つのランクに分けて示されます。2026年度の目安額とランクの内訳は次のとおりです。

ランク 引上げ額の目安 該当する都道府県
A(6都府県) 54円 埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪
B(28道府県) 56円 北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡
C(13県) 56円 青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

2026年度は、賃金水準が高いAランクの引上げ額が最も小さく、B・Cランクが同額で並びました。都市部と地方の差を縮める方向の目安になっています。

昨年度と比べて上げ幅は縮小

前年度の2025年度は、全国加重平均が1,121円で、上昇額は66円、引上げ率は6.3%でした。2026年度の目安である55円・4.9%は、額でも率でも前年度を下回ります。

ここで注意しておきたい点があります。今回の答申には、次の一文が入っています。

令和8年度地域別最低賃金額改定の目安については、その金額に関し意見の一致をみるに至らなかった。

出典:別添 令和8年度地域別最低賃金改定の目安について(答申)(厚生労働省)

労使の意見がまとまらず、公益委員の見解として金額が示された形です。そのため、地方の審議会が目安と異なる金額を答申する可能性は、例年以上にあると見ておいたほうがよいでしょう。実際に前年度も、目安を上回る答申を出した県がありました。

都道府県別に見た2026年度の見込み額

2025年度の額にランク別の目安を足した一覧

2025年度の確定額に、2026年度のランク別目安額を加えて試算した一覧です。あくまで目安どおりに引き上げられた場合の見込みであり、確定額ではありません。

この表は2026年8月14日時点の情報にもとづく試算です。各都道府県の地方最低賃金審議会による答申は8月から順次出ており、厚生労働省が全国分をまとめて公表するのは9月上旬の見込みです。前年度は9月5日に全都道府県の答申が出そろいました。確定した県から順に、下の見込み額とは異なる金額になる場合があります。

都道府県 2025年度(円) ランク 2026年度の見込み(円)
北海道 1,075 B 1,131
青森 1,029 C 1,085
岩手 1,031 C 1,087
宮城 1,038 B 1,094
秋田 1,031 C 1,087
山形 1,032 C 1,088
福島 1,033 B 1,089
茨城 1,074 B 1,130
栃木 1,068 B 1,124
群馬 1,063 B 1,119
埼玉 1,141 A 1,195
千葉 1,140 A 1,194
東京 1,226 A 1,280
神奈川 1,225 A 1,279
新潟 1,050 B 1,106
富山 1,062 B 1,118
石川 1,054 B 1,110
福井 1,053 B 1,109
山梨 1,052 B 1,108
長野 1,061 B 1,117
岐阜 1,065 B 1,121
静岡 1,097 B 1,153
愛知 1,140 A 1,194
三重 1,087 B 1,143
滋賀 1,080 B 1,136
京都 1,122 B 1,178
大阪 1,177 A 1,231
兵庫 1,116 B 1,172
奈良 1,051 B 1,107
和歌山 1,045 B 1,101
鳥取 1,030 C 1,086
島根 1,033 B 1,089
岡山 1,047 B 1,103
広島 1,085 B 1,141
山口 1,043 B 1,099
徳島 1,046 B 1,102
香川 1,036 B 1,092
愛媛 1,033 B 1,089
高知 1,023 C 1,079
福岡 1,057 B 1,113
佐賀 1,030 C 1,086
長崎 1,031 C 1,087
熊本 1,034 C 1,090
大分 1,035 C 1,091
宮崎 1,023 C 1,079
鹿児島 1,026 C 1,082
沖縄 1,023 C 1,079

2025年度の額は厚生労働省の全国一覧、ランクと目安額は2026年度の答申に基づいて、当編集部で計算しました。

目安どおりにならない県もある

前年度の2025年度は、目安を上回る引上げを行った県が複数ありました。たとえば熊本県は82円、大分県は81円、秋田県は80円上がっています。いずれも全国加重平均の上昇額66円を大きく超える水準です。

2026年度は中央で金額の意見が一致しなかった経緯もあるため、地方の判断で目安から離れる県が出る可能性があります。上の表は出発点として使い、確定額は各都道府県労働局の発表で確認してください。

時給が上がると手取りはどう変わるか

週20時間・25時間・30時間で働いた場合の年収

時給が上がると年収がどれだけ増えるのかを、全国加重平均の1,121円から1,176円へ55円上がった場合で試算します。年間の労働時間は、週の勤務時間に52週を掛けて計算しました。

週の勤務時間 年間労働時間 改定前の年収 改定後の年収 差額
20時間 1,040時間 116万5,840円 122万3,040円 5万7,200円
25時間 1,300時間 145万7,300円 152万8,800円 7万1,500円
30時間 1,560時間 174万8,760円 183万4,560円 8万5,800円

同じ時間だけ働いても、年収は5万円から8万円ほど増えます。歓迎できる話である一方、扶養の範囲を意識して働いている方には、別の意味を持ちます。

扶養の範囲で働く人が注意する点

社会保険の加入対象は、週の所定労働時間が20時間以上であることなどを要件としています。これまでは「所定内賃金が月額8.8万円以上」という賃金要件も条件に含まれていました。

厚生労働省は、この賃金要件について次のように説明しています。

最低賃金1,016円以上の地域で週20時間以上働くと、年額換算で約106万円となります

出典:社会保険の加入対象の拡大について(厚生労働省)

なぜ1,016円なのかを計算してみると、仕組みがはっきりします。週20時間で働くと、1か月あたりの労働時間は20時間×52週÷12か月で約86.7時間です。月額8.8万円をこの86.7時間で割ると、約1,015円になります。つまり1,016円は、週20時間働けば自動的に月8.8万円に届く時給の境目として置かれた数字です。

2025年度の改定で、すべての都道府県の最低賃金が1,016円を超えました。上の一覧のとおり、最も低い高知・宮崎・沖縄でも1,023円です。週20時間以上働けば賃金要件は自動的に満たされるため、この要件は撤廃される方向で進んでいます。

働く時間を減らすべきかの考え方

時給が上がると、同じ時間だけ働いても年収が増えます。扶養の範囲に収めたい場合、働く時間を減らす選択が頭に浮かぶかもしれません。

ただし、判断を急ぐ前に確認しておきたい点があります。社会保険に加入すると保険料の負担は増えますが、将来受け取る厚生年金が増え、傷病手当金や出産手当金の対象にもなります。手取りだけを見て時間を削ると、受けられたはずの保障まで手放してしまうかもしれません。

また、扶養の判定に関わる金額の基準は改正が続いており、年によって扱いが変わる点にも注意が必要です。ご自身の条件で判断する前に、勤務先の担当部署か、加入している健康保険の窓口で最新の取扱いを確認してください。

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最低賃金が上がるときに確認しておくこと

給与明細で時給が改定されているか

発効日を過ぎたら、給与明細で時給を確認しましょう。改定は自動的に反映されるものですが、事務処理の漏れが起きることもあります。

確認するのは、時給の単価そのものです。総支給額だけを見ていると、勤務時間の増減と混ざって気づきにくくなります。

改定されていない場合の相談先

最低賃金は法律で定められた下限です。これを下回る金額での契約は、たとえ双方が合意していても無効となり、最低賃金額と同額の定めをしたものとみなされます。

発効日を過ぎても改定されていない場合は、まず勤務先に確認してください。解決しない場合の相談先は、お住まいの都道府県労働局または最寄りの労働基準監督署です。

交通費や手当は最低賃金に含まれるのか

最低賃金額と比べるのは、毎月支払われる基本的な賃金です。次のものは、比較の対象から除かれます。

  • 通勤手当
  • 家族手当
  • 精皆勤手当
  • 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
  • 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
  • 時間外労働、休日労働、深夜労働に対して支払われる割増賃金

交通費を足せば最低賃金を上回っている、という計算は成り立ちません。手当を除いた基本の時給で判断してください。

関連記事:2026年に変わったお金の制度まとめ|最低賃金から給付金まで12項目

まとめ:自分の県の発効日と時給を10月に確認しよう

2026年度の最低賃金は、10月以降に都道府県ごとに順次発効します。全国一斉ではなく、前年度は10月1日から翌年3月31日まで開きがありました。

目安は、Aランク54円、B・Cランクが56円です。目安どおりなら全国加重平均は1,176円、上昇額55円、引上げ率4.9%となり、前年度の66円・6.3%より上げ幅は縮まります。ただし今回は中央で金額の意見が一致しておらず、地方の審議で目安から離れる県が出る可能性があります。

もし1つだけ確認するなら、自分の県の発効日です。10月1日に上がる県もあれば、年をまたぐ県もあります。発効日さえ分かれば、あとは給与明細で時給が実際に上がっているかを見るだけで済みます。上の一覧は目安からの試算であるため、都道府県労働局が確定額を発表したらそちらで確かめてください。

時給が上がれば、同じ時間だけ働いても年収は5万円から8万円ほど増えます。扶養の範囲で働いている方は、働く時間をどうするかを秋までに考えておくと慌てずに済みます。

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