物価が高騰する現在、経済圏をうまく利用してお得に暮らしたいと考える人は多いでしょう。
クレジットカードやネット通販、スマホ決済やネット回線など、日々の暮らしのあれこれを1つの経済圏にまとめることで、ポイントの優遇が受けられたり様々な割引が適用されたりと、たくさんのメリットを得ることができます。
暮らしに直結するサービスを扱うことから、どの経済圏を選ぶかは非常に重要です。
そこで本記事では、経済圏を選ぶポイントと、人気の5大経済圏について徹底解説します。
経済圏を選ぶポイント
まずは経済圏を選ぶポイントを解説していきます。
① 各サービスの内容
最も重視するべきものは、各サービスの充実度です。
お得さを気にするあまり、使いにくいサービスを使い続けるのはストレスです。
満足できるレベルのサービスを提供しているかをチェックしましょう。
➁ 自分の生活圏との相性
自分の暮らしている土地との相性は大切です。
例えば、経済圏に合わせてスマホのキャリアを変更したけれど電波が通じにくかったり、銀行口座を開設したけれど手数料のかかるATMしか近くにないなど、環境によってもお得な経済圏は変わってきます。
経済圏の実際のサービス内容を、普段の暮らしに当てはめてみましょう。
③ ポイントの貯めやすさ
経済圏に入るメリットは、ポイントが貯まりやすくなることで実質節約に繋がるという点です。
定価が同じ商品を購入しても、ポイント還元の大きさでお得さは大きく変わってきます。
ポイント還元率が上がるシステムは、各経済圏によって異なります。
自分が経済圏に入った場合にどの程度ポイントが貯まるのか、シミュレーションしてみましょう。
④ ポイントの使いやすさ
せっかくたくさんのポイントを貯めても、使い道がなければ意味がありません。
ポイントには有効期限があるものもあり、期限までに使い切れなければ失効してしまいます。
ポイントの貯めやすさだけでなく、貯めた後にどう使えるかも確認しておきましょう。
5大経済圏の比較
人気の5大経済圏について、詳しく解説します。
① 楽天経済圏
画像引用元:楽天市場
特に理由がない限り、楽天経済圏を選んでおけば損することはありません。
それくらい、サービス内容とポイント還元率が他の経済圏よりも抜きん出ています。
サービスの種類(主要なものを抜粋) | ・楽天市場 ・楽天カード ・楽天モバイル ・楽天銀行 ・楽天証券 ・楽天ペイ ・楽天ひかり ・楽天でんき 他70以上のサービスを展開 |
貯まるポイント | 楽天ポイント |
クレジットカード還元率 | 通常1.0% |
ポイント加盟店数 | 約500万箇所(2022年7月) |
ポイントの使い道 | ・楽天市場での買い物 ・楽天カード、楽天モバイルなどの請求に充当 ・楽天ペイで各種税金などの支払いに充当 ・楽天証券で投資に充当 ・ポイント運用 ・楽天ウオレットで暗号資産購入 ・街中の加盟店で利用 |
楽天市場のポイント還元率は、他のECサイトと比べてもずば抜けて高く、楽天スーパーセールなどのイベント時には最大50%近くになることもあります。
注目すべきは、SPU(スーパーポイントアッププログラム)というシステムです。
楽天のサービスを利用するごとに、ポイントが常時最大16倍となります。
楽天カード、楽天モバイル、楽天銀行…と利用するサービスが増えれば増えるほど、ポイント還元率も上がります。
楽天ポイントの利用先も街中に幅広くあり、楽天カードや楽天モバイルの請求額にも充当できるので、無駄なく使うことができます。
楽天経済圏で貯めたポイントを楽天経済圏内で使える仕組みが整っているのは、大きなメリットです。
1つ1つのサービスの質も高く、楽天経済圏を意識しない人でも、サービスそのものに利用する価値があります。
経済圏を決めかねている人にはまずおすすめしたい、お得な経済圏No.1です。
メリット | デメリット |
・楽天市場のポイント還元率が高い ・楽天のサービスを使うほどポイント還元率が上がる ・楽天証券でクレジットカード投資が可能 ・楽天ポイントの使い道が豊富 | ・大手キャリアに比べると、楽天モバイルの通信がやや不安定 ・貰えるポイントは期間限定ポイントが多い |
楽天経済圏の始め方はこちらから。
「楽天カード」はとにかくポイントが"貯まりやすい"からおすすめ!
- 100円につき1ポイントがもらえる
- 貯めたポイントはお買い物に使える
- ポイントは月々の請求支払いにも使える
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➁ PayPay経済圏
画像引用元:PayPay公式サイト
楽天経済圏に次いで人気なのが、ソフトバンクグループのPayPay経済圏です。
普段から決済手段としてPayPayを利用している人には、メリットが多くあります。
サービスの種類(主要なものを抜粋) | ・Yahoo!ショッピング ・PayPayカード ・ワイモバイル ・ソフトバンク ・PayPay銀行 ・PayPay証券 ・PayPay ・ソフトバンク光 ・ソフトバンクでんき |
貯まるポイント | PayPayポイント |
クレジットカード還元率 | 通常1.0% |
ポイント加盟店数 | 約410万箇所(2023年4月) |
ポイントの使い道 | ・PayPayでの実店舗支払いに充当 ・ネットサービスの支払いに充当 ・PayPay証券で投資に充当 ・ポイント運用 |
Yahoo!ショッピングは、PayPayもしくはPayPayカードで決済すると毎日5%還元です。
難しい条件をクリアする必要がなく、1点買いでも適用されるので初心者にも分かりやすい仕組みになっています。
また、クレジットカードのPayPayカードには、「PayPayカード ゴールド」というゴールドカードがあり、ソフトバンクのスマホやソフトバンク光の利用料金の最大10%のPayPayポイントが還元されるなど、ソフトバンクユーザーも優遇されています。
PayPayポイントには有効期限がないので、失効する心配がないのも大きなメリットです。
楽天経済圏に次いで人気の経済圏ですが、銀行・証券などの金融系サービスがやや弱いのがデメリットと言えます。
メリット | デメリット |
・Yahoo!ショッピングは1点買いでも高還元 ・PayPayユーザー、ソフトバンクユーザーにメリットが多い ・PayPayポイントは有効期限がない | ・PayPayユーザー以外にはメリットが少ない ・PayPay証券はNISA非対応 ・PayPay銀行の金利が低い |
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③ ドコモ経済圏
画像引用元:NTTドコモ公式サイト
ドコモ経済圏は、NTTドコモが運営する経済圏です。
ドコモ経済圏では、「dポイント」が貯められます。
大手キャリアということもあり、スマホや光回線のサービスの質は最高峰です。
サービスの種類(主要なものを抜粋) | ・dショッピング ・dカード ・ドコモ ・ahamo ・日興フロッギー+docomo ・THEO+docomo ・d払い ・ドコモ光 ・ahamo光 ・ドコモでんき |
貯まるポイント | dポイント |
クレジットカード還元率 | 通常1.0% |
ポイント加盟店数 | 約448万箇所(2023年3月) |
ポイントの使い道 | ・dポイント加盟店での支払い、d払いに利用 ・dショッピングでの買い物 ・iDキャッシュバックでdカードの支払いに充当 ・ポイント投資 ・日興フロッギー+docomoで株を購入 ・THEO+domomoで投資 |
d払いの基本の還元率は0.5%ですが、支払い方法をdカードに設定することで、還元率が+0.5%となります。
また、ドコモユーザーであれば「ステップボーナス」によって、毎月のd払いの決済回数(200円以上)に応じて、さらに最大+1.5%のポイント還元が得られます。
最大で合計2.5%還元となりますが、還元率を最大にするには月に80回以上d払いでの決済が必要であるなど、ハードルは高いです。
d払いを利用して毎週金・土曜日の「d曜日」に対象のサイトで買い物をすると、3%のポイント還元がプラスされます。
PayPay経済圏と同じく、「dカード GOLD」の保有でドコモ利用料金・ドコモ光利用料金の10%がdポイントで還元されるので、ドコモ利用者にはメリットが多いです。
銀行・証券の単独での提供はなく、金融サービスにおいてはやや弱いですが、dポイントで株を購入できる「日興フロッギー+docomo」やロボアドバイザーの「THEO+docomo」をSMBC日興証券と提供するなど、dポイントで資産運用をするシステムは整っていると言えます。
筆者も「日興フロッギー+docomo」と「THEO+docomo」を利用していますが、期間限定ポイントで投資ができるというメリットが非常に大きいと感じています。
メリット | デメリット |
・通信品質が最高峰 ・ドコモユーザーはd払い最大2.5%還元 ・dポイント加盟店が多い ・期間限定ポイントを投資に使える | ・ドコモユーザー以外にはメリットが少ない ・銀行、証券の単独サービスはない ・dショッピングの品揃えが楽天市場などよりも少ない |
④ au経済圏
画像引用元:au公式サイト
au経済圏は、auが運営する経済圏です。
au経済圏では、「Pontaポイント」が貯められます。
同じ大手キャリアのドコモ経済圏と比べて、金融系サービスに強いのがメリットです。
サービスの種類(主要なものを抜粋) | ・au PAYマーケット ・au PAYカード ・au・povo ・UQモバイル ・auじぶん銀行 ・auカブコム証券 ・au Pay ・auひかり ・auでんき |
貯まるポイント | Pontaポイント |
クレジットカード還元率 | 通常1.0% |
ポイント加盟店数 | 約28万箇所(2023年4月) |
ポイントの使い道 | ・Pontaポイント加盟店での支払い、au PAY支払いに利用 ・au料金の支払いに充当 ・au PAYカードの支払いに充当 ・auカブコム証券で株や投資信託を購入 |
au PAYの基本の還元率は0.5%ですが、au PAYゴールドカードを利用してチャージした場合には、+1%の還元が得られ、合計1.5%還元となります。
また、毎月5のつく日と8日は「たぬきの吉日」が開催され、auユーザーなら+4.5%、UQモバイルユーザーなら+2.5%の還元があります。
さらに、au料金の支払いを PAYゴールドカードで行うと、利用料金の最大11%が還元されるなど、auユーザーにメリットが多くなっています。
au PAY、au PAY カード、auカブコム証券をそれぞれ指定の方法でauじぶん銀行と連携すると、円普通預金の金利が最大で通常の200倍の年0.20%になるなど、金融系サービスに強いです。
auカブコム証券は、au PAYカードで投資信託の積み立てができ、1%のポイント還元があります。
これは、楽天証券で年会費無料の楽天カードで積み立てを行うよりも高還元のため、クレジットカードでの投資信託購入を考えている人にもメリットがあります。(楽天証券で常時1.0%還元となるのは、年会費1万1,000円の楽天プレミアムカードのみ)
メリット | デメリット |
・auユーザーはauPAY最大5.0%還元 ・金融系サービスに強い ・投資信託のクレジットカード積み立てで1.0%還元 | ・auユーザー以外にはメリットが少ない ・Pontaポイント加盟店数がやや少ない ・au PAYマーケットの品揃えが楽天市場などよりも少ない |
⑤ イオン経済圏
画像引用元:イオン株式会社
イオン経済圏は、イオン株式会社が運営する経済圏です。
イオン経済圏を除いた4つの経済圏が「4大経済圏」と呼ばれることが多いですが、イオン経済圏もその規模をどんどん拡大し、ポイントの使い道も広がってきていることから、本記事では合わせて解説します。
サービスの種類(主要なものを抜粋) | ・イオンネットスーパー ・イオンカード ・イオンモバイル ・イオン銀行 ・AEON Pay ・実店舗(イオン、マックスバリュ、まいばすけっと、ダイエー、ミニストップ、ウェルシアなど) |
貯まるポイント | WAON POINT/WAON ポイント |
クレジットカード還元率 | 通常0.5% |
ポイント加盟店数 | 約1万箇所(ショッピングモール全体で1箇所とカウント) |
ポイントの使い道 | ・WAON POINT加盟店での支払い ・電子マネーWAONにチャージ ・AEON Payの支払いに充当 ・Tポイントに交換 |
イオン経済圏は、他の経済圏に比べて規模が小さく、ポイント加盟店はまだ少ないのが現状です。
しかし、イオンを普段から利用している人は確実にお得になるので、他の経済圏と合わせて利用するのがおすすめです。
筆者もイオンのヘビーユーザーのため、イオンカードを保有し日々お得に暮らしています。
イオンカードは基本の還元率が0.5%ですが、イオングループの店舗で利用することで還元率が0.5%UPします。
また、毎月5のつく日の「お客さまわくわくデー」や10日の「ありが10デー」など、ポイントUPするイベントやキャンペーンが多く開催されています。
さらに、CMなどでも見かける「お客さま感謝デー」は買い物が5%割引になるので、生活費の削減の味方になります。
加えて、イオン㈱の株主優待でもらえるオーナーズカードを買い物のときに提示すると、買い物額の3%~7%が後日現金でキャッシュバックされます。
イオンカードの中でも「ミニオンズデザイン」を選ぶと、イオンシネマの大人料金1,800円が1,000円と大幅に割引されるので、映画を良く見る人にもおすすめです。
貯まるポイントは「WAON POINT」ですが、2023年4月よりTポイントへの交換が可能になり、ウエルシア薬局でもWAON POINTが利用可能になりました。
人気の「ウェル活」にも使えるようになったことから、WAON POINTの価値が急上昇しています。
電子マネーWAONも、イオングループの店舗で利用すると還元率1.0%になります。
イオンカードの中でも「イオンカードセレクト」を選ぶと、イオン銀行の口座からのオートチャージ設定が可能になり、オートチャージで+0.5%還元されるので、電子マネーWAONの還元率が最大1.5%になります。
イオン銀行で住宅ローンなどの対象ローンの借り入れをしている人が利用できる「イオンセレクトクラブ」も、2023年3月に拡充されました。
以前は5年間限定だった「買い物5%割引」の特典が、住宅ローン完済まで得られるようになっています。
イオン銀行の「イオン銀行Myステージ」は、イオン銀行で対象となる取引をすることで貯まる「イオン銀行スコア」に応じて特典を受けられるサービスです。
最高位の「プラチナステージ」であれば、イオン銀行の預金金利が年0.1%に上昇するうえ、他行ATMの利用手数料や他行への振込手数料が月5回まで無料になります。
イオン経済圏は、クレジットカードや銀行などの金融系サービスに強く、食料品など日々の買い物がお得になるので、イオンを普段から利用する人にはぜひおすすめしたい経済圏です。
メリット | デメリット |
・日々の買い物で割引やポイント還元がある ・イオン銀行の金利が高い ・クレジットカードのイオンシネマの割引率が高い ・WAON POINTはウェル活にも使える | ・イオンユーザー以外にはメリットが少ない ・クレジットカードの基本還元率が0.5%と高くない ・WAON POINTの加盟店が少ない |
おすすめは楽天経済圏!おすすめの理由
これまで、5つの経済圏の特徴について解説しました。
この中で、最もおすすめなのは楽天経済圏です。
その理由は以下の5点です。
① サービス品質が高い
各サービスそのものの質が高く、経済圏を特に意識しない人でも利用する価値があります。
唯一の懸念は楽天モバイルの通信品質ですが、100%を楽天経済圏に揃える必要はないので、スマホのみ他社で契約しても全く問題ありません。
➁ 楽天市場のポイント還元が非常に高い
楽天経済圏で最もポイント還元が高いのは楽天市場ですが、通販サイトというその特性から、日本全国どこからでも同じシステムでポイント還元が受けられるという点が、多くの人に選ばれている理由であると言えます。
コロナ渦を経て、通販事業の需要はますます高まっており、利用者も増えていることから、今後もサービスが大幅に低下することは考えられにくいです。
③ 金融系サービスが強い
2024年より新NISAがスタートすることもあり、銀行・証券分野の需要もますます高まっています。
証券口座は楽天証券とSBI証券の2強と言われており、筆者も楽天証券を使っていますが、非常に使いやすく貯まった楽天ポイントも投資に利用できるため、これから投資を始める人にもおすすめしたい証券会社です。
④ 楽天経済圏内でポイントの使い道が豊富
街中の加盟店もたくさんありますが、楽天ポイントは楽天経済圏の中のサービスでも使い道が豊富です。
前述した楽天市場の買い物や楽天証券での投資はもちろん、楽天ペイで税金が支払えるようになり、楽天ポイントも支払いに充当できることから、ますます使い道が広がっています。
これだけ豊富な使い道があれば、期限切れで失効してしまう心配もありません。
⑤ 他の経済圏との組み合わせも可能
経済圏は、必ずしも1つにまとめる必要はありません。
自分の生活に合わせて、それぞれの経済圏の「いいとこどり」が可能です。
例えば筆者は、スーパーセール時に合わせて楽天市場でまとめ買い、楽天カードと楽天証券で積み立てNISA、楽天ペイで税金支払いなど、楽天経済圏をメインで利用する一方で、普段の買い物はイオン経済圏でお得に食料品などを購入しています。
楽天経済圏をメインとしつつ、他の経済圏で補うという方法が、一番メリットの多い使い方であると言えます。
まとめ:自分に合った経済圏でお得に暮らそう!
今回は、経済圏を選ぶポイントと人気の5大経済圏について解説しました。
・経済圏は、サービス内容、自分の生活圏との相性、ポイントの貯めやすさと使いやすさで選ぶ ・それぞれの経済圏に独自のポイント還元があり、金融、通信、買い物など強いサービス分野が異なる ・経済圏は必ずしも1つにまとめる必要はなく、それぞれの「いいとこどり」も可能 ・楽天経済圏をメインとしつつ、他の経済圏で補うという方法が、一番メリットの多い使い方 |
自分の生活に合った経済圏を選ぶことで、いつもの暮らしが何倍にもお得になります。
無理のない形で経済圏を利用する仕組みを作り、ポイントを効率よく貯めていきましょう。
ライター名:おうちでお金を育てる暮らし とまとかん
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